世界を越えし自由の翼   作:絢瀬 悠凪

46 / 50
お久しぶりです。筆者の絢瀬悠凪です。
スランプから脱した、とまでは言いませんが、これからは精神的健康に注意を払いつつ書いていくので、今後も投稿が遅れる場合がありますが、ゆっくりお付き合いいただければ幸いです。

筆者はポジティブな感想を貰えるとモチベが上がるタイプなので、読んでいただいたらなるべく、書き込んでいただけると幸いです。それは筆者の「たった一つの望み」でもあります。


第40話 準決勝戦

 市松央路の人間関係が、原作本編より酷かった。

 目覚めた瞬間、先程の央路と投良のやり取りを振り返った私はそう思い、次に美玖の豊満な胸を見上げる。まさに絶景と呼ぶに相応しい景色だった。それに頭をなでてくれて、膝枕をしてくれたのは本当に癒される。お陰で連日の疲れが、まるで嘘のように消えていた。

 

「現在時刻は昼の12時45分ですよ、悠凪くん」

「そうか。私は20分ほど寝ていたか」

 

 優しく頭を撫でてくれながら、現在時刻を知らせてくれた美玖。何だか、自分が子供扱いされている気分だ。再びその胸を見上げると、無性に「揉みしだきたい」というみだらな思いが頭を擡げてきた。沸き立つ思いに駆られるまま、私は美玖の胸に手を伸ばして――。

 

「この柔らかい感触、本当に癖になるな……!」

「……っ⁉ ゆ、悠凪くんったら、真っ昼間にこんな……あっ、んっ……ああっ⁉」

「実に色っぽい声だ。君がヴァイオリンを奏でるように、私も君を奏でたいと思っているよ」

「奏でたいって……もうっ、変な言い回しは……やめて、くださいっ!」

 

 と、美玖が喘ぎ声混じりに言いながら、手にしたスマホで私の顔面を叩いた。しかし、全然痛くなかった。それにスマホの発熱具合から察するに、ゲームをしている最中かもしれない。

 

「胸を触ったことは謝る、済まない。ところで、スマホ熱いな。ゲームでもしていたのか?」

「ううん、野球試合の動画を見ていました。市松さんが所属していた野球チームの試合です」

「……ちょっと見せてくれ!」

 

 試合の動画を最後まで視聴すると、私はあることに気づいた。それはキャッチャーを降板された央路が最後まで、出る幕がなかったことだ。余程のことがない限り選手交代はしないのは分かっているが、央路は出場してなかったから、役立たずと見なされて責任を問われたかもしれない。

 

 しかし私から見れば、責任を取るべき者は央路ではなく、ピッチャーである投良だ。何故なら、高校球界「期待の名ピッチャー」の名が聞いて呆れるくらい凡ミスが多かったからだ。彼のせいでチームが敗北したことは誰の目にも明白だ。そう、央路は敗北の責任を擦り付けられたのだ!

 

「――下衆どもめ、私が央路だったら今頃、貴様らを半殺しにしてやったぞ!」

「ゆっ、悠凪くん……急にどうしたのですか?」

 

 こんなの、理不尽すぎる。なぜ央路が、こんな仕打ちを受けなければならないんだ!

 監督にパワハラされて降板された挙句に敗北の責任を擦り付けられた――原作本編では語られてない経緯を知ってしまった途端、私は下衆どもに迫害されている央路を、高校時代の自分と重ねてしまった。瞬時、視界が暗闇に包まれて、嘲笑うような高笑い声が私の耳朶を打った。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 次に目覚めたのは、異常なまでに静寂な灰色の空間だった。

 何も無く、ひたすらに灰色が続いている空間だが、ふと人の話す声が聞こえてくる。

 その中に、自分の声も混ざっていた。

 

『俺たち最近、手持ちが少なくてさぁ。金があんなら出せよ、持ってんだろ?』

『金欠とかいちいち言ってくるな、貴様らに渡すお金なんてない!』

 

 それは、高校時代の私をATM扱いしていた男子生徒の声だった。

 私に拒絶されて逆上した彼は、私の顔に修正パンチを食らわせたことを今でも覚えている。

 仕返しとして机でフルスイングしてやった下衆どもの一人だ。

 

『厚い本読んでいるね、俺に貸せよ!』

『ちょっと……貴様、その本を返せ!』

『なんだよこれは、全部英語じゃねぇか。陰キャのくせにカッコつけやがって、どうせお前なんぞ読んでも分からねぇだろう。お前の代わりに俺が捨ててやんよぉ!』

 

 次に聞こえたのは、当時の私が大好きな本『パンセ』を破り捨てた男子生徒の声だった。

 暴力で問題を解決することを躊躇った私は、ただ見ていることしかできなかった。この出来事をきっかけに、私は「お人好しだと人にいじめられる」という真理を理解した。もし、言葉が通じるのなら、暴力沙汰は起こらずに済む。しかし残念なことに、私の言葉は彼に通じなかった。

