東方友戦録   作:彗星のシアン

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狂気の吸血鬼の圧倒的な力の前になすすべなく逃げ回ることしかできなかった友希だが、謎多き水の能力の力の一端により覚醒し格段のパワーアップを遂げた様子。両者相手の動きにに探りを入れながら戦うが、その無茶苦茶な力のぶつかり合いに紅魔館は悲鳴を上げる。その場にいる皆が固唾を飲んで行く末を見守る中、あまりにも特異な力には何かしらのデメリットが付きまとうことに友希は気づいていなかった。


第7話 逆襲のハイドロマン

7・逆襲のハイドロマン

 

「おらぁぁっっ!」

 思い切り振りきった右足が横腹を直撃し、勢いよく地面を転がってゆく吸血鬼フランドール・スカーレット。

 目の前で起きたことに理解が追いつかないのか、パチュリーや小悪魔、咲夜、レミリアまでもが呆然と口を開けながら目を丸くしてその光景を凝視する。

「よぉし、できた! 成功っ!」

 攻撃を終え地に降り立った友希の身体はうっすらと透けて、正確には何のよどみもなく澄み切っており、図書館につけられたシャンデリアの光を受けてキラキラと眩く閃光を放っていた。

「えっ、何⁉」

 同じくフランにも状況がうまく呑み込めていないようで、起き上がるやいなや首をキョロキョロとさせ混乱している。

 と、ここで我に返ったレミリアたち。

「今・・いったい何が起きたというの? 人間業にはとても見えなかったのだけど・・・」

「蒸気に気を取られていて見ていませんでした」

 魔法使いのパチュリーでも一目見ただけではその正体に気づくことはできなかったようだ。

「友希さんの能力は水になる能力ではなかったのですか、お嬢様⁉」

「詳しいことは私にもわからないわ。でも、実態変化なんて見たこともない特殊な能力なんだもの、何か秘密があってもおかしくはないはずよ! そしてあれがその片鱗に違いないわ!」

 自らの思惑どうりと今までに見せたカリスマあふれる?言動は一変して無邪気に興奮するレミリア。

「でも人を本気で蹴るのってなんかいやだな。でも、やらないとまずいよなぁ・・・」

 友希自身は全くもって好戦的な性格などではなく、はしゃぎはするがクラスの中ではどうも目立ちきれない、そんな普通な性格の人間だ。もちろん誰かを蹴り飛ばしたり暴力をふるうことなどしたことがなかった。

 ましてや相手は吸血鬼と言えど女の子である。いくらこの世界のルールとはいえ、友希にはどうしてもまだ踏ん切りがつかないでいた。

「だめだ・・しっかりしろ俺っ。やらなきゃやられる!」

 勢いよく両手で顔をぬぐい気合を入れなおす。が、そのすきを見逃さなかったフランはその瞬間をつき一気に友希の懐に飛び込んできた!

「・・・!」

 だがそれも鈍く輝きを放つ今の友希には無意味だった。

「あぶねぇ!」

 先ほどとは違い、余裕をもってよけきることに成功したのだ。そして瞬時にフランのがら空きの腕をつかみ思い切り反対方向へと投げ飛ばす。

「うぅ、まだまだっ!」

 投げ飛ばされた勢いを相殺するようにフランは羽を広げて空中で急停止。

 だが再攻撃の構えをとる間もなく、すでにフランのもとに友希の猛追が迫っていた!

「はぁっ!」

 再びふりぬかれる友希のこぶしに、後退して避けるほかないフラン。だがいくら退こうとも、もはや人外のスピードを手にした友希の猛攻に対し状況は全く変わらない。

「ふっ! はっ! はあぁぁっ!」

 全く予想外の出来事に戸惑いが残っているのか、フランはうまく攻撃にまわれないでいた。

それに対し友希は、はじめは勢いあまり空振りそうでいたが、着々とその力の感覚をつかみ自分のものへとしつつあった。

 しかしながらこの力のことは友希自身にも全くよくわかっていないことには変わりない。

 先ほど机の下に隠れているとき、ふと頭の中をよぎった体から不純物を完全に取り除くという考え。

紅茶を浴びてから妙に体が重くなったように感じたことからヒントを得て実践してみたはいいが、まさかこんなにもうまくいくとは思ってもみないことであった。

 今の不純物をを取り除いた友希には世界がまるで違うように見えており、今まで目で追うことがやっとだったフランのスピードも、大人の人間が全力で走るより少しだけ素早く俊敏に動いているなぁ程度の感覚で目視できるようになっていた。それは視覚だけではなく友希の五感全ての能力が高められており、より正確に動き跳び避ける、格段の身体能力の向上を感じていた。

