置いてかないでよ!死柄木さん!   作:腐った林檎

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体育祭ぃ!

 月見里side

 

 ふっ、俺だ。月見里止折だ。

 

 最近新しいマイホームに移り住み始めたぜ。いやぁ、前の住居と比べると快適過ぎて辛いわ。レベルの差を突きつけられたみたいで……さ。でも大丈夫!俺ってばどんな環境でも生きていける超健康体だから!

 

 その家の主であるミイラ男は基本的に放任主義で、俺のことはほったらかしだ。まあ俺にとっては好都合なんだけどね。自由をこよなく愛する男だぜ、俺は。でも食事にinゼリーを出すのは止めて欲しい。「リンゴ味だぞ」じゃねぇんだよ、子供扱いすんな。

 

 確かに俺は一週間ぐらいは食事なしでも生きていけるが(飯にありつけなかった最長記録がそうであるため)、inゼリーはないだろ普通に考えて……。

 

 あ、それと雄英に転入してから早くも二週間が経った。意外と早かったなぁ、時間が経つの。授業内容は理解出来なかったが超天才である俺なら定期テストなんて赤子の手を捻るようなものだ。心配する要素など欠片も存在しない。かつて人間スーパーコンピューターと呼ばれたのは伊達じゃないぞ。

 

 

 今日はミイラ男曰く体育祭をやるらしく、俺達A組は控え室で待機している。

 

 

 控え室なんて部屋があるんだな……学校に必要かと聞かれたら思わず首を傾げてしまうぐらい信じられないことだ。限りなく不必要な気がするけどなぁ。しかも俺達以外にも生徒はいる訳だしもっと部屋がある可能性も否定できない。税金の無駄使いや、税金で出来てるのかは知らんけど。

 

 まさか、超体育会系の学校なのだろうか。確かにそれならこの無駄に豪華な部屋も合点がいくが。俺としては自宅で引き籠っていたいな……体育祭なんてやりたくないっす。

 

 仮病使って休んじゃおうかな。いやでもここで素晴らしい活躍をすれば女子からキャーキャー言われるのでは……?

 

 

 

 よし、やろう。やってやるぜゴラァァ!

 

 

 

 

 …………。

 

 

 ………え?何でこんなに静かなんですか……?

 

 さっきまで和気藹々としてたじゃん(困惑)。そんなにピリピリしないでよ、俺の場違い感がえげつなくなるから。てかイケメンくん目つき悪すぎィ!イガグリと同類かよぉ!カルシウム足りてるゥ!?……あ、すんません。調子乗りましたごめんなさい。許して。

 

 

 おっ――八百万の後ろに避難避難。助けておっぱ――八百万!テメェは近づいてくんじゃねぇ峰田。何故こんなにも脳が≪アーッ!≫な奴が学校にいるのだろうか。絶対コイツ女子風呂とか覗く変態だよ……。知ってるか?コイツヒーロー科なんだぜ?この国の未来が心配になってくるなぁ。

 

 俺?ははは、そりゃあもう世界を支えるスーパーヒーローになってみせますよ。

 

 オールマイトなんてただの脳バカだから。これから先必要とされてくるのは俺みたいな外見良し頭脳良し実力良しなパァーフェクト(低音イケボ)な存在。

 

 USJのときはアレだ、いわゆる逆境パワーアップ展開だったんだよ。今の俺なら平和の象徴なんて小指で一発だ。そしてオールマイトを越えた実質最強の俺は美女を寄せ集めて豪華絢爛な生活を送るのさ、もう俺に怖いものなどなぁい!

 

 

『雄英体育祭、開幕だぁぁぁ!!』

 

 

 ――――――――ッ

 

 

 

 ……ビビったぁ。あ、いや間違えた。これはビビったんじゃない、ちょっと大きめな武者震いなだけなんだ。そうそう俺は皆と違って規格外な存在だからさ、リアクションも他の追随を許さないぐらいに凄いんだよねぇ(意味不)。

 

 ちょ、だからおっぱい――八百万毛布を渡してくんな!寒くて震えてたわけじゃないんや、これは武者震いなんだ!てかお前能力使うなよ。確か脂肪を物質に変換するっていう能力だったよな?それじゃあ変換には限りがあるってことじゃないか。せめて、その胸の脂肪はとっといてくれぇ……。

 

 まったく、これだから最近の若者は。この前なんてミイラ男のスマホをパクってチックトック見てたら自分が映った動画が流れ始めて死んだかと思ったぞ。許せんな。勝手に動画を撮ったことは勿論のことだが、このアングルだとどうしても………俺のパンツが見えてんだよぉぉぉぉ!

