アラサーエリちとお姉ちゃん大好き妹亜里沙   作:のののえみ

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そして……このタイトル付けるの面倒なので次回からフツウにします

 白磁のお皿にデデンと乗せられた昆虫を観、割り箸を持ったまま愛ちゃんが呻いた。

 部室棟のヒーローは、周囲に集まる学生の顔を眺め、料理を作ってくれた栞子ちゃんを見つめ、そして最終的に寮の管理人にある私にアイコンタクトをした「マジ無理」

 

 果林ちゃん一人が腕を組んで偉そうにしているけども、調理をしたのは栞子ちゃんで、材料を持ってきたのは三船薫子(教育実習生)だ。

 エマちゃんがこの場にいたなら「果林ちゃんは何をしているのかな?」と、背筋を伸ばしたくなる低音ボイスで脅しをかけるに違いなく。 

 

 よく頑張った方だと思う――スクールアイドルとしても知名度を高めている果林ちゃんが昆虫を貪る様は、絶対に無理との寮生がすっかり少数派になってしまったけど。

 必要に駆られない限り昆虫食は「マジ無理」となってしまっても不思議ではない。

 

「普段食べないものを愛ちゃんが食べるというのなら、果林ちゃんも同じことをしなくちゃいけないわね」

 

 哀願するような目で「何とかしてほしい」とメッセージを飛ばされたので「その気持ちは当然」と返答せんばかりに「果林ちゃんに彼女は頑張る代わりを」要求してみる。

 

 果林ちゃんも普段だったらたじろいで意見を撤回するのに、今回は引けないと言わんばかりに余裕のある笑みを湛えつつ「何でも言ってちょうだい、私にこなせないことなどないわ」

 

 周囲の学生から「補習回避」「エマ先輩の助けを借りなくても朝起きる」とヤジが飛ぶけれども、ツバサや理亞ちゃんの悪影響を受けないでいただきたい。

 できれば学生の皆様はピュアなままでいてほしい。

 処女のままでアラサーを迎えてもいいというのか(盛大な自虐)

 

「仮に、この料理を食べるのが愛ちゃんにとって乗り越え難い壁だというのなら」

 

 自分にとっての乗り越えられない壁が容易に思いついたのだろう。

 彼女もここに来て「無理難題を押し付けているのでは?」と察したのか、少しだけ及び腰になったけども。

 自分の好きなものが相手の好きなものとは限らないのに、熱烈に勧められて辟易することはよくある。

 

 ハラスメントと表現されるのも珍しくない。

 

 上原歩夢さんと中川菜々さんの間で問題になってる「大好きハラスメント」に関しては、侑ちゃんから問題解決の一助にと頼まれている。

 

 やあ、歩夢ちゃんが人がいいばっかりに、菜々さんが勧めるアニメ見てしまったがばっかりに……。

 

 しずくお嬢様の下ネタハラスメントの被害者にもなっているから、近々本当に何とかせねばならない。

 

「私と、パフォーマンスで勝負しましょう? より多くの喝采を得た方が勝ち」

「あ?」

 

 声を上げたのは昆虫料理にたじろいでいる愛ちゃんでもなく、それを食べさせようと熱心に働きかけた果林ちゃんでもなく、ましてや料理を作った栞子ちゃんでもなく。

 学生等の問題はできるだけ学生達だけで解決させて欲しいとお願いした、綺羅ツバサさん。

 

 驚きとある程度の怒りを携えた声に周囲からも「何かで勝負しろって言われて、理由をつけて逃げてる絵里ちゃんが浮気したから」「正妻を放っておいて新しい女の子に誘いをかけるもんだから」と、勘違いした反応がなされるけれども。

 

 そのおかげか、昆虫料理を食べるイベントはウヤムヤになったので、ひとまず愛ちゃんには感謝してもらったし。

 果林ちゃんも「自分の好きなものを相手に押し付けるのは良くないことでした」と、愛ちゃんに謝罪し、「べつにいーよ」と言われていた。

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