TS転生して、貰ったチート能力はカスケード・ハート   作:うまっ♪

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レジェンドレースが楽しい!




トレセン学園の日常 ハルウララ 育成中

ーートレセン学園 チーム・プルート 部室

 

 

 

「ハルの走るフォームは安定してきたな」

「ええ、カスケードのお陰ね」

 

ここ数日、俺はハルウララのトレーニングを中心に走っていた。

 

内容は目茶苦茶だったハルウララのフォームの矯正だ。

 

ハルウララはスタミナのことを抜きにしても、中・長距離のペース配分が下手だった。

 

なので、適正のある短距離とマイルを走らせることにした。

 

まあ、中々ハルウララの走るフォームが改善されなかったので、ちょっと荒療治したわけだ。

 

それは。

 

「ぜー……、ぜー……、に、にんじんゼリー……」

 

床に倒れこんでいるハルウララが、俺ににんじんゼリーをねだる。

 

俺の座る席のテーブルの上には、銀座の老舗の洋菓子舗のにんじんゼリーの詰め合わせの箱がある。

 

ちなみに、八個入っていたが。ラスト一個だ。

 

「ハル、冷やしておくから、落ち着いてから食べろ」

「う、うん……」

 

トレーニング内容は簡単だ。

 

ハルウララの身長や体重などを加味した、最適なフォームを教え、ターフを走らせる。

 

その後ろを俺がハルウララの後を追走。

 

この時、ハルウララを追い抜かない。

 

ただ、ハルウララが集中が乱れたり、コース取りを間違えると容赦なく俺が追い抜く。

 

で、先にゴールして、ハルウララの目の前で、銀座のお高いにんじんゼリーを食べる。

 

当然、ハルは泣く。

 

悔しかったら、しっかり走れ。と告げてまた走らせる。

 

麗と考えた苦肉の策だったけど。俺への拷問にもなってないか?

 

ハルウララが走りに成功すれば、ニコニコでにんじんゼリーや御褒美を食べるハルウララが見れるが。

 

ハルが失敗すれば、悲しげな涙目のハルに見られながら、御褒美を食べないといけないんたぜ。

 

ま、ここ数日で、一気にハルウララのフォームとタイムが延びたので、この特訓は成功だろう。

 

今後はやりたくないがな!

 

「スタミナも付いてきた、フォームも大丈夫。集中力はまだ課題だな」

「そうね。走っているのに、応援されると答えてしまうのは危ないわ」

 

それで、このトレーニング中に、ハルウララの身体が鉄の身体と呼べるほど、頑丈だと言うことが分かった。

 

正直、ハルウララの身体の頑丈さは、かなり羨ましい。

 

ま、怪我をしない訳ではないので、気を付けなければ。

 

レース本番で、周りの声に反応しない程度には集中力を付けさせないと。

 

ハルウララだけの怪我ならまだ良いが、モータースポーツのように他も巻き込んでの事故など起こしたら、洒落にならない。

 

それに、ハルウララにはウマ娘としての、欠陥がある。

 

それは、

 

「ところで、ハル。今日のトレーニングだが」

「楽しかったよ! ぜひーっ……、ぜー……、あしたもー頑張る……」

 

ニコニコしながら、そう言うハルウララ。

 

ハルは、負けても悔しさを感じない。

一位を目指すウマ娘では、本当に珍しい性格だ。

 

負けたら、普通は悔しい! と怒りや憎しみを少なからず持つ。

 

だが、それがハルウララには全くない。

 

悔しいは、上を目指す原動力になる。

まあ、負け続ければ心が折れたり、何かしらの揉め事を起こすかもしれないが。

 

「だ、そうだ。麗」

「ええ、分かっているわ。明日もしっかりトレーニングをしてもらうわ」

「うん……!」

 

ハルウララが悔しさを知らずに、このまま走り続けて、強くなったら。

 

周りの敗者となったウマ娘達と高確率でトラブルになるだろう。

 

ま、不安ではある。だが、今は。

 

「来年のデビュー楽しみに……!」

「ああ、度肝を抜いてやれ」

 

来年のデビュー戦までに、牙……ではないな。蹄を研ぐ、いや蹄鉄を磨くことにしよう。

 

 

 

 

ちなみに、ハルウララがダートで走っているところをオグリキャップのトレーナー殿が偶々目撃して、「ダートを走るのはウチのオグリより上か、面白い」と、言って定期的にオグリキャップとトレーニングすることになった。

 

 

「オグリ、まだ食べるか?」

「うん」

「そうか」

 

ハルウララのトレーニング効率が上昇したが、その代わりオグリにたまに奢ることになった。

 

まあ、最初はハルウララのモチベーション維持とこれからもたまに合同トレーニングをお願いしたいと言う、接待の意味でもあった。

 

普通、オグリキャップクラスのウマ娘と合同トレーニングは、金を払っても難しい。

 

それに、オグリがダートのウマ娘のトレーニングをしていると聞いて、タマモクロスやスーパークリーク、スケジュールで頻度は少ないがイナリワンも、ハルウララのトレーニングに顔を出すようになったことを考えれば、この出費は安いものだ。

 

オグリキャップのトレーナー殿も何処か助かる。と言う表情だ。

いえいえ、ハルウララだけではなく。ベテランの貴方の指導を見ることで、麗の経験にも繋がります。

 

今後もよろしくお願いします。

 

「カスケード」

「なんだ?」

「これも、頼んでいいか?」

「あ、ああ。……タマ」

「ん、何や?」

「ちょっとATM行ってくる」

「自分、無理すんなっ!」

 

ハルウララの為なら金など惜しくない!!

 

「推しに貢ぐファンみたいやな」

 

ーーうるせぇ! 俺もちょっとそう思って気にしてんだから。

 

 

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