 

 力なき正義は無能であり、正義なき力は圧制である――ブレーズ・パスカル。

 『パンセ』に記されたこの言葉が、まさに当時の私の置かれている状況を物語っている。

 

 力なき正義は反対される。何故なら悪党がいつもいるからだ。

 正義なき力は糾弾される。しかし力ある悪党はこれを闇に葬ることができる。

 だから私がどれだけ訴えても学校側は対応してくれなかった。文科省に通報しても揉み消されてなかったことにされ、いじめに加担する先生に「嘘はよくないな」と言われる始末だった。

 

 主張がいかに理に適っているとしても、力なき者の言葉には誰も耳を傾けようとしない。相手が権力者だった場合は揉み消され、最悪の場合は世界から存在を「抹消」されることもあるのだ。

 従って、正義と力を一緒に置かなければならない。その為には正しいものが強いか、強いものが正しくなければならない。

 

 正義は議論の種になるが、力は非常にはっきりしている。その為、人は正義に力を与えることが出来なかった。何故なら力が正義に反対して、それは正しくなく、正しいのは自分だと言ったからだ。斯くして人は正しいものを強くできなかったので、強いものを正しいとしたのだ。

 

 「力」は暴力だけではない。金銭も学歴も人脈も、人々が話し合う為に使う言葉も、力の一種に分類される。本来なら暴力は避けるべき手段であるが、心身共に追い詰められた当時の私は暴力を選ぶことしかできなかった。いや、選ぶことを強いられていたんだ。

 

 昔から人々は暴力に訴えてきた。それは、自分が信じている道理や正義を守る為に、ありとあらゆる手段を使い果たした後の最終手段だった。暴力とはすなわち、激昂した理性であると同時に、最後の理性でもあったのだ。

 

 そして人も獣も、躾に最も効果的なのは「痛み」と「恐怖」だ。だから私は「暴力」という純粋かつ絶対的な力で、この問題を解決することを踏み切った。私は弱者ではないことと、いじめっ子どもに恐怖を植え付けて自らの愚かしさを知らしめる為に。そして、私の正義を執行する為に。

 仕返しとして彼の全指を折った上、階段から突き落として大怪我をさせた。その後は日常生活に支障をきたす程の後遺症が残ったと聞いて、私は無上の愉悦を感じた。その愉悦感はまるで脊椎に電流が走ったようだった。多分これが、正義が執行された感覚だろう。

 

『どんなことがあっても、暴力はいけないことだぞ、絢瀬君』

『この偽善者め……今さら綺麗事を並べて、一体何になるって言うんだ!』

『正義と称しても暴力は所詮暴力だ。それに私は校長だぞ、目上の人には敬語を使いなさい』

『違うな、貴方は間違っている。正義の為の暴力は即ち正義だッ!』

『この私を平手打ちするのか……くっ⁉』

 

 今度はいつでも見て見ぬ振りをしながら、我慢の限界が来た私が暴れ出した途端に説教してきた校長先生の声が聞こえた。あの時は厚かましいなこいつ、と思って殴ってしまったが、しかし当の本人は責任の追及をしなかった。それどころか、いじめ事件への対処を怠ってしまっていたことを謝罪してくれた。事件の中で唯一、私に謝罪をした人だった。

 

 そこまで振り返ったところ、少し息が詰まる気がする。この澱んだ黒い感覚に、ドス黒い感情に染まっていくことに、意味なんて無いんだ。思い出したくなかったのに、どうして今さら……。

 両親の無関心と怠慢も、校長先生の働きかけにより検察官から「起訴猶予処分」を言い渡されて不起訴となったことも、頭の中にフラッシュバックしてくる。続いて足を踏み出す度に黒闇の霧が広がり、自分が自分でなくなっていく不安を感じる。ふと立ち止まり、もう一度遠いところにある影を振り返ってから再び歩き出そうとすると、足首が急に誰かにつかまれた。

 

「き、貴様は⁉」

 

 ぎょっと振り返ると、かつてのいじめっ子の一人の手が、足首をつかんでいる。大きく逞しい手だが、驚くほど冷たい。皺が増えて、骨ばっている。その先にある顔もすっかり歳を取って、頭はほとんど灰色だ。地面に倒れ伏し、私の足首を掴みながら、青ざめて死人のようになった顔が私を見ている。『お前が憎い』と半ば形が崩れ、地面と一緒くたになりかけたいじめっ子が言う。

 

「過去の亡霊め……忌まわしい記憶と共に消え去れッ!」

 

 怒り混じりの叫びをあげながら、私はその首を足で踏み潰した。

 次の瞬間に金色の閃光が闇を砕き、膨れ上がる光が辺り一帯を照らし尽くした。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「悠凪くん、悠凪くんってば!」

「う……みっ、美玖?」

「あら、やっとお目覚めですか」

 

 誰かに呼ばれたので、私は目を見開いた。今のは夢だった。

 自動販売機や千の葉を持つ大きな木、鳥の囀り声が空気をかき回している広場の一画に、声の主たちの顔があった。ベンチから立ち上がり、心配そうな顔で私を見るカレンと、膝枕をしてくれている我が妻である美玖。カレンの顔を見た途端に、思いも寄らず胸が一杯になり「どうして貴女がここに……」と、返した声が喉に詰まった。

 

「城にいると退屈なので、来ちゃいました。ところで、悪い夢でも見ていたのですか?」

「ええ。貴女に転生させられる前、高校時代の出来事が夢に出てきましたよ」

「そうですか。貴方にとって、それは『一番思い出したくない記憶』ですね」

 

 ば、バカな。何故彼女がそれを知っている?

