白陽の下に水面を駆ける 作:なもなきなにか
食堂で朝ご飯のつもりが、一夜にして食料品が無くなっていた。
それにより朝ご飯が食べられなくなったため、鎮守府のメンバーを2つに分けて行動を開始した。
コクウは鎮守府の警備。ユウは近海警備+試作機の試験運用。その他のメンバーは食料調達と朝食(外食)に出た。
そして、ユウは試験運用中に神流型の友軍艦。『天鎖』の反応を確認。救出に向かうのだった······
ユウ「よう天鎖! 助太刀に来たぞ」
天鎖「助太刀か······リロードができずに弾切れで攻めあぐねていたから助かる。······それはそうと何故ここに?」
ユウ「この艤装······code.ローレライの試験運用をしてたらお前がいたから助太刀に来たんだが······さっき倒したイ級からドロップが発生したみたいだから少しだけ離脱したい。回収してくる」
天鎖「了解した。······中破ではあるがあの程度の相手を引きつけるくらいなら造作もないさ。弾切れで反撃できなかっただけだしな!」
すぐ戻る。とだけ返し、イ級の三枚卸もといドロップ反応の地点へ向かう。
そして、ドロップ地点の光を視認すると同時にローレライに指示を出す。
ユウ「コクウに通信繋いでくれ······出来れば『ドロップ艦の回収頼む』って連絡入れてくれるか?」
ローレ「分かりました! あとドロップ艦に艤装の反応が無いので着水までに回収しないと溺れる可能性があります!!」
ユウ「了解した! ······でも流石に溺れるは言いすぎだろうけどね」
ローレライが言った「溺れる可能性がある」というジョークに自然と笑みが漏れる。
ドロップ地点に着く寸前、光の粒が集まっていき、ひとつの形となって産まれた。
「暁よ。一人前のレdゴボボボボ」
そして海へと落ちて、溺れないようにもがくのを見て俺は放心していた。が、直後のローレの言葉で引き戻される。
ローレ「父さま早く引き揚げてください! 暁ちゃん溺れちゃいますよ!!」
ユウ「······あ、え? 嘘、思ってたよりすぐ落ちた······ってそっか早く引き揚げなきゃ!」
慌てながらも急いで暁を引き揚げて抱える。暁は相当疲れたようでくたっとしている。
ユウ(······これだけ疲れている娘にアレ使うのはどうかと思うけど······うん。帰投してから謝ろう。天鎖の助太刀に暁を抱えて行っても無駄に被害を増やすことにしかならないし、コクウに連絡済みだから長い間空にいる事にはならないだろうし、回収してもらうか)
暁に安全用の落下防止器具を順々に付けていき、全部つけ終わった辺りで暁がため息交じりに口を開く。
暁「もう······なんなのよー」
正直結構気が滅入っているのが見て取れるため罪悪感が半端ない。そのため心の中で何度も謝りながらも装置を起動する。
瞬間、暁に付けたバックパックから風船が飛び出し膨れ上がる
ユウ「空の旅へ······行ってらっしゃい」
暁は驚いた顔をしていたが、「ぴゃぁあぁぁぁぁ」という断末魔を残して一瞬のうちに大空へと吸い込まれ······吹っ飛んでいった。
その後、プカプカと海面を漂っていたイ級の身(三枚に卸した内の二枚)にも装置を付け、空へと飛ばした。
そうして回収が終わったため、急いで天鎖の下へと
ローレ「お待たせしました! 大丈夫ですか? 姉さま」
天鎖「!? ······大丈夫だ! 被弾していない!」
姉さまと呼ばれて一瞬頬が緩んでいた天鎖だが、すぐに表情を引き締めてこちらに合流する。
天鎖「ひとまずはリロードできるまでの時間稼ぎを頼みたい。だが倒せるようならば倒してくれた方が助かる」
ユウ「了解! 仕留めるつもりでやってくるが、無理だった時は頼む」
即座に作戦会議で方針を決めた二人は互いに頷き、行動に移る。
天鎖は自己充電+弾薬補充の為に動きをゆっくりしたものに変え、ユウは敵との距離を縮める為に星型弾を連射し牽制しながら接近していく。
