ゼルダの伝説:リフトツリーフォーク   作:滝翔

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八話 ゴロン族の七光り

リンク達から少し外れて

寡言の館付近の土地をスコップで彫り物探しをしているアキンドナッツ

目新しい物が出て来ないと分かるやいなや

頭部の花を回転させ 上空から勘を頼りにポイントを視察していた

 

「んピッ!!?」

 

何やら光る物を発見すると そこへ向かって急降下

 

「これは…… 高く売れるッピ!!」

 

見ただけで血生臭そうな香りが漂う 赤紫色の光が眩き危険な悪寒が走る

にも関わらずその〝槍〟を袋に詰め込んで

再びアキンドナッツは空へと舞い上がり

リンク達と同方向の世界樹へ向けて鼻歌を奏でながら飛んでいった

 

 

 

そしてゴロンシティに到着していたリンク達

鉱石を掘り起こすツルハシの音が日常を表しており

火山地帯に囲まれた灼熱の街がそこにはあった

 

因みにゾーラの二人は一足先に世界樹の根元の関所まで避難している

だから今はリンクとガノンドロフとエイミーしかいない

 

「しかしまぁ暑っちぃなぁ!! ゾーラじゃなくてもこの熱気は堪えるぜ……」

 

上着を脱いで息を荒げるガノンドロフにエイミーは助言する

 

「肌を露出してこんな場所をうろつくと火傷するわよ?」

 

それを聞いて急いで服を着直すガノンドロフ

リンクは手始めに 近くに居るロース岩を食べているゴロンに話しかけた

 

「精霊石ゴロかぁ? ……もしかしてあの美味そうな石のことゴロか?」

 

「……さっそくビンゴじゃんリンク!」

 

リンク達はその精霊石の場所を聞くと指定された目的地へ

そこはゴロン達が〝社長〟と呼んでいる人物が住む

大きな岩で建て増々の ゴロンシティ一ー番の豪邸であった

インターフォンは見当たらなく 近くにある岩の鐘を鳴らすと

大して音は響いてないのに 通常の四倍はあるゴロンがスーツ姿で出てきた

 

「旅人とは珍しい…… 何用ですかな?」

 

リンクは自己紹介を始め 後ろのゲルド二人も後に続く

用件を把握したスーツ姿のゴロンは 社宅に三人を招き入れる

 

「旅人に合うか分からぬが……

イナ村の麦茶とカボチャケーキです」

 

リンクにとってはもはや懐かしく思える品

ガツガツと頬張る三人を前に社長もご満悦の様子

 

「私は〝ダルタニャン〟という名前ですよろしく

それで単刀直入の返答で申し訳ありませんがお渡しは出来ません」

 

「何故ですか?」

 

カップを皿に置くエイミーは問う

 

「ゴロン族が守らなければならない家宝というのもありますが……

あの宝石には昔より残る言い伝えと共にデスマウンテンの火口にあるからです」

 

「言い伝えって何だよ?」

 

「……」

 

ダルタニャンは不意にリンクに視線を向けた

そしてガノンドロフにも興味がありそうで

 

「まさかこうも伝説上の名前が並ぶとは……

何か良からぬ兆候なのかもしれませんね」

 

「「「 ……? 」」」

 

「何万年前のお話かは分かりませんが

かつてハイラル王国が大地に存在していた時代

三つの精霊石をとある神殿に納めれば聖地への扉が開かれた

百年に一度生まれると言われたガノンドロフはそこへ足を踏み入れ

力のトライフォースを手中に世界を暗黒に染めたとか……

悪の力に抗える〝退魔の剣〟を扱えるまで眠らされた時の勇者は

勇気のトライフォースを携えて見事その魔王を封印にまで持ち込んだ

精霊石は再び三種族のもとへ返還されたが

魔王は変わり目の時代には復活を遂げ その都度勇者によって封印された

……おそらく絵本にもなっているので知ってる人はいますね?」

 

「えぇ…… 誰でも子供の頃に一度は読み聞かせられるとか」

 

神話のお話をここでも聞けることにエイミーは驚いていた

一方でガノンドロフは皿に残る甘栗を突っついてはムスっとしていて

 

「まぁその記録が遺ってるだけで俺は大迷惑だけどな

まぁ遺ってなきゃこんな名前も付けられることもなかったんだが……」

 

「大丈夫ですよ 私は貴方を悪とは判断していません」

 

「……ゾーラの婆ちゃんといい 調子狂うな」

 

ご馳走になるだけなってリンク達はダルタニャンの家を出る

 

「目的は第一層のハイラル城と言っていたね?

私は主に貿易関連の代表をしているのでまた何処かで出逢えるかもしれない

その時は遠慮なく頼りなさい」

 

三人同時にお辞儀してその場を後にするが

肝心の精霊石の入手は難を増していた

 

「どうするか…… てか社長さんの家の中…… 茹で釜だったな……」

 

「我慢した結果 割に合わなかったわね…… どうするリンク?」

 

リンクもリンクで頭がフワフワしており

しばらく外の空気を吸ってから行動することに

するとリンクの尻を 小さくも硬い足で蹴り上げる者が現れる

 

「お前ら人ん家で何してたでコロ!!」

 

「なんだなんだ?」

 

小柄な身の丈に合わぬ ませた身なりをしているゴロンの子供が現れた

ホワイトなフリルのシャツがなんとも腹が立ち

その上に羽織る宝石塗れのジャケットに拍車を掛けた

 

「どちら様ですか?」

 

「僕の家から出て来ておいてなんて無礼な物言いだコロ!!

ゴロンに刃向かったらお前らなんぞ押し潰されて終わりコロよ!!」

 

「……」

 

腰を下げて優しく尋ねて上げたのに

気に障る口調で返されてたエイミーは

汗がへばりつく髪をバサッと靡かせて

 

「其方こそ妾を誰か知っての物言いか?

ゲルド公家四姉妹の末女エイミーであるぞ?

初対面に向かってのその愚行 甚だ下劣を晒しておるぞ」

 

「ハ…… ハイラルの王族コロ?!!!

こ…… これはご無礼をお許し下さいぃ!!!!」

 

「頭を垂れよ…… 気軽に妾と接するなんぞ

其方はそれだけで人生を華々しく全うしたと思うても良いのだぞ?」

 

「ハハ~~~~!!」

 

上から者を見下す戦いに於いて

勝者は元公族のエイミーが勝利を収める

 

それを横で見ていたリンクとガノンドロフは

あっけらかんとただ一部始終を目で追っていた

 

 

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