ZGMF-X10D
全高:18.03m
重量:51.5t
装甲&フレーム:VPS装甲(コックピット周辺や駆動系がサイコ・フレーム)
動力:縮退炉
推進機関:ネオ・ドライブ
出力キャパシティ:35304kW
推力:最大2108000KG
外見はプラモデルマスターグレード2.0基準。
稼働時間、機体強度、火力面、機動性などが原典フリーダムと比べて大幅に強化される仕様。
また、本機のコックピットはG負荷に強い設計がなされており、推力を最大にしてもパイロットに僅か4Gしかからない(持続的な高機動中も常に9割近いのG負荷を相殺し続ける)ため、戦闘中では普通では考えられない機動を可能になっている。
搭乗者:絢瀬悠凪、鳳凰院美玖(一時搭乗)
▼武装
・MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲×2
・MA-M20 ルプス・ビームライフル×1
・MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル×2
・MMI-M15 クスィフィアス・レール砲×2
・M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲×2
・MR-Q17X グリフォン2ビームブレイド×2
・MX2002 ビームキャリーシールド×1
▼特殊機能
・インテンション・オートマチック・システム
「UC計画」によって誕生したユニコーンガンダムやシナンジュに搭載された、機体の操縦にNTパイロットが思い描く操縦イメージを直接反映させる思考操縦システムである。パイロットの思考が直接、機体の動きにダイレクトに反映され、通常のマニュアル操縦を遥かに凌駕する反応速度と動作精度を誇る。
・ミラージュコロイド・ステルス
ブリッツガンダムに搭載された、コロイド粒子を機体表面に定着させることで可視光線や赤外線をはじめとする電磁波を偏向させ、機体の隠匿が可能となる電磁光学迷彩システム。VPS装甲との併用はできないため戦闘では使いにくいのだが、しかし機体を隠すにはちょうどいい機能。
・エクストリームブラストモード
デスティニーガンダムに搭載された最大稼働モード。機動性を向上させる他、ミラージュコロイドを広域散布することで、周囲の空間上に自機の光学残像を形成する事が可能となっている。フリーダムに本来備わっている「ハイマットモード」と併用することで、従来のMSを遥かに凌ぐ機動性と加速性能を獲得することができる。
・次元転移システム「クロスゲート」(偽名、第33話で真名が解禁)
異なる世界を繋ぐ「門」を開くためのシステムで、既に観測された世界にしか転移できない制限に加え、データ不足分によって転移先の座標にズレが生じる可能性がある。
▼特殊装備
・MS埋め込み式戦術強襲機「ミーティア」
ジャスティスやフリーダムといった、核エンジン搭載型MS用のアームドモジュール。原典と同じ設定だが、本作の魔改造フリーダムは縮退炉が搭載されているのため、火力面が遥かに上。
ええと……まず、状況を整理する。
今、私がいるこの場所はリベル・アークの居住区画《クレイドル》に位置する、2階建ての屋敷内の一室だ。
机の上にはノートパソコンがあり、ソファや本棚などの家具が揃っている。この大きなベッドには大人3人が寝れるスペースがある。生活感のある部屋だ、必要な家具がちゃんと揃えてある。
それらに加えて、開放的なバルコニーからは外の景色を眺めることができ、反対側にある部屋はシャワールームのようだ。
そして私は今、美玖に膝枕されてる状態だ。甘い匂いが鼻孔をくすぐり、後頭部から伝わる柔らかくきめ細かい肌の感触は、起き上がることを拒んでしまう程の抗い難い誘惑へ誘う。
美玖の膝の感触をもうちょっと堪能したいのだが、一つ確かめなければならないことがある。
ゆっくりと身を起こすと、私は美玖に一つの質問をする。
「美玖、私たちは初対面のはずなんだが……『また』とはどういうことだ?」