 ここで状況を立て直すためか、フランは空中高くに飛翔してこちらを見下ろしてきた。

「・・・っ楽しい! 楽しい 楽しいっ!」

 フランの表情は高揚感や無邪気さだけでなく、今までに見せたどの狂気の表情よりもとびぬけて恐ろしいものがあった。それは友希の心に生まれたひと時の安心を再び死の恐怖のどん底に叩き落すほどに・・・。

「ねぇ、もっと遊ぼう! いっぱいいっぱい壊してあげるっ!」

 瞬間、フランの周りにまばゆく輝く大小さまざまな光球が浮かび上がり、そのそれぞれが隊列をなし、たくさんのきれいな模様を描きながら飛散してくる。

その弾幕はもちろん友希のところにもかなりのスピードで飛来してきた、というより半分ほどが友希をめがけてであった。

「禁弾『スターボウブレイク』‼」

「・・・!」

 しかし、友希に焦りの表情はない。

 なぜなら、今の友希は先はどの友希ではないから。

本気でないかもしれないにしろ、フランのスピードを目視でかわすことのできる今の友希にとって弾幕をかわすことなどいともたやすいことであった。

 感覚的には通勤ラッシュの人混みの中を、人の流れに逆らってよけながら進むようなもの。

「ほっ、はっ、そいやっ!」

まるで踊りのステップを踏むように、冷静に弾幕の隙間を見極め淡々と避けて徐々にフランへと近づいてゆく。

「すごいですね。さっきまでとはまるで動きが違います。飛べないというだけで霊夢に似たものを感じます」

 いかにも感嘆という顔を浮かべて話す咲夜。

「あら、私が友希に負けるなんてありえないわ。フランだって少し戸惑っているようだけど、まだまだこんなものではないわ。ああなったフランはなおさらね・・・」

「大体、咲夜だって人間にしては異常よ」

 そんな会話をするレミリアたちを差し置いて、友希とフランの戦いはますます激化してゆく。

「うおおおおおっっ‼」

「たあああああっっ‼」

 的確に、その攻撃の一つ一つに殺気をまとわせ、全力で狂乱し猛威を振るうフランドール・スカーレット。

 得体のしれぬ異常の力を振りかざし、見様見真似の攻撃をただひたすらに考え、貫き、安寧を得ようとする一夜友希。

 二つの力のぶつかり合いは、レミリアたちにどこか鬼気迫るものを感じさせた。

「・・・っ、重くなってきた!」

 激しく動き回ったせいか、友希の身体は再び空気中の塵やホコリが付着し身体能力向上の効果が切れてきていた。

 それに加え、今までにしたことのない激しい戦闘が長引いていることにより友希の体力にも限界が迫っていたのだ。さらに言えば、ずっと緊張感に晒されていることで本能的な焦りも隠し切れなくなってきてもいた。

「そろそろ決めるか・・・!」

 そうつぶやいたのをフランは聞き逃さなかった。

「まだまだ遊び足りないよ!」

大きく振りかぶった強烈な一撃が友希を襲う・・・ことはなく、すでに跡形もなく姿を消していた。辺りには少量の蒸気が。

「もぉ~、また⁉ もうかくれんぼは飽きたぁ!」

 そう言うとフランは今まで以上に大量の不規則の弾幕や激しく大暴れをかます。

 しかし、友希の姿はどこにも見当たらない。誰も逃げたとは思わなかったようだが、完全に消え去っていた。

「友希の気配はある。少なくとも図書館から出てはいないようね」

「だとしても今更隠れて何の意味があるというの? あの調子だとそろそろ限界そうだし」

 暴れまわりホコリを舞わせるフランの様子を曇り顔で見下ろしながら、パチュリーは友希の行動に疑念を持つ。

「皆さん、あれ何でしょうか?」

「・・・?」

 久しぶりに口を開いた小悪魔の言葉に気づき、その指すほうへと一斉に顔を向けてみる。

 そこにあったのは、無色透明のチューブのようなもの。さらにそれが部屋の隅を這うようにして扉を抜け、外へと続いていた。小悪魔は光の反射でそれに気づき、みんなに知らせることができたらしいのだが。

