「ロックオン・ストラトスより報告。L4方面に敵大型輸送艦を発見!」
「スメラギさん! 敵MSが16機、こちらに接近しています!」
「敵が引き返して来たわね……ガンダム各機、迎撃に備えて!」
『『了解!』』
フェルトとクリスがそう報告すると、スメラギはアレルヤとティエリア、そしてトリニティ兄妹に迎撃の指示を出す。
一方、デュナメスのコックピットでは、ロックオンはメインスクリーンに映る敵大型輸送艦を見据えていた。
虚空に浮かぶ巨大な岩石、その陰に潜む敵輸送艦は、ユニオンのヴァージニア級宇宙輸送艦。
正面から見ると二つの大型コンテナが左右に分かれて扇子状に配置されているのが特徴で、一つのコンテナがMS5機分の収納スペースがある。
数は3隻、恐らくはアレルヤと交戦していた敵部隊の母艦であろう。そう考えたロックオンは敵の輸送艦に照準を定め、トリガーにかけた指に力を込める。
「悪いが、落とさせてもらうぞ!」
長砲身のGNツインライフルから一気に迸った太い光軸が虚空を切り裂き、岩石の陰に潜む輸送艦隊の1隻に突き刺さり、艦体を真っ二つに引き裂いて爆散させる。
敵輸送艦の爆発を合図に、フリーダムとアメイジングエクシア、そしてフィーアは戦闘宙域へと突入し、生き残った2隻の輸送艦はすぐさま応戦を開始する。
戦闘宙域へと突入したフリーダムのコックピットで、私は輸送艦の残骸を見つめていた。
ピンポイント攻撃で敵艦を撃沈する。ロックオンにとっては大した戦果ではあるが、同時に艦に乗っている乗組員の命を百人単位で消滅せしめたことになる。
虚空を漂う残骸と死体を目の当たりにして、ロックオンと刹那は何を思うのだろう。
敵兵を葬ったことに対して歓喜と達成感を覚えるほどの異常な精神構造をしているサーシェスと違って、彼らはCBの理念を実現する為に、その覚悟をして参加しているのだ。彼らの心の中にあるものは「罪の意識」かもしれないが、正確な答えは本人のみぞ知る。
そして私は、この世界に介入した責任を果たす為に、CBに全面協力することを約束した。
自由には責任が伴う。
私はこの世界に介入する「自由」を選んだ。幾度も戦闘状況に介入した。その上で強力な武器を持ってだ。それで救われた者もいれば、命を絶たれた者もいる。
敵味方に関わりなく、私は既に大勢の人々の運命に介在しているのだ。だから、その「責任」を果たす必要がある。
戦い続けた今までも、私は後悔していない。
最後にはいつも、自分で選んだ道だから。
私はリニアキャノンを掃射してくる2隻のヴァージニア級に目を向ける。
「バラエーナ、高出力砲撃モード……発射!」
そして片方のヴァージニア級に狙いを定め、トリガーを引く。2門のバラエーナから迸った熱線が艦体を貫き、一瞬だけの恒星に変えた。
振り向きさまに最後の1隻に照準を定めると、コックピットには敵部隊がこちらに接近していることを示す警告音が鳴り響いた。
「ほう、国連軍の増援部隊が現れましたか」
「おいおい、100機以上いるぞ!」
「来やがったな、クソ大使!」
「あれは、国連大使の率いる増援部隊……! しかし妙だ、動きが単調すぎる!」
ヴァージニア級の撤退を援護しつつ、こちらに攻撃を仕掛ける部隊は、100機以上のジンクスで構成された大部隊だった。だが、動きがあまりにも単調すぎて人間味がなかった。
通信から刹那の言葉を聞いた隼人は、一つの推測をした。
「あれは多分、MDを搭載した無人機だろうな。試したいことがある、お前らは下がってろ!」
「何をする気だ、風間隼人⁉」
単機でジンクスの群れに突撃していったフィーアを見て、刹那は隼人呼び止めるが、隼人からの返答がなかった。
