俺がカイドウの息子…?   作:もちお(もす)

98 / 116
『組分け』
・ナミ、ロビン、サンジ、ゾロ、ウソップ
・キラー、キッド、ルフィ、ブルック、チョッパー
・フランキーは船番(何かあれば迂回して待避先の確保)


突入、怪しい研究所

 

 

 

 

雪山の洞窟へ辿り着いたキラー達は辺りをキョロキョロと見渡していた。

 

 

「あれ…ウソップ達いねぇぞ……?

そこの洞窟いっぱい嫌なのいるし、なんかあったんだよ!ルフィどうしよう!!」

 

不安げに揺れる瞳でチョッパーが見上げると、ルフィはあっけらかんと返す。

 

 

「大丈夫だ、チョッパー!

ゾロもサンジもいるんだ、問題ねェよ。

多分先に中入ってんだ。」

 

そう言って笑うルフィに少し肩の力を抜いたチョッパーの横でブルックが洞窟の方をじっと見ている。

 

 

「あのカラフルな“何か”は、キラーさんの予想通り本当に音に反応してるみたいですね~…」

 

ブルックは気味が悪いと“何か”から目をそらしてルフィの側へよる。

 

その後方ではキラーが洞窟の入り口で跡を見つけて、手で合図をだしていた。

 

それに気づいたルフィ達が洞窟へ向かうと、薄暗い洞窟の壁にうっすらと傷がある。

 

 

「……音を立てるなという文字と、矢印が彫ってあるな…

それにこのマークは……」

 

ギリギリ聞こえるか聞こえないかの声で話すキラーに、チョッパーも興奮ぎみになりながらも小さな声で返す。

 

 

「それ、ウソップだ。

麦わら帽子とミカンをこんなに上手く岩に彫れるのウソップぐらいだし!」

 

「……そうなのか。

キッド、どうする?

罠の可能性も0ではないが……」

 

キッドに問い掛けていると、ルフィが矢印の方へどんどん歩いて行ってしまう。

 

キッドとキラーは思わず怒鳴りたくなる気持ちをぐっと堪え、ルフィの方へ距離を詰めると首根っこを捕まえた。

 

 

「麦わらァ、何勝手に…」

 

「何って、矢印はコッチ向いてるんだぞ?

ゾロ達と合流するなら進むしかねぇだろ。」

 

「罠の可能性を考えて…」

 

キラーが苦言を呈しようとしたが、ルフィは首を傾げながらその言葉を遮った。

 

 

「どっちにしろ行かないと進めねぇだろ。

立ち止まってたって解決しねぇよ!」

 

キッドとキラーが返す言葉を詰まらせた瞬間だった。

 

後ろから大量の何かが蠢く気配にハッとチョッパーとブルック、キラーとキッドが振り返ると

ルフィの声に反応した“何か”達がぞろぞろと流れ込んで来ていた。

 

 

「やべぇ…!」

 

「クソッ……麦わらてめぇ、声でけぇンだよ!!」

 

「揉めてる場合かキッド!

こうなったら走るしかないぞ!!」

 

「うわ~~!あれ怖ぇ~~!!」

 

「イヤ~~~~!!

ルフィさんチョッパーさん逃げましょう!?」

 

キラー達は矢印の指す洞窟の奥へと走り出すのだった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

“コラサン”と名乗る男に導かれるがまま薄暗い部屋に辿り着いたナミ達は、そこでこの工場で作られているSMILEの“insect ver.”や“beetle ver.”という兵器のことについて話を聞かされた。

 

そして、その流れのまま渡されたある書物に目を通すこととなっていた。

 

 

───────────────────

 

ー1ー

新しく雇い主となった、ドンキホーテ・ドフラミンゴに百獣では許されなかったワタシの研究について話をしたら

彼は指定した数の兵器を作れば、この研究をしても良いと約束をしてくれた。

 

