【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】 作:LN58
――――――遊園地『オーシャンパーク』でのデートに備えて水着の買い出し
士道「着いたぞ、ほら」
十香「すごいな、シドー! これ、みんな、“ミズギ”というものなのか!」
四糸乃「………………」ドキドキ
士道「ああ。試着は何度でもできるから、納得できるまで試していいぞ。時間はたっぷりあるんだからな」
士道「その、あまり濫りに肌を晒している格好は好きじゃないけど、十香が着るものなら好きになれそうだから、なんだっていいからな」
十香「わかったのだー!」タッタッタッタッタ・・・
十香「シドーが喜びそうなものを買ってくるー!」
士道「こらこら。走らない」
士道「ほらほら、四糸乃も。期待しているからな」
四糸乃「は、はい……」
よしのん「うんうん! 士道くんが思わず見惚れるようなスゴイのを選ぶから待っててね!」
四糸乃「ええ!?」カア!
士道「じゃあ、俺はここで待ってるからな」
士道「………………ハア」
士道「……なんで十香たちと水着を買いに来るのが訓練なんですか?」
――――――
令音「どんな水着を見ても動揺しないためさ」
令音「琴里とのデートの時、他の女の子に目移りしたら困るだろう?」
――――――
士道「それはまた、なかなか難しい注文ですね、令音さん」
士道「まだまだ他にいる精霊とデートしてデレさせなくちゃならないってのに――――――」
――――――士道さん。
士道「………………」
士道「…………狂三」
――――――
令音「きみの心拍数をモニターしていることを忘れたわけではあるまいね?」
令音「それに、きみが訓練としてやってきたギャルゲーでもデータ収集している」
令音「きみの好みや傾向はすでにデータ化されて、それを基にした仮想シミュレーターが準備されている」
――――――
士道「そうですか。それはやりたいような、やりたくないような――――――」
士道「あれ?」
士道「でも、そのデータって、俺が俺の守護天使と一緒にプレイしたものなんだから、そこまで当てになるのか?」
士道「……考えてみると、俺、好みの水着姿なんてあったっけ?」
士道「というか、そんなことを考えたことがあったかな、今まで?」
士道「……そうか。俺、あれからずっと“武士道”のためだけに生きてきたんだな」
士道「それこそ、殿町のように 年頃の男女が好きそうなものを ほとんど見向きもせずに――――――」
士道「思い出すだけでも、恥ずかしいような、誇らしいような、誰にも真似できないようなハチャメチャな毎日だったな……」
士道「無茶のし過ぎでボロボロになって家に帰る度に琴里はいつも大袈裟にとらえて涙目になってさ……」
士道「そうだ。あの頃からの無茶は俺の守護天使の力と琴里の力があったから成し得たことなんだな……」
士道「今の俺が“俺”になれたのも、全ては5年前のあの日があってこそなのか……」
士道「俺の守護天使は『時が満ちて〈デート・ア・ライブ〉が始動するまで俺の中で眠りに就いていた』と言った」
士道「なら、〈デート・ア・ライブ〉が始動するまでの5年間 ずっと俺の隣に居て 俺を見続けていた琴里は何を思っていたんだろうな?」
士道「いや、誰にも言えない秘密をずっと抱えていたことに気づいてあげられなかったのに、わかるわけがないか」
士道「でも、だからこそ、対話なんだな」
――――――一番近くて遠い他人だった“家族”と真に向き合う時がきたんだな。
士道「…………“家族”か」
士道「今にして思うと、俺が一番嫌いな何かに思えてきた」
士道「でも、それこそ、今の俺は空間震を引き起こす特殊災害指定生命体と一緒に暮らしていく日々を送り始めているんだ」
士道「そうだ。俺は新しい“家族”の筆頭者として頑張っていかなくちゃならないんだ」
士道「ああ。いつかは真那のことだって迎えに行くんだったな――――――」
士道「………………」クルッ
士道「…………狂三も誘ったら来てくれたのかな?」
折紙「――――――役立たず」ジトー
十香「な、なんだと!? せっかく答えてやったというのに、なんだ、その態度は!?」プンスカ
四糸乃「お、おちついてください、十香さん……」アセアセ
士道「ん?」
士道「折紙――――――」
士道「おいおい、こんなところで喧嘩なんてするな、お前たち」
十香「あ、シドー! こいつが気持ち悪いお願いをするもんだから、こないだの炎の精霊について知っていることを話したら、」
十香「人のことを『役立たず』と――――――」ムスー!
