TS転生して、貰ったチート能力はカスケード・ハート   作:うまっ♪

9 / 9
反省会前日

ーートレセン学園 生徒会室

 

 

 

「無茶をしたな。カスケード」

「疲れるだけで、身体に大きな負荷が掛かるとか、代償がある訳じゃない。そんな目で俺を見るなルドルフ」

 

生徒会室のソファで、俺ことカスケードはごろりと横になっていた。

 

本当は保健室のベッドが良かったが、疲労を隠したいので生徒会室のソファを借りた。

 

たまに眠気に負けたナリタブライアンがクッションを枕に寝ていて、エアグルーヴに怒られているが、今日は俺がソファに寝ていて、ルドルフに怒られている。

 

「有馬記念を想定した模擬レース。いや、あれは結果的に新人達への教導レースになったな。生徒会長としては嬉しいが、友人としては身体に負担をかけるような走りをするなら、今後のレースへの呼び掛けは許可出来ないぞ」

 

少し怒った表情で釘を刺してくるルドルフ。

ま、第三者から見れば、今回の走りは確かに無茶をしているようにみえるな。

 

「いや、負担は本当にないぞ。無茶な走りではない」

「いいや、無茶な走りだったぞ。【地を這う走り】を最初の直線、ラストスパートの二度も使うなんてな」

 

ルドルフの言葉に、俺はなんと説明するか悩む。

 

「あの走りは既に練習で何度か行って、その後病院での精密検査を麗の伝手で行って、そこまで影響は出ないと分かっている」

「今はそうかもしれない。だが、身体への負担は大きいのは誰でも分かるぞ。それにあの走りは転倒しやすい」

「まあ、超前傾姿勢でチーターのように走るからな」

 

今日の俺が呼び掛けた模擬レース。

俺は走りは大逃げ……じゃなくて、結果的に逃げとなった。

 

このレース、俺は若手を驚かせる為に、初手からロケットスタートと呼べるスタートでレースを始めた。

 

そのまま、大河ドラマで見た足軽の先駆けのよう、俺は先頭に出て、即座に一度目の【地を這う走り】を行い、後ろと一気に距離を離した。

 

これに驚いたのは若手達だ。

 

自分のペースを乱して、慌てて俺を追いかけたお陰で、彼女達はかなりのスタミナを無駄に消費していた。

 

ビワハヤヒデとナリタブライアンの二人は立ち直りが早かったが、それでもかなりスタミナは減っていた筈だ。

 

その結果、ビワハヤヒデが6着、ナリタブライアンが7着、ラストスパートはゴール手前で2人とも失速している。

 

他の娘達は焦ったまま走り続け、スタミナ切れを起こして、本来ならもっと良いタイムを出せた筈なのに、ゴールした時のタイムは目茶苦茶だった。

 

俺の悪戯に最初に気付いたのはスーパークリークだろうな。

 

それに気付いていて、あえて俺を追う速度を上げて、他のウマ娘達を焦りを煽った節がある。

 

スーパークリークと参加したG1ウマ娘達は、逃げからの【地を這う走り】で驚き多少はペースを乱したが、直ぐに建て直していた。

 

彼女達は、俺のスタミナを知っている。

 

故に2500mなら、余裕を持っている走るスタミナがあることも分かったのだろう。

 

俺のハイペースの逃げを行っても、スーパークリーク達は冷静に俺を追いかけてきた。

 

彼女達はスタミナ切れを起こさないギリギリの速度で、このレースを走り抜いた。

 

レースが終わった後で反省会をするの予定だったが、皆疲労がかなり多くて、反省会は明日にしたのだ。

 

新人達が精神的にもダメージを受けていたから、反省会の効果が下がる。と言うトレーナー達と話し合った結果でもあるが。

 

「体力的には問題ない。天皇賞(春)を走れるようにトレーニングをしている」

「……それは知っている。だがカスケード、今かなり疲労しているだろう」

「ああ、それは事実だ。けど、それは精神的な疲労が原因だ。スーパークリークからのプレッシャーが凄くてな、途中まではナリタブライアンからも感じたよ」

 

プレッシャーという意味では、ビワハヤヒデはあまり感じない。

 

ナリタブライアンの方がプレッシャーを出せるな。

 

普段の俺の走りは、プレッシャーを与える側だからな。

 

「今日のクリークの走りは少し力が入っている気はしていたが」

 

今日の模擬レースのタイムは、実はそこまで速くなかった。

 

事前にスーパークリークとG1ウマ娘達に、若手に経験を積ませたいから、技術的には本気だが少しおさえ目に走る。と伝えていたからだろう。

 

手を抜いた訳ではないが、面白くないと感じたのかもしれないな、スーパークリーク達は。

 

ま、スーパークリークは俺だけにプレッシャーをかけていたわけではない。

 

今回の一番被害者はビワハヤヒデだろうな。

 

途中で俺、ビワハヤヒデ、スーパークリーク、ナリタブライアンの順で並んだ時があったが、俺の前へは行かせないプレッシャーと後方からのやや怒り? 憤り? が混じったスーパークリークのプレッシャー、絶対に追い抜く! というナリタブライアンのプレッシャーに挟まれたわけだ。