「4年近く一緒に過ごしていたこと、お忘れになられたのですか?」
「では聞くが、最初の日の日付きは、いつだ?」
「2017年6月16日です」
6月16日……確かに、発売日当日に届いたな。
抱き枕カバーだった頃の記憶を引き継いでいるのか。もしそうだとしたら、彼女が「私の知っている美玖」ということになる。ここは質問をかえよう。
「私の帰宅時間、覚えてるか?」
「平日なら、悠凪くんの帰宅はいつも夜11時頃ですが、昨晩が帰ってきてなくて……」
これで決まりだ。もうこれ以上、質問をする必要はない。ここにいる美玖は、間違い無く「私の知っている美玖」だ。しかも、元の世界の記憶まで引き継いでいる状態だ。
あの神様って本当に何でもありだな、と感心しているこの瞬間、美玖はすぐ泣きそうな目で私を見つめた。
「カレンさんから聞きました、悠凪くんが何者かに殺されたって。そして転生した後、独りぼっちで大きい城に住むことになるから、きっと寂しいなーと思って、わたしをここに呼び寄せました」
「そうなんだ……」
私がそう言うと、美玖は私の肩に身体を預けるのだった。そんな悲しいそうに話す美玖を無性に抱きしめたくなってしまった。その衝動に駆り立てられた私は、彼女を抱きしめるように、身体を密着させる。
「ゆ、悠凪くん……⁉」
服越しに伝わる暖かくて柔らかい感触、女の子特有の甘い匂い、紛れもなく本物だ。衝動に駆り立てられて行ったそれを驚きつつも、彼女は嫌がる素振りを一切見せなかった。
それどころか、私の背中に腕を回してきつく抱きしめてきた。今の彼女は、美玖はもはや抱き枕ではなく、ただの普通の女の子だ。
お互いに身体を密着してから一分後、美玖はある言葉を言い放った。
「いいですよ……」
「え?」
「もっと触ってもいいですよ」
そう言って美玖は顔を赤くしながら私の右手を取って、自身の胸の膨らみに押し当てた。それは途轍もなく柔らかくて、同じ人間とは思えない感触だった。いや、右手だけじゃない、触れているところ全てが柔らかい。
「(このままでは流石に不味いか……!)」
このままでは理性が持たないと感じた私は、美玖の胸に当てた手を離し、シャワールームで顔を洗うことにした。少し落ち着いてから、私と美玖は一階にある台所に向かい朝食を作り始める。
「あの場面で悠凪くんがどんな反応をするのだろうと知りたくて、ついやっちゃいました……」
「まさか君が私を試すとはな。その、ありえないほど柔らかいから、理性が吹き飛びそうだ」
「悪ふざけをしてごめんなさい……実は、あのまま同人誌みたいに、乱暴なことされるんじゃないかなーと思って、少々不安を感じました」
「乱暴なんてしないよ……」
そう言って私は美玖の頭をポンポンと撫でてあげた。
「もう、子供扱いしないでください!」
「嬉しそうに笑った癖に」
「えへへ……」
ポンポンと頭を撫でられて、美玖は満足げにはにかんだ。
口が嫌だと言っても、身体は正直なものだな。
朝食を済ませた後、私たちは今後の予定について話し始める。
「悠凪くん、これからはどうなさいますか?」
「先ずは浮遊城の各区画の把握、次はフリーダムのチェックだな。転移テストはその後だ」
この巨大な浮遊城には、五つの区画が分けられている。
先ずはこの居住区画《クレイドル》だな。
あの馬鹿でかい邸宅以外にも、幾つかの小さな屋敷とメディカルルームが存在している。地下道やレールハイロゥを使えば、他の区画へ移動することができる。
次は公園区画《カルセイユ》だ。
緑豊かな草地に、見渡す限り覆い尽くされた花畑が広がる区画、それ以外には変わったところはない。さっさと次に行こう。
三つ目は工業区画《ファクトリア》だ。
ここが食料や日用品のなどを生産する施設の他に、MS・MAや戦艦を製造・整備・運用する為の施設が集中的に建設された区画だ。
それ以外にも、ありとあらゆる野菜と果物を栽培する為の工業温室や、色んな水産動植物が養殖されている巨大な水槽が複数設置された部屋が存在する。
水槽の中からチラッと見えた俊敏な黒い影は恐らく、ウナギかな?