ユウ「なあ、ローレライ。星型弾全部弾かれてないか?」
ローレ「はい。見たところ全弾あの盾みたいな主砲で弾かれてますね」
ユウ「だよな。ま、武装の威力確認できるし良いだ······ろ!」
言いながら右足で空を蹴る。
瞬間、艤装靴に付いていたポップなウィングが外れ、何倍かに巨大化しながらル級目掛けて飛んでいく。
だが、ル級は危険を感じたのか、警戒しながら左方向に避ける。
すると、追尾したかのようにウィングも左に曲がってル級の左腕を切り落として靴へと戻ってきた。
ユウ(おっけ。ウィングブーメランは予想以上の物になったな······それにしても流石はフラッグシップ。すぐに落ち着きを取り戻して反撃入れてくるあたり戦場慣れしてる······)
ローレ「ウィングに破損無しです!」
ユウ「おう、じゃあ次はオールレイン行ってみようか。構え!」
艤装に付いていたオールが全て外れて宙に浮き、ピタリと切っ先を正面に向けて号令を待っている。
ユウ「っし! 撃てェ!!」
号令と共に上げていた右腕を振り下ろし、オールが一本ずつル級へと向かっていく。
ル級はそれを
だが、五本目のオールが盾に当たったとき、オールは盾を砕いてル級の胴体に突き刺さり、それに続いて六本目のオールも腹部に突き刺さった。
ル級「ガアァァァァ!!」
ユウ「これなら仕留められそうだな。······それにしても、四本も受け流されるのは予想外だったし後で全部高周波にカスタムしたほうがいいか?」
改造案を考えている中、ル級の体から黒いモヤのようなものが発生し始め、それと共にル級がこの世のものとは思えない程の絶叫をあげて苦しみだした。
ローレ「······父さま? オールになにかしましたか?」
ユウ「いや、全くといっていいほど何もしていない。だがなんとなく嫌な予感がするな。天候的にも······全弾使って早く仕留めるぞ!」
ル級から黒いモヤのようなものが発生しだしてから快晴だった空に雨雲が集まり、ぽつぽつと雨も降り始めていた。 それに不安を覚えたユウは全武装を使ってでも仕留めるべきだという判断に至った。
ローレ「了解です! オールレイン再セット。スフィア弾も通常弾、追尾弾共に展開! 撃ちます!!」
ローレライが展開した弾はほとんど誤差なくル級に向かっており、二発目の展開も終わっていた。
そして着弾する寸前、空が光りル級に雷が落ち、それにより水蒸気が発生してル級が見えなくなる。
ユウ「落雷だと!? ローレライ! 敵艦の反応はどうなってる!?」
ローレ「不明です! あとオールが落雷により一本を除き全て消滅。それにより実弾武器が無いです!!」
ユウ「これで倒せてなかったら天鎖のリロード終わるまでにオールで斬るか。
······硬いのは盾だけだろうし本体には通るだろ」
戻ってきたオールを構え、水蒸気が晴れるのを待つ。
そして水蒸気が晴れると、そこには先程までのダメージなどもとからなかったかのように五体満足の状態でル級が立っていた。
だが、最初と違い纏うオーラは黄色のものから禍々しい程に黒いものとなり、主砲の盾も金色の結晶のようなもので覆われており、さらに海中で微かに脈動するチューブのような物が足元から伸びていた。
ユウ「············いやちょっと待て落雷ひとつでどうしてそんなことになった!? それになんか目に光が無いしって危ねぇ!!」
ツッコミを入れている最中にも砲撃を受け咄嗟に回避したが、その砲撃も火力が数段上がっているように感じた。
ローレ「······父さま。どうにか勝てそうですか?」
ユウ「あー、なんとか行けそうだとは思うがちょっとあのチューブみたいなのが怖いかな。あれはヤバそうに見える」
ローレ「接近したらあれで絡め取られそうです」
ユウ「最悪スキマが使えれば背後に出てバックスタブ出来るんだけどな」
ローレ「ばっくすたぶ? はわからないですけどスキマは私のワープ機能でなんとかできませんか?」
