TS転生して、貰ったチート能力はカスケード・ハート   作:うまっ♪

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新しい生活!

入学式が執り行われる季節。

 

俺、カスケードは。

 

「新人トレーナーの本多麗です。こちらは私の助手のウマ娘カスケードです」

「カスケードです。よろしくお願いします。編入試験の内容をすり替えられたことに気づかなかった秋川理事長」

 

学校に通いながら、トレセン学園のウマ娘トレーナーになった麗の助手として、トレセン学園に出入りすることになった。

 

「うぐっ、陳謝ぁ!!」

 

トレセン学園の理事長室で、俺と麗。理事長と理事長秘書の4人で顔合わせをしている。

 

「その件につきましては、再発防止を徹底します」

 

申し訳ございません。と頭を深く下げる理事長秘書。

 

「いや、気にしていない。それに仮に今回の件を公表しても反感しか買わないだろうな。俺を無理に編入学させるための方便だと言われるのがオチだ」

「はい、8月に行われる編入試験は万全で行います。本来の編入試験のペーパーテストの回答をみればカスケードさんは本来なら編入出来たのですから」

 

俺がサクラチルになった原因。簡単にいえば、妨害が行われていたからだ。

 

正直、かなり驚いた。

前世と比べるとビックリするくらい不正が少ない世界でこういうことが起こるとは。

 

で、やったやつだけど。

 

オグリキャップが地方から中央に移動した時も、田舎者が我が物顔でトレセン学園を歩くとは! みたいな。意見の元々理事会の幹部にいたのだ。

 

現理事長は実のところ理事会にあまり良くは思われていない。今回の編入試験の妨害した黒幕は良く思わない理事会の幹部でも一番現理事長を敵対視していた。

 

中央に連れてきたオグリキャップが活躍しなければ、色々と理事長や親理事長のシンボリルドルフを非難出来たのだが。

 

そこに地方ですらない、しかも足が速いだけのウマ娘が現れたら? 噂ではシンボリルドルフをも倒した。馬鹿な?! とな。

 

俺のレースを見なければ、普通は信じないだろう。

 

草レース出身、歌とダンスが壊滅的、シンボリルドルフを倒したというホラ吹き。

 

件の人物はトレセン学園には完璧なウマ娘だけいればいい。という考えと日頃の鬱憤も合わせて、俺への妨害をしたわけだ。

 

編入試験に失敗すれば、日頃の暴走して自分にとって目障りな理事長にも一撃を入れられる。とも考えたらしい。

 

結局、横槍入れたヤツは、理事長、理事長秘書、シンボリルドルフ達と麗と麗の父を怒らせて、別件を理由に処分されたから、ある程度俺は溜飲が下がった。

 

不合格は、なってしまったのだから、仕方がない。と諦めた。

既に世間に合格発表がなされていたので、割り切れるくらいには冷静だった。

 

今回の不正は俺が何も言わなければ収まることだ。

ウマ娘関連の不祥事は本気でヤバイ。

 

トレセン学園へのダメージと理事長達へ大きな借りと考え黙ることにした。

 

「でも、本当に良かったのですか? 少し強引ではありますが、スカウト枠で編入も」

「編入試験の結果が全てだ。ペーパーテストの問題が過去の問題より多く、過去の問題と比べて範囲が広い上に難しいとは思ってはいた。ペーパーテストが終わった後にそちらにおかしくないか? と確認をしなかった俺の落ち度だ」

 

正直、編入試験だから、手心加えるか。普通に試験してくるかと思っていたので、ペーパー・テストの内容を見た時は驚いた。

 

過去問題よりも出題されている問題がかなり多く、マークシートのテストは半分は勘で埋め、それ以外のテストの解答欄は空白も多かった。

 

ちなみに編入試験は、実技◎。歌×。ダンス×。ペーパーテスト・レース知識○。ペーパーテスト・五科目×。という結果になっている。

 

試験を受ける前の予定ではペーパー・五科目は最低でも△。それでもギリギリ合格になるはずだった。

 

だが、問題が増えたお陰で、平均点が下がりそれが崩れた。

 