 

 まさか全校ネットで俺の超イケメン顔と絶対領域解放パンティーが流出してしまうとはな。今日の朝、見知らぬ男児にパンツの子だと指を指されたのが何よりの証拠だ。くそぅ、俺のイメージがパンツの子にィ!

 

『まず最初にご登場してもらうのは、ヴィランの襲撃を凌ぎきった期待の新星!』

 

「月見里さん、行きますわよ」

 

 おっぱいに手を握られ、控え室を出る。え、何それ逢引でもしたいの君。ふっ、まさかエロゲ―みたいな展開になるとは予想していなかったが、これはこれでイイナァ。ぶっちゃけその果実を一揉み二揉み三揉みぐらいさせてほしくてたまらんかったんじゃ。俺は、いつだって準備Okだぜ。

 

『一年、A組だぜぇぇぇ!!?』

 

 うお、眩し。日光がキツイわ。………てかここドコだよぉぉ!?何この凄く無駄に豪華なスタジアムは!?やっぱ絶対この学校脱税してるってぇ。最早ここまでくるとバックに国がいるとしか思えないな。規模がもうね、東京スタジアムレベルなんよ。いや正式な名前は知らんから適当に場所名とスタジアム足してみただけなんだが。

 

 観客席にも人がびっしりと座っており、サッカーの世界大会の決勝を見に来たかのような顔でこちらを見ている。すごくワクワクしてそう。中には熱狂的なファンなのかコスプレしてきているお姉さん方もいた。うむ、後でお昼ご飯に誘おう。「お姉さん……ここにお手頃の男子がいまっせ?」てな感じで。

 

「うっわー、人やべぇよ、熱気やべぇよ」

 

「上鳴くん!私語は慎みたまえ!緊張感が欠けているぞ!」

 

「いや緊張してるからだろ」

 

 上からバカのお兄ちゃん(笑)、ロボットダンスを極めた男、関節が文道具。かなりヒドイ並びだなおい。これ以上ないほどに混沌だ。うむ、キミたちは今日から混沌パーティーだ。

 

 

『B組、C組も続々と入場ぅぅぅぅ!!』

 

 

 他のゲートからも体操服に身を包んだ生徒達が現れる。

 

 へえ、結構かわいい子いんじゃん(クソ野郎の発言です)。今度お昼ご飯にでも誘おうかな……あ、あのコスプレのお姉さん方と一緒に食べればいいじゃん(意味深)。俺ってば天才だな。時代は頭脳戦よぉ。

 

 教師と思しき女性(めっちゃエロい)の指示に従い、番号順に並ぶ。俺は月見里だから最後尾だ。前にはおっぱいが立つ。あいや間違えた、八百万だったねゴメンゴメン。昔から人の名前とか覚えるのが苦手なんだよなぁ。子供の頃の記憶なんて薄っすらとしか覚えていない。辛うじて父と母の顔を覚えているぐらいだ、名前は案の定忘れたがな!母は完璧に、父は『お』から始まる名前だった気がする。根拠は勘である。

 

「……父ちゃんと母ちゃんが見てるんだ、頑張らないと」

 

「うん、頑張ろう麗日さん」

 

 ギュッと拳を握りしめる無重力肉球に、お家探しはス◯モが激励をかけている。そこはお前の席やないで、海に帰りなさい。

 

 あ、そっか。体育祭だから親御さんが応援しに来てるのか。なぁるほど、ということは俺のマミーとマザーもいるのかな。少し注意しながら観客席を見てみるがそれらしき人影は見当たらない。ううむ、なかなか個性的な外見だからな俺の両親は。ぱっと見で分からないのだったら見に来ていないのだろう。あらやだ、これって育児放棄……?

 

 それなら保護者兼任であるミイラマンはどこにいるのだと探してみるも視界には映らない。まさかアイツも来てないのか?許せんな、昨日の夜は凄く元気だったのに(意味深)。まあ体調不良とかなんだろう。知らんけど。

 

 まあそんなことはどうでもいいぜ。問題はどうやってこの体育祭で活躍して彼女をつくれるかだな。ここが俺の勝負所じゃぁい!

