薄明と双子の姉妹 (リメイク中) 作:きょうこつ
急遽出された『ビシュテンゴ亜種』の依頼。クエストへ向かう準備を行うべく、ゲンジは加工屋に立ち寄り、武器を調整していた。
「…うん!切れ味は問題なし。他の防具も錆とかないから大丈夫だよ!」
「あぁ。ありがとな」
ミネーレに防具と武器を見てもらったゲンジは、装備を整えていく。そんな中、ミネーレの服装を不思議そうに見つめた。
「あれ?どうしたの?……まさか〜私に惚れちゃっ____」
「違う。お前の服装、何か見覚えがあると思ってたんだが、ナグリ村の奴かそれ?」
「うん!前にここに立ち寄った土竜族の人から作り方を教えてもらったんだ!知ってるの?」
「行ったことはねぇが、有名だからな。知り合いから結構聞いてる。何でも最近じゃイサナ船っていうやつを作ったとか、テオ・テスカトルの住処を掘り起こしたとか」
「イサナ船なら私も知ってるよ!!船にもなるし、飛行船にも改良したらしいからね!!ドンドルマにいる知り合いから聞いたよ!」
そんな談笑をしていると、
「お〜いゲンジ〜!行くぞ!」
背後からエスラ達の呼ぶ声が聞こえてきた。
「じゃ、そろそろ行ってくる」
「うん!ビシュテンゴ亜種だよね?気をつけてね!」
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「さて。改めて場所の確認だ」
数時間後、城塞高地に到着したゲンジ達は改めてターゲットであるビシュテンゴ亜種について確認する。
「ビシュテンゴ亜種だが、どこにいるんだ?原種しか相手したことねぇぞ」
「そうか。では改めて教えよう」
そう言いフィオレーネはゲンジ達へとビシュテンゴ亜種について詳しく説明した。
『ビシュテンゴ亜種』通称“緋あけ天狗獣”と呼ばれており、性格は通常種と同様に荒くイタズラ好きである。だが、その危険性は通常種を遥かに凌駕しており、気性の荒さは勿論だが、恐ろしいのは通常種と違い、果物ではなく松ぼっくりを食し、更にその松ぼっくりを火に灯して操る攻撃方法を用いるのだ。
「奴は通常種以上にヤンチャな奴だ。特に松ぼっくりを用いた動きは本当に見切れん。くれぐれも用心してくれ」
「なるほど。大剣やハンマー使いはキツいし、俺とシャーラ姉さんなら丁度良いかもな。そうなると……」
フィオレーネの説明を聞き終えると、広げた地図のうち、樹液など木が生い茂るエリアを指でなぞる。
「奴がいるとしたらここだな」
「私も同意見だ。ここ最近、奴の目撃情報もこの地点で多い」
「了解。じゃあ行くか」
その後、
対象モンスターの確認を終えた一同は、ターゲットが潜んでいるエリアへと向かうのであった。
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「…いたな」
そこには通常種とは異なる赤色の体毛を持つビシュテンゴの姿があった。それを見たゲンジは、高い位置の木の近くに身を潜めているエスラへと呼びかける。
「エスラ姉さん、近くに大型モンスターは?」
「大丈夫だ。問題ない」
「よし」
周囲の安全を読み取ると、すぐさまゲンジとシャーラ、そしてフィオレーネ は武器を取り出す。
その時であった。
山の方から黒い靄が現れた。
「「!?」」
現れたその黒い靄は次々と山を降り、周囲の景色を黒く染めていった。
「な…なんだこれは…」
その靄はとてつもなく黒く、見るものを引き摺り込むかのように不気味なものであった。その靄にフィオレーネ は武器をしまうと、ゲンジ達へ撤退の指示を伝える。
「とにかく中断だ。離れるぞ」
そんな中であった。
高台に立っていたエスラが叫ぶ。
「気をつけろ!!何かいるぞ!」
「「「!?」」」
それを目にした一同は狩りを中断し、靄が溢れ出ている山の山頂へと目を向けると、そこには蠢く巨大な影があった。
「なんだ…?あれは…」
ゲンジがそれをみていると、フィオレーネ は声を震わせる。
「あれは…まさか…!!」
すると、
「ゴルル…」
蠢いたその影はこちらの声が聞こえたのか、すぐさま形を変形させると、その場から飛び上がり、目の前に飛び降りてきた。
その姿形を目の前で目の当たりにしたフィオレーネや皆は冷や汗を流し始める。
「…!!コイツは!!」
それは近年になって、ここより遠く離れた広大な未開の土地『未知の樹海』にて発見された新種のモンスターであった。
そのモンスターを目にしたフィオレーネ は恐る恐る口にした。
「ゴア・マガラ…!!!」