 しかしフランには見えておらず、依然として暴れまわっている。

「そろそろ私の張った防御魔法も切れそうなのだけれど・・・」

 先ほどから激しい戦いが行われているというのに周りの本棚や床に全く傷が入っていないのは、魔法使いパチュリー・ノーレッジの防御魔法をこの図書館全体に付与しているからである。魔力の継続消費に加えフランの弾幕や突進を耐え続けているため、防御壁を維持しておくことが難しくなってきたようだ。

「そうね。もう友希の力も見れたことだし、十分かしら」

 フランの過剰なまでの暴走を見越してか、チューブの謎など忘れたように足早に切り上げようとするレミリア。だがしかし、その瞬間に視界の端に映り込む一人の影が。

「こっちだ! フラン!」

「・・・っ⁉」

 大声で叫び声をあげる友希のもとへ一斉に視線が注がれる。

 高くそびえる本棚の上で勢いよくフランめがけて走りだす友希。そしてその後方へ果てしなく伸び壁にめり込んでいる友希の腕が、徐々に・・徐々に・・引き抜かれ、次第にその全貌があらわになる!

「・・・これは‼」

「えっ⁉」

「ふんぬぅぅぁあああ‼」

 一同は驚愕した。

 この大図書館を埋め尽くさんとするかのごとくそびえる、おそらく水でできているであろう超巨大な塊。見た目は拳とは言い難いいびつな塊だがこんなもので殴られたらただでは済まないだろう。

「こんなに大量の水、いったいどこから⁉」

 今までの冷静な姿からは想像できないほど困惑し取り乱す咲夜。

「ちょっと待って・・・。そうか・・そうよ! さっきのチューブの伸びていた扉の先には妖精の湖がある! それが友希の狙いだったのよ!」

 妖精の湖とは紅魔館に来る途中に沿ってきたあの湖のことである。そして、友希はその湖から姿を消していた間ずっと、水のないこの大図書館に、もとい友希の身体にひそかに水を供給し続けていたのだ。

「うおおおおおおお‼」

 全身に意識を集中させ、力を込めて再び全身から大量の蒸気を発する。

 重みにより落ち行く巨大な腕の塊を、そうはさせまいと勢いに任せ引き寄せ、友希はどんどん加速していく。

「まずいわ! パチェ、今すぐ魔法の強化を!」

「うう・・無茶ぶりすぎるわよ・・・」

 苦しそうに全身を震わせボソボソと詠唱を開始するパチュリー。

「・・・っ!」

 頑張ればよけきれないこともないだろうに、かかってこいと言わんばかりに苦笑しながら、両腕を前に受け身の体制をとるフラン。

 その強大な一撃へのすべての体制が完成したその時、想像を絶する友希の重い拳が炸裂する!

「くらえぇっっ!」

風を切りうなりをあげながら迫りくる巨大な塊が、ついに狂気の吸血鬼を芯にとらえた!

そして、そのままの勢いでフランと共に壁に激突、大量のしぶきが爆発四散しあたり一帯にはじけ飛ぶ! そしてその残骸は再び波となり、まるで豪雨のように大図書館全体に降り注ぐのだった。

同時にその衝撃で館全体がグラグラと振動を起こしていた。

 友希は戦いの中で、図書館全体に何らかの防御がなされていることは大体予想できたので思い切りかましたのだが、それでも館の状態や皆の慌てようを見て少しやりすぎたのではないかと心配と後悔の念がよぎった。

 それからしばらく、衝撃の余韻としぶきでできた霧によりとても図書館だとは思えない荒れた様相が続いた。その中心にはただ辺りを見渡して呆然とする友希の姿。

「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」

 起死回生を狙った一撃を放ち終えた友希は、その疲労と達成感に苦渋の表情を隠しきれず肩で呼吸をする。ゆっくりとフランのもとへと歩を進めてみるが、なぜか足取りはおぼつかない。

「お嬢様、大丈夫ですか」

 友希の起こした水しぶきを頭からかぶったレミリアだが、なぜか予想以上にヘロヘロになっていて気に掛ける咲夜。

「・・・彼の力のこと、少しわかったわ」

 ゆっくりと起き上がりながら声を絞りだす。

「今の友希は、体の中にあるありとあらゆる水以外の不純物をさっきの蒸気に乗せて取り除いたのね。その証拠に、友希の水をもろにかぶった今の私は、とても・・・弱っている!」

