ゼルダの伝説:リフトツリーフォーク   作:滝翔

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二話 寡言の館

もう一度 長老に会う為にやって来たリンク

目を閉じている彼女の前で跪き 件の精霊石の話を持ちかける

 

「……正直に返しますと 存じ上げませんね」

 

手掛かりが失われたと思った その時

 

「例の館にならもしかしたら……」

 

長老の口から出る次なる目的地は話題の館だった

 

「あそこは今では曰く(まみ)れの物騒な場所ですが

かつてその森には神殿があったと聞いています

何万年も前の話なので信憑性は低いです……

私が産まれるよりも前の ここフィオーレの歴史の遺産ですから」

 

リンクはその森の館に住む魔女達の話をすると

 

「その事を既にお耳に入っているのなら早いですね

……近付いてはなりませんよ」

 

警告されて終わってしまった

トボトボと帰らされるリンクを下流の滝壺付近で待っていたクレシェン

 

「長老は優しかったでしょ~~?

若い頃はゾーラ以外でもファンが出来るくらいの女神だったって噂!!」

 

「……うん!」

 

今でも美しいと答えるリンクにクレシェンは呆気に取られる

冗談なのかお世辞なのか 本気なのか

 

「まぁゾーラ族と親睦を深めたいなら

まずはこの里で一番偉そうなゾーラから近付くよね~~」

 

やれやれと両手を振って水中に潜っていく彼女を見て

自分はまだ信用されていないのだろうと察するリンクだった

 

どういう行動に出ても少なからず怪しまれるのなら

いっそここには馴れ合わずに 早々に館に向かう方が良いだろうと

 

月が顔を出す頃合いには 少年は里を出て森の近くまで来ていた

捨て身で何の装備もしていないが 立ち止まってもいられない

 

「……??」

 

リンクは近くの茂みである物を拾う

それはウルボザと偽っていたガノンドロフと名乗る青年が身につけていたフードだった

 

「……」

 

リンクは鞄に押し込み いざ森の奥へ

行こうとしたら背後にはクレシェンがいた

 

「あ・の・さ!!!! 行方不明事件が起きてるの!!

状況分かってる?!! この先は危ないの!! さぁ帰るよ!?」

 

リンクの手を引っ張って連れて帰ろうとするクレシェン

しかしリンクはその手を優しく解く

 

「……そんなに必要なの? 石なんて見つけて金にでも換えるつもり??」

 

「……」

 

夢で女性に言われたから などとは口が裂けても言えない

黙ってしまうリンクに深い溜息を吐くクレシェン

そんな油断をしている彼女に魔の手が忍び寄る

 

「〝本命〟がノコノコ一人で来てくれて嬉しいよ~~

他の普通のゾーラなど あくまで対抗に過ぎぬ」

 

上空より箒で駆け回る一人の魔女

それは特殊な魔法でクレシェンを眠らせ

華奢な体で軽々と担ぎ上げた

 

「おやおや……? こんな処にハイリア人とは……

もしかしてお仲間さん??」

 

「……うん!!」

 

リンクはその子の知り合いだと言うと 魔女は鼻で笑う

 

「〝そういう意味での問い〟ではなかったのだが……

まぁ良い 其方に興味などありはせん

もしまたこの娘に逢いたいのなら館に来るが良い

お前の血を妾達に捧げてくれる覚悟があるのなら……

盛大に出迎えてやろうではないかぁ!!」

 

魔女は宙をスイスイ泳ぐように飛び

 

「そういえば自己紹介がまだだったね

こんな地獄の底に流れ落ちても 元公族として礼儀は怠らなく」

 

忙しい空中遊泳をピタリと止めて 深々とお辞儀

 

「妾は四姉妹の末妹エイミー 歓迎するぞよ」

 

不敵な笑いと共に 魔女エイミーは館のある方角へと飛んでいった

 

「……!!」

 

勿論リンクは後を追う

しかし森の中にはモンスターが潜んでおり

丸腰でデクババを避けて通るのは無理があった

 

 

 

「報告は間違いないんだな?!」

 

跡を追って兵を連れて来たデクレはリンクと合流する

デクババやデクナッツに追いかけ回されて疲弊しているのは一目で解った

 

「……クレシェンとは一緒ではないのか?」

 

「……」

 

デクレはリンクの様子を窺っている

だが切迫している今の状況で悠長にしてられない彼は

 

「お前は一体…… ここで何をしていたんだ?」

 

胸ぐらを掴む彼には余裕が見て取れない

実際にリンクもクレシェンを助けられなかったことに負い目を感じていた

 

「……」

 

リンクを地に落とし デクレは部下に預けていた武器を取る

 

「君は里に戻っていなさい」

 

そう言い残すだけで兵達は奥へと列を作って消えていく

残されたリンクはその場に置き去りにされるが

 

しばらく大樹の頂上を見つめ続けていると

また新しいモンスターと遭遇する羽目に

 

「……!?」

 

「……ンピッ?!!」

 

両者睨み合いの立ち往生に

 

 

 

囀る小鳥や森のざわめき

そんな中央には 騒がしい空気を遮断する静かな館が構えている

 

「これが寡言の館……」

 

「どうしますデクレ様…… 乗り込みますか?」

 

「当然だ! クレシェンや他の娘達も捕らえられている

目的は分からんが 何かが起こっている以上 一刻も早く救出しなければ!!」

 

リンクそっちのけでデクレ達は 立て付けの悪い重い扉を開き

館内を警戒しつつ 奥へ奥へと進んだ

 

 

 

二階のとある部屋にて

 

ジョオ「来客…… のようですね

エイミーの言うように 例のボウヤが来てくれたのかしら?」

 

ベス「透視で見た限りでは雄の団体様ですわね……

……むさ苦しいったらありゃしませんわ」

 

エイミー「ゾーラの血は質と量…… 一体どちらを優先させれば良いのか」

 

メグ「無駄足など妾達には似つかわしくはありません

物事はスマートに そして大願を果たしましょう」

 

 

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