一方、フィーアのコックピットでは、隼人はコンソールを操作してバックドアプログラムを起動させていた。このプログラムを起動すれば、この場にいるジンクスを自分の駒として操作することができる。しかしながら、操作できる数は最大50機だ。
ならば、システムを狂わせて同士討ちを誘発させよう。
「セットアップ完了……ポチッとな!」
粒子ビームの豪雨が襲いかかるが、隼人は素速く操縦桿を動かして機体を翻せる。攻撃を躱したと同時に、バックドアプログラムの起動ボタンを押した。
次の瞬間、100機以上のジンクスで構成された大部隊は混乱を起こして、同士討ちを始めた。木偶人形たちがお互い潰し合っている隙に、我々は後方に控える黒幕――アレハンドロ・コーナーを打倒すべく、L4方面へ機体を飛翔させた。
「前方になんか馬鹿でかいのがいるぞ!」
「馬鹿でかいやつ? なっ、まさか!」
ロックオンの言葉に、隼人は怪訝な表情を示すが、スクリーンに映し出された映像を見ると、直ぐにその正体が分かった。
黄金の機体を左右に展開した12機の黒い機体と比較するに、縦は2倍、横は4倍軽く超えてるだろう。中央には髑髏の口を模したようなスリットがあり、その上には2門のビーム砲らしきものが備わっている。そして、機体の向こうには黄金のGN粒子の輝きが見える。
そのデカブツの正体は、擬似太陽炉を7基搭載した巨大MA――アルヴァトーレだ。
4機のガンダムが近づいていることを察知したのか、黄金の機体のスリットが開き、その奥から大口径の砲口が現れた。アルヴァトーレが巨大GNビーム砲の発射態勢に入ったことを感じ取った私は、すぐさま3人に回避の指示を飛ばす。
「敵の砲撃が来ます! 全機散開!」
「あのデカブツ、デュナメス以上の射程を持っているのか⁉」
ロックオンがそう言い放った時、その砲口の数倍以上、戦艦を丸ごと飲み込んで余りある光柱が放たれ、漆黒の宇宙空間を切り裂いていく。
全機がそれを難なく回避した後、隼人は皮肉めいた笑みを浮かべてそれを見送った。
「大外れだ、このクソ大――」
「――いや、その方向には!」
刹那は隼人の言葉を遮り、叫ぶ。同時に隼人は、自分の誤りに気付いた。
敵の粒子ビームが向かった先にあるものは――。
「――トレミーか!」
ロックオンの声が答えを叫んだ。
幸いにして、プトレマイオスは直撃を免れた。
だが、膨大な粒子ビームの奔流は艦の左後方を掠め、左舷のメインスラスターである第一粒子出力部が使い物にならなくなった。
一応、ネーナの駆るスローネドライが予めビーム攪乱幕ミサイルをばら撒いているが、それでも完全に防ぎ切ることができなかった。
「第一粒子出力部への粒子供給をカット、全ての粒子供給を第二粒子出力部に回して!」
「了解ッス!」
スメラギの指示に従い、リヒティは機能停止した第一粒子出力部への粒子供給を切断し、粒子を全て第二粒子出力部に回すように操艦システムを再設定するが――しかしそこで、見えない敵から放たれた第二波が迫る。
「粒子ビーム、真っ直ぐこちらに向かっています!」
「大丈夫だ、クリス。今度は避けて見せるさ!」
リヒティの巧みな操艦によって第二波砲撃は無事に回避、その余波によって艦全体が激しく振動したが、損害はゼロだった。リヒティは宣言通り、敵の砲撃を回避して見せた。
スメラギは即座にプトレマイオスを岩石の陰に隠すよう指示を出すが――そこで1機のジンクスが岩石の陰から出現し、ブリッジにGNビームライフルの銃口を向ける。
「敵の別働隊⁉」
「粒子ビーム、来ます!」
全員が死を覚悟したその瞬間、銃口を向けていたジンクスが横から飛来した粒子ビームに胴体を貫かれ、爆炎を上げて塵と化した。
ジンクスを撃破したのは、頭頂部から迫り出している鋭利的な鶏冠のようなパーツ、額の部分には黄色のV字ブレードアンテナ、右手には携行式の大型粒子ビーム砲を握っており、背中には飛行ユニットらしき大型パックバッグを装着している黒いガンダムだった。