 

「……貴女はそれを、知っていました⁉」

「貴方の過去を、記憶を覗いたことがあります。だから私は、貴方の苦しみを知っています」

「お力を疑うつもりはありませんが、私の過去について簡単に述べてもらえますか?」

「貴方は親に恵まれず、高校時代では一部のクラスメイトや教師に迫害されて、不遇な少年時代を過ごしました。そして新たな人生を得た今も、貴方はそれらの出来事に苦しめられています」

 

 それらは全て、私が過去に経験した出来事だった。彼女は全てを知っているのだ。

 他人の記憶まで覗けるなんて、この女神は本当になんでもありだな、と彼女の能力に私は驚愕を隠せなかった。再びベンチに腰を下ろしたカレンは「今は少し、頭を冷やしなさい……」と優しく微笑んで、そっと頭を撫でてくれた。その慈愛に溢れた姿は、私を包み込んでくれるような母性を感じさせる。以前の私がずっと欲しかった、心から求めていたお母さんの姿だった。

 

「もう、カレンさんったら……後で代わってください!」

 

 やきもちを焼いたように頬を膨らませた美玖が言い、カレンは得意げな微笑みを浮かべ、粘りのない金色の長髪が少しだけ揺れた。日光を受けて輝き、金色の光沢を持つ美しい髪だった。

 

「君たち二人が傍にいてくれたお陰で、今は少し気が楽になった」

「それは良かったです。そう言えばカレンさん、どうして悠凪くんが急に悪い夢を……」

「私から見れば、ストレスが原因かもしれませんね。ここ数日、徹夜してたんでしょ?」

 

 美玖の言葉を遮り、カレンは淡々と言った。私は顔を上げてカレンの瞳を見た。

 

「ええ、徹夜してましたよ……大会用のガンプラを製作する為に」

「そう……目先のことに夢中になるのはいいですが、しっかり休むことも大事ですよ」

「分かってはいますが、非常に期限が切迫していてさ……」

 

 振り返って見れば、大会の開始日までの期間が一週間もなく、それに加え我が愛機のガンプラは作りやすさを度外視してバトルにおける性能面を重点に置いて生産したから、徹夜をしないと先ず間に合わない。今考えれば、私は凄く馬鹿なことをしたかもしれない。でも、その性能には申し分なく、満足に戦えるものだった。

 

「まあ、それはさておきとして、次の試合まであと1時間あるし、今は休んで備えましょう」

 

 カレンがそう言うと「では、大好きな悠凪くんをお返ししますね!」と小悪魔的な口調で言葉を付け足し、優しく頭を撫でた手を離した。それと入れ替わりに美玖が、私の頭をポンポンと撫でてくれた。おまけに四つのマシュマロンを眺められるので、我ながら至福のひと時だった。

 

 

 

 

 

 あれから1時間が経ち、美少女二人(中に神様一人)に腕を抱きつかれ、両手に花のまま体育館内の会場に帰っていった。右手に美玖、左手にカレン、しかも両肘にとてつもなく柔らかいものが当たっているので、何だか余計に照れてしまう。

 すれ違う観客と会場スタッフが、少し窺うような目をこちらに向けてくるのも気になる。美少女二人の美しさに見とれてしまったかも、と思っていた途端に後ろから雑談の声が聞こえる。

 

「ほらほら、あいつだよ。私立ノーブル学園の……」

「ああ、知ってる。初出場でクズノハ・リンドウに勝ったという」

「しかも色っぽい美少女が二人……なんて羨ましいやつなんだ!」

「流石お金持ちの学園だけあって、女の子のレベル高けぇな」

 

 それを聞いた私はそっと後ろを振り向き、美玖とカレンは平然として声の主を眺める。

 

「あの身体目当てのような眼差し、嫌いですわ」

「ええ、早く行きましょう。ほら悠凪くん、立ち止まらないでください」

「あっ、はい……」

 

 視線に不快感を覚えた二人の美少女に引っ張られたままロビーを通り抜けるのだった。

 

「ん、誰だ?」

 

 突如、人の視線を左前方に感じた。

 敵意はないものの、明らかな意志を持った視線だった。そして「へえ、両手に花か」と聞き覚えのある声が聞こえ、同時に声の主であるロックオン・ストラトスがこちらに歩み寄り、その後ろには刹那とアレルヤが控えていた。

