白陽の下に水面を駆ける   作:なもなきなにか

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《前回のあらすじ》
 行動の報告会を行なったユウたちは、食材消失事件の犯人に事情聴取を行ってから犯人である幽々子を連れて昼食を取りに食堂に行って、結果的に幽々子と鎮守府メンバーは和解して食卓を囲んだ。

〉報告会の内容〈
 外出班は朝食を食べに行きそれと一緒に一週間分の食材と私服や娯楽系のものを購入。うち娯楽系のみ三人の割り勘となった。
 同じく皐月が拉致されかけたが五月雨達により阻止したことで被害なし。
 ユウはローレライを修理中ということと暁と天鎖を回収したことの二点。
 コクウは業務連絡と犯人発見等の話や噂の話。 以上!



歓迎会。それと顔合わせ

 

 

 時刻は午後五時半ごろ。

 ユウは執務室で、予定より二時間ほど遅れて到着した数名の艦娘の書類を確認。整理し、遅れた理由とそれによって出た被害の処理をしていた。

 

ユウ「さて、各員行動に移ってくれ。

 だが作業中でも夕飯に呼ばれたらそっち優先で動いてもらう。

 理由として、夕飯の時に顔合わせと軽い歓迎会をするから、今日だけは夕飯最優先と思っておいてくれ」

 

 了解! と元気な返事をして彼女らは退室し、各自の行動に向かった。

 そんな中、一人の艦娘が再び執務室に入って、ユウの向かいに立つ。

 

ユウ「どうした? 自由時間でいいんだぞ? ············時雨。」

 

時雨「自由時間だからこそ、提督が書類仕事してるし、手伝おうかなって。臨時秘書艦みたいな感じでさ。あと今の間は何?」

 

ユウ「コードネームの方で呼ぶべきか迷っただけだ。

 手伝いに関して、気持ちはありがたいが、流石に着任直後のやつに手伝わせるのも悪いからな······」

 

時雨「問題ないさ。僕自身、あっちの鎮守府でもよく臨時秘書艦してたしね。

 それと、コクウに聞いたけど提督だって、正式に着任してから五時間程度だよね?」

 

ユウ「提督と艦娘の差があるだろ。······でもまぁ、早く終わらせたいし手伝い頼むわ」

 

時雨「了解。じゃあ残ってる書類半分くらい貰ってくね」

 

ユウ「任せた。つっても簡単でいいぞ。どうせ白虎と美羽姉ぇくらいしか見ないだろうし、手紙くらい簡単で十分だ」

 

 それから二人で、黙々と集中して書類を処理していき、元がそんな多くないこともあり、書類は五分程で全て処理が終わった。

 時雨は終わってすぐに「お疲れ様」と言葉を残してどこかに行ってしまった。

 ユウは予想より数段早く終わってしまい、呼ばれるまでは暇であるため、何をしようかと頭を悩ませていた。

 

ユウ「さて、どうするか。やることなくなっちまった」

 

 誰もいない部屋でぼそりとつぶやく。すると、それに合わせたかのように、コンコンと扉がノックされる。

 「どうぞ入って〜」と返すと「お届けものよ〜」という声と共に扉が開かれ、紅い鞘に収まった鍔のない刀を持った幽々子が部屋に入ってきた············

 

 

 

 それから数分後、屋外運動場から金属同士が打ち合う高い音が響く。

 運動場にはユウとコクウを中心に、鎮守府のほぼ全員が集まっており、二人の試合を少し離れて見ている状態である。

 そんな一団の中で、三人の艦娘がぼそぼそと話し合っていた。

 

天龍「······なあ皐月。一応太刀筋が見えてるんだが、オレの目が速度に慣れたってことなのか?」

 

皐月「うーん、多分あの時のより遅いよ。あの時のサミさんの刀は、『早く振る』のをメインにしてたけど、今回のは提督もコクウも実戦形式って言ってたから、割と本気で斬りに行ってると思う。······だから少し遅く見えるのかな?」

 

五月雨「多分お二人とも手加減してるんですよ。私達でも見えるように······って遅く振ってるんです。本来ならあの時の私より速く、正確な太刀筋になりますから」

 

 そんな会話をする三人。その他集団も、応援したり分析していたりと楽しめているようだ。

 そんな中、二人······幽々子と愛羅だけがおかしいなと首を傾げていた。

 

愛羅「ねえ、幽々子。あの二人ちょっと調子悪いのかな? なんか普段よりすごく遅いように見えるんだけど······」

 

幽々子「やっぱりそうよね〜? ······キレもないし、遅いと思ってたのよ〜」

 

 二人は聞こえないよう、コソコソ話していたのだが、二人には聞こえていたのか、一度打ち合いが止まった。

 

ユウ「さてェ、フザケは終わりにして、そろそろ真面(ガチ)目にやろうぜ〜」

 

コクウ「だな。そろそろこっちから吹っ掛けようかと思ってた所だ。」

 

ユウ「んじゃ、行くぞ!」

 