 

「そうですね止折さん。両親方にも自分の活躍を見せてあげましょう!」

 

 おお、気合い入ってるね。それはそうと俺は君の両親が凄く気になるよ。この年でこの戦闘力なら八百万母はもっと戦闘力がプルスウルトラなはず(教訓を一瞬で穢すクズ)。ぜひとも紹介して欲しいものだ。

 

「私の母ですか?……ときどき抜けていることがありますが、私の自慢の母ですわ」

 

 天然かぁ、良いね。じゃなくてよ、俺が聞きたいのは容姿についてなんだヨ。

 

「私はよく母親似だと言われるので恐らく私と似たような顔なのではないでしょうか。私はドコが似てるのか見当もつきませんが……」

 

 なるほど、つまり胸が大きくて美人ということですね?よし、とりあえず人妻候補に入れておこう。目指せ最高のハーレムアカデミア。

 

「止折さんのご両親はどのような方ですか?」

 

 え、俺の両親?

 

 そうだな、記憶の限りでは父はいつも変なマスクを着けてた気がする。あと実験ばっかしてたな、それと声が怖い。地を這うヘビの如くねったりとした嫌な声だ。人に例えるならスネ◯プ先生とかかな。う、思い出しただけで頭が……。と、とにかくあんまり印象は良くない。まあ一応俺の父だから最低限の尊敬はあるけども。

 

 母は数回しか見たことがないからよく知らないけど、いつも水槽みたいな装置の中で眠ってたな。父が病院に連れてってくれた際に見せてくれるのだ。なんでも危険な状態にあるからとかで間近では見えなかったけど。俺と同じ白髪で、瞳の色は分からなかったがなんだか親近感が湧いた。俺はこの人の遺伝子が強いんだなとも思ったし、なんか産まれた場所に戻る的なアレも感じた。本能的な何かなのか……?

 

「………も、申し訳ありません。注意もせずに聞いてしまって」

 

 え!?何、今の話に不審な点でもあった!?

 

「い、いえ止折さんが気にしてないのならそれで良いのですが―――――」

 

『選手宣誓!』

 

 あ、俺の両親なんかよりもほら、体育祭恒例のアレが始まるぜ胸―――じゃなくて……やばい、名前忘れた。ええい、お前は今日から胸だ!俺が命名する!

 

 っし。これから選手宣誓か。選手宣誓の適任はやはり俺以外いないだろう。あーあーあー、声の方は問題ない。それと手の平に人って書いて飲み込むと良いんだよな。人人人……がぶりんちょ。よし、俺の準備は万端だ。行くぜブラザー、Are you ready?

 

『爆豪勝己!』

 

 

 ひゅあいっ!?

 

 

「今他の奴の声しなかったか?」

 

「ひゅあいっ!?って聞こえたけど」

 

 

 ……………。

 

「………止折さん、間違えは誰にでもありますから気を落とさないでくださいまし」

 

 そんな慰め嬉しかないわ。くそぅ……、俺の予想を超えてくるなんてこれが雄英高校クオリティか。流石は東の高校生探偵と呼ばれた知略だな(違う作品ですよ)!

 

 ちなみに選手宣誓に選ばれたのはイガグリでした。なんで俺が選手宣誓に選ばれなかったんだろう。外見良し、中身良し、成績良しの三拍子揃った俺ががいるというのに。やはりここの学校の校長は見る目がないな、節穴ですよ(お前がな)?

 

 

『せんせー』

 

 呼ばれた爆発くんが台の上に立ち、面倒くさそうにしながらも声を張り上げる。

 

 くそ、本当ならそこには俺がいたはずなのに……!仕方ない、次回に期待するか……。

 

『俺が一位になる』

 

 

 え?

 

『せいぜい跳ねの良い踏み台になってくれ』

 

 首を切るような動作をして爆発くんが煽る。

 

「調子乗ってんじゃねぇぞA組ィ!」

 

「何故品位を貶めるような行為をするんだ君は!?」

 

「てめぇ爆豪やりやがったな!」

 

 

 爆発くんに対して怒り心頭のように叫ぶ皆の中で、俺は冷静に直立不動のままだった。爆発の発言なんか耳にさえ留まらなかった。そう、何故ならたった今一つだけ気付いたことがあったからだ。

 

 

 

 

 

 

 ちょっと待て、これって赤組青組とかのチーム戦じゃないのぉぉぉぉぉぉぉ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 血小板ちゃんに励まされ投稿です。

 長くなったので二話に分割します。
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