この研究が成功すれば、ワタシは怯えなくてすむ。

安心が手に入る。もうあの恐ろしい赤の色の瞳と黒色の血生臭い手を思い出して魘されることはなくなる。

 

必要なのはワタシを守るもの。

翼をもつ冷酷な黒色に蝕まれぬように囲うのだ。

 

ドフラミンゴという後ろ楯は大きいが、あれはワタシを守らない。

 

裏切らないものたち。創らなくては。

大丈夫だ、ワタシはあれを生き延びたのだから。

 

 

ー2ー

駄目だ。全て駄目。

なぜ成功しないのか。何が悪い?ワタシが悪いのか?

いや、そんなことはない。ワタシが悪い筈がない。

“素体”が悪いんだ。間違いない。

 

子どもは使えないのかもしれない。純粋すぎて適応出来ない?

意思の強さ。汚い人間の方がいいのか。

試そう。ドフラミンゴならば新しい“素体”の調達は難しくない筈だ。

 

新しい兵器も作らなくては。とびきり人を不幸にできるものを。

 

───────────────────

 

 

 

「なに、これ…?」

 

本の形の書物を開き、二枚のページを読んだナミの疑問の声に、コラサンは神妙な顔で言葉を返す。

 

 

「重要なのは、その先なんだ。

…38ページ目から読んでくれ。」

 

ナミ達は訝しげな顔になりつつも、促されるまま書物を捲っていった。

 

 

 

───────────────────

 

ー38ー

成功した。

やはり“素体”が悪かった。

 

今まで男も女も子供も老人も全部駄目だった理由が分かった。

ワタシに祝福された(・・・・・)“素体”でなければならなかったのだ。

 

あとはこの“なり損ない”を完成させるだけだ。

 

 

ー39ー

最悪な事態だ。

“なり損ない”には理性がない。

考える力がないのだ。

 

命令をすれば動きはするが、それだけだ。

これではワタシを守れない。冷酷な黒色にワタシは今度こそ殺されてしまう。怖いこわい恐いこわいこわいこわいこわい

 

 

ー40ー

ワタシは“なり損ない”に()った。ワタシに使われた治療薬と同じようなモノを創って。

すると“なり損ない”に僅かに理性が戻った。

 

素晴らしい結果だ。

ワタシはあのレオヴァサマだけが創れた治療薬を創り出した。

やはりワタシには彼に並び立てるほどの頭脳があるのだ。

クイーン処かベガパンクにもワタシは劣らぬ存在。

 

“なり損ない”だったこれらは“プロトタイプ”と呼ぶ。

完成までもう少しだ。

 

 

ー41ー

プロトタイプはすぐ死んでしまった。

一人じゃ駄目だった。耐えられないんだ。

 

だから、くっつけた。

一人で駄目なら二人にすればいい。二人で駄目ならもっと。完璧な発想だ。

手始めに7体ほど作ろう。

 

 

ー42ー

二人にしたプロトタイプは5体死んだ。

残りは2体。なぜこの2体しか残らなかった?

 

血液型、性別、人種。全部試そう。

年齢も試したいが“なり損ない”の数が足りない。

 

まずは10体ほど作った。

人種もそこそこ違う。血液型も取り揃えた。

 

 

ー43ー

10体全てが死んだ。残ってるのは初めの2体。

 

この2体に共通するのは、合わせた“なり損ない”が親族だったことだ。

 

一匹目は母親と息子。二匹目は祖母と孫。

もしかしたら、血液の適合が必要なのかもしれない。

 

今日産まれた“なり損ない”の兄弟で試そう。

 

 

ー44ー

兄弟で創ったプロトタイプは生きている。

 

仮説は正しかったんだ。やはり“家族”が鍵になっている。

 

今日は母親と父親と娘の三匹の“なり損ない”でプロトタイプを創ろう。

 

 

ー45ー

完全にプロトタイプは安定した。

死んでしまう個体は出ていない。

どれも元気に肉を食べて唸っている。素晴らしい。

 