 

今日のビワハヤヒデの精神的な疲労はかなりの筈だ。

レースの経験値を考えると美味しいかもしれないが。

 

チート能力で普段からカスケード達の幻影で、プレッシャーに慣れてなかったら、正直スーパークリークに負けた可能性は十分にある。

 

経験が少ない時に、あのプレッシャーには挟まれたくはないな。

 

間違いなくレースの後はかなり疲弊する。

 

「ん、そろそろいいか」

「おい、まだ寝ていろ」

 

身体をソファから起こすと、ルドルフにまだ横になってるように言われる。

 

「寝てばかりも駄目だろう」

「休む時は休め。何かあったら、皆が悲しむ」

「そうか、個人的にもう少し、敵愾心を持たれるかと思ったが」

 

草レース出身の俺は、見学でルドルフ達とレースする時は生徒達から睨まれていた。

 

ルドルフに勝った後は、UMAでも視るような目で視られた。

 

地方から来たウマ娘達から話は聞いていたが、やはり最初から中央に在籍しているウマ娘と地方からのスカウトされたウマ娘の間には敵愾心があるようだ。

 

地方ですらない、俺は敵ですらなかった筈。それがルドルフを倒してしまった。

 

実のところ編入試験を受ける直前は「編入したら、ルドルフのファンに刺されるのでは?」と心配していた。

 

編入試験は不合格だったけどな!

 

「見学の時に行われたレースを観戦して、カスケードの実力は誰もが認めるさ。それに編入試験の不正も良い方向に動いた」

 

実力が有るものが、不正によって走る道を閉ざされる。

 

ルドルフの言葉に、俺は成る程と思った。

 

ウマ娘達からしてみれば、同情心を持つには十分だな。

 

ここは、良くも悪くも実力主義だし。

 

「助手になって、やたらと心配されたのは、それか」

「気付いて無かったのか?」

「ああ、走れれば俺は満足だからな。デビューが遅れて、とか。一日も早いデビューを応援しています。とか」

 

そっか、心配されていたのか。

 

「普通はもう少し当たりがキツイ筈だがな」

「オグリキャップの時は大変? だったらしいな。オグリキャップはマイペースだから、気にしていないが」

 

俺の言葉にルドルフは当時を思い出したのか、上品に笑う。

 

「ーーカスケード」

「なんだ?」

 

ルドルフは遠くを視るような瞳で俺に告げた。

 

「アスリートの寿命は長いようで短い」

「ああ、そうだな」

「ライバルは大半が引退した」

「あぁ」

 

「デビューは早い方がいい」

 

ルドルフの警告に俺はゆっくりと呼吸する。

 

デビューか……。確かにデビューすれば。

 

全てを出し尽くした最高のレースが出来るかもしれない。

 

だが、カスケードのライバルはマキバオーだ。

 

マキバオーが居ないのに、デビューをして命をも捨ててもかまわないと思える程の最高のレースが出来るだろうか?

 

チート能力があるとはいえ、地味な基礎トレーニングを続け、必死にこの世界のレース知識を集めた。

 

けど、マキバオーは見つからなかった。

デビューして、本当に意味があるのか? 原作のようにではなくても、俺はマキバオーと競い合いたい。

 

「……」

「……カスケード?」

 

俺は頭を軽く振るい、余計な考えを振り落としてソファから立ち上がり、ルドルフに告げた。

 

「考えておこう」

 

その言葉にルドルフは仕方ない。と溜め息をついていた。

 

 




いやぁ、タウルス杯。楽しかったですね。

微課金なので、オープンで参加しましたが。優勝出来ました。

一戦目の最初のレースで一位を取って、喜んでいたら、その後四連敗。

どうしたものかと、悩んだのですが。
動画配信者の方とVTuberの方達には感謝です。

デバフネイチャとゴルシ。この二人には助けられました。

決勝で逃げは勝ちにくいと言われてましたが。
ミホノブルボンで勝てたのは嬉しかったです。
勝ち星の大半がゴルシ、まさしくエースでした。
でも、MVPはデバフネイチャですね。

デバフが入った時、敵チームの順位がガッツリ下がったのは見てて驚きました。

次の大会も楽しみですね。

まあ、最初の挑戦で四回連続、2位、3位、4位を取った時はスマホを投げそうになりましたが(^-^;

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

センセイモドキは先生を辞めたい(作者:ブルアカやったことない民)(原作:ブルーアーカイブ)

センセイモドキ……センセイオンナタラシに擬態することでキヴォトスに生息する数多の生物から危険を逃れている。センセイオンナタラシとの違いは▼・未成年である事(17歳)▼・ブルアカの知識を前もって持っている事▼・思春期をキヴォトスに生息する数多の生物に破壊されたことによる積極的なセクハラ言動▼pixivにも投稿しております。


総合評価:6659/評価:8.21/連載:32話/更新日時:2026年08月12日(水) 07:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>