過去にトレセン学園の編入試験を合格させた家庭教師にも君なら受かる。と太鼓判押されていたので、合格通知の一件は大騒ぎになった。

 

妨害工作をしたヤツの処分。傷が付いた家庭教師とスクールの看板。

 

最終的には、トレセン学園は前年度から編入試験の難易度が上がったと公表した。

 

様々な調整をした理事長秘書には頭が下がる。本当に。

 

「まあ、編入してもデビューするつもりはない。シンボリルドルフ達と走れれば、俺は問題はないさ」

 

そう言って、俺と理事長達の話は終わった。

 

無言だった麗は今も怒ってはいたのでフォローすることになったが。

 

ーー次の編入試験が終わったら、シンボリルドルフ達と走るかもしれない。衣装を作ってくれ。

 

と告げるとテンション上げて、機嫌を直した。

 

 

色々と問題はあるが、俺の新しい生活が始まった。

 

 

「シンボリルドルフに勝ったのだから、やはりカスケードの二つ名は皇帝では駄目ね。……帝王。皇帝を越える存在として、世界に広めましょう!!」

「トリップしながら廊下を歩くな。落ち着いてくれ、麗」

 

俺は麗の手を引きながら、事前に理事長秘書から渡された書類に書かれているチームが使う部屋へと向かった。

 

 

「随分、良い場所だな。チームの建物も真新しい」

「当然ですわ! カスケードに出会ってから、何時かトレセン学園にカスケードが入った時の為にトレセン学園には少しずつ入れるモノを入れていたのですわ。理事長のウマ娘への愛が本物でしたしね」

 

俺の存在がトレセン学園に知られたのは、麗が原因だったか。

 

地方なら兎も角、草レースをトレセン学園の関係者が調べることはまず無い。レースの動画を見てスカウトに来たのかと思ったが、麗だったとはな。

 

ジロリと麗を見るが俺の視線に気付かず、先に進む。

 

「さ、入りましょうカスケード! 私達の愛の巣へ!」

 

……麗は冗談で言っているのだろうけど、最近ちょっと身の危険を感じる。いや、そんな雰囲気全然無いけどね!

 

「部屋がかなり広いな」

 

チームは多くても十人程度だと聞く。それを考えるとかなり余裕があるな。

 

「ええ、ちょっと理事長と秘書さんにお金を渡し、トレセン学園の全てのチームが使う建物をリフォームさせましたの。……金で恩が買えるなら安いものですの」

 

ククク。と笑う麗に俺はちょっと引く。

いや、金渡すって賄賂じゃね? と思ったが。渡した時期は寄付金を募るタイミングだったので、問題はないそうだ。

 

「ところで、麗」

「なんですの? カスケード」

「チーム名はどうするんだ?」

 

トレセン学園にはチームがあり、ウマ娘はトレーナーが居ないとデビュー出来ない。で、そのチーム名だが。星の名前が基本? らしい。

 

「もう申請はしてありますわ」

「ほぉ、名前は?」

「プルート。チームプルートですわ」

「冥王星か」

「そうです。カスケードはウマ娘達から崇められる存在になります。チーム名はこれが庶民達には一番分かりやすいかと思いまして」

 

崇められる? あー、死者の世界を統べる神様だっけ? 冥王って。

 

まあ、麗が良いなら、問題ないさ。

 

十年くらいして、頭を抱えて床を転げ回っても俺は麗を暖かく見守ってやろう。……机の二番目の引き出しのノートとか。

 

「後少しで、ウマ娘達への新人トレーナーの紹介がある。移動するか」

「ええ、カスケードとチームプルートの伝説が今始まりますわ!」

 

チームは発足したが、俺が所属してないことには触れないでやろう。

 

優しい俺は黙ることにした。

 

 

 

 

この後、講堂で行われたウマ娘達への新人トレーナー紹介で、俺は麗の助手として紹介され。

 

新入生のウマ娘以外の、在校生のウマ娘達から、

 

ーーえ、コイツなにやってんの?

