喫茶店・ホースリンクへようこそ!   作:アヴァターラ

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 ゴルシが再現できないよ・・・というわけでキャラ崩壊してると思います。ゆるして


焼きおにぎり、ゴルシ焼きそばセット

 今日も今日とて営業日~、満員御礼、完売万歳。結局のところ配信とかそういうのって宣伝にはなっても直接ファンに会えるわけじゃないからホースリンクのメインはやっぱり接客!料理!ファンサ!この3本柱ですわ。

 

 「スぺ、ウオッカ、スカーレット。今日はお疲れ様~。意外と予約が早い時間の人ばっかりだったから午前中で終わっちゃったな」

 

 「はい!楽しかったです!」

 

 「おう!すっげえかっけえバイクで来た人いたよな!でもそれにサインするのはちょっとためらっちまったぜ・・・」

 

 「何言ってんのよ。あんた最終的におだてられて書いちゃってたじゃない」

 

 「いいじゃねーかやってくれって言ったのあっちなんだから。ウオッカ号だぜ?排気量爆上げにするってよ」

 

 「まあ趣味は人それぞれだし・・・私が言うことじゃなかったわね」

 

 本日の主役というか担当、チームスピカよりおなじみスペシャルウィーク。そしてダイワスカーレットにウオッカの組み合わせである。ちなみに今日は男性客が多かった。いつもなら半々くらいなのにね。なんでだろうね、フシギダネ。まあそこらへんは事務員さんの裁量だし俺が関知するところじゃないんだけどね。うん、めっちゃどうでもいい。

 

 俺は3人に本日のご褒美であるプリンアラモードを作っているわけである。この間のキャンプは楽しかったなあ。あの後ルナが気を利かしてくれて一曲歌って踊ってくれたのだ。ウイニングライブではないがそりゃあもう大盛り上がりだった。

まあ同じキャンプ場にいた人がなんだなんだと集まってしまったりしたが閑散期だったのでそこまで大きな問題にもならなかったし弁えた人ばっかりだったのですぐに解散してくれたし。

 

 3人にプリンアラモードを出してやって皿を洗っていると荒々しく店の扉が開いた。っていうか蹴破られた。ギリギリ壊れてはないけどこんなことをするやつなんて俺の想像する限り一人しか思いつかないんだが。

 

 「御用改めの時間だオラァ!テイオー!マックイーン!やっておしま~~い!!」

 

 「アラホラサッサー!テンチョー覚悟!」

 

 「なんなんですの!?なんなんですの!?」

 

 「えっと、天丼?ってやつ、かしら?」

 

 「・・・え?」

 

 いきなりそう叫んだ長身、葦毛、プロポーショングンバツのウマ娘がそう叫ぶとどっかで見覚えのあるマスクとサングラスで顔を隠した3人が俺をいきなり担ぎあげ、頭陀袋に押し込んだ。突然の事で抵抗することすら忘れた俺が頭いっぱいに疑問符を浮かべながら押し込まれた頭陀袋の中で体勢を整える。えーっと、俺はなんでこんなことになってるんですかね?というか若干2名ほど完全に流されて協力してたよね?

 

 「えっえっ?ゴールドシップさん!?なしてこんなことを!?」

 

 「それにテイオーとマックイーンまで!?知らねーぞマスターにこんなことして出禁になっても!?」

 

 「ちょちょちょっとマスターさんはトレーナーさんと違って普通の人間なんだから怪我させたりしたら問題になるわよ!?」

 

 「うるせーっ!出禁が怖くて拉致ができるか!行くぞオラァ!」

 

 「無茶苦茶言ってますーっ!?」

 

 「もう出禁だからってわざわざ拉致なんてしなくてもいいって言いましたのに・・・」

 

 「ごめんねテンチョー、でもはちみー半年分には逆らえなかったよ・・・」

 

 「私は普通に用事があるのとスぺちゃんを迎えに来ただけなのに・・・」

 

 「スズカ先輩は相変わらずですね・・・」

 

 「いいからお前らもついてこい!ダートに埋めんぞ!」

 

 外から聞こえている話を聞いて考えるに、元凶は俺の店の中で爆竹を1000発鳴らしたことにより出禁になっているトレセン学園3大奇人の一人のゴールドシップだろう(残り二人は蹄鉄とMrモルモット)。そして正体を隠す気ゼロのテイオーとマックイーンは買収され、走ること以外興味が薄いサイレンススズカという最近までアメリカにいたウマ娘は流されて協力といった形だろうか?