折紙「至極当然。これなら士道の守護天使からの情報の方がはるかに有意義だった」
士道「!」
士道「そうか。得るものがあったようで何よりだったけど、まだ炎の精霊について情報を集めて回っているのか?」
折紙「多角的に情報を分析するのは当然のこと」
士道「まあ、たしかに1つだけの情報を鵜呑みにするのは危険だよな」
折紙「けど、さすがに夜刀神 十香に訊こうと思ったのは私の人生最大の過ちだった……」ハア
十香「鳶一 折紙ぃ!」ムカー!
四糸乃「と、十香さん……」アセアセ
士道「十香も折紙もやめろって! 店の迷惑だから!」
折紙「ところで、士道」
折紙「私は学校指定の競泳水着しか持っていない」
折紙「このままだと、プールや海に行った場合、非常に困ったことになる」
士道「あ、ああ……」(察し)
士道「そうか。だったら、せっかく水着売り場なんだし、まだ十香も四糸乃も選んでいる最中だから、俺はここで待ってるから――――――」パシッ
士道「おわっ!?」グイッ
折紙「水着は自分だけじゃなく他人からの評価も重要」グイグイ
折紙「特に、男子の意見は参考になる」グイグイ
士道「だ、だからって、男の俺を着替えコーナーの中に連れ込もうとするのはどういうことだああああああ!?」グググ・・・
折紙「……言わないとダメ?」ポッ (野獣の眼光)
士道「!!?!」ゾクッ
士道「や、やめっ! やめなさい、折紙! 男の俺が女用の水着売り場で力を振るえないのをいいことに……!」アワワ・・・
士道「年頃の男女がそんな狭いところに一緒に入っちゃダメええええええええええ!」アワワ・・・
十香「こらああああ! 鳶一 折紙!」パシッ
士道「あああああ!?」グイッ
折紙「夜刀神 十香、あなたにはもう用はないのだけれど?」グイグイ!
十香「嫌がる士道を 無理矢理 連れ込もうとしているのを黙って見ていられるか!」グイグイ!
士道「イタイイタイイタイイタイ!! 二人共 痛いから!!」グググ・・・
四糸乃「ああ 士道さん……」オロオロ・・・
四糸乃「どうしよう、よしのん……」オロオロ・・・
よしのん「じゃあさ? 今、士道くんは本命の女の子以外の水着姿にドキドキしない訓練をしている最中だから、」
よしのん「この中で 一番 士道くんをドキドキさせた子が“士道くんの本命の女の子”ってことで 今度デートするってどう?」
士道「え」
四糸乃「ええ!!?!」
十香「おお! お前に勝てばシドーとデェトができるのだな! それならお安い御用なのだ!」
十香「鳶一 折紙! この勝負、受けてもらおうか!」ビシッ!
折紙「鎧袖一触とはこのこと」フッ
折紙「結果は見えている。あなたに士道とのデートを渡すはずがない」
――――――
神無月「おおっと! ここで意外な展開!」
神無月「このまま一人の男子をめぐる修羅場になるかと思いきや、よしのんからの提案で水着コンテストに突入だー!」
令音「シン、これは好都合だ。今のきみにとって いい訓練になることだろう」
令音「さて、シン。ルールとしてはきみの心拍数の高さが基準となるが、」
令音「他者の意見を聞いて良さを理解するのも重要だから、〈フラクシナス〉の方でも採点するものとする」
令音「審判に困った場合の参考にしてくれたまえ」
――――――
士道「もうそれでいいです……」ウーム
士道「夏本番を前に水着を買いに来た淑女の皆様方からの周囲の視線が痛いです……」マジヒクワー
士道「でも、こんなふうに普通の女の子らしいことをしてくれるっていうんなら!」
士道「ああもう! こうなったら『毒を食らわば皿まで』――――――!」
士道「い、いいか、お前たち!? この俺はそう簡単にドキドキなんてしてやらないんだからなぁ!? 気合を入れてけええ!?」ヤケクソ!