次に進もう。

今のままでは弱すぎる。ワタシを守るには強くなくては。

翼のある冷酷な黒色はとても強く、大きい。

プロトタイプでは盾にもならない。

 

 

ー46ー

プロトタイプをミンチ機にかけた。

ワタシと同じように再生を繰り返せば強くなるかもしれないと思ったからだ。

 

実験は成功だ。

前は人の形に近かったが再生の過程で変化した。

 

人形のように色んな形でカラフル。

黒色が嫌いなワタシにぴったりの本当に素晴らしい結果だ。

目のような形が浮かんで来たのは想定外だが、大した問題ではない。

 

これはほぼ完成だ。“ドールズ”と名付けよう。

このまま何度も細切れにして再生させれば、もっと頑丈に…

 

─────────────────

 

 

 

ここでナミは耐えきれずに書物を閉じた。

共に読んでいたウソップとサンジ達の顔色もナミと同じく優れない。

 

ショックで言葉を発せないナミに代わり、ロビンはコラサンを見る。

 

 

「……あのドールズ達は、人間なのね。」

 

「………あぁ。

もっというなら複数の人間だったモノだ。」

 

肯定されてしまった信じたくない事実に、そこにいた全員が口を閉じた。

重々しい沈黙が流れる中、コラサンはそっと書物を懐に戻す。

 

 

「……これが今、おれの知ってる全てだ。

見せる前に話した兵器だけじゃない。

この場所では最悪な実験もされてる。

…おれは此処を破壊したいんだ。悲劇を……断ち切りたい。」

 

コラサンはもう一度、まっすぐナミ達を見つめる。

 

 

「おれ一人では此処を破壊しきれない。

この地獄を終わらせられないんだ。

……手を貸してほしい、“麦わらの一味”に。」

 

麦わらの一味はまっすぐなコラサンの瞳を見つめ返した。

 

 

──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

こぽこぽと怪しげな音を立てる機械の中に浮かぶ生命体を眺める白衣の男のいる部屋の扉が開く。

 

扉を開けた女性はシャルトルーズグリーン色の綺麗な髪を揺らしながら部屋に入って来た。

 

腕は翼になっており、足も鳥のような形をしているが彼女は実験体ではなくハーピーという種族の助手である。

 

 

「イネット先生、新しい“素体”が届きました。」

 

イネットと呼ばれた白衣の中年の男は青白い顔で振り返ると、光のない目を嬉しげに歪めた。

 

 

「それハ上々、ワタシのドールズがまた増えマすね!

研究も進めば工場も安定しますシいいことばかり。

モネは優秀で助かりマす。」

 

「いえ、私はお手伝いしか出来ませんから。」

 

「ン~~、謙虚なのハ素晴らしいコトですよ。

レオヴァサマも言ってました。謙虚さは大切ダと!!

欲にまみれてはイケない。そう裏切りハ駄目なんデスよ。そう、そう。」

 

謙遜するモネと呼ばれた女性の方を向きながら何度も頷くと、イネットはまた試験管に手を伸ばしながら目だけをギョロギョロと動かす。

 

 

「裏切りは駄目。とテも良くなイこと。

モネ、研究所に気配が増エたんです。ワタシの知らない気配。」

 

「…それはヴェルゴが様子を見に来たからじゃないでしょうか?」

 

「ヴぇるご?ア…アァ。彼ね。

サングラスの男、でもワタシ。彼あマり好きじゃナイ。

彼にハ欲がない。レオヴァサマ好みノ部下、あああ……本当に妬まシい。

ネ?そう思いマすよね、モネ?」

 

「…そうですね、イネット先生。

でもきっと、研究を続ければ総督補佐官様もまた認めて下さると思いますよ?」

 

モネの言葉を聞くと忙しなくギョロギョロと動いていた目がピタリと止まり試験管を見つめた。

そのままイネットは口の境目が分からないほどに口角を上げた。

 