 

 「ほらスぺ、ウオッカ、スカーレット。落としたくねーからそっち掴めー。じゃねーと頭陀袋引きずっていくぞ」

 

 「掴みます掴みます!だからマスターさんを大事にしてください!」

 

 「うっわー、何の恨みがマスターにあるんだよ」

 

 「これ選択肢あるようでないやつじゃない」

 

 「ゴルシちゃんを出禁にするのが悪いでゴルシ☆」

 

 「流石にあれはあなたが悪いですわ・・・」

 

 「うう、ごめんねテンチョー・・・やっぱりはちみーよりテンチョーのほうが大事だったよ・・・」

 

 「もう後悔しても遅いぜ☆」

 

 そういうなら今すぐに袋から出していただきたい。

 

 「あ、袋から出すのは目的地に着いたあとでなー。マックイーン、ガスの元栓と火の元確認、あと冷蔵庫に入れるべきもんあったら入れておいてくれ。デジタルー」

 

 なんで俺の心読んでるんだこのウマ娘は。

 

 「はいなんでしょう」

 

 「どうしているんですの・・・?というかどこから出てきましたの・・・?」

 

 「全部終わったらカギ閉めといてくれよなー」

 

 「わかりましたー」

 

 デジタル、冷蔵庫の右に入ってるケーキ食べていいぞ。あと3段目の戸棚にドライフルーツ作ってあるから持って帰って寮のみんなに配ってあげるといい。そんで悪いんだけど生徒会あたりにスピカと一緒に行動するって言っといてくれ

 

 「わっかりましたあ!!ありがとうございます!!これで3週間は頑張れますよ!」

 

 「なんの電波を受信してらっしゃいますの・・・?」

 

 至れり尽くせりなアフターフォローが終わったらしく担ぎ上げられた俺は「えっさ、ほいさ」という女の子らしからぬ掛け声を聞きながら揺れる頭陀袋の中、こう唱えるのであった。

 

 「どうしてこうなった」

 

 

 

 

 「ほんっとーーーーーに!スマン!!!ちょっと用があるからスズカに呼んできてほしいと頼んだんだが・・・・!」

 

 「それを聞いたゴルシが暴走した、と?」

 

 「返す言葉もねえよ・・・」

 

 あれから小一時間ほど袋の中で揺られること少し、というか途中明らかに走ったであろう揺れを感じた俺が袋から出されると目の前にはトレセン学園所有の合宿用キャンプ場、そして深々と頭を下げるチームスピカのトレーナーの姿。あのさー、自分の恋人の制御くらいやってくんなーい?普通に呼んでくれたら行くからさー

 

 「で、何の用なの?」

 

 「あー、じつはな・・・これチーム未加入者とトレーナー未契約者のための合同合宿なんだけどついてくるはずだったトレセンの調理師が途中で車に轢かれたらしくてな。つまり・・・ウマ娘の飯を作れる奴がいなくなった。すまん!こんなことをした後で頼めることじゃないけど今夜だけやってくれないか!?明日なら代わりの人員が来れるっていうから!」

 

 「しょうがねーなー。おいゴルシ」

 

 「なんだよー。言っとくけどアタシはあれが一番早いと思ったからやっただけだぞー」

 

 「いやもうそれはいいや。食材管理してるとこどこ?」

 

 「ん、こっちの車」

 

 「これ俺の車じゃん・・・・」

 

 「昨日借りるって言ったぞ。夜の12時くらいに玄関の前で」

 

 「俺の目の前で言えよせめて・・・つーか運転したのか?」

 

 「免許持ってるぞー」

 

 「それ船舶免許じゃねーーーーか!!!」

 

 「船も車もおんなじだろー?ハンドルあって、エンジンあって、前に進むじゃん」

 

 「・・・すまん。許可とってるって聞いて俺が運転した」

 

 「安心したわ・・・つーか沖野、ゴルシの手綱きちんと握れよ」

 

 「出来たらもっと穏便にあんた呼んでるよ・・・」

 

 沖野トレーナーの話を聞くに、このキャンプ場で行われているのはトレーナーとウマ娘のお見合いのようなもので、担当がついてないウマ娘とチームを持つ、あるいは未契約のトレーナーを引き合わせてウマ娘にはトレーナーがいるトレーニングの体験を。トレーナー側には模擬レースじゃ見えない隠れた才能や相性を、それぞれ見つけて新たなトゥインクルシリーズに挑む優駿を見つけようという話だそうだ。

 

 で、今回それを統括するのがチームスピカの沖野トレーナー。周りを見るに確かに新人トレーナーが何人かのウマ娘に囲まれてトレーニングを指導している姿がそこかしこに見える。まあ俺の仕事の範疇みたいなもんだしやってやるのは吝かじゃない。そして俺の周りで申し訳なさそうに耳を倒しているスピカの面々(まったく悪びれずルービックキューブをいじってるゴルシを除く)

 

 「チームスピカ、集合。沖野、こいつらトレーニングは?」

 

 「今日は休みにしてる。使うなら使ってやってくれ。あとゴルシ、お前は絶対に手伝え」

 

 「しょーがねーなー。ゴルシ様の華麗なコテ捌きを見せてやんよ」

 

 「じゃあゴルシ、焼きそば作ってくれ。マックイーン、スズカ、ウオッカ、スカーレットはその監視と手伝いな。他は俺と料理するぞー」

 

 「うー、テンチョーさっきはごめんね?ボク頑張って手伝うから!」

 

 「別にいいから。あとはちみーならいつでも作ってやるぞ?他も怒ってないから気にすんなよー。せっかくやるんだし楽しくやっていこう!」

 