「プトレマイオス、今のうちに後退を!」
通信から声が聞こえた時、黒いガンダムのシルエットがスメラギたちの視界に入った。
黒いガンダムは、ヨハン・トリニティの駆るガンダムスローネアイントゥルブレンツだった。
岩石を迂回してくるジンクス部隊の前に飛び出し、右手に握っている大型粒子ビーム砲――GNブラスターによる先制の一撃を加えたアインは、続けてGNファングを射出した。
アインの腰に垂れ下がっているスカート状の装甲から踊り出した八つの牙は、自在に宇宙空間を駆け回り、目にも止まらないほどの速さで、瞬く間に2機のジンクスを葬った。何とか対応しようとした1機も続けざまに爆散させる。
『仲間がやられた⁉ た、退却だ!』
「俺たちから逃げられると思うなよぉ!」
仲間たちがあっけなく撃破されたところを見て、後続の2機は退却を試みる――が、そこで緋色のガンダムが背後から躍りかかってきた。
右肩に装備している両手剣を持ち構えたそのガンダムは、2機のジンクスの胴体に目掛けて巨大な剣を横薙ぎに振るった。次の瞬間、2機は胴体を境に真っ二つに折れ、生き別れになった上半身と下半身が相次いで爆発し、火球に転じる。
緋色のガンダムは、ミハエル・トリニティの駆るガンダムスローネツヴァイだった。
「へへッ、刻んでやったぜ!」
ミハエルがそう息を吐いた瞬間、最後の1機のジンクスが薄くなった煙を突き破り、GNビームサーベルを振り上げてツヴァイに斬りかかる。敵機を視認したミハエルは、すぐさま機体の向きを変えて応戦するが、そのジンクスはプトレマイオスの陰から踊り出たワインレッドのガンダムから放った粒子ビームに太陽炉を貫かれ、爆発四散した。
「助かったぜ、ネーナ!」
「後ろにも気を付けてよね、ミハ兄! にしてもこの新装備、本当に凄い火力だよね……」
ワインレッドのガンダムは、ネーナ・トリニティの駆るガンダムスローネトライだった。
その左手に握っている黒と白を基調にしたビームライフルは、悠凪がトリニティ兄妹の為に用意した新装備だ。GNビームサブマシンガンのような高速連射が可能で、高出力ならばGNキャノンにも匹敵する威力を発揮する。この為、ガンダムと同等の性能を持つジンクスをいとも簡単に撃破することができた。
一方、ティエリアはパトリック・コーラサワーの率いる部隊と戦闘を繰り広げていた。
2丁のGNバズーカから放った熱線が敵機を外れて宇宙の果てに消えると、岩石の陰より4機のジンクスが姿を現した。各々の銃口から粒子ビームが迸り出る。
敵に半包囲され、集中砲撃を浴びるに至って、ティエリアは防戦を余儀なくされた。ヴァーチェのGNフィールドは敵の粒子ビームから十分に耐えていたが、敵弾の勢いに段々と押されていく。
『動きが鈍いんだよ、このデカブツが!』
「くっ……!」
操縦桿を動かしつつ、ティエリアがちらりとサブモニターに目をやる。
そこに表示されているのは――トランザムシステムの起動ボタン。
だが、敵はまだ5機残っており、増援部隊がないとは限らない。トランザムで全機を撃破したとしても、敵の増援部隊の前にシステムが限界時間を迎えてしまえば、機能低下したヴァーチェは敵に袋叩きにされるだけだ。
「トランザムには早すぎる……!」
ティエリアの顔には、焦りの色が浮かんでいた。
ヴァーチェが敵部隊の攻勢を凌いでいる一方、セルゲイの率いるもう一つのジンクス部隊は岩石の陰を移動しつつ、姿を隠したガンダムキュリオスを追跡していた。
5機で構成されているこの部隊には、ピーリス機も含まれていた。先頭で部隊を率いている機体は自分の上官――セルゲイ・スミルノフ中佐の乗機で、彼女が2機目だった。