 

って、顔をされた。

 

シンボリルドルフの信じられないモノを見る目で俺を見ていたけど、無視した。

 

 

ーートレセン学園 生徒会室

 

「不正発覚から連絡がとれないから心配していたんだかな」

「仕方がないだろう。編入試験の不正の一件は無かったことになったんだから」

「……」

「機嫌を直せ、シンボリルドルフ」

 

今回の編入試験の不正は、トレセン学園で不正が行われたことが露見すると面倒だ。

 

だから、大っぴらにはされてない。

 

トレセン学園へのダメージが大きいしな。

 

内部の引き締めは理事長秘書が本気だして苛烈に行われたらしいが。

関係者の表情に土気色になり、ガクガク震えていたのを覚えている。

 

「分かってはいる」

 

出来るウマ娘だが、この辺りは年相応か。俺が彼女と同じ年齢の時は何も分からないガキだったが。

 

「次の編入試験は大丈夫だ。元の水準に戻すと発表されている。だから、問題はないさ」

「分かった」

 

頷くシンボリルドルフに俺はふと問いかけた。

 

「ーー仮に次も試験落ちたらどうしようか」

「ありとあらゆる手段を使って入学させるから安心しろ」

 

憤怒の表情で黒いオーラを纏い始めるシンボリルドルフに、俺はドン引きながら、シンボリルドルフを宥めることになった。

 

 

 

「「「「「む、むりぃ~っ!!」」」」」

 

 

チームプルートは無事に発足したが、俺も麗も学生。

 

そう麗は難関と言われるトレーナー試験に学生で受かる天才なのだ。

 

だが、天才と呼ばれる麗でも。新人トレーナーだ。

それに学生で、授業もある。

 

普通のウマ娘なら、新人。学生トレーナーのチームに入ろうとは思わないし、候補にもしないだろう。

 

更に学生トレーナーということで、トレセン学園側から、チームに加入出来る最大人数は二人までと制限が掛かっていることも知られている。

 

別に麗だけが人数制限を受けているわけではない。

 

本来、一年目のトレーナーはウマ娘を最大で三人までチームに入れられるが。

 

大抵、新人トレーナーは既にあるチームのトレーナーの助手。つまり弟子入りみたいな形でトレーナーとしての経験を積むことが多いが。

 

麗は学業など家の関係もあるので、それが難しい。

 

ま、麗がトレーナーになった理由は、単純に俺が変なトレーナーのチームに入るのが嫌だからっぽいけどな。

 

 

それと日々のトレーニングだが。

基本的に母ヒロポンとカスケードの知識などを参考に一人で鍛えていたので、麗が新人でも俺は問題ない。

 

でも、トレーナーになる前から、麗のフォローは助かっている。

 

 

「ふぅ、シンボリルドルフ。今のは位置が悪かったな」

「そのようだな」

 

呼吸を整えるジャージ姿のシンボリルドルフ。

俺も赤と白のジャージを着て訓練場のゴールで話し合う。

 

そこに、麗の叱責が飛んでくる。

 

「もう! カスケード! シンボリルドルフさん! 駄目じゃない、貴女達は後方から試験者を見るのがお仕事でしょう!」

「すまない、麗!」

「む、そうだった。すまない、麗嬢!」

 

俺とシンボリルドルフに遅れて、ゴールしてくるチームプルートの加入試験レースに参加していたウマ娘達。

 

彼女達も表情は半泣き状態だった。

 

当初、加入希望者無しも覚悟していたのだが。

 

蓋を開けてみれば、なかなかの数が希望を出してくれた。

 

理由を聞くと学園見学時に行われたシンボリルドルフ達とのガチレースだった。

 

皇帝シンボリルドルフを草レース出身者が先頭で、シンボリルドルフに追い抜かれて、最終コーナーで雄叫びと共にシンボリルドルフを追い越して、気合い入れたシンボリルドルフに追い抜かれ、最後に凄まじい気迫と共にまた追い抜いてハナ差で勝利する。

 

白熱のレースに感動したウマ娘は多かったらしい。

 

俺が編入試験で落ちて、大騒ぎになり。更に噂で妨害があったと聞いて、チームプルートもとい、俺はウマ娘達が今一番注目しているチームだとか。

 

「カスケードと共に走って、熱が入ってしまった。ペースを乱してすまなかったな皆!!」

「い、いえ! 会長!」

「大丈夫です!」

「頭を上げて下さい、会長!」

 

