たった一夜の出来事だった。世界から色がなくなった。
この世界にはエレメントと呼ばれるものが存在している。エレメントは様々なものに宿り、それを概念とし物が生まれる。例えばみんなもよく知っている爆弾も爆発を起こし、熱風が吹く。これも元をただせば炎のエレメントの概念から生まれている。エレメントは人の生活に溶け込んでいた。だが、前科157犯、懲役永遠、自らの肉体をバイオ手術で強化させた地球上に誕生した悪の概念と言われていた『ヨーロッパシュークリーム』が脱獄をしてしまった。ヨーロッパシュークリームはバイオ手術で自らの肉体を強化した結果、不死になったためインド洋の海の奥底に封印されていたはずだった。ヨーロッパシュークリームはかつて自らを捕まえた伝説のたたき売り、『奥底に秘められし、地上に上ることを夢に視た太陽の化身・嵐栄邱(アポロノーツ・カム・ヴェルブ)』を倒すために世界のエレメントをすべて自らの力にしようと考えていた。こうしてヨーロッパシュークリームは一夜にして地球を5億周し、ほぼすべてのエレメントを手に入れてしまった。
エレメントは物の概念、それがなくなることはすなわち物がなくなるということだ。エレメントのなくなった世界はもはやヨーロッパシュークリームを止めることができない。そう思っていた。でも、そんなとき、「諦めるな・・・・宇宙の果てまで飛び立った、母星への回帰を夢見ている月の影・江狽昌(グルーヴィッグ・ファヤ・ジョース)・・・!お前にはまだやれることがある・・・!」
ヨロイ修道士!彼は僕のクラスの担任で街でも有名な男。常に鎧を着ていてマッハ98のスピードで移動することのできた腕利きの侍だった。今となっては現役よりも衰えているが彼の握手は万力よりも強い。そんな彼が僕に何か用なのだろうか?「宇宙の果てまで飛び立った、母星への回帰を夢見ている月の影・江狽昌、まだすべてのエレメントがヨーロッパシュークリームに渡ったわけじゃない。小生の家に代々伝わっているこの”明太子のエレメント”が残っている。」その明太子は確かに色を持ち輝いていた。鮮やかな赤色、唐辛子の辛そうな匂い・・・確かにそれは明太子だった。でも、なんで僕にこれを?ヨロイ修道士はこう答えた。「実はお前にはなしていなかったが、お前はかつての戦いで自らの力を大幅に失った奥底に秘められし、地上に上ることを夢に視た太陽の化身・嵐栄邱なのだ!」な・・・なんだって・・・!?僕が・・・奥底に秘められし、地上に上ることを夢に視た太陽の化身・嵐栄邱・・・!「つまり、ヨーロッパシュークリームを止められるのはお前だけだ。この明太子のエレメントを使い、世界に色を取り戻してくれ!」
ヨロイ修道士がそう言い残して10年、僕は修行を重ね、ヨーロッパシュークリームとの決着をつけに行く。勝てるかはわからない。だけど僕は奥底に秘められし、地上に上ることを夢に視た太陽の化身・嵐栄邱。きっと、勝てる!