その後ろにはハワードとダリル、そしてヘンリーの3名の元フラッグファイターの駆るジンクスが追随している。
突如、ヘンリー機の動きに妙というか不穏なものを彼女は感じた。
『……どうした?』
機体を振り返らせて、最後尾にいるヘンリー機の様子を窺う。
するとピーリスは、ヘンリー機の胸元からオレンジ色の金属片が突き出しているのを見た。次の瞬間、その金属片が真ん中からばかりと割れると、其々が上下に広がってヘンリー機を真っ二つに両断した。爆煙の奥から、猪突猛進するようにオレンジ色の機体が姿を現し、ピーリス機に迫る。
「ハッハッハッハァッ!」
『羽根付き……! 被験体E-57!』
その機体は、アレルヤの内なる存在――ハレルヤの駆るガンダムキュリオスだった。
『おのれ、よくもヘンリーを!』
『今度は逃がさないぞ、ガンダム!』
仲間が成す術なく撃破されたのを見て、激怒したハワードとダリルは右手にGNビームサーベルを抜かせる。凄まじい勢いで突進してくるキュリオスに、真っ向から挑みかかった。
「雑魚は引っ込んでな!」
2機はキュリオスの胴体に目掛けて斬りつけようとしたが、その前にクロー状に展開されたGNシールドに打ち払われて剣を落としてしまう。
ハワード機とダリル機を無視したキュリオスは腰部後方の装甲裏に装備したGNビームサーベルを引き抜き、ピーリス機に向けて加速しながら左右に振った。
機体に急制動をかけたピーリスは左手にGNビームサーベルを抜かせると、振るわれる粒子束をそれで受け止めた。
『この至近距離なら!』
「遅ぇよ!」
右腕を翻して至近距離からGNビームライフルでキュリオスに狙いをつけるが、トリガーを引く前にクローに変形したGNシールドに手首を挟まれ、勢いで放たれた3発の熱線は見当違い方向へ飛び去っていく。
一連の攻勢を凌いだキュリオスはピーリス機の下半身に目掛けて足を蹴り上げ、その反動を利用してピーリス機の間合いから離れ、牽制のGNビームサブマシンガンを撃ち散らす――が、そこでセルゲイ機がGNビームサーベルを振り上げて斬りかかる。
『その左手、もらった!』
「動きが見えてるんだよぉ!」
キュリオスは機体を翻らせると、セルゲイ機の斬撃を回避し、飛行形態に機体を変形させて離脱した。集結した4機のジンクスはすぐさま追撃を開始するのだった。
「デュナメスの射程距離に入った!」
GNアーマーTYPE-Dのコックピットにいるロックオンが、サブモニターで相手との相対距離を確認しながらそう呟く。
サブモニターには、黄金の機体と自機との相対距離や二次元グラフィックスなどの詳細データが映し出されている。距離は十分。
「GNキャノン、GNツインライフル、チャージ開始、チャージ開始」
ハロの声と共に、GNアーマーTYPE-Dのビーム兵器のチャージが開始された。
そして武器の粒子供給が100%に達した瞬間――。
「――デュナメス、目標を狙い撃つ!」
GNアーマーTYPE-Dの右側面に備わっているGNツインライフル、そして中央上部にある2門のGNキャノンが火を噴き、砲口から迸った熱線が闇を疾走し、黄金の機体に殺到する。
だが、黄金の機体は、自機を丸っきり包み込む球形をした黄金の領域を張り、膨大な威力を誇る粒子ビームを完璧に防ぎきる。霧散した粒子ビームの高熱は、敵機に届いてないようだった。
「バカな、防いだだと⁉」
GNアーマーTYPE-Dの全力砲撃を防いだ敵機に、ロックオンは驚きを隠せなかった。
「あれは、GNフィールド⁉ どうやってあんな出力を……!」
「擬似太陽炉を7機搭載しているんだ、このくらい当然だ!」
領域の正体を一瞬で看破した刹那が呟き、隼人が答える。