加入試験レースの説明を行い。俺は一番後方から試験者達の走りを見ることになっていたのだが。

 

そこに現れたのは、トレセン学園の生徒会長であり七冠のウマ娘。シンボリルドルフである。

 

どうした? と聞くと生徒会の仕事が終わったので、一緒に走ろうと思ってと言われては、断るのも悪い。

 

編入試験のこともあるので、俺は本気で走らないと断った上で、シンボリルドルフに問題ないか? と聞いて一緒に走ったのだが。

 

序盤は良かった。レース前はきゃーっ、きゃーっ、していたウマ娘達もスタート前は真剣になった。

 

レースが始まり、序盤は良かった。前を走るウマ娘達の走る姿を見ていたのだが。

 

最初は同じくらいの速度だったシンボリルドルフが、中盤でスッと何気無く俺の前に出た。

 

シンボリルドルフの表情は前のウマ娘を見ていたので、挑発ではない。だが、何となく追い抜いた。

 

シンボリルドルフがそれに気づき、俺の僅か前へ出る。

面白くないので、俺はシンボリルドルフの前へ。するとシンボリルドルフが再度、俺の前へ。

 

「「…………」」

 

走りながら、お互いに目が合う。

 

バチッと火花の音がした気がした。

 

お互いに無言でペースを上げ。

 

そして、最終コーナー。

 

 

「うおぉぉぉぉっ!!」

「おおおおおっっ!!」

 

 

俺とシンボリルドルフは同時に咆哮を上げて、本気でターフを走った。

 

突然、背後からの咆哮にビビるウマ娘達。

 

俺は外をシンボリルドルフは内を走っていた。

 

結果、シンボリルドルフが前のウマ娘達をかわす隙を突いて、俺が勝ったというわけだ。

 

「この組はもう一度最後に走ってもらうか?」

 

こっちに駆け寄ってきた麗に問うと、仕方がなさそうに「そうしましょう。それと二人は次のレースから走らなくていいからね」と言った。

 

麗に怒られて、ちょっとしょんぼりしているシンボリルドルフが面白かった。

 

 

・とあるウマ娘達

 

ーー学食

 

 

「いやぁ、改めて昨日の試験レースは凄かったね」

「うん、背後からゾワゾワ~! て、プレッシャーが凄かったよ」

「G1とか大きいレースに出ないと味わえない感覚なんだろうね~」

 

憧れていた。ターフを走るスター達に、光輝くウイニングライブに。

 

だが、三人のウマ娘達は昨日の試験レースで、痛感したのだ。

 

上と自分達の差を。

 

「早めに気付けて良かったよね」

「うん」

「だね~」

 

彼女達は試験レースで逆1・2・3を決めていた。

 

「記念になれたね」

「そう、だね」

「あははは、うん」

 

強い憧れを持って彼女達はこの学園を受験して、合格した。

 

少し早めに入寮して、出会った三人はスターウマ娘に! と誓い合った、のだが。

 

カスケードとシンボリルドルフの少し本気を出したレースにビビってしまった。

 

そして、放課後。彼女達は今後もデビューを目指して走り続けるか悩みながら、他のチームの見学をしていると。

 

「ようやく見つけた」

「え?」

「カスケードさん!?」

「こ、こんにちは」

 

赤いジャージを着たカスケードがやって来た。

 

「試験結果を伝えに来た」

 

その言葉に三人は固まる。

最後にもう一度走ったが、全然手応えがなかった。

 

それ故にカスケードの不合格の言葉を聞いても、納得していた。

 

やはり、自分達ではと心が折れそうなった時である

 

「で、不合格ではあるが、三人に提案がある」

 

カスケードの言葉に三人が顔を上げる。

 

「試験レース参加したウマ娘達全員に伝えたんだが。勉強会をしないか?」

「「「え?」」」

「実はな」

 

カスケードは言った。

 

「俺は強いウマ娘と競い合いたい。だから、今は弱くてもその気があるなら俺の訓練に付き合え。経験を積めば強くなるかもしれないしな」

 

「「「……」」」

 

