一方でリンクは やたら接客上手のアキンドナッツに遭遇していた
自分が潜っている花からは数々の商品が目の前に並ぶ
「ピッ! 出張版マロマートのご利用ありがとうっピ!!
旅の必需品補充にぜひ足を運びませだッピ!!」
アキンドナッツは丁寧に説明してはいるが
リンクは自分の財布の中身を確認していた
残金50ルピー これからの旅路を考えると節約も頭に入れて置かなければ
「生活がお苦しいようでっピ?
なら目玉商品を一品だけ紹介するッピ!!」
ガサゴソと取り出したのは一枚の盾
端は赤く 内側は鑑のように光を反射する銀色の装飾になっている
「ここら一帯は〝大地〟なだけに 古代ハイラルの掘り出し物が豊富だっピ!!
そして先日 勘で掘り当てたのがこの〝ミラーシールド〟だッピ!!」
「……」
リンクは触らせて貰い ミラーシールドを見つめる
「耐久度は私のお墨付き 特殊な用途は不明だッピ!!
本当は貴族に高く売るつもりだったんだけど……
発掘物の所有権は善意の第三者だッピ!
今この時 この楯を必要としてくれる貴方になら
出血サービスの100ルピーッピよ?!!」
勿論所持金より上回る額を提示されたが
「ツケにしとくッピ!! ハイリア人なんだから二層まで登るッピ!?
私はしばらく ゆったり一層ずつ上がっていくから縁があれば払うッピ!!」
アキンドナッツは盾をリンクに押し付けると
荷物をまとめて世界樹のある方角へと
頭のプロペラを回転させて飛んでいってしまった
一応盾は手に入ったが
武器に関しては もはやそこら辺の木の棒でも良かったと思えるくらい
今は得したとリンクは思っていた
少し遅れて館の前に辿り着いたリンクは
扉を開けてホールの真ん中へと進んだ
すると緑の火を灯したエイミーが歓迎する
「待っていたぞ勇敢な少年よ」
「……!!」
リンクは木の棒とミラーシールドを構えて戦闘態勢に入る
その姿を嘲笑うエイミーは 指を鳴らすと同時に複数のキューブを出現させた
「其方は面白い男のようだ 残念ながらそのような武器で勝機はあるまい
だからゲームをしようじゃないか?
妾は自分が考えたゲームを早く誰かに遊んで欲しかったのじゃぁ」
「……?」
キューブは空中を舞い 同時にリンクも浮遊する
「それと…… コレはプレゼントじゃ ここら辺はガラクタがよく取れるでの」
リンクは〝勇者の弓〟を手に入れた! ……なんで?
「それではルールじゃ!!
妾の背後に飾られる自画像
疎らに数字が振られ16番まである
其方は宙で順番通りにキューブを射貫き
そのキューブで妾の顔を完成させよ!」
「……?」
「それでは用意ドンじゃ!!」
周囲を不規則に回転するキューブを目で追っては数字を探す
特に難しい訳では無く 何故か制限時間も無い為 変に焦ることもなく
順調にキューブを射貫いていくリンクにエイミーは気付く
「何の捻りも…… 無いの~~…… 次回作に期待じゃの~~……」
そこで末妹の魔女は雑談を挟む
「妾の姉 長女メグはかつてゲルド公家の当時の当主であった
長く続いた家系の下に産まれた妾達は それは不自由などは無く
ハイラル王家とも友好的で平穏に暮らしていた」
「………?!!」
「だがある日 悲劇は起こった
あの女…… あぁ…… あの女が妾達から全てを奪ったのだ!!」
突如エイミーは悲痛の声を荒げ リンクはゲームに集中出来ない
「滝底に突き落とされた妾達は何とかこの館まで這いずり
……その日は厳しかった姉達が私を中心に身を寄せ合って温めてくれた」
リンクはその女の名を聞くと
「その者は〝パトリシア〟と呼ばれていた
……なんでも王家の側室の娘だったとか」
「……」
話が終わる頃にはリンクも絵を完成させており
エイミーはゲームのクオリティーに納得出来ずも
礼節を弁えて 盛大な拍手を贈った
「エキサイティン!! ……今度はもっと頭を使うように頑張るから」
リンクはエイミーに問う ゾーラを攫った目的を
「最終目的は復讐よ
妾達を追い出しだ同族共に目に物を見せてやるわ!!」
彼女は自画像の絵を反転させ 如何にも陰湿な暗い風景画が現れた
その絵の中で生きているかのように箒で飛び交う 老いた二人の老婆が描かれていた
「彼女達は我等ゲルド族の祖先にして偉大なる双生魔導師コタケ様とコウメ様
妾達が目指すのは…… 風の便りで知った厄災の復活の暁に
その者の直属従事者になる為 かつて厄災の乳母の立ち位置を継承するのが目的なのじゃよ」
「……!!」
「だけど末永く…… 身近でお世話を見越すとなると……
妾達の寿命では任を全うすること叶わず
じゃがどうだ? 身近にはあの長命で有名なゾーラがおるではないか??
面白い童話にはその種族の血を飲むことで長生きが約束されるという話ではないかぁ?!」
暗い態度から明るい態度へ 残忍この上ない彼女の眼は希望に満ちている
「儀式はもうすぐ終わる!!
……とういうのもあの姫君の血をグラスで乾杯するだけじゃがな~~??」
リンクはすぐに武器を構えた
そんな事はさせないと 枝先をエイミーに突き立てて
「良い良い!! お子様に妾達の雪辱は理解出来ぬ
遊び相手を殺すのは忍びないから 束縛して一生ペットとして飼い慣らしてやろう!!」
緑の炎を頭上に出現させる彼女
防ぐ盾はあっても 肝心の武器がこれではどうしようもない
そんな時 薄暗い通路の奥から一本の槍が飛んでくる
それはリンクの目の前に突き刺さった