生産施設を一通り見まわった後、私と美玖は反対側にあるMS格納庫に向かった。中に足を踏み入れる瞬間、私たちはMSハンガーに待機しているフリーダムガンダムの姿を目にしたのだった。
近づいて観察して見ると、頼んでもいないのに外見がプラモデルマスターグレード2.0の姿になってるとは驚いた。他に何かの機能が追加されたと考えた方がいいだろう。
「ん? なんだ?」
フリーダムを観察している最中に、何やら後ろから物音が聞こえてきた。振り返ると、少し遠くからこちらに向かって、一つの正体不明の丸い物体がゴロゴロと転がってくるのが見えた。やがてゆっくりと減速し、美玖の足元に転がった。
「あ、ハロ!」
「ハロ、ミク、ユウナギ!」
無機質な機械音声を発する丸い物体に近寄ると、美玖はそれを抱え上げた。
それは初代ガンダムの主人公、アムロ・レイが所持しているペットロボット「ハロ」だった。
自立型ロボットの配備をカレンに頼んではいたが、まさかハロを用意してくれたとはな。
「ハロ、ナカマ、イッパイ!」
ハロがそう言ったそばから、格納庫の地面にある隠し扉のが開き始めた。
その中から現れたのが、大勢な小型ハロだった。灰色、水色、黄色、茶色の四種類がある。
ハロたちは役職ごとに色分けされている。
美玖が抱えている大きなハロは「マスターハロ」という。その名の通り、全てのハロを統率する存在だ。
灰色のハロは整備担当で、水色は警備担当、黄色は食料生産担当、茶色は運搬担当だ。格納庫の地下一階はハロたちの専用格納庫になっているようだ。さっと見る限り、ここに集まったハロは、軽く百体を超えていると思う。
次はこの工業区画の片隅にある倉庫だ。
体積50x50x50メートルの正方形の建物のようだが、内側は外から見えるよりも広くなっていて、格納庫へと繋がる資材搬出路も備わっている。資材や弾薬、機械部品の他にも、ZGMF-Xシリーズ専用のMS埋め込み式戦術強襲機「ミーティア」もここに収納されている。
サイズ的に入れる筈のないものまで入れられるとは、まるで何処かの未来からやってきた、猫型ロボットが持っている四次元ポケットそのものだな。
フリーダムのチェックは後回しにして、今は次の区画へ行こう。
四つ目はリベル・アークの中心に聳え立つ巨塔、中枢塔《アクシスピラー》だ。
塔の内部が六階層に分けられていて、最上階にはリベル・アークの心臓部にあたる区画――根源区画《テメリオス》に直通する高速エレベーターと……見慣れない装置があるな。
「あれは、なんの装置でしょうか?」
「ちょっと調べてみる、美玖はここで待ってて」
「うん、分かりました」
私が装置を近づいた瞬間、目の前にホログラフィックのような青色のウィンドウとキーボードが浮かんだ。特に危険なものではないと思うので、私はキーボードを操作し始めた。
「なるほど、この装置の正体が分かったぞ」
「一体なんの装置でしょうか?」
「このリベル・アークの通信システムの制御ユニットだ」
この装置の正体は、ありとあらゆる世界のネットワークに介入することができる「次元通信システム」の制御ユニットだった。しかも、この中枢塔自体が送受信アンテナとして機能している。
この通信システムを使えば、並行世界の情報を何時でも閲覧することができるし、ハッキングに使ったとしとも、向こう側に察知される心配もない、とんでもない優れものだ。
そして、この最上階は剣帝レーヴェとヨシュア一行が激戦を繰り広げた場所で、各区画を見下ろせる場所でもある。
「綺麗な景色だな」
「もしこの空が本物だったら、もっと綺麗だったのに……」
「偽りの空……この空はカモフラージュだったのか?」
「はい。部屋内にあるコンソールの設定を変更することで、本来の姿を現すことができますわ」
なるほど、後で試してみるか。今は根源区画へ向かうとしよう。
エレベーターから降りた先は狭い一本の通路となっている。この先にある部屋に何がいるのか、私にはもう知っている。
通路の先にあるのは高台と階段が設置された部屋だった。中央の階段を登ると、私と美玖は高台の真ん中に浮かんでる「金色の環」に目をやった。
「あれが『空の至宝』か」
「ええ、あれこそが空の女神から授かったとされる七の至宝の一つ、輝く環ですわ」