「じゃあ、その気が有ったら来い」

 

カスケードは去っていった。彼女達はしばらく無言だったが。

 

「今は弱くても」

「カスケードさんと訓練」

「経験を」

 

カスケードの自主訓練は、結果として多くのウマ娘の成長の切っ掛けとなった。

 

最初はカスケードも気付かなかったが、カスケード・ハートにはトレーナーとして活動した、引退後のカスケードの知識もあった。

 

これを切っ掛けに、トレセン学園のウマ娘達全体の技量が上がり始め、トレセン学園の黄金期が幕を開けた。

 

後に名ウマ娘を多数育てることになった本多麗は自伝にこう記している。

 

「ファンにとっては黄金期。でも、トレーナーとしても優秀なカスケードが入学したおかげで、ウマ娘達にとっては地獄の戦場と呼べる時代に切り替わりました」

 

 

 

ちなみに、この世代のレースに出た母を持つ、ウマ娘達は、幼い頃は母達の走りを見て、凄いと無邪気に憧れ。

 

トレセン学園受験前くらいから、母の世代の異常性に気づき。

 

トレセン学園に入学して、巨大な壁を知り、泣くことになる。

 

 

 

後に、とあるサクラ色の髪の三冠を獲得したウマ娘は、三冠を獲得した日のインタビューでこんな発言をしている。

 

「私の母は無冠で、レジェンド世代の最弱とか呼ばれてますけど。三冠取った今でも現役時代の母に勝てる気がしません!!」

 

と、そのウマ娘が流していた涙はどのような意味の涙だったのか。

 

 

ちなみにこの後、このウマ娘は漆黒のトレーナー助手に「芝のウマ娘とダートのウマ娘を比べるな!」と尻を思い切り叩かれることになった。

 

 

 

 

 

新生活が始まり、個人的には順調だ。

シンボリルドルフ。もといルドルフが生徒会の仕事がない時は、一緒にトレーニングや談笑して過ごすことが多くなった。

 

フルネームではなく、ルドルフと愛称で呼んでくれと言われてから、距離は大分近くなったな。

 

それにマルゼンスキーやフジキセキとも仲良くなったし。

 

オグリキャップを見学の時の勝負で倒した影響で、当時レースに参加出来なかったタマモクロスとガチでレースを行い、勝利。

 

そこから、スーパークリークとも知り合って、お互いに料理が趣味なので料理仲間としても仲良くなった。

 

 

 

しかし、順調ではないこともある。

 

チームプルートのことだ。

 

チームメンバーの枠が二人しかないので、誰を入れるか悩んでいる。

 

まだ、焦る時期ではないが、一人くらいは早めに決めておきたい。

 

と思っていたときのことだった。

 

「うらら~!!」

 

ダートを楽しそうに駆け抜けるサクラ色の髪の小柄なウマ娘。

 

ハルウララ。

 

競馬素人の俺ですら知っている最弱の名馬の名前を持つウマ娘。

 

「麗」

「何かしら?」

「名前が似ているからって、拗ねるな」

 

ふんっ、と顔を背ける麗。

 

「でも、やはりカスケードの目は間違って無かったわね。芝ではあんなに弱かったのに」

「適正の問題だろう。俺は両方走れるが」

「まあ、でも決まりね」

「ああ、伝えてこよう。そろそろゴールだ。今は弱者。だが将来はどうなるか楽しみだ」

 

こうして、チームプルートに最初に加入することになったハルウララは、後にプルート四天王の最弱! と呼ばれながらもダートで数多くのウマ娘を沈めることになった。

 

 

 

「あ、蝶々だ~♪」

 

「は、ハルウララ! どこ行く!? 真っ直ぐ走れぇっ!! ゴールへ行けっ!!! こっちに戻って来ーいっ!!」

 

 

この後、何故か高速で移動する蝶々を追いかけるハルウララは障害物レースのコースのようなルートで移動し。

 

カスケードはそのハルウララを追いかけるも、ハルウララが乗り越えた柵や壁を越えられず、ハルウララを見失い、見つけた時には日が暮れ、カスケードは転生してから、初めての敗北感を味わうことになった。

 

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