 

「君たち……試合を観に来てくれて、ありがとうございます」

「ごきげんよう、皆さん」

「ところで、ティエリアとミス・スメラギは来てなかったんですか?」

 

 お互い挨拶を交わすと、私はティエリアとミス・スメラギたちについてロックオンに尋ねる。

 

「ティエリアなら、人気の多いところが好きじゃないって言って一人でどっか行ってたよ。ミス・スメラギは急な用事が出来ちゃってフェルトと一緒に帰った」

「ん……その『急な用事』とは、一体なんですか?」

「詳細は分からない。向こう側絡みかもしれないから、大会が終わったら一度帰った方がいい」

「ええ。私も気になったので、そうしましょう」

「ねぇ、悠凪の知り合いの方ですか?」

 

 カレンの疑問に、私は頷いてからその耳元に「彼らは向こう側の、西暦世界の戦士たちです」と小さい声で囁いた。さっき彼女から下の名前で呼ばれたが、私は敢えて気にしないことにした。

 

「そう言えば順調に勝ち進んでいるようだが、次の試合も勝てそうか?」

「私は勝たなければならないんですよ。とある女性に優勝を約束しましたから」

「そうか。ところで、その金髪のお嬢ちゃん、外国人かい?」

「ごきげんよう。私はカレン、フィンランドからの留学生ですわ」

 

 咄嗟に思いついた身分を伝えるカレンだった。まぁ金髪だし、怪しまれることはないだろう。

 ロックオンが少し窺うような目を美玖とカレンに向けて数秒後「話があるんだが、こっち来い」と言いながら私の肩に手を回し、壁際に寄ろうと目で語りかけてきた。二人に聞かれたくない話がしたいようだ。

 

「急にどうしたんですか?」

「ちょっと気になっててさ、あのカレンっていう北欧美少女とはどういう関係なんだ?」

「……彼女は、ただの女友達ですよ」

「そうかい……でもさ、あの子がアンタの腕に抱きついてる時、顔がとろんとしてたぜ」

「そっ、そうだったんですか。全然気づけませんでしたよ……」

 

 歩いている時ずっと美玖に目が行ってたから、全然気づかなかった。我ながら痛恨のミスをしてしまった。気高き女神であるカレンのとろんとしてる顔は、きっと可愛いだろうな。

 

「お前さぁ、嬢ちゃん以外の女には鈍感だな。というか興味ねぇってか?」

 

 と、横から急に口を挟んできたアレルヤ。

 いや、この荒々しい口調から察するに、今表に出ているのはハレルヤだ。

 

「そうではありません。ただ、今の私は――」

「お嬢に一筋、だな?」

「ええ、その通りです。ロックオン・ストラトス」

「そっかそっか。つまりこれからハーレムに発展する可能性があるってことだな!」

 

 ハレルヤの言葉を聞いてイラッとした私は、彼の肩を掴んでから手に少し力を込めた。

 

「アレルヤ・ハプティズム。いや、ハレルヤ……君は一体何を言っているのかね?」

「くっ、うぅ、動かねぇ……ってキレすぎだろお前ぇ⁉」

 

 大昔からハーレムは、男の夢だと言われている。

 もちろん昔の私も考えたことはあるが、最愛の女性である美玖に嫌われてしまうので、私はその考えを心の底に沈めた。もし美玖がハーレムを認めるのなら――しかし当然、遊び半分で付き合うではなく、相手の人生に対して最後まで責任を持たなければならない。

 

「ちょ、痛い……痛いって! 早く俺を助けろ、スナイパーさんよぉ!」

「変なことを言うから、こうなるんだよ」

 

 と、ロックオンが呆れたような口調で言うと「悠凪、そろそろ放してやれ」と私に頼んだ。私が手を放すと「ったく、なんて怪力だ⁉」と毒づいたハレルヤの声が聞こえた。全力の1割も使ってないのに……そう言えば私の身体能力は確か、転生前より強くなっているな。

 

「すいません、力加減を誤ってしまいました」

「あっ、いえいえ――」

「……お前、アレルヤだな?」

「もちろんだよ、ロックオン……か、肩が、痛いー!」

 

 一瞬でアレルヤと人格を入れ替えたハレルヤだった。続いて、会場内に『準決勝第一試合、絢瀬悠凪対、市松央路の試合がまもなく始まります』というアナウンスが流れた。

 

「時間ですね。もう行かないと……」

「悠凪、健闘を祈る」

「ありがとう、刹那」

 

 応援してくれた刹那に礼を言うと、美少女二人に腕を抱きつかれたまま歩き出したのだった。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「えっとね悠凪くん、ストラトスさんとハプティズムさんの会話……聞いてしまいました」

「……どどど、どこまで聞いた⁉」

「最初から全部です。ねぇ、カレンさん?」

 

 そっと美玖の顔色を窺ってみると、顔は笑っているのに、目が笑ってない。何故か少し怖い。

 