「純水ですか・・・?」

「ええ、まったく忌々しいわ。わかっていれば避けてやったのに・・・。というかなんでにとりは何もしないのよ! 守りなさいよ! 能力で操って!」

「いやぁ、咄嗟のことで自分を守るのが精いっぱいで・・・」

申し訳なさそうにぺこぺこ頭を下げるにとり。

 手すりにつかまり、息を荒げながら戦いの行方を見守ろうとするレミリア。

 そして、レミリアが純水により弱っているということは・・・。

「ははは、はぁ・・・はぁ・・・」

立ち上るしぶきの霧の中から、同じく息を切らしながらたどたどしい足取りで現れるフラン。

 弱々しく見える姿とは反対にフランの表情にはまだ余裕があり、友希には未だに殺気が感じられた。少しでも終わりを確信した自分の浅はかさに情けなくなる。

「ぜっっっっっったい、許さない‼」

 先ほどまでかすかだった殺気が再び爆発し、友希に向けられたあまりにも鋭い眼光はそれだけであとずさりしてしまうほどであった。

 しかし、友希の様子がおかしい。

 今までのような平然さが感じられず、うつろな目でフランを見ていた。さらには、構えて開いた両足もかすかにふるえて定まらないでいたのである。

 大きく翼を広げ今にもとびかかってきそうなフランに危機感を感じているにもかかわらずうまく力が入らない。

「禁忌『フォーオブアカインド』‼」

 フランが何かを叫んだのは聞こえたが、頭が回っていないのでそれにすらも反応を見せない友希。いつの間にか体もいつもどうりの状態に戻っており、鈍い輝きも失われていた。

 迫りくるフランをただ見つめ、息も整っていない様子である。

(おかしい、力が入らない。どうすれば・・・)

 全然考えがまとまらない。しかしだ。

 まず対処すべきフランのことが考えから完全に消え、そしてとても遠くの何の変哲もない本棚の間にググッと何かを感じ気になって仕方がかくなってしまった。

(なんだ、人が・・?)