「美玖、私より詳しいじゃないか」
「悠凪くんは『空の軌跡SC』を四周してましたから、嫌でも覚えてしまいますわ」
「そ、そうか……」
そんな細かいことまで覚えてたとは想定外だった。それはさておき、私は環を触ってみることにした。
この輝く環は浮遊城の機能を維持する他に、住人たちの願いを叶え続けていた……だが、意思を持たず抑制は利かなかった為、住人たちを肉体的にも精神的にも堕落させてしまった。
最終的に、セレスト・D・アウスレーゼたちが立ち上がった、至宝への抵抗組織「封印機構」によって、浮遊城ごと時間的にも空間的にも封印された。これは原作で実際に起きた出来事だ。
私は与えられて満足するような安っぽい人間ではない。
カレンから与えられた力がどれだけ強力だろうと、磨けなければいつか腐り落ちてしまう。
そうならない為にも、己を磨き、更なる高みを目指すしかない。
人は、努力を知らないと駄目なんだ。
「悠凪くん……ずっと環を見つめていて、どうかしましたか?」
「この環に秘めた奇跡の力を使わない方がいいと思うんだ。このまま浮遊城の機能を維持する為のジェネレーターとして、この部屋内に封印しよう」
「人は努力を知らないといけない……そういうお考えですか?」
美玖の質問に、私は頷く。そして輝く環を元の場所に戻すと、私たちは部屋を後にした。五つの区画を一通り回るのに、半日くらい使ったな、美玖も少々疲れ気味だ。
まあ、百層あるアインクラッドと比べれば、このリベル・アークなんてちょろいものだ。
部屋に戻った美玖はハロを抱えたまま、ぐったりとベッドに倒れ込んだのだった。そして身体を子猫みたいにクルっと丸めて、小さな寝息を立て始める。
彼女のあまりにも無防備な寝姿に、理性が揺るぎそうになるのを私は感じた。
「もう少し警戒しろ……」
ピンク色の下着がチラッと見えているが、私は敢えてそこから目を逸らし、彼女に毛布をかけてあげた。
再び屋敷の外に出た私はフリーダムのチェックをすべく、地下道経由で工業区画に位置するMS格納庫に足を運んだ。
フリーダムのコクピットに乗り込んだ私は、即座にオペレーションシステムを起動させる。
しかしOSは核動力機に搭載されたものではなく、別のものになっていた。
MOBILE SUIT NEO OPERATION SYSTEM
Generation
Use by Newtype
Degeneracy reactor
Assault
Module
G.U.N.D.A.M Complex
Ver.1.0.0 Freedom LA-SE3P
翻訳すると「縮退炉を使っているニュータイプ専用強襲モジュール複合体」になる。
強そうどころかCE世界で無双できる機体だと私は確信している。
そして機体の武装構成はこうだ:
・MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲×2
・MA-M20 ルプス・ビームライフル×1
・MA-M01 ラケルタ・ビームサーベル×2
・MMI-M15 クスィフィアス・レール砲×2
・M100 バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲×2
・MR-Q17X グリフォン2ビームブレイド×2
・MX2002 ビームキャリーシールド×1
さらに詳細なデータを見ると、バラエーナの射撃モードが「通常射撃」と「高出力砲撃モード」の二種類を使い分ける仕様となっていて、それ以外にも幾つかの本来存在しない機能が追加されている。
ミラージュコロイド・ステルス。これはブリッツガンダムに搭載されたコロイド粒子を機体表面に定着させることで可視光線や赤外線をはじめとする電磁波を偏向させ、機体の隠匿が可能となる電磁光学迷彩システムだ。PS装甲との併用はできないから戦闘では使わないのだが、機体を隠すにはちょうどいい機能だ。
エクストリームブラストモード。これはデスティニーガンダムに搭載された最大稼働モードで、機動性を向上させる他、ミラージュコロイドを広域散布することで周囲の空間上に自機の光学残像を形成する事が可能となっている。