「ええ、私も聞いちゃいましたわ。ハーレムのことについてね」

 

 一方、カレンの言葉が火に油を注ぐことになり、流石に怒ったのか、美玖が私の腕に抱きついた手に力を込めた。痛くはないが、右腕から頭にかけて痺れるような戦慄が走りっぱなしだった。

 

「美玖、少し落ち着いて冷静に――」

「何をおっしゃってるんですか、悠凪くん。わたしは冷静ですよ?」

「(自覚が無いのかよ⁉)えっと、ハーレムについて言及していたことは認める。でも私はそんなことをするつもりはないし、そもそも今の私には君がいるのだから」

「嬉しい……でも、カレンさんに抱きつかれた状態で弁解しても説得力がないんです。まあ、悠凪くんがわたしのことを忘れない限り、別に目を瞑っても構いませんからね!」

 

 例え美玖の許可を得たとしても、それをしたくない自分がいる。

 

「あらあら、これは『正妻の余裕』というものですか?」

「……貴女は少し黙っていてください!」

 

 と、悪ノリをするカレンを黙らせるように言った。したらば彼女は「女神である私に対してその態度はないでしょう!」と頬をぷくっと膨らませつつ抗議する。抱きついた手を少し緩めた美玖がクスクスと控えめに笑ったが、私から手を放そうとする様子はなかった。

 

 それから当然のごとく、他の男性観客から羨望と嫉妬の眼差しを向けられ、次に1階の観客席に偶然居合わせた玲奈から「ウチにこんな美人あったっけ?」と疑われてしまった。当の本人であるカレンは「諸事情で長い間登校できませんでしたが、つい先日復帰しました」と適当に誤魔化し、玲奈はあっさりとそれを信じた。もし相手が篠原先輩だったら通用しないだろう。

 

「そうなんだ……それでカレンちん、悠凪とはどういうご関係で?」

「悠凪とは古くからの知り合いです。困っていた私に優しくしてくださった……うふふ」

 

 と、とろんとした顔で言いながら、寄り添ってくるカレンだった。色っぽくて可愛い。

 そして案の定に美玖にジト目で見られてしまい、気が付くと玲奈とネーナがニヤリと笑った。

 

「へえ、悠凪さんって結構モテモテなんだね」

「そうそう……寮の女子たちをメロメロにさせた挙句、北欧のお姫様と大人な生徒会長さんをテレさせたんだぜ。可愛い妹しか眼中にないって言い張ってるのに案外やるもんだねぇ!」

 

 ポテチを堪能しているネーナが言い、玲奈が大盛りに盛った話をネーナに伝える。

 

「あのさぁ玲奈、いくら何でも盛りすぎだろう! そもそも、事実無根のことを――」

「ぬひははっ、みんないつも笑える方へ笑える方へ話は盛ってくかんねー。えへっ☆」

「なっ……『えへっ』てなんだよ! 俺にとっては笑えない話だ。それに、まるで俺が『シスコンを装った喰いまくり野郎』みたいな言い方ではないか⁉」

「あーらら、シスコンの自覚あるんだ、このお兄さんは」

 

 振り返ってみると、確かに戸籍上では美玖は私の義理の妹になっている。

 さらに自分の今までの行いや発言から察するに、裏の事情を知らない他人からすれば、私は妹を過保護に溺愛する兄にしか見えないだろう。しかし、まんまとこいつの誘導尋問の罠に嵌められてしまった。我ながら不覚を取ってしまった。

 

「あれ、だんまり?」

「まさか誘導尋問をしてくるとは……やるな、玲奈!」

「そっちが勝手に自爆したのに、あたしのせいにするんかい⁉」

「お、おのれーっ!」

「月の御大将みたいに叫んでも無駄だぞ」

 

 玲奈のドヤ顔を見ていると、何故か神経が苛立ってしまった。

 

「もうっ、玲奈ったら、あまりわたしのお兄ちゃんをからかわないでください」

「じゃあ次は……うふふ、美玖ちんをからかうかな?」

 

 察してくれた美玖が玲奈の悪ふさげを諌めるのだが、逆に彼女のターゲットになってしまった。

 

「れ、玲奈、そこはダメって……んっ、あ、ああっ⁉」

「おいおい……腰を触っただけなのに、この反応は反則っしょ!」

「なんか楽しそう。玲奈、あたしも混ぜてよ」

「いいわよ、ネーナちん」

 

 あーあ、また始まってしまった。

 前回と同じだった。美玖はサンドイッチの具材のように、玲奈とネーナの間に挟まれていじられまくられてる。二人にあちこち触られて「ああっ……いや、くすぐったいってば!」と言いながら色っぽい喘ぎ声をあげた。しかし、本人が嫌がる様子はなかった。

 

「ねえ、あの二人を阻止しないのですか?」

「美玖が嫌がる様子はなかったし、それに百合が咲き誇る光景を眺めるのも一興ですので」

「百合って……うふふっ、これまた変わった趣味をお持ちですね」

 