 瞬間、ユウの刀が先程幽々子が届けていた紅鞘の刀に変わり、その間にコクウも一度刀を納め、互いに構える。

 そして一瞬、ピタリ。と時が止まったかのように静止し、再び金属音が響く。

 

愛羅「なーんだ、刀の問題だったんだね。それならここから先は楽しくなるかなっ」

 

幽々子「そうねぇ〜。でもあの二人だと衝撃波とか剣圧で周りに被害が出そうよね〜」

 

愛羅「確かに······でも、もう数分としないうちに夕飯に呼ばれそうだから大した被害は出ないと思うよ? 多分······」

 

 先程を超える絶え間ない剣戟の応酬。それはまるで、ひとつの音楽のように周辺の地域に響き渡っていた。

 それから約五分後、「ご飯ですよー」と放送が流れる頃には、衝撃波で運動場の地面が抉れ、ギャラリーも剣圧で何人かに小破前後のダメージが入っていたりと、結構なことが起こっていた。

 

((やべぇ、楽しすぎて加減忘れてた!!))

 

 当の惨事を引き起こした二人は、多少なりとも反省しているようで、コクウはトンボで砂を慣らし、ユウは小破している艦娘達を集めて、中心に円筒状の機械を設置した。

 円筒状の機械は設置されると、その上半分が開き、霧のようなものが吹きして艤装の損傷部があっという間に修復された。

 

五月雨「お兄さん! 何なんですかこの機械!?」

 

ユウ「これ? とある組織の武装を模倣したやつ。今回初使用だからちゃんと艤装が修復されていることに驚いてるよ」

 

 驚きと興味で質問する五月雨に、簡単に答えを返すユウ。他の子たちも目を輝かせており、中には艤装に装備できないかと聞くものもいた。

 

愛羅「はい、治った子はどんどん食堂行って〜! シエルちゃんは怒ると怖いよ〜!!」

 

 そうして、全員が食堂に集まったのは放送から三十分程経った頃だった。

 だが、テーブルに並べられた料理たちは、出来立てのようにホカホカと湯気を立ち上らせている。

 

シエル「さて、皆さん集まりましたし頂きましょう!」

 

 全員が席に着くとともに、シエルが号明るい笑顔で、いただきますと号令をかける。その表情を見たユウは、シエルに食堂任せて正解だな。と思ったことを呟いた。

 

幽々子「ホントに美味しい! いくらでも食べてられそうだわ〜」

 

ユウ「流石に食材にも在庫ってもんがあるから限度を持ってくれ。そうしないと主に金銭面でヤバくなる」

 

 本当に延々と食べそうな幽々子に、一応軽めに釘を刺す。

 えー。と残念そうな表情を見せる幽々子に、シエルはいつでも食べに来てくださいね。と言葉を掛けた。

 ちなみに幽々子の分は鎮守府メンバー全体の一食の材料を使っているため、今回は全体で二食分の食材が消費されているそうだ。

 

 

 それから幾らか時間が経ち、大体の皿が空きはじめた辺りで、ユウが上座に立って、話を始める。

 

ユウ「さて、そろそろ新任組の自己紹介タイムでもしよう。詳細はともかく代表一人が全員分の軽い紹介で頼む。詳細は個人同士で聞くこと」

 

時雨「全体の簡単な紹介なら僕が適任だろうし任せて。

 まず僕、琉球鎮守府から異動してきた駆逐艦の時雨。同じく第二鎮守府から夕立と不知火。正規空母の瑞鶴。

 次に大本営からは骸、海風と太刀風、あと新人の清霜。計七人と一機だよ」

 

 時雨の言葉に合わせて、名前を呼ばれた娘たちが一人ずつ、手を挙げたり立ち上がったりと反応する。

 

ユウ「······? 時雨、これで全員か? 白虎からの連絡では全八人と二十六機と聞いたが······」

 

時雨「あと一人と二十機前後はもうじき来ると思うよ。多分、途中で見かけた厄介事に付き合ってるんだろうね」

 

ユウ「厄介事?」

 

 問うとともにユウは目を細める。

 それに対し、心配する必要はないよと前置きしてから時雨は説明する。

 

時雨「来る途中で、火災を見かけたんだけど、消防も来てたから僕達は素通りして来たんだけど多分そこて救出活動してるんじゃない?」

 

ユウ「それなら仕方ないな。とりあえずそいつらの紹介ははまた後でいいか」

 

 すぐ来るだろ。と結論付けて話を締め、自分の席に戻る。

 そして、席に付くと同時に食堂内にピリリリと着信音が鳴り響いた············

 

 

 




)あとがきもどき(

 (待ってる人はほぼいないと思うけど)大変お待たせしました。
 リアルが幾らか忙しかったり、モチベが低かったりとありました。
 とりあえず、これからのストーリーは元名のように自由に。好きなように書いていこうと思っています。できるかは別ですけど。
 それと間を空けすぎたお詫びとして、オリジナルで書いていたのを一つ挙げておきます。
 では、次回をお楽しみに。



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