ゼルダの伝説:リフトツリーフォーク   作:滝翔

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十話 砂塵症候群

空を支配する邪竜は軽快に宙で踊っていた

ここは火口というのもあり 常に大気は上昇気流を生み続け

リンク達では手の届かない空域よりいつでも攻撃が可能なのだ

 

「ヴァアアアアアア!!!!」

 

時間をフルに使って蓄積させた火力は息吹となって口から吐かれ

足場を覆い尽くす程の火炎放射が放たれた

 

「リンク!! エイミーとダルイナに近づけ!!」

 

「……うん」

 

二人は台座があるフィールドを離れ

入り口付近まで全力で走る

 

狙いがあったガノンドロフは小さな空間にだけ結界を張る

自身の膨大な魔力を多少コントロール出来るのようになっていたのだ

 

真下に吐かれた咆哮だけあって威力は直接結界にぶつかることはなかったが

それでも粉々に粉砕してしまうのだからヴァルバジアを侮れない

 

「大丈夫か皆…… ハァハァ!!!!」

 

「「「 ハァハァ!!!! ハァハァ!!!! 」」」

 

炎は防げても周りの温度までは防ぎようが無い

装備していた耐火効果も及ばず

人体の臨界点を超えて体調に異常をきたしていた

 

しかし分からないのはダルイナだった

今回の戦いとは別に何か不穏を掻き立てられる

 

「僕はもう…… 駄目コロな……」

 

「何言ってんだダルイナ……」

 

「アイツを倒す必殺技があるコロ!!

皆!! 力を貸して欲しいコロ!!」

 

「「「 ………… 」」」

 

明らかに弱っているダルイナの外見を三人は無視しなかった

しかし遙か上空で余裕を晒してる邪竜にはリンクの弓矢も

ガノンドロフの光弾も 威力が重力の負荷によって半減

考えている暇など無かった

 

ヴァルバジアは再び火炎袋に有りっ丈を溜め込み

今度は炎を吐きながら突進してきた

息吹はリンク達の視界を遮る役目も果たしており

最後は自分の鋼鉄の身体を捨て身にするつもりだろう

 

 

「本当はダディーの〝メガトンハンマー〟が欲しいでところでコロが……

今あの邪竜に通じる強固な武器は僕の身体しか無いコロ!!!!」

 

 

ダルイナは全身を赤いオーラが形になった防御壁で身を包み始める

〝ダルケルの護り〟と呼ばれるゴロン族でも使える者は限られる大技

 

まずガノンドロフはさっきの結界を張り直した

正面から堂々と炎の息吹を受け止めることに上等かましていた彼だが

それは逃げも隠れもしないという認識を邪竜に与える為だ

 

次にエイミーは持ち前の浮遊魔法をリンクとダルイナ

そしてダルイナには睡魔魔法を付与する

ダルイナ曰く 寝ている時のゴロンが一番重いらしいのもあるが

恐怖心を一切無くして無機物に近い砲弾になる為だどか

 

そして狙い通り邪竜がガノンドロフと衝突したのを確認すれば

リンクとダルイナは上昇気流に乗って天まで昇る

 

リンクより先にダルイナは宙に飛び降りて 自分を覆う防御壁を筒状に変化させた

その一つ上の地点よりリンクが持てる全てのバクダン花を筒の中に入れ

持っていたミラーシールドでの光の反射で点火すれば

真下にいるヴァルバジア目掛けて一筋のダルニアという強靱な弾丸が発射された

 

「脳天カチ割れるコロ~~!!!!」

 

「グギャァァァァァ!!!!」

 

ヴァルバジアの硬い頭とダルイナの丸まった体は衝突し

爆発の威力で高めた急降下の一撃は その硬さ勝負の差を徐々に広げ

邪竜にヒビが入ると同時に情けない鳴き声を出しながら

その長蛇の肉体は痙攣と共に地上に倒れた

 

「しゃぁ勝っぜぇ!!」

 

邪竜と衝突したガノンドロフはピンピンしており

フワフワ降りてきたリンクとエイミーの三人は

防御壁を解除しているダルイナのもとへ集まる

 

「大丈夫か?」

 

「ゼェゼェ…… 最期に誰かの役に立てて良かったコロ……」

 

小さなゴロンの口からは

前とは比にならない砂利が吐かれた

 

「ダルイナ…… これは一体なんなんだ??」

 

「……〝砂塵症候群〟って名前のゴロンだけにかかる難病コロ」

 

「なんだと…… そんな病気を抱えながら戦ってたのかお前?!!!」

 

「これは岩で出来たゴロンの身体が細かな砂利に風化する病気

体内の組織が滅茶苦茶に破壊されるから普通のゴロンより身体能力が落ちるコロ……

常に岩を食べてある程度の物質の水準を保てなければ寿命はもっと前に尽きたコロな

どのみち長く生きられないって話コロよ」

 

「……クッ!!」

 

認めたくはないガノンドロフは地面を拳で叩きつけ 目を逸らしていた

エイミーはダルイナの目に力が無いところを見ると死期を悟っていた

 

「こんなになるまで 何で貴方は協力してくれたの……?」

 

「跡継ぎは無理だと悟った なら勉強は意味が無いコロ

そんな何やっても無駄だと思って生きていたとき

お前達がやってきたコロ 外から来たお前達に興味が湧いたコロよ

そして近くにありながら立ち入りも許可されなかった神殿に行ってみたかったコロ」

 

「……」

 

「楽しかったコロよ~~…… 思い残すことは無いコロ!!」

 

ダルイナは目を閉じた

屈強な岩で出来ている筈の肉体は表面上にも砂に変わる兆候が見られ

相手の死が塵になる瞬間は見てて堪えるものであった

 

「お前のこと…… まだ何も知らないのに……」

 

「一緒に冒険しただけで十分楽しかったコロ……」

 

「ふざけんな…… 俺達はもう仲間だ……」

 

「……!? そうコロか…… なら悔しいコロ……

もっともっとゴロンシティーを出て世界樹にも行って

沢山の場所を旅したかったコロな~……」

 

涙を流しまくるガノンドロフに

リンクとエイミーもついつい貰い泣きしてしまっていた

 

その時 上空では頭の花を回転させて近付いてくるアキンドナッツが一匹

何故かその者には邪気が纏っていた

 

 

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