 と言いつつ、カレンは意味深な微笑みを浮かべた。

 ニヤニヤしていて何を考えているか分からないが、深く聞くのはやめておこうか。やがて時刻が午後2時を迎えた頃『只今より、静岡県ガンプラバトル大会、準決勝第一試合を始めます』というアナウンスが聞えてき、私は即刻その場を立ち去るのだった。

 

 プラモデル部を復活させる為に、そして君がノーブル学園に入学するきっかけを作る為に。

 悪いが央路、この試合は勝たせてもらうぞ。

 

 

 

 

 

 準決勝戦のフィールドは、遠く地平線まで連なる一面の砂漠だった。

 周囲は見渡す限り砂、砂、砂……赤茶色の砂に半ば埋もれたボロボロな建物や柱のような物体はあるものの、遮蔽物として使うには心もとない。成熟した果実のような太陽を背に、帯状に連なる砂丘群の上空を通過すると、オートで作動したセンサーが前方から接近する一つの機影を捕捉したらしく、サブスクリーンの一画に拡大ウインドウを開いた。

 

 敵の識別信号を出すその機影はドダイ改に搭乗し、ビーム・マグナムを携えたガンダムMk-Ⅱだった。フリーダムとの機動力の差や、空中戦闘能力を補う為にSFSを用意するのは正しい選択ではあるが、しかし試合結果は変わることはない。何故なら、勝つのは私だからな。

 

 ――武装選択……バラエーナ・プラズマ収束ビーム砲。

 すでにMk-Ⅱがビーム・マグナムを両手で保持して射撃体勢を取っている。照準レティクルがロックオンを告げるや否や、押し寄せる気配に衝き動かされた私は、トリガーを引き搾った。

 しかし、ビームの熱線が直撃する直前に、Mk-Ⅱが背部と脚部のスラスターを焚いてドダイ改から飛び上がった。準決勝まで勝ち進んだことだけあって、いい腕をしている。と私が央路の操縦技術に感心しているそこに、落下コースに入ったMk-Ⅱがビーム・マグナムを撃ち放った。

 

「いい判断だ。しかし……!」

 

 フリーダムの機体を横ロールさせ、ビーム・マグナムの光軸を回避する。続いてMk-Ⅱの姿勢制御バーニアの噴射光から次の移動軌道を読み、その進行方向にビームライフルを向けて撃とうとするが、別方向から接近するドダイ改がミサイルを撃ち込んできた。

 

「こちらと交戦しながらSFSに攻撃指令を送るとは、なかなかやるじゃないか」

 

 しかし、その程度の攻撃では私には傷一つ付けられないのだ。フリーダムの機体を半回転させてミサイルの嵐を回避すると同時に、左手で握ったビームサーベルを発振させ、飛来するドダイ改に目掛けて振り下ろした。すれ違いざまの斬撃がドダイ改の機体を真っ二つに溶断し、その大きさとほぼ同格にまで膨れ上がった火の玉が炸裂する。

 

『対応された⁉ やはり悠凪さんは、強いんだ』

 

 突然、通信から声が聞こえてくる。

 

「市松央路……?」

『悠凪さんには敵わないかもしれないけど、それでも……!』

 

 央路の叫び声と共に、背中にビーム・マグナムをマウントしたMk-Ⅱがビームサーベルを引き抜いて挑みかかってきた。斬り結んだ粒子束がスパークの火花を散らしたのも一瞬、私は弾かれた勢いで身を翻し、返す刀をMk-Ⅱの左肩に突き立てた。

 

「ん、浅かったか」

『まだだ、まだ終わってない!』

 

 切断することはできなかったが、左肩のカバーは破壊した。後方へ飛びすさるMk-Ⅱに照準を重ね合わせ、私は追撃とばかりにビームライフルを一射した。案の定、左手のグローブに内蔵したアブソーブシステムを使って、こちらのビームを吸収してみせた。

 しかし続けざまに放った二発目を、落下中のMk-Ⅱは吸収せずに回避行動を取った。そのまま急降下して平かな砂地に着地したMk-Ⅱは、グローブから放出されたプラフスキー粒子を右手に集中する挙動を見せた。央路は野球勝負がしたいようだ。折角だし、その誘いに乗ってやろう。

 

「さあ、投げて来い! 君自慢の野球テクニックを、俺に見せてくれ!」

 

 そう言い放った私はフリーダムを地上に降下させ、片方のビーム刃だけ発振したアンビデクストラス・ハルバードをバットのように構えた。すると『ガンプラに野球をやらせたい人って、俺だけじゃなくて良かった』と央路の声が明瞭に耳朶を打った。

 

「第七回世界大会の優勝コンビは同じことをやっていた。俺も一度やってみたかったんだ」

 

 メインスクリーンの向こうにあるMK-Ⅱを見据えた私は『ああ、覚えてる。あの二人の相手はルワンのおっさんだったな』と央路の声が聞こえ、それと同時にMK-Ⅱは機体の上体を逸らして左足を空に掲げた。

