アラサーエリちとお姉ちゃん大好き妹亜里沙   作:のののえみ

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そして絢瀬絵里はエロ同人を読む

 朝は優雅な時間――妹が穂むらへ仕事に行くとなれば、では妹が最高のメンタルで職場に行けるようにと、日が上がらぬうちから気合を入れ、彼女にはおずおずとした態度で「そこまでしなくてもいいよ、お姉ちゃん疲れちゃうから」と。

 

 どれほど夜更かしをしても、どれほど疲労が溜まっていても、では仕事をと考えれば、シャキッと気合が入り、妹にそこまでしなくてもいいと言われてしまう程に気合を入れる。

 綺羅家での勝手がわからなかったから、自宅にいるのと同様に日も昇らぬうちから掃除を始めていると、ツバサがもぞもぞと起き出して、何をしているのと言われたので「掃除をしているの」と言ったら、早くもウチを自分の家のようにしているのね、と。

 

 表情までは読み取れなかったけど、声色は喜色めいているので、殴り飛ばされずにいた。

 

 手伝うわけでもなくソファーに腰掛けた彼女は「毎朝、掃除してるの?」って、言うから「掃除は毎日するものじゃないの?」と首を傾げる。

 そんなのは暇人のあなただから、と言われると思いきや、彼女は感心したようにため息をつき「マメな性格をしているのね、穂乃果さんが一家に一台あれば便利と表現されるだけはある」

 

 褒められているのかけなされているのかはわからないけど、ひとまずお茶をご所望みたい。

 掃除をするのを止めて、手を洗ってからティーポットにお茶っ葉を入れ、細かな作業をしてからツバサにお茶を提供する。

 

「たしかに、一家に一台あれば便利ね」

「未来の世界では、絢瀬絵里型のメイドロボが作られるかも」

 

 最初はもてはやされると思うけど、次世代の高性能機が誕生すれば、ロートルとして廃棄処分でもされるか。

 金髪はコストが高くなるから、量産される暁には髪を地味な色合いにしよう――ツバサが笑いながらいい「そんなんじゃ私の要素が無くなるじゃない」と、苦笑いをするしかなかった。

 

「どうしてお茶の入れ方までマスターしてるの?」

「お茶をおいしく飲んでもらった方が、茶葉も報われるでしょ」

 

 有り体に言えば妹のためだけど、ツバサが答えに満足しないと予測し、もう一つの理由を語った。

 言い放ったのも嘘じゃない、食事を美味しく作るのもそう。

 食品ロスと騒がれてるから、ではなく、命をいただいているから、命に報いるためにも、美味しくいただけるものを作る。

 

 失敗して捨てられるようならもったいないし、奪われた命も報われない。

 日々の感謝が生活を成り立たせている――忘れると、生活全体がささくれだつ。

 

「……耳に痛いわね」

「ごめんなさい、説教じみてしまったかしら」

「いや、切羽詰まってると感謝を忘れる――二人に付き合いきれないとされた原因がそれかも」

 

 答えは二人にしか分からないし、私が聞いていい領分かも不明。

 推測だけども、付き合いきれないからやめた――ではなく、他の理由があるはず。

 言っても少し気分が紛れるだけで、問題の解決には至らない。

 

 トップアイドルA-RISEが常勝街道を進み、あらゆるポッと出のアイドルや、似たグループを蹴散らし、アイドルといっても、歌手と言ってもA-RISE。

 さすがに芸能人とくくると違うけれども。

 

 輝かしい活躍をされる中「結婚するからアイドルやめる」とあんじゅに言われ、英玲奈にも「妹がスクールアイドルやるので」と言われ、ゴシップ誌やネットで不仲説がしきりに称えられた。

 

 ケド、二人が離れてもトップアイドルとしての地位を保ってしばらく。

 

「アイドルはもういいかなって」

 

 仕事をセーブし始めたのは「もういいかな」って簡単な理由だ。

 人によっては潮時とか、ここまでとかの表現を用いる――体力気力の限界と、言う人もいるかも。

 

 彼女は「もういいかな」と感じたけど、芸能界では彼女のトーク術と、交遊術は手離せなかったみたい。

 なので仕事は続けている、家賃が払えなくなっても嫌だしと、ツバサは笑いながら言う。

 

「英玲奈にやりたいことをやれと言われてしまった」

「やりたいことをやれ、難しいわね」

「そうなの、手始めに弟の世話をして、二人にはそうじゃないと否定されたけど」

 

 彼に対する溺愛具合から、やりたいことをやるの範疇だと思うし、やりたくないのを無理にしているとは言い難い。

 でも、長い付き合いの両者が私でも気が付くのを、見ないふりでもしない限りは気がつく。

 

 逃避だけど「そのうちわかるんじゃない」と励ますように言い、ツバサも感じているのか「わかるのかもしれないわね」と苦笑いした。

 

「お茶請けに何かない?」

「掃除をしているのに、棚は漁っていないの?」

「許可をいただければ」

「全部許す、弟の衣装タンスも漁っていいわよ」

 

 家の中は自由にしていいと許可を頂いた――でも、さすがに思春期の異性の部屋をあれこれするのは憚られた。

 ツバサだって、そこまですまいと冗談で言ってるに違いないし。  

 

「ラブライブってアニメの同人誌を仕込んでおくから」

「それって、弟くんが読んじゃいけないようなやつ?」

「……ああ、そっか18歳未満禁止か」

 

 かつて、μ'sの活躍をアニメにして、僭越ながら協力したけれども。

 アニメに出演したスクールアイドルは「アニメのキャラの同人なので」と言い訳をされ、各人それぞれに、口にするのをはばかられる内容で活躍。

 

 なお、私たちの尊い犠牲があり、Aqoursのアニメが放送された暁には「成人向け二次創作禁止」のお触れがなされた――それにあやかったのか、ブームが過ぎたのか、μ'sやA-RISEの各人が活躍する同人誌も下火になっている。

 

「A-RISEの同人誌だから丁度いいかなって」

「トラウマレベルよ、それ」

「仕方ない、後で部屋で読みましょう」

 

 

 お茶請けを探し、茶葉もワンランクアップしたものを使ってもいいと許可をされ「彼女の舌を満足させる」お茶を飲みながら、ツバサの自室で「成人向け同人誌」を読む。

 

「や、本当に美味しいわ、このお菓子」

「誰からもらったの?」

「ベテランの俳優さんにもらった、食べてから感想を言ってあげればよかった」

 

 ツバサの感想はその人を大変喜ばせ、提供されるお菓子の数は日に日に増えて行ったそう――食べていなかったので「これからは食べましょう」と言うしか……。

 

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