ユウ「あ······そうだな。じゃあcodeの制限外してそれにするか! ってことで『グランドマスター権限の使用を申請、パスコード【CROWN】。code.ローレライに真名の使用を許可する』」
ローレ『パスコード承認。権限の使用により、真名【天翔ける船 ローア・レプリカ】を起動。異空間ロードのロックを解除。使用可能になりました』
ユウ「これでよし! 行くぞ!」
ローレ「アンロック直後なんですから注意してくださいね! 父さま」
そうして異空間ロードを通って背後に回り、ル級の首に
だが、当たる直前にル級の首に生えてきた金の結晶に阻まれてオールがボキリと折れた。
ユウ「············嘘だろ!? これじゃ仕留めようが無くガフッ」
斬撃に全体重を乗せるために跳んでいたせいで、振り向きざまにル級が放った蹴りの衝撃で水切り石のように海面を跳ねる。
ユウ「あー、クソ! こうなりゃ玉砕覚悟のスフィアタックルでぶつかってやる!」
まともにダメージを与えられる装備が無くなり
だが、ル級に突撃している最中、天鎖から通信が入る。
天鎖『待たせたな! リロード終了だ』
ユウ「!! 了解。じゃあ俺が突っ込んだタイミングで撃ってくれ」
天鎖『巻き込んでいいんだな? 了解。死ぬなよ』
通信を切り天鎖は深呼吸をして心を落ち着かせて、勢いの強くなった雨風のなか慎重に狙いを定めながらその時を待つ。
そして、ユウとル級が衝突したと同時に引き金を引く。
それにより砲塔が回転し数え切れない程の弾丸が放たれ、ル級は横からの弾丸の雨に呑み込まれていった。
それから砲身がオーバーヒートによって停止して弾丸の雨が止むと同時に、先程までの嵐は弱まり、空には陽光が戻り海も何もなかったかのような落ち着きを取り戻していた。
天鎖「······さて、ル級の反応は消滅したが······ローレライの反応はないがあいつのことだ。どうせ無事だろう」
「謎に信用されてるんだねぇ〜。俺」
声と共に背後に星型の穴が開き、そこからユウが現れた。
天鎖「ああ、やっぱり生きてたな。それで、反応がなかった理由は何故だ?」
ユウ「んー? ローレの機能のひとつで『異空間ロード』に入ってこの世界から離れていただけだ。
そういえばひとつ気になってたんだがお前はなんでこんなとこにいるんだ?」
天鎖「答えとするならば······そうだな······『はぐれた娘を探しに来た』か?」
ユウ「······ま、おおまかには理解した。
······その娘さんは確実にこの辺にいるのか?」
天鎖「いや、あのル級のせいで反応は見失った。だが昨日からの潮の流れから考えてこのあたりに来てるのは確実なんだが······」
そこまで言ったところで天鎖がふらりとよろけ、ユウがそれを支えに入る。
ユウ「大丈夫か? ひとまず近くに俺が提督をやって············これから着任する鎮守府があるからそこで休んでけ」
天鎖「済まない。この状態ではまともに動けないからな······お言葉に甘えさせてもらう」
ユウ「問題ない。ローレ、鎮守府に連絡して天鎖も行くことをコクウに伝えてくれ」
ローレ「了解です!」
ユウ「さ、行くぞーって寝てるし」
ローレ「しょうがないですよ。三日前からずっと動き回ってたみたいですから」
ユウ「なんでそんなこと······ログに残ってるのか。ま、三日間ぶっ通しは辛かったんだろうし、さっさと帰って色々やるか!」
そうしてユウは天鎖を抱えながら帰路につき、同時に空腹を思い出した腹の虫が泣いたことで「そういえば朝飯食ってないしもうじき昼だな」とそんなことを呟いた。
)あとがきもどき(
本編4話ですね。
本来ならもう少しサクサクっと書くつもりがこうなりました。でも俺にしては早く書き終えられたので良かったです。
コメントなどはどんどんください。それによって良い作品になっていくかもしれないですのでぜひよろしくおねがいします。