 「「「「はーい!!」」」」

 

 「ほれマックちゃん。スペシャルゴルシ焼きそば作りに行くから行くぞー」

 

 「別に襟首をつかまなくてもきちんと手伝いますわ~~~~!!!!」

 

 いつの間にかグリルを用意してそれを担いだゴルシは抵抗するマックイーンをひっつかんで他を連れて設営に行った。そして俺は自分の車の中から食材を引っ張り出してキャンプ場に併設されている建物の中に入る。流石はトレセンが持ってる合宿所の一つ、なかなかいい調理器具がそろってるじゃないの。まあ今回は流石に急だったのでそんなに手の込んだ料理は作れないし数も必要だ。ゴルシの焼きそばメインで俺はサブで細々と何か作ろう。

 

 「じゃあスぺ、テイオー、おにぎり作るぞ。たくさん」

 

 「おにぎりですか?わあ、私おにぎり握るの得意なんです!頑張りますよー!」

 

 「ボクも!前にたくさん握ったから自信あるよー!テイオー様に任せるがよいぞよー!」

 

 「大変頼もしいんだけどまず米を炊くところからな」

 

 と俺は厨房に備え付けてあるウマ娘サイズの巨大な炊飯窯を指す。つーかこれ何合炊きだ?は?10升炊き?ウマ娘サイズですねー・・・俺がどうしたもんかと考えてるとスぺが普通に炊飯窯を持ち上げてそこに無洗米を入れて、テイオーが当たり前のようにドラム缶サイズのバケツで水を注いだ。さすがウマ娘、力持ちだなあ・・・まあいいや。俺もさっさと中身の調理しないと。

 

 俺は厨房の冷蔵庫に入ってた鮭を3枚におろして柵に切り分けた後骨を抜いて、塩、味噌で味を分けて焼き上げる。それぞれほぐしてボウルの中に入れればあっというまに具の完成だ。塩の一部にはマヨネーズを混ぜて鮭マヨも作っておく。

 

 で、でかい寸胴に水をぐらぐらと沸かして火を止め、鰹節を入れてだしをとる。とり終えたらスぺに寸胴を持ち上げてもらって鰹節を分離、きれいなかつお出汁がとれたな。出汁ガラはゴマ、しょうゆ、みりん、酒、砂糖でフライパンでカラカラになるまで煎っておかかにする。あとは副菜としてニンジンスティックを山ほどこしらえたあとバジルマヨをボウルいっぱいに作ってこれでオッケー。

 

 で、カツオ出汁のほうはなめこ、わかめ、ネギあたりで味噌汁にでもしておこう。ちょうどそれができたあたりで炊飯器が炊き上がりを知らせてくれた。テイオーが何十キロもあるだろうそれを軽々と持ち上げて調理台の上に置いて蓋を開く。もわ、と白い湯気が立ち上りつやつやのごはんが姿を現した。あー、ご飯ってみるとお腹空くなあとしゃもじで切るようにかき混ぜながら思ってるとスぺのお腹がく~~と鳴った。思わず笑ってしまった俺がスぺにぽかぽかと叩かれながらニンジンスティックにソースをつけてスぺの口の中に突っ込む。ぽりぽりとニンジンをかじるスぺ、自分もと口をひな鳥のように開けるテイオー。同じように口に放り込んでやって作業に戻る。

 

 あちあちと山ほどのごはんと格闘して大皿にとんでもない量のおにぎりを作って乾かないようにラップをかける。塩むすびが三角、塩鮭、味噌鮭が俵、鮭マヨ、梅が丸だ。軽々と何皿も運んでいくスぺとテイオーに続いて俺も外に出ると、すっかりと日が暮れて契約寸前まで行きそうなウマ娘とトレーナー達が仲睦まじく焼きそばを食べている光景が目に入った。

 

 俺もさっそくとばかりにゴルシが何台か用意してくれていたグリルの前に陣取っておにぎりを網の上に放り込み、しょうゆベース、味噌ベースのたれを塗って香ばしくなるまで焼き上げる。キャンプなら焼きおにぎりも乙なもんでしょ?ほらさっそく腹ペコウマ娘が寄ってくる。

 

 「うーん、いい匂い~!あ、マスターさんこんばんは!聞いてください!トレーナーが決まったんですよ!」

 

 「お、おめでとさん。お前さんがレースで走るのを楽しみに待ってるぜ。じゃあほれ、たくさん食え!」

 

 「いいなー、私はまだなんです~やけ食いしますよーもう!」

 

 ゴルシが隣で汗を流しながらあっち~な!と沖野と一緒に笑い合い、それでも手を緩めず大量の焼きそばを作るのを微笑ましく思いながら、俺は次々報告に来るウマ娘たちと話しながらおにぎりを焼き続けるのであった。この前キャンプやって今もキャンプ・・・天丼ってそういうことか?なーんてな。

 

 




 次回投稿は1週間後くらいをめどにお願いします。場合によっては早まりますけどちょっとこれからは長めに投降頻度を開けることにします
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