アラサーエリちとお姉ちゃん大好き妹亜里沙   作:のののえみ

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あとで自身の名前を語尾にする文化が流行りました

 スクールアイドル同好会所属の愛ちゃんの活躍により、バスケ部は善戦せり。

 取り囲まれる金髪を眺めながら、栞子ちゃんは感動する映画を眺めた後みたいなため息をつく。

 すぐにでも飛んで行きたそうな姿を観て、ははんとアラサーは意図に感づく。

 

 実は絵里の籍は自身の家に入ってると文書を偽造した時の真姫の恍惚の表情に似ている。

 海未に対抗しての過剰な手段だったけど、完成度の高さから犯罪ではないかの指摘があり。

 真姫自ら書類は破り捨てられ、関係者一同は揃って口を閉ざす。

 

 つまり栞子ちゃんは愛ちゃんを三船家に入れたい。

 

 赤髪のお嬢様とはちょっと毛色が違うのは、強制的との意図の有無。

 そりゃそうだ、役所に提出できそうな文書偽造をする人間が早々いるわけもない。

 

 コミュニケーション能力の高いギャルが、応援する監修の中に目立つ姿を見つける。 

 コチラに向かって愛想よくほほえみを向け、大きく手を振りながら近づいてくる。

 その姿に驚いたように栞子ちゃんは私と距離を近づけた。

 

 ハハハ、ういやつめ、と白塗りの麿メイクをしながらほほえみたい。

 麿っていうか、バカ殿みたいになりそうだけど……。

 

 好意的な相手が自身に気づいて近寄ってきたのだ、心の準備が整ってないってやつ。

 だけども反応をしないのもおかしいと気づいたのか、彼女は小さく手を振る。

 栞子ちゃんに続くように愛想よく手を振り「いい動きしてたわ、私にはとてもできない」と。

 

 栞子ちゃんに会話が難しそうだったし。

 恋する乙女ってのは一言二言会話を交わすのだって難しい(と漫画で読んだことがある)

 

 でも、年上として彼女たちの友誼は深めておきたい。

 愛ちゃんってギャルは人を乗せて会話させるのが上手い、ひたすら自分が喋ってる時がある。

 聞き上手なので理由を聞いたら、姉代わりの人や下町のお年寄りと交流してきたから。と。

 

 彼女のコミュニケーション能力の高さは穂乃果に通じるものがある。

 頼まれて入った職場にて店中の人と仲良くなり、友人の立場をなくしたこともある。

 あ、友人というよりデザイナーやってる幼なじみって言ったほうがいいかな?

 

 ただ、ココで金髪ばかりが喋っては恋する乙女のおじゃま虫に過ぎない。

 悪役令嬢として破滅フラグ建てるのは勘弁願いたい。

 国外追放されてロシアに行くなら亜里沙の友達の「プーちん」に泣きつくケド。

 処刑となればさすがに復活できない、アニメと違ってリメイク不可である。 

 

 シン・絢瀬絵里とか言っても「え? シンってなに? ゲッター?」とか言われて不評を食らう。

 不評だけならまだしも、ことりから「アレはもう絵里ちゃんじゃない」と言われ。

  

 彼女の悲しみ顔のアップから、沈痛な表情を浮かべた海未へとバトンタッチ。

 そしてシン・絢瀬絵里は主人公の二年生組に成敗され「止めてくれてありがとう」とお礼を言いながら果てる。

 

 元生徒会長の争乱から一転、次週はカレー回となり、金髪のエピソードは視聴者から消える。

 

 と、私が自身がゾンビ化して魔王A-RISEに操られるまでを想像するなか。

 

 愛ちゃんは自身の活躍を見事にアピール。

 さすがは学園でもトップクラスの秀才、栞子ちゃんの好感度を抜け目なく上げる。

 

 ついつい柄にもなく相手にひたすら喋らせて観たものの、ツバサに観られたら殺されそう。

 話させていたら急に怖い顔つきになり「おい、私としゃべるのは面倒くさいか」って。

 

 なんでも、相手を乗せて話させるってのは詐欺師の常套テクニックだそうで。

 そこは聞き上手と呼んで頂きたいと頭を下げるエピソードでした、どっとはらい。

 

「ねえ、絵里さんは……」

「おおっと!」

 

 栞子ちゃんの好感度をさらに爆上げするイベントにひとつまみのトラブルを。

 先程から安心しきった表情で、ダブル金髪(片方地毛)を眺めていたガールをプッシュする。

 

 が、信じられないことに栞子ちゃんはヒラリと身を翻し、金髪ポニーテールは勢い余る。

 そして翻した勢いのままこちらを愛ちゃんに突き出し「な、なにゆえー!」と私は叫ぶ。

 

 押し出されたアラサーはギャルに抱きつく格好となる。

 なんとか押し倒すまでは回避したものの「しおりこ」ちゃんは「あなたにはラブコメの適性がない……」と残念そう。

 

「お、おおっと、か、活躍した愛さんのご褒美にしては……」

「ご、ごめんなさい、って、いない!?」

 

 ギャルが金髪に抱きつかれるってToLOVE○的なイベントを起こした少女。

 「あちらに翡翠の光が!」と、100円玉見つけたときみたいに駆け出して逃亡。

 

 盛り上がるバスケ部一同や、ええもんみたと称賛する他校のみなさま。

 

 ――とりあえず「しおりこ」ちゃんは後で事情聴取。

 

 かに思われたけど、私が追求するまえに騒ぎを聞きつけた寮の物騒な人達が集まる。

 「あまりにもツラすぎるしお……」とキャラにない語尾と正座スタイル。

 その隣には巻き込まれた私――「あまりにもツラすぎるチカ」とオチを付けて頭を垂らした。

 

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