十香「おー! なのだ!」
折紙「おー」
よしのん「さあ、四糸乃も!」
四糸乃「お、おー!」
士道「ぶ、武士道とは死ぬことと見つけたり……」ハア
――――――空中戦艦〈フラクシナス〉
士道「……凄い目に遭いましたよ」
神無月「私は楽しく実況させてもらいました」フフッ
神無月「水着姿の女の子をあれだけ見たんです。訓練の効果はあるでしょう」
士道「はい。琴里を助けなくちゃならないんです」
士道「――――――明日は絶対に失敗できない」
士道「そのために、俺の守護天使も明日は折紙の話し相手になって時間を稼いでくれる手筈になっています」
神無月「たしかに、精霊であることを隠さなかった時崎 狂三が転校初日にASTに襲撃された件がありましたからね」
神無月「空間震の有無に関わらず、司令の反応を察知して ASTが出動してくる可能性も考慮しておかなければなりません」
士道「他にも、いろいろと不安なところはありますけど、考えたところでしかたがないので、考えないようにしておきます」
神無月「そうですね。たしかに何が起きるかはわからないですが、それだけに予期せぬ慶事もあるかもしれません」
神無月「こちらも全力で支援しますので、必要な措置があれば 遠慮なく要請してください。可能な限り 最高のシチェーションを整えてみせます」
士道「ありがとうございます、神無月さん」
神無月「そうだ。参考になるかわかりませんが、5年前の大火災の映像をご覧になりますか?」
士道「あるんですか!?」
神無月「どこかのテレビ局が撮影したものを “精霊”案件と判明次第 〈ラタトスク〉が迅速に押さえたものです」
士道「え、『押収した』ってことは――――――」
神無月「ええ。バッチリと写っていたんですよ、その映像にはね」
――――――精霊となったばかりの司令と、その側で倒れている士道くんが。
士道「――――――あ、俺だ」
神無月「再生を続けます」ピッ
士道「?」
士道「…………ううん?」
士道「――――――ッ!」ギリッ
神無月「どうかしましたか、士道くん?」
士道「停めてください。そして、できれば画像を大きくして解像度を上げてください」
神無月「どうしました?」ピッピッ
神無月「何も目ぼしいものは写っていないような……」ウーム
士道「いったい何者なんだ、お前は!? 見ているだけで込み上がってくる この感情はいったい何なんだ?! お前は誰だ?!」ギリリ・・・
神無月「誰って……、誰のことです?」アセタラー
士道「ほら、琴里の隣に――――――」
神無月「もしかして この画像の乱れ――――――、“ノイズ”ですか?」
士道「そうです! こいつのデータは何かないんですか――――――!」
神無月「え」
士道「え」
士道「もしかして、俺にしか見えてない?」
士道「神無月さん、琴里の隣のこれです!」 ――――――拡大表示された画面で必死にノイズを指し示す。
神無月「……私にはただのノイズにしか見えませんね」
士道「そんな……」
士道「でも、たしかに俺は一目見ただけで“誰か”だって――――――」ギリリ・・・
士道「!?!!」
士道「!?!?!!!!!」
士道「うううわあああああああああああああああ!!?!」
神無月「士道くん? 士道くん!?」
士道「まやかすなあああああああああ!」
士道「うああああああああああ!」ザシュ! ――――――脚から抜いた短刀で勢いよく片腕を突き刺した!