フリーダムに本来備わっている「ハイマットモード」と併用することで、従来のモビルスーツを遥かに凌ぐ機動性と加速性能を獲得することができる……いわゆる「キランザム」ってやつか。
次元転移システム「クロスゲート」。その名の通り、異なる世界を繋ぐ「門」を開くためのシステムだ。説明文には幾つかの注意事項が書いてあった。このシステムは既に観測された世界にしか転移できない、さらにデータ不足分によって転移先の座標にズレが生じる可能性があるらしい。
クロスゲートか……『無限のフロンティア』と『スパロボOG』に登場するあの「門」と同じ名前だな。形状も同じなのかは分からないが、確認は転移テストの時にしよう。
今は……そうだな、ソードスキルを格闘プログラムとしてフリーダムに実装しよう。
先ずは片手剣の基本技と四連撃技だな、そして実戦で使えるかどうかを戦闘シミュレーションで確認してみよう。
しばらく経った後、私は戦闘シミュレーションを開き、この格闘プログラムが実戦で使えるかどうかの検証を開始する。仮想敵はフォースインパルスガンダムで、武器の使用制限は白兵戦用武装のみ。なお、インパルスには二振りの対艦刀を持たせている。マップは空中に設定する。
「さあ、始めようか」
コンソールのボタンを押すと同時に、インパルスガンダムは両手にある「エクスカリバーレーザー対艦刀」をこちらに向けて構えた。
異なるガンダム作品のビームサーベル同士が鍔競り合えるかどうかは分からないが、コズミック・イラにおけるビームサーベルは、ミラージュコロイド用の磁場形成理論の応用技術によってビームを刃状に固定したもので、互いに反発する性質がない為、刃がすり抜けてしまう。
従って、此度のシミュレーションは盾で剣を防ぐことも重要だ。
巨大な二振りの対艦刀「エクスカリバー」を両手に持ち構えて、インパルスは真っ直ぐこちらに突進してきた。私もラケルタ・ビームサーベルを引き抜いて応戦する。
己の間合いに入った瞬間に、インパルスは二振りの対艦刀を大きく振りかぶって、こちらに斬りかかってきた。振るわれる斬艦刀を、私は「ビームキャリーシールド」で弾き返す。
得物が弾かれて体勢が崩れた所に、私はすかさず追撃を行った。ビームサーベルを持った右腕を機体に引き付けてから、スラスターを全開にして後退しようとするインパルスとの距離を詰める。
間合いを詰めると、私はインパルスの機体に目掛けて「ソニックリープ」を放った。咄嗟にスラスターを噴かして、インパルスは機体を左旋回させることでこの一撃を避けて見せた。
着地して体勢を立て直したインパルスは二振りの対艦刀を連結させると、再び攻勢に出た。私はビームサーベルを構え直すと、急接近するインパルスにフリーダムを正対させる。
お互いの間合いに入った瞬間、インパルスは対艦刀を大きく振り被って、フリーダムに目掛けて渾身の一撃を放った。私は即座にフリーダムのスラスターを瞬かせ、機体を旋回させることで斬撃を躱すと同時にインパルスの背後に回り込み、そのガラ空きな背中に目掛けて蹴りを入れる。
蹴られたインパルスは姿勢制御を行い、体勢を立て直すことを試みるが、そんな余裕を与えるほど私は甘くないのだ。スラスターを全開にしてインパルスに肉迫し、その機体に目掛けて「バーチカル・スクエア」を放った。
上段斬りを放ち、そして垂直で斬り上げる。インパルスの両腕を切断したと同時に、すぐさまスラスターを噴かして、機体を右回転しつつ強烈な横薙ぎを二度繰り出す。四回の連続攻撃の後、空に描かく斬撃の軌跡が、ピンク色の光に輝き拡がりながら消散する。
瞬く間に、機体がバラバラになったインパルスは、巨大な火球に転じた。
実戦には使えそうだが、まだ改良の余地がたくさんある。二刀流ソードスキルも格闘プログラムとして実装しておきたいから、次は実戦で運用データを収集するとしよう。
MS格納庫を後にした私は、地下道を通って居住区画にある馬鹿でかい邸宅に帰宅した。2階の部屋に入ると、美玖は相変わらず小さな寝息を立てていた。目も口も閉じて、心地よく寝ているような綺麗な表情をしてる。
「(今は寝た子を起こさないでおこう……)」
そう思うと、私は隣にあるソファーに腰を掛け、彼女の可愛らしい寝顔を見つめるのだった。
つづく