笑っているのか泣いているのか、人間という存在からズレた表情になったイネットを見ても、モネは微笑みを崩さない。

 

 

「そウかな?いや、そうデすよね。

レオヴァサマもワタシをまタ必要とすルでしょう。

すまナかったイネット、戻って来テくれ……そう言ってクれる!!アァ……黒色から完全にワタシを救えるのは彼だケ。

……あ、忘れテました。モネ、貰ってキてくれマしたか?」

 

試験管を見ていたイネットが首を180度回転させると、モネは慣れたように電伝虫を差し出した。

 

イネットはそれを受け取るとまた奇妙な笑みを浮かべる。

 

 

「今回はレオヴァサマ、どんナ話したのか…

ドフラミンゴと話す姿シか見れなイの残念ですケど。

……モネ、これ何分ありマす?」

 

「今回も3分間の録画です。」

 

「……ンン~~3分、そう。

やっぱり3分が限界ナんですか?」

 

少し不満げな声を出すイネットに、モネは申し訳なさそうに顔を伏せる。

 

 

「ごめんなさい、イネット先生。

総督補佐官様にバレずにとなると3分が限界で……」

 

「そう、そう……

いいんデすよモネ。アナタは頑張っテくれてます。

ホントなら、ワタシはレオヴァサマの声を聞くコトは許されナい身なんですカラ。

3分でモ御守りにナりますよ。」

 

受け取った電伝虫を大切そうに机の上に置くと、イネットはまたモネを振り返った。

 

 

「では、これで報告は以上ですカ?」

 

「えぇ、イネット先生。

また何かあればお伝えに参ります。」

 

「お願いシますね。」

 

綺麗なお辞儀をしたモネからイネットは視線を外し、電伝虫をいじり出す。

 

モネは邪魔をしないように部屋をそっと出るのだった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

パンクハザード研究所、客間にて。

 

坊主にサングラスというイカツイ風貌の男が電伝虫から聞こえる声に耳を傾けていた。

 

 

「…ってワケだ、ヴェルゴ。

お前も時期を見てそろそろ帰って来い。

いつも見たいに死んだように見せかけても構わねェが…まぁ、そこは任せる。

レオヴァもお前に会ってみてぇと言ってたしなァ。

フッフッフッフッ…」

 

楽しげな声を出すドフラミンゴにヴェルゴと呼ばれた男は嬉しげに笑う。

 

 

「そうだったのか。

なら、適切なタイミングでドフィの下に帰るよ。」

 

「帰って来たらお前の好きなハンバーガーのセットでも食うか。

最近、ごはんバーガーだとか色んなバーガーのレシピをレオヴァが持ち込んで来て種類も増えたんだ。

食べ比べも悪くねぇだろ?」

 

「それは楽しみだ…!」

 

「フッフッフッ!歓迎の準備をして待つから、戻る時は連絡を寄越せよ?ヴェルゴ。」

 

「ありがとう、ドフィ。

また君の隣で過ごせる日が待ち遠しいな…」

 

しみじみとした声をあげるヴェルゴに電伝虫が笑う。

 

 

「……長らく苦労かけたな、ヴェルゴ。」

 

「フッ……おれは一度も苦労だなんて思ったことはないさ、ドフィ。」

 

普段の胡散臭く抜け目のない雰囲気とは違うドフラミンゴの小さな笑みを電伝虫は真似る。

 

ヴェルゴはそれに嬉しげにサングラスの下の目を細めた。

 

 

「と、すまない。ドフィ…話がそれてしまったな。

預かっていたレオヴァとの会談を映した電伝虫はモネに渡した。

今、イネットに渡しに行ってるよ。」

 

「そうか。

にしてもレオヴァに捨てられた(・・・・・・・・・・)ってのに、レオヴァの映像が欲しいなんてなァ。」

 