擬似太陽炉を複数搭載し、GNアーマーTYPE-Dの全力砲撃を防ぎきる程のGNフィールドを展開したとはいえ、この技術は元々CBのものであり、マイスターたちはその仕組みと対処法も心得ていた。
「刹那、何故エクシアに実体剣が装備されているか……その理由、忘れたとは言わせないぞ!」
「その理由、俺は覚えている」
イオリア計画の中には、対ガンダム戦も入っていた。エクシアのGNソードは、GNフィールドに対抗する為にある。それに最大の切り札であるナドレのトライアルシステムが使えない今、強化改修されたエクシア――アメイジングエクシアはCBの切り札となる。
球体を形成する圧縮粒子の流れを、GNソードによって斬り裂いてやればいい。
「奴の懐に飛び込む!」
「行きましょう、刹那!」
アメイジングエクシアが折り畳まれていたGNソードを展開すると、フリーダムも2本のビームサーベルを引き抜いた。2機のガンダムは黄金の機体に向かって加速していく。右肩に装備されたGNバスターソードを両手で構えると、フィーアは先行した2機を追随するのだった。
しかしそこで、巨体の背後から12機の黒い機体が姿を現し、各々の銃口から真紅の粒子ビームが迸り出る。
隼人が機体に急制動をかけて粒子ビームの掃射を躱した一方、私は2本のビームサーベルを振り回し、迫りくる粒子ビームを斬り払う。刹那の駆るアメイジングエクシアはGNフィールドを展開し、粒子ビームの豪雨を防ぐ。
「あれは、黒い……アストレア⁉」
メインスクリーンに映し出された黒い機体を見て、刹那は驚きの声でそう呟いた。
アメイジングエクシアの前に立ちふさがる敵機は、真紅のGN粒子を放ち、装甲が真っ黒に塗装されたガンダムアストレアだった。
その後ろには同じく黒に染まったサダルスード、アブルホール、プルトーネが控えていた。其々3機ずつ、合計12機いる。
擬似太陽炉を搭載した第二世代ガンダムのレプリカ――ブラックシリーズ。
これはリボンズの差し金か、それともアレハンドロ・コーナーの独断で生産された機体か。そう考えている内に、私を不快にさせる声が通信に割り込んできた。
『――フハハハハハッ!』
刹那とロックオンにとっては聞き覚えのある声ではなかったが、私と隼人は知っている。
この声の持ち主は、その趣味の悪いMAに乗るパイロット――アレハンドロ・コーナーの声だ。
『忌々しいイオリア・シュヘンベルグの亡霊どもめ、そして裏切り者のハヤト・カザマめ……この私、アレハンドロ・コーナーが、貴様らを新世界への手向けにしてやろう!』
「何が裏切り者だ! テメエの仲間になった覚えはねえよ、このクソったれが!」
隼人が凶暴な言い方でそう言い返すと、12機の黒いガンダムが一斉に動き出し、後方に控えるアルヴァトーレは22門の側面ビーム砲を乱射する。
「この程度の砲撃……!」
刹那と隼人は熱線の軌跡を見切ると小刻みな動きで回避し、各々のライフルで応射する。
アメイジングGNソードライフルのマズルから迸り出た三つの熱線がブラックプルトーネの機体を穿ち、その後方に控えるアルヴァトーレに殺到する――が、相手のGNフィールドのあまりの強固さに虚しく弾かれる。フィーアのGNビームライフルから放った高出力粒子ビームも、同じ結果に辿った。
一方で、ロックオンはGNアーマーTYPE-Dの左側面に備わっている大型ミサイルコンテナを展開し、積載されたGNミサイルをアルヴァトーレに向かって斉射するものの、黄金の装甲に命中する直前にGNフィールドに阻まれ、光球の群れと化した。
薄くなった爆煙の向こうには、両腕を広げ、未だに無傷の敵がいる。
「アメイジングエクシア……」
「フリーダム……」
奴は敵だ。イオリア計画を……そして、世界を歪めた者。
ならば、倒さねばならない。
「「――目標を駆逐する!」」
後編へ続きます。