士道「あああ!?」ドテン!
神無月「士道くん!? 何をやっているのですか!? すぐにでも止血を!!」
士道「あ、しまったぁ……。今、琴里の霊力が戻ってるから、再生能力が使えないんだったぁ……」グハァ・・・
神無月「そうです。気をつけてください」
神無月「幸い、〈フラクシナス〉の医療用
神無月「今の士道くんは 撃たれたり 斬られたりすれば 普通に死んでしまう身体なんですから、もっと自分を大切にしてください」
士道「す、すみません……」ゼエゼエ
士道「でも、俺以外の人にはノイズにしか見えない“何か”がいたんです、あそこに!」ゼエゼエ
神無月「…………調査しておきましょう」
士道「はい。お願いします」
士道「ハッ」
士道「そう言えば、5年前のあの日――――――!」
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グラハム『――――――
士道「グラハム?」
グラハム『む。すまない、少し考え込んでしまっていた』
グラハム『さあ、妹君の許へ――――――』
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士道「思い出した! 思い出したぞ!」
士道「そうか! この感覚! このことを言っていたに違いない!」
士道「たぶん、こいつだ! 俺の守護天使が呟いていた“4つの気配”の1つってのはこいつのことなんだ!」
神無月「…………!」
神無月「たしかに、士道くんの守護天使:グラハム氏の当時の証言に そのようなものがあった気がします」
神無月「では、これもまた未確認の精霊なのでしょうか?」
神無月「まるでノイズのように姿を隠すことができる幻影のような存在――――――、さしずめ〈ファントム〉と言ったところでしょうか」
士道「そんなの、俺の守護天使が見れば すぐわかります!」
士道「来てくれ、俺の守護天使! グラハム・エーカー!」
士道「…………来ない?」
士道「おーい! 今 忙しいかもしれないけれど、大事なことなんだ! 聞こえているなら、返事をしてくれ!」
士道「………………え」
神無月「――――――!」バッ
神無月「グラハム氏、応答を願います! グラハム氏! 士道くんが呼んでいますよ、グラハム氏!」ピッ
神無月「こ、これは…………」
士道「いや、まさか、そんな、こんな時に――――――!?」
士道「グラハム? 聞こえるか、俺の守護天使?」
士道「返事をしてくれ! 頼む! 俺の守護天使! また俺を一人にしないでくれ! グラハム! グラハぁああああああム!」
士道「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
士道「あ」
士道「あ、ああ…………」ガクッ
神無月「士道くん! 気をしっかり!」ギュッ
士道「俺はまだ何も成し遂げていないのに…………」ガタガタ
神無月「士道くん! グラハム氏のことは我々〈ラタトスク〉が全力を尽くします!」
神無月「ですので、士道くんも明日の司令――――――、いえ、炎の精霊〈イフリート〉とのデートに集中してください!」
神無月「五河司令を、救ってください! これは士道くんにしかできないことです!」
士道「あ、ああ……」
士道「そ、そうだな……」スクッ
士道「俺にしかできないことなんだ…………」ヨロヨロ・・・
士道「俺がやるしかないんだ………………」フラフラ・・・
士道「俺が……………………」ボソボソ・・・
神無月「…………士道くん」
神無月「くっ」
神無月「なんということだ……」
神無月「このタイミングでグラハム氏がいなくなってしまうとは……」
神無月「これまで絶望的な状況であってさえも、士道くんが不退転の覚悟を貫くことができたのも、まさしく『守護天使が側にいて』ということですか」
神無月「――――――」
神無月「……いや、手はある」
神無月「しかし、それは士道くんが一番望まない事態――――――」
神無月「いや、それはちがう。それは前提であって、まずは士道くんに生きてもらわなければならないわけですから――――――」
神無月「〈フラクシナス〉クルーを緊急招集です」ピッ
神無月「もう時間がありませんが、明日の精霊〈イフリート〉、いえ、五河司令のデートプランに変更を加えます。早急に――――――」ピッ