 そこには何者かの影があり、ゴソゴソとうごめいて何かをしているのが分かった。

 なぜこんなにも遠距離で存在に気づくことができたのか。なぜだかわからない。

何となくの違和感が友希の視線を急激にそこに注がせたのだ。

「あっ・・・」

 ふと我に返った時にはもうすでに遅かった。

 爪を立て、友希に向かって勢いよく振りかぶるフランが、すぐ目の前まで迫ってきていた。

 しかもその姿はいくつかに分身したように複数体見える。

 何か幻想郷らしい超常的な力を使ったのか、ただの友希のめまいがそう見せているのか、そんなことはもはやどうでもよくなっていた。

 あまりの疲労感とその恐怖から、全身の力が抜けてゆく。

 そんななか友希は最後の力を振り絞り、先ほどからこちらから見えている得体の知らないものに向かって腕を伸ばして苦し紛れの水鉄砲を手から発射する。

 そして、力尽きその場に倒れこんでしまった。

「・・・‼」

その際驚いたことに、襲い来る四体ものフランの攻撃を倒れこむ途中友希はすべて避けたのだ。

 しかし驚いたのもつかの間、当然ながらフランたちはすぐさま床の上の友希に対して再度全員で攻撃を仕掛けようと爪を光らせる。

「咲夜!」

「はい!」

 まさに間一髪だった。

 フランたちの強烈な一撃はすでに地に到達しており、寸でのところで咲夜により友希は救出されていた。その間まさに瞬きよりも早く、常軌を逸したものだった。

「小悪魔!」

 間髪入れずに長時間にわたる魔力消費で完全に動けなくなったパチュリーに代わってレミリアは小悪魔に指示を出す。

 次の瞬間複数の魔方陣が計四人のフランを囲い込み、電撃によるものと思われる強制拘束を開始するのだった。

それにあてられると見る見るうちに四人のフランが再び一つとなりその場に伏せてしまう。

 一瞬のうちに様々なことが起こり終息したことで大図書館の高まった緊張の糸がほどけていく。

「・・・?」

 しかし今度はドタドタと大きな足音がどこからともなくこちらに近付いてくるではないか。

 不思議そうにレミリアが先のドアに目をやると・・・。

「いったい何事ですか、パチュリー様!」

 突き抜けんばかりの勢いで扉をぶち開け出てきたのは門番の紅美鈴だ。

「お嬢様と咲夜さんまで⁉ まさか敵襲⁉」

 おそらく先ほどの友希の巨大な一撃による衝撃を感じ、焦って駆け付けたのだろう。その顔色は真っ青で、額には大量の汗をかいている。

 訂正しようとレミリアが声をかけようとするも、なぜだかすぐさま美鈴の視線はレミリア達とは別の奥の本棚に注がれてしまう。

 それもそのはず、そこには紅魔館組には見覚えのある金髪ロングで白黒の衣装を身にまとった人間の姿があったのだから。

「あっ! 魔理沙さん!」

「くぉぉ、痛たたたた・・・」

 何があったのかとても痛そうに頭を抱え込みながらその場にうずくまっていた。

「あぁっ! 魔理沙! あなた性懲りもなくまた本を盗みに来たのね⁉」

 その場によろよろとパチュリーも駆けつける。

「さっき友希の打った弾幕はあなたを狙ったものだったのね」

「だっ、だから! 盗んでるんじゃなくて、しばらく借りておくだけだぜ!」

「じゃあ何でこそこそするの?」

「うっ、それは」

 うつむき加減でだんまりを決め込む魔理沙という少女。

「やっぱり盗みじゃない!」

 先ほどまでの威勢はどこへやら。逃げられないと分かってか自分から正座しながらシュンとしてしまった。

「なんだか私が出てこなくてもよかったみたいでほっとしました。一時はどうなることかと、ハハハ」

「何を笑っているのかしら?」

「ハハ・・ハ・・・」

背後から忍び寄る咲夜に左肩をわしづかみにされる美鈴。

「またしてもネズミの侵入を許して・・・、やっぱり門番の仕事さぼってるじゃない」

「・・・・ス、スミマセン」

 紅魔館の人々及びその他人間と妖怪が一堂に会し、先ほどまでの殺伐とした雰囲気もすっかりなくなっていた。

 フランも疲れが相まってか、電撃によって気絶してその場に倒れこんでしまっている。

 幻想郷を生き抜く難しさを知らしめさせ、友希の秘密を暴くための激しい戦いは、勝敗がつかずじまいでの決着となったのだった。

 

 

 

第7話 完

 




どうも、今回も最後まで読んでいただき誠にありがとうございます、作者のシアンです。
今回のお話を書いている中でやっぱりどこかで見たような展開や技だな(一貫して友希が)としみじみ感じていました。東方や後に出てくる仮面ライダーに似た展開や話はある程度オマージュとして許容していただきたのですが、それ以外の作品の影が見えるような話には個人的にもしたくはないのですが、初めの辺りは仕方がないのかもしれません。

と言うのも実は、この先も含めて物語の初めの部分は五年も前に考えられたものなのです。今現在も学生という身分でこの小説を書いていますが、ともなれば五年前と言うのは今以上に若く非常に未熟な状況でありまだ物事に対する考えもしっかりとはしていなかったでしょう。そんな状態で想像した物語だからこそ内容にかなりの悪点が見受けられる(少なくとの私自身はそう感じています)のです。しかもアイデアはすべて紙に書いたりするのではなく頭の中に置いておくだけにしていたものですから要はめちゃくちゃフワフワした物語のようになってしまっている。

一応この場で書き出しているときにしっかりと修正をしているつもりなのですが、いっちょ前に伏線や前後のつながりを意識していたせいで変えようにも変えられない事態に陥ってしまい頭を抱えている次第です。

物語の行く先自体は全く変わっていませんが、中身の細かい部分で全体の質が決まってくると思っていますのでできるだけ読み手の皆さんにとって引っかかる部分の無いようにしたいのです。

ただこの点に関しては私の力量不足としか言いようがありませんのでこれからも意欲的に改善していきたいと考えています。何卒よろしくお願いします。

今回の後書きも結構長くなってしまいましたね。
今後も未熟ながら一生懸命物語を紡いでいきますので不束者ながら皆さん楽しんでもらえると幸いです。
次回は紅魔館を抜け新たなる場所に向かうみたいです。そこにはまたしても「姉妹」がいるようで・・・。

ご清見ありがとうございました!

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