哀れだと嗤うドフラミンゴの言葉にヴェルゴは肯定を返す。

 

 

「きっと捨てられた事にすら気付いていないんだろう。

モネから聞いた話だが。

奴は酷い拷問にあっていた所を、レオヴァがストップをかけてドフィとの仕事を取り付けてくれた……と思っているようでな。」

 

「フッフッフッフッ…知らぬが仏ってやつか。

モネは良くあいつをコントロール出来てるみてぇで何よりだ。」

 

満足そうな声にヴェルゴは嬉しげに笑いつつ、時計へ目をやる。

 

 

「そろそろ戻らないといけない時間か…

また何かあれば連絡するよ、ドフィ。

長々と付き合わせてしまってすまない。」

 

「もう、か。

いや構わねェさ、ヴェルゴ……任せたぞ。」

 

「あぁ、任せてくれ。」

 

力強く返事をすると、ガチャリと電伝虫が切れる。

数秒、ヴェルゴは電伝虫を名残惜しげに見つめたが部屋の扉がノックされる音で意識を切り替える。

 

 

「入るわよ?」 

 

その声と共に扉が開きモネが部屋へと入って来た。

 

 

「……あら?

若様との連絡は終わってしまったの?」

 

「あぁ、長く引き止める訳にはいかないからな。」

 

「そう……残念。」

 

話したかったとわずかに眉を下げるモネに、ヴェルゴは少し悪いことをしたか…と思いつつも仕事に気持ちを切り替える。

 

 

「……で、工場の方はどうなんだ?」

 

「問題ないわ。

若様の命令通り発注する数の1.5倍の兵器が生産出来てるから、想定外の注文にも応えられる。」

 

モネの返事にヴェルゴは頷くと、机の上にある書類に手を伸ばした。

 

そして、その内容についてモネへ質問しようとした時。

ドンドンとノックにしては大きい音と共に、部下の慌てた声が扉越しに届いた。

 

 

「も、モネ様!!

侵入者ですっ…!至急監視室へ!!」

 

緊急事態を知らせる部下の声にモネとヴェルゴの表情に鋭さが宿る。

 

二人は部屋を出ると部下を置き去りにして、足早に監視室への道を進んだ。

 

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

耳が痛くなりそうなほど煩い警報音が鳴り響く廊下をルフィは走っていた。

 

 

「やべぇ!潜入出来なくなっちまった…!」

 

落ち込んだ様子で走るルフィと並走していたキッドとキラーは額に血管をピキピキと浮かばせている。

 

 

「てめぇが入り口分からねェからって壁を壊したせいだろうが!!!この馬鹿猿がッ!!」

 

「あれほど慎重に動けと言っただろう、麦わら!!!」

 

怒りを通り越して殺気を放ちそうな雰囲気の二人の後ろをブルックが走る。

 

 

「ヨホホホホ~~!

もうこうなってしまった以上、後戻りは出来ません!

スピード勝負ですよ皆さん。守備を固められる前に目的を果たしてしまいましょう!」

 

「そうだな、ブルック!

よ~~し!イトットはどこだ~~!!!」

 

「ルフィ、イトットってなんだ!?

イネットだぞ~~!」

 

「あ、そっか!

イネット~~!出てこ~い!!」

 

走る速度を上げるルフィに必死について行きながらチョッパーが訂正を入れると、キラーとキッドが同時に叫んだ。

 

 

「「おい、その名前を叫ぶな!!!」」

 

どこで見られているかも分からない状況で目的の人物の名前を叫ぶルフィにキレながら2人も広い廊下を走る。

すると目の前に頑丈な大きな扉が現れた。

 

10メートルはある扉はもはや門といって問題ないレベルの大きさで、軽くキラーが押してもビクともしない。

 

 

「どうやって開けるかだな…」

 

「よし、任せろ!」

 

ルフィが前に出ようとするのをキッドが阻む。

 

 

「ふざけんな!!