 

『この野球バトルに乗ってくれて……ありがとう!』

 

 と、央路が礼を言い、MK-Ⅱは空に掲げた左足を地面に踏み込んだ。超高速で飛来する金色のボールに狙いを絞り、私はアンビデクストラス・ハルバードを野球バットのように振るう。一瞬の後に、強い打撃音と共に打ち返されたボールは、砂に半ば埋もれた建物に直撃した。

 プラフスキー粒子により形成された小さなボールとはいえ、その質量に速度を掛け合わせた力で生み出した衝撃波は、凄まじいものだった。ボロボロな建物が一瞬で倒壊し、強烈な衝撃波が砂を巻き上げ、風圧にも似た砂嵐が機体を揺さぶるのに終始した。

 

 機体にダメージはなかったものの、砂嵐が収まった頃にはフリーダムの両足が半分砂に埋まっていた。背部のスラスターを噴射して脱出すると、私はメインスクリーンに目を凝らしてMK-Ⅱの様子を確認する。片膝をついたそれは左腕が丸ごと外れており、装甲も一部脱落している。

 

「あの壊れ具合、何かおかしいな?」

 

 と、首をひねった私は手早くスクリーンに映るMK-Ⅱの機体を拡大表示する。左肩の破損箇所のみならず、機体のあちこちに瞬間接着剤を使った跡があり、脱落したパーツには経年劣化で黄ばんだものが多数あった。このMK-Ⅱは中古品なのか、と私は疑問を感じた。

 

「そんな中古のガンプラで、準決勝戦まで勝ち進むとは……!」

『いや……こいつは中古じゃなくて、寄せ集めたジャンクパーツで作ったガンプラだ』

「そうだったのか。しかしこのMK-Ⅱはもう戦えそうにない」

『ああ、左半身がほぼ動かない状態だけど、それでも俺は降参するつもりはないッ!』

 

 その決意を込めた声と共に、ビームサーベルを抜き放ったMK-Ⅱが背部のメインスラスターを噴かして、まっすぐこちらに猪突してきた。アームレイカーをグッと動かし、フリーダムの背部と脚部のスラスターを点火させた私は機体を後退させる。MK-Ⅱのビームサーベルが紙一重の差で宙を斬り、桃色がかった残光を虚空に刻む。

 

「勝ち目がなくても諦めない、か。何が君をそうさせたんだ?」

『尻尾巻いて逃げるより、強い人と戦って負けたほうがずっとマシだと思う。それに俺は――』

 

 再び猪突してきたMK-Ⅱが頭部バルカン・ポッドを撃ち放つ。右足で地面を蹴り、右へ左へと飛ぶMK-Ⅱを照準に捉えた私は、飛来する豆鉄砲を躱してから、フリーダムの機体をさらに突進させた。続いて互いのビームサーベルが激突し、斬り結んだ二振りの光刃から熱波と干渉波が膨れ上がり、激しい閃光が互いの面相を照らし出す。

 

『――俺は、金色であり続けたかった。何ものにも恥じない、そんな時を歩みたかったんだ!』

「金色……ぶっちゃけ言って、君はかっこつけたかったのか?」

『そっ、それもあるけど……しかし今の俺は、悠凪さんとのバトルを楽しみたいと思っている』

「ならば嫌なことを全部忘れ、今は我らのバトルに――『ゴールデンタイム』に浸るといい!」

 

 叫び、ライフルのトリガーを引く。同時に──いや、コンマ1秒早くMK-Ⅱの指先がビーム・マグナムのトリガーを引き、爆発的に膨らんだ粒子の奔流が押し寄せてくる。この距離だと回避は間に合わないと判断した私は、左手のビームシールドを展開させた。

 

「君が初めてだよ。この大会で、俺にフリーダムのビームシールドを使わせたのは!」

『ビームシールドとはいえ、マグナム弾を防げるわけが――』

「フッ、それはどうかな?」

 

 ビーム・マグナムの弾はビームシールドの表面に直撃し、灼熱する高エネルギー粒子がシールドを突破しようとするが、しかしモノフェーズ光波シールドをベースにビーム・実体弾を問わず遮断できるように作られた「ソリドゥス・フルゴールビームシールド」を破るには足りない。

 瞬く間、押し寄せてきた高エネルギー粒子が、まるで央路の考えを否定するかのように霧散して消えていった。未だに信じられないのか、無線から『そんなバカな⁉』と央路の声が聞こえた。

 

 続けざまに放った最後の一発もこちらに躱され、弾切れとなったビーム・マグナムを放り捨てたMK-Ⅱは再びビームサーベルを引き抜いて、挑みかがってっきた。互いの間でスパーク光が連続し、一進一退の剣戟を繰り返す。央路はこちらの動きについてこようとするが、しかしボロボロになっているガンダムMK-Ⅱは、彼の思いに応えられなかった。

 

『だっ、ダメだ……追いつかない!』

「もう少し楽しみたいのだが、どうやらここまでのようだ」

 

