ゼルダの伝説:リフトツリーフォーク   作:滝翔

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七話 キャンプファイヤーで自己紹介

デスマウンテンの麓

一日中歩いてやっと辿り着いたリンク達は

日暮れと共に焚き火を囲んで夜を凌いでいた

 

ゾーラ族は火と電気が苦手故に

間近で暖を取っている三人とは距離を置いている

 

「それでは自己紹介ターイム!!

各自がこの場の全員と仲良くなる為に細かく言うんだゾ!!」

 

仕切りを自ら進んでクレシェンが請け負った

時計回りを指示され 最初は赤髪で褐色肌のこの男から

 

「俺は…… ウルボザだ よろしく」

 

リンクの視線が痛く突き刺さる

 

「後にしてくれよ後に……!! 自分のことを語るにも準備がいる境遇なんだよ!!」

 

てな訳で右隣のエミリーから始まった

 

「私はエミリー ゲルド公家の人間だからそちらの男性とは同胞になるわね

姉のメグはついこの間まで一族の長を務めてました

私は四姉妹の末妹で 幼い頃からチヤホヤされて 流刑に遭った後でも

姉様達に守られる箱入り娘だったの

趣味はゲームを創ること リンクで試したけどまだまだ未熟のようでした

これからの事については取り敢えず第一層に帰るつもりだけど

私達をこんな目に追いやった〝パトリシア〟という女を締め上げてやる腹心算よ」

 

クレシェンの拍手に周りが釣られて

次は自分の番だよと 椅子代わりの丸太から勢いよく立ち上がる

 

「私はクレシェン!! ゾーラのお姫様!!

行く行くはあの里を治める…… かもしれないし!!

お兄様に任せて別の事をド派手にしているかもしれない!!

まずはこの柔軟な人生に偉大さを感じて欲しいわ!!

趣味は広く浅く!! 特技は高祖母様譲りの治癒魔法!! よろしくね!!」

 

起立して着席するまでの無双時間はまるで嵐が吹いていた

先の一件から元気を取り戻していたクレシェンに安堵する

隣に座っていたデクレの番だ

 

「俺はデクレ 兵士として日々鍛錬を怠らないが血統上王子でもある

ちなみに妹のクレシェンの言っていた〝治癒〟のことだが

俺と妹は現長老の系譜ではない

俺達兄妹は彼女の弟 先々代のゾーラ王の子孫になるんだ」

 

「でも近い血が流れているんだし!!

特訓で身につけたんだから 文句言われる筋合い無いよね?!」

 

「長老は何故か結婚をしなかったらしい 想い人が他種族にいたのか分からないがな……

趣味は過酷な訓練 特技は槍捌き

……次は必ず俺が皆を守る ヒレに誓うゾ!!」

 

デクレの次はリンクだった

 

「……」

 

改めて 自分の身の上話を語るリンク

第二層のイナ村の出身であること

〝厄災〟という単語を耳にして ハイラル王国に行ったこと

ゼルダ姫が豹変したこと そしてガノンドロフと出逢ったこと

その経緯から ここに落ちてきたこと

 

「今更だけど…… よく無事だったわね あんな高い所から落ちてきたのに」

 

五人は上を見上げ 雲海を突き抜ける世界樹を間近に 思うものもある

 

「リンクの趣味や特技は??」

 

「……」

 

自分は食べることが好き そして特技は寝ることだと答えると

 

「なんか単純で可愛いわね…… 本当にペットにしたいわ」

 

エミリーは率直な意見を出し クレシェンはその可愛さ故に悶えていた

視線を外して顔を赤らめるリンクは ガノンドロフに順番を渡す

 

「ハァ…… 何処から何を正直に話せばいいか」

 

人差し指二本をクルクル回して 何回も溜息を吐く彼は覚悟を決めた

 

「俺の名前はガノンドロフ 本名だ

この名前に聞き覚えのある奴がいるかもしれねぇけど

俺はこの先 産まれるとは思えなかったゲルド族の男性としてこの世に生を授かった」

 

「ゲルド族では何百年かに一度 稀に男性が産まれ その者は王になる」

 

「さすがだなエミリー だが待っていたのはその真逆

ゲルド公家の裏側は 未だに〝厄災ガノン〟こそが我等の王だと言う輩が潜んでいてな

俺に〝ガノンドロフ〟と名付け 自信満々に誇っていた母親も毒殺されてしまった

そして俺自身も監禁され いつかは殺されるだろうと悟る程に 未来は暗かった

んで成長するごとに自立心が芽生え 満を持して屋敷を抜け出し

そこからはリンクと行動を共にしている

あぁ…… 趣味はこれから見つける

特技は自慢じゃねぇが そこそこ恵まれた強い魔法を使える よろしくな!!」

 

自分の紹介が終わって辺りを見回すと 全員が目に涙を溜めて聞いていた

 

「産まれた時から自由が無いなんて……」

 

「運命を呪った事はねぇよ…… なんたってこれから自由なんだ」

 

リンク達は互いに互いを理解し合い その晩は遅くまで酒を飲み明かす

酔った勢いでガノンドロフがクレシェンをダンスに誘うが

火の周りで踊ろうとした矢先 彼女からの鉄拳を食らっていた

 

そして夜が明け

五人の進んだ先には険しい山脈地帯が

看板に書かれたゴロンシティに通じる一本道がリンク達を誘っていた

 

「【ゴロンシティー】には世界樹に登る関所があるんだっけか?」

 

「そうだね! 第五層…… 言ってしまえば根っこに住み着く最下層のゴロンシティ

そこから第四層の【コーガポリス】に行って 第三層の【カカリコ村】へ

難関はシーカー族の〝コーガ三世〟が牛耳るコーガポリスね

あそこは表向きは楽しい繁華街が広がっていて よくお忍びでカジノに行ってたけど

目を凝らせば 実態はスラム街よ」

 

「ゾーラの姫がギャンブルかよ……」

 

「理想と現実に大きな違いがあるようね!? そこに偉大さを感じて頂戴!!」

 

 

「まずはゴロンシティーで精霊石とやらを見つけるんだろ? さっそく行こう!!」

 

 

デクレは一足先に危険が無いか直進する

後に続くリンクは 改めて仲間が出来たんだと少し嬉しい表情をしていた

果たして次に訪れるのは 女神ハイリアの恩恵か またもや災いか

 

 

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