てめぇに任せられるワケねェだろ!!」

 

「なんでだよ!!

これぶっ壊せばいいんだろ?

なら、おれに任せろ。」

 

ドドンと胸を張るルフィにキッドの額の血管が切れかける。

もう我慢ならないと、ガシッとルフィの服の襟を掴んで暴言を吐こうとした時だった。

 

大きな扉が機械音を上げながら開いたのだ。

 

キッド達は何事かと、一斉に扉の方を振り返る。

 

 

「おぉ~!開いた!」

 

「何で開いたんだよ~!怖え~~!」

 

チョッパーがわたわたし始めると、いつの間にか扉の側にいたブルックが振り返る。

 

 

「なんか、これピッとしたら開きました。」

 

「!?

そんなモンいつ手に入れたんだ!!」

 

キッドが驚きに目を開くと、ブルックはカードキーを懐に戻しながら答えた。

 

 

「キラーさんが切ったのが、後ろにいた私にかかった時あったじゃないですか!

その時不気味な“何か”さん達の中から出て来たみたいで

も~~本当に気味が悪いし怖いし…

その切った“何か”さん、またウネウネ動きながら襲ってきたんで思わず捨てずに持って来ちゃってたんです。」

 

「……そんな偶然、あンのかよ…」

 

少し力の抜けた声を出すキッドの手からスルリと抜け出すと、ルフィはブルックの方へ向かって行く。

 

 

「すげぇなブルック!

これで中入れるぞ……よし、行くぞ~~!!」

 

「わわっ…ルフィさん置いて行かないで~~!」

 

「ブルック、ルフィ~!待ってくれよ!」

 

意気揚々と中へ入って行く三人にキッドも続いて中へ足を踏み入れた。

 

キラーはそんな彼らの背中を見ながら小さく言葉を溢した。

 

 

「……これがアンタが注目してる“麦わらの強さ”か…」

 

誰にも聞かれずに消えて言った言葉を誤魔化すように、キラーはキッドの背に向かって走り出す。

 

追い付いて隣に並んだキラーにキッドは一瞬、目線を向け。

また前を向いた。

 

 

「行くぞ、キラー。

おれ達はこれを成功させる、絶対に。」

 

「分かってるさ、キッド。

もう、止まれない…おれ達はおれ達のやり方で進もう。」

 

「……あぁ、相棒。」

 

二人はどちらともなく、軽く腕をぶつけ合うと真っ直ぐ前を見る。

 

進む先に、望むものがあると信じて。

 

 

 

 




ー後書きー

↓番外編、本編の補完用ss『キラー沈んでいく記憶』
https://syosetu.org/novel/279322/10.html

いつもご感想やコメント、ここ好き一覧などありがとうございます!!
質問箱へのご質問やリクエストも嬉しいです~!励みになります!
今回も読んで下さりありがとうございました!

ー補足ー

イネット:レオヴァに認めらたいと思っているのも、戻りたいと思っているのも全て“自分の身の安全の為”。
羽のある恐ろしい黒色に二度と酷い目に会わされない為にレオヴァからの信頼を手に入れて利用したいという、相変わらずな思考。

モネ:めんどくさい科学者のコントロール係。
どんなにグロい動きをしていても、ヤバいものを見てもポーカーフェイスを崩さない最高に有能な美人さん。
イネットの“暴走”を止める役割を果たしている。

ヴェルゴ:定期訪問と言う名の、イネットの監視報告に来ていた。
ここには盗聴を妨害してくれる電伝虫がいるので、ドフラミンゴとはここでしか連絡が取れない。

本編の視点の進め方についてのアンケート、よろしければポチっとお願い致します!

  • 百獣視点多め!麦わらの話は簡易説明で!
  • 麦わら視点もある程度欲しい。麦3:百獣7
  • ガッツリ麦わら視点後に百獣視点で良いよ
  • もちお、貴様に任せる!!
  • お、アンケートボタンだけ押したろ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。