ゼルダの伝説:リフトツリーフォーク   作:滝翔

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三話 メドーの洞窟での戦い

「う…… うん~~」

 

運良く瓦礫の下敷きは免れたリンクとカユ

カユに被さるように倒れているリンクの右手からは柔らかい感触が伝わってきた

 

「っ…… っ……!!?」

 

いつもの怠けっぷりからは驚くほどかけ離れた反射速度でカユとの距離を取り

床に頭を擦り付けて謝罪の意を表した

 

「……プッ!! 怪我は無いリンク?」

 

「……うん」

 

手で顔を覆うリンクは赤裸々にカユから視線を外している

それを見てニヤニヤしているカユはリンクを放っておいて辺りを見回した

 

「下の階なんてあったんだ…… とりあえずここにいても仕方無いし先に進もうよ」

 

今起こったことは無かった事にしてくれているのか

照れているリンクとは反対にカユは平常心だった のも束の間

 

「ねぇ! ……少しは大きくなっていたでしょ??」

 

「っ……///」

 

「もう何年も一緒にお風呂入ってなかったからね~~ あっ もう触らせてあげないから!!」

 

「う…… うん……」

 

「未来の旦那さんの為に培って来たものだからね~~ 気を落とさないでね~~リンク!!」

 

背中を思いっきり叩かれて前によろめくリンクは 完全にカユの手の平の上だ

ゴーマもまだ洞窟内にいるので気を抜けないが 調子が狂わされる道中

辿り着いた先は滝の音が聞こえる広い空間 そして中央には鳥の巣と大きな卵が置かれていた

 

「すごい!! 本当にメドーがいる洞窟なんだ!! ……でも肝心の神獣がお留守なのね」

 

もっとゆっくり卵を見ていたいが リンク達の目的はあくまで精霊石を持ってくること

奥へ奥へと進むと祭壇が構えており その台座には緑色に輝くリトのヒスイが祀られていた

カユが持ち上げて そのままバッグに仕舞う

 

「よし!! じゃぁナゴやコーチンと合流しよう」

 

「うん……」

 

「大丈夫よ! 訳を話せば二羽の活躍を村の人達も判ってくれるから」

 

見納めに卵の隣を見物しながら素通りして行く二人

しかしその卵の影から怪しく光る赤い一つ目がカユ目掛けて襲い掛かった

 

「えっ…… えぇ?!!」

 

カユの足に纏わり付く蜘蛛の糸が付着したと同時に天井に吊されてしまった

リンクは急いで剣を抜き ゴーマとの決着を付けようと呼吸を整えた

しかし辺りに聞こえる蟲の足音に気付く頃には いつの間にかゴーマの子供達によって囲まれていたのだ

 

「キシャァァァ……」

 

「「「「「 キシャキシャキシャァ!! 」」」」」

 

 

「リンク!!」

 

 

カユは持っているナイフで糸を斬ろうと試みるが 下には既にゴーマの子供〝幼生ゴーマ〟が待機している

かと言って天井を這って来ている奴らもいるのでどちらにせよ長くは持たない

リンクは目の前のゴーマとその子供の相手で手一杯の最中

一本の矢が天井にいる幼生ゴーマを纏めて射貫いた

 

「……ナゴ!!」

 

カユの叫ぶ声と共に宙に現れたのはリトの戦士ナゴだった

低空飛行で辺りの雑魚を蹴散らす彼は柄にもリンクの背後へと着地して

 

「お前に背中は任せらんねぇが お前の剣の才能だけは信用してやる

厄介なのは結局親玉のゴーマ 初見で見出せる弱点はあの赤い目だ

俺はまず周りを一掃する それまでお前はデカ物を足止めしてろ」

 

「うん!!」

 

「行くぞ!!」

 

未熟ながらも微かに旋風(つむじかぜ)を発生させて宙に飛ぶナゴにリンクは続く

 

「すごいよテバ!! いつの間に英傑の〝上昇気流〟が使えるようなったの?!!」

 

「まだ足下にも及ばねぇよカユ!! だがすぐに追いついて見せる!!」

 

華麗な飛行能力で次々と幼生ゴーマに矢を射るナゴの命中精度は大人顔負けの美しさだった

それに見取れるリンクも余裕は無い 目を赤くしている時のゴーマは遠慮無く突進してくるのだから

身体は甲殻に覆われていて まともに刃先が通らない

突きで目を狙おうともゴーマも自分の弱点は分かっているかのように避け始める

 

必死で考えるリンクは関節部分に目を配る

あれだけまともに動けるのだから足を曲げる部位は硬くないのだ

 

リンクは剣を納めると目を閉じた ゴーマは案の定突進してくるのでその間合いに入った瞬間

光の速さで足を断ち斬り ゴーマを自分の背後に横転させた

 

「〝居合い〟だと……?!! リンクの奴…… どうしてあんな技を」

 

ナゴもまたリンクの一瞬の技に見入られ 近くにいる幼生ゴーマの攻撃をギリギリで(かわ)

気がつけば ほとんどの子供が倒され 残るはボスのゴーマのみ

そのゴーマは死を悟ったのか狂ったように暴れ回り 壁を伝って天井へと這い上がった

 

「逃げる気か……? いや違う!! カユ!!!!」

 

「っ……!!」

 

ゴーマはせめてもと 捕らえていたカユを食べようと彼女に迫っていた

リンクは助けに行こうにも 天井にいる相手をすぐにどうこうは出来ない

自分の隣にナゴがやって来て 柄にもない言葉を発する

 

「乗れ……」

 

「…………?!!」

 

「良いから早く乗れ!! 特別だ!! 背中は任せられないが背中に乗せてやる!!」

 

「……うん!!」

 

リンクはナゴの背中に飛び乗ると ナゴは最後の力を振り絞って上昇気流を発生させる

 

「こんな事をお前に頼むのは癪だが 俺は雑魚の一掃で飛ぶのがやっと 射的の精度は落ちている」

 

最後に射るナゴの矢はここぞという時の為に持ってきた〝バクダン矢〟

大体の天井に当たることでゴーマの体勢を崩した

 

「行け!! リンク!!」

 

ナゴからゴーマの身体へと飛び移り 甲殻が無い柔らかい部位を滅多刺しにする

 

「キャシャァァァァ!!!!」

 

落下するゴーマ 地に落ちてよろめいていると上空より一緒に落ちてくるリンクを見上げた途端

 

 

「デヤァアアアア!!!!」

 

 

ゴーマの目に刃先が入り そのまま突き抜かれた

涙目のゴーマはそのまま倒れたが 不思議なことに身体は塵になって消えてしまった

 

 

 

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