 メインスラスターを全開にし、加速の勢いを借りてアンビデクストラス・ハルバードを横一閃に振った。MK-Ⅱの右腕がビームサーベルごと切断すると、私はビームブレイドを発振させた右足を蹴り上げ、残った両足を切断した。満身創痍のMK-Ⅱから漏れるスパークが周囲に散り、次第には内部から誘爆を引き起こして四散し、巨大な火球に姿を変えた。

 

『Battle ended.』

 

 

 

 

 

 準決勝戦は私の圧勝で幕を閉じた。これで央路は退学、『金色ラブリッチェ』の序章も間もなく始まる。なぜ央路があんなガンプラで大会に参加するのか気になるのだが、原作開始前の央路との過度な接触は避けるべきと考えた私は、別れの挨拶をしてから彼が会場を去るのを見送った。

 

 会場から来た道を戻りながら腕時計を見ると、現在時刻は2時20分。決勝戦の対戦相手はマオ以外ありえないと考え、それに試合開始まであと1時間あるので、冷たい何かが飲みたい私は会場内のカフェテリアに向かうことにした。

 

 そこで私は、私が苦手なあの女と出くわしてしまった。

 

「絢瀬さんのようなビギナーが決勝戦まで勝ち進むなんて、正直、考えていませんでしたわ」

「ん……奇遇だな城ヶ崎。君も休憩か?」

「ええ。折角ですし、ご一緒にいかがですか?」

「いいだろう、付き合おう」

 

 彼女が何を企んでいるか分からないが、とりあえず誘いに応じてみるか。

 

「初出場でクズノハ・リンドウを打ち負かし、続いてガンプラ塾の卒業生をも打ち負かした。絢瀬さんのお陰で、今回の大会の視聴率が過去最高記録を更新しましたわ」

「そうか、それは良かったな」

 

 仕事に使っているノートPCをこちらに向けられた。

 その画面に映っているのは、とある大手動画サイトの生中継映像で、そしてコメント欄には私に関するコメントが多数書き込まれている。有望な新人や、真田選手の再来などの肯定的なコメントが殆ど。私を貶めるコメントはあるが、しかし絶対的な実力の前にはなんの意味も成さない。

 

「ヤサカ・マオの試合が始まりましたわ」

「分かった、画面を戻す」

 

 スマホを眺める彼女が言い、アイスティーを啜ってから返事した私はコメント欄を閉じ、画面を生中継映像に切り替える。しかし、この試合はあっけないものだった。マオは、クロスボーン魔王のサテライトキャノンで、対戦相手のガンプラをフィールドの構造物諸共薙ぎ払ったのだ。

 

「二回戦に使った戦法と同じ、か。眼立ったところはないな、手の内を見せないつもりか」

「突然こんなことを言うのもなんだけど、絢瀬さんがヤサカさんに勝つイメージが湧きません」

「ほう、どうして俺はマオに勝てないと言い切れるんだ?」

「わたくしの中には貴方が勝つイメージが全くありません。ただ、それだけですわ」

 

 と、コーヒーを飲み干してから、生意気な口調で言い放ってきた城ヶ崎。

 神経が苛立ってしまい、今すぐこの女をわからせたい思いが頭を擡げてしまった。

 

「君がそう思うなら、そうなんだろうな」

「あ、絢瀬さん……っ⁉」

「しかし、それは君の中ではだろ?」

 

 沸き立つ思いに動かされ、椅子から立ち上がった私は彼女に壁ドンした。

 

「ななっ……何をするつもり、ですか?」

「1時間後の決勝戦、俺は優勝を勝ち取るから、絶対に目を離すなよ」

「うぅ、はっ、はい」

「よろしい。では、また後で」

 

 城ヶ崎が頷くと、私は彼女を解放してカフェテリアを後にした。

 しかし、思い返してみれば、さっき城ヶ崎の恥ずかしがってる表情って、意外と可愛いな。もし彼女の性格がああでなかったら、最初から私の攻略対象になっていたのだろう。清楚可憐な美少女なのに、残念だっ!

 

 つづく




本作のメインヒロインである鳳凰院美玖に関しては、読者の皆様もご存知だと思いますが、彼女は筆者の完全オリジナルではなく半オリキャラです。しかしながら、オリ主を転生させた女神であるカレンを掘り下げると、物語の設定上、美玖のことも一緒に語らなければならない為、アンケートの「回答3」では二人となっています。

ユウ・シラカワに関しては、宇宙世紀側の出来事は別作品として、ピクシブとハーメルンにて投稿することを決定している為、アンケートから除外しました。本作のお気に入り数が500超えたら公開設定します。

なお、アンケートの期間は金恋入学編が完結するまでとなります。
最後に一言、皆様のご感想をお待ちしております。

本作のオリ主以外のオリキャラ中に、誰のことをもっと知りたいですか?

  • 風間隼人
  • 篠原聖奈
  • 鳳凰院美玖&カレン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。