プルアはリンク達をカジノの地下室へと招き入れ
現在コーガポリスの各所に潜伏しているレジスタンス総員に招集を掛けた
人数は六十人弱だが 中には腕の立つシーカー族も目立っている
「何か急に仲間が出来たなリンク……」
「うん……」
クレシェンとデクレはレジスタンスの面々に挨拶に回っていた
中には知り合いとかも居るのだろう 急に現れた大勢の圧力にも屈せず愛想を振りまいている
逆にエイミーはその圧に当てられて隅っこで蹲ってた
気持ちはエイミー寄りのリンクとガノンドロフだが 持ち前の胆力で何とか毅然としていられた
「アンタ達の名前を売りに出したら皆喜んで駆け付けてくれたよ」
「どういう意味だ?」
ガノンドロフがプルアに質問を投げ掛けると
「リンク…… そしてガノンドロフ……
ここにいる人達は少なからず歴史に関心があってねぇ
この二人の名前を出した途端 飛びつくようにここへとやって来たのさ
それだけ無視出来ないってことだねぇ 〝時の勇者様〟と〝時の支配者〟のネームバリューってのは!!」
「その二人はそんなに因縁があるのか?」
「勉強不足なのを攻めるつもりはないけど 自分が何故特別扱いされるのか?
永い歴史を追って初めて自分を等身大に見てみるのも悪い気分じゃないよ」
点呼確認が済んで全員集まったのを知ったプルアは 椅子の上に登って注目するよう促す
「皆今日まで〝地味な作業〟ご苦労様! 急で悪いんだけど今日から〝映える行動〟に移行するよ!
理由は言わずもがな!! 度々不穏に流れていた噂が現実味を帯び出し
こちらにいるリンク御一行様の話を聞いてみればぁ??
予想より遙かに国家存亡の岐路に立たされていると分かった!!」
「「「「「 ………… 」」」」」
「我々はこれからコーガポリスの拠点を捨て なるべくハイラル王国近隣まで移動しようと思う
転送装置でもあるワープマーカーは人数に限度があるから転送する班は厳選
残った過半数でこれから関所の砦を突破する策を練る!!」
「「「「「 はい!!!! 」」」」」
「よろしくね チェッキー」
早速レジスタンスの者達はそれぞれ行動に移る
移ろうとするタイミングである者が鼻を嗅ぎ出す
「何だ…… おい焦げ臭いぞ?!」
扉の近くにいたエイミーがドアを開けると その臭いはより鮮明に全員の鼻を刺激した
「地上で火事でも起きてるんじゃないか?!!」
全員慌てて地上に出てみると
館内は煙で覆われ テーブルの上に並べられていた書類全てに火の手が行き届いてた
そしてまんまと鼠を燻り出したイーガ団達が既に包囲していたのだ
「あっ俺様が!! コーガポリスの?! あぁ~~ド|首領〈ドン〉!!
イーガ団総長コーガ様也~~!!!!」
煙の届かない場所では当然の如く包囲され
周到な先回りはお見事と言う他ない
「同胞の
「ババァてめぇいつもいつも好き勝手に未知の物体をこの街に持ち込みやがってぇ!!
一体全体!! 俺様の目の届かねぇところで何してやがる!?」
「お子様には秘密のディープな研究だよぉ!! チェッキー!!」
「まぁそんなこたぁどうでもいいんだよ
お前らが匿ってるハイラル王国の脱走犯二人組をさっさと差し出せ!!」
「な~~んのことやら??」
「さてはテメェらぁ…… その二人をゼルダの野郎に差し出して内輪で褒美山分けするつもりだろぅ?!
……ん~~ズルイズルイ!! ズルいぞ貴様らぁ!!!!」
気持ち悪くなるくらいに独自の解釈で物事を進めていくコーガの一人芝居を利用し
プルアと数人の仲間が闇に乗じて逃げる算段を企てていた
「じゃぁその手筈でお願いね皆 申し訳ないけど私達は一足先に上に行くから!!」
「「「「「 お気を付けて!!!! 」」」」」
プルアはリンク達を呼び
足元に水色のシーカー文字の陣を展開させると
僅か六人だけその場から姿を消した
「あぁ逃げやがったなぁ!!!? 〝打首獄門後悔丸刈りの刑〟だぞぉ!!!?」
「プルアの姐さんには指一本触れはさせん それに勇者はいつの時代でも我らの希望なのだ」
「……プホホ!! ギャハハハハ!!!!」
「何がおかしい?」
「勇者と来たもんだ 益々訳ありみてぇでゼルダを脅せると思ってなぁ
それに…… ババァとガキ共の行方に関して何の心配もしていない コーガ様は心配しない
何故なら?? 手の内に在り続ける限り取り乱す必要が無いからだぁ!!」
場所はコーガポリスの外 ではなく拠点であるカジノの屋根の上だった
「……してやられたわ まさか〝出口〟を強奪されていたとは」
「コーガ様を舐め過ぎだぞ貴公達 あの方はあれで色々と考えておられる」
ワープマーカーは常に出口を特定の場所に設置して初めて転送可能になるのだ
つまり目の前で捕縛されているシーカー族を引っ捕らえて 出口を屋根の上に変えられた
「其はスッパ 恐れながらコーガ様の右腕として刃を振るう者」
「クッ…… クレシェン!! エイミー!! プルアを連れて下がってろ!!」
スッパに挑むはリンク・ガノンドロフ・デクレ
しかし敵は数に臆する事無く 逆に三人を圧倒したのだ
「何だこいつ…… 寡言の館やデスマウンテンの大型モンスターみてぇな気迫を放ってる?」
「怯むなガノンドロフ!! この尋常ではない殺気を三人で打ち消すゾ!!」
「うん!!」
リンクもゾーラの槍を背中より取り出し
いつもと変わらない 強敵に臆しない構えを取った
「ほぉ心の内から哮る良き威勢が垣間見える 気迫とは相手に悟らせてなんぼ……
だが圧倒的な力の差は埋まるか否か…… 試してしんぜよう」