ここを通る荷車を引く駄獣の大体はデスマウンテンに巣くうドドンゴだ
リフトガーディアンから道中の運搬も火を吐かない調教されたモンスター
実はドドンゴを引いている業者の人間からむしり取られる通行料は安い
何かの手違いでモンスターが街で暴れたら大変との事でイーガ団の門兵達も尻込みしている
それは集られる心配の無い商人にとって厄介払いの必需品であり
またリンク達にとっても絶好の機会であった
「次…… おぉダルタニャンところの従業員だな?」
「そうゴロ!! 第三層まで行きたいゴロ!! 通行料はロース岩でどうゴロか?」
「そんなの食えるのはゴロン族だけだぁハハハ!! 今回も20ルピーでいいぜ」
「贔屓して貰ってすまないゴロね!」
さすがダルタニャンんところの社員はビジネストークが秀でている
荷車に隠れていた六人は息を潜めながら感心していた
先刻 丁度通りかかったゴロンの運搬業者に事情を話して協力を頼み
第三層への出口にいる門番とは仲が良いとのことで力になれると言ってくれたのだ
ダルタニャンとの人脈が早くもここで生かされるのは 何とも有り難みを身近に感じさせてくれる
「まぁ毎度毎度調べるのも面倒だ……
どうせデスマウンテンで取れるポカポカダケとかポカポカハーブだろ?
弓矢とかなら別に違反じゃねぇし通っていいぞ」
「スムーズに進めて嬉しいゴロよ!! ありがとうゴロ!!」
お面の内側は笑顔だろうなと思わんばかりの人の良さげなイーガ団員
自分達に見せる敵意が無ければ リンク達とも仲良く出来たのだろうかと悶々とする
「無理を聞いてもらって感謝しますフォースドさん!」
「これくらいお安い御用ゴロよ! 第三層のカカリコ村では相棒のミクストが待機してるでゴロ
合流したら極上のロース岩で祝杯ゴロ~~!!!」
「それは遠慮しとくわ」
ヒソヒソと感謝の意を伝えるクレシェン
リンク達は上手く行きすぎる隠れんぼを楽しんでいたが
「厄災の復活を邪魔したとなれば 戦犯はお前だぞ門兵?」
後方で首が斬られる音がしたかと思えば 上方より複数の暗殺者が荷車を串刺しにした
急いでフォースドを前に押し出しながら避難する六人 駄獣のドドンゴも口にバクダンを入れられ
複数人に囲まれればあっという間に退路が断たれてしまった
「お前はあの時の……!!」
勿論ガノンドロフとリンクとコーチンにとっても遠い記憶ではなかった
ロンロン牧場で彼らを襲ったゲルド公家の危険人物達が目の前にいるのだから
「名乗っていなかったなガキ共 我らはゲルド公家暗部に所属する
ワッチはその中で
「調整官??」
「あくまで表向きだ 裏では〝必要悪として秩序を整える〟意味合いが職務内容だ」
「……要は殺しも厭わないってことか?」
戦闘形態に入るガノンドロフに続いて構える五人
イーガ団の姿が見えないことを不穏に感じもすれば
アサシン共と連携が取れていない別々の目的意識で動いている事を願うばかりだった
「喘ぐ暇も与えるな!! 斬り伏せろ!!」
一斉に襲い掛かるゲルドの刺客達 そんな彼女らの動きを一瞬にして止めたのはエイミーだった
リンク達は時が止まった相手を攻撃するでもなく そのまま足で出口へ駆け上がる
「予想外の集団に意表を突かれたが…… ここさえ抜ければイケるゾ!!」
デクレが槍を突き上げて士気を上げていると
「甘いな」
三層までなぞられた人工の道に突如巨大な棘付き鉄球が何個も落される
衝撃でリンクは下に落されてしまった その様をコーチンは見逃さない
残された四人に立ちはだかるは前方にイーガ団 後方にゲルドのアサシンと囲まれてしまった
「元より逃げ切れると思うなよザコガキ共が」
「コーガさんだっけ? 通してくれねぇかなぁ…… こっちは急いでいるんだ」
「黙れ黙れ偽物め!! このコーガだけは欺けねーぞザマァミロ!!」
「だよなぁ……」
コーガは鉄球の上より胡座で下層より手前を覗く
そしてスッパに命令を下した
「お前はあの金髪のガキを殺せ ここは俺と部下だけで十分だ」
「御意!!」
隣に立つスッパが剣を抜けば 周りの部下達も瞬間移動でガノンドロフ達を惑わす
そんな囲われた状態で提案を下すはクレシェン
「ねぇ! どうせデクレ達は女の子に本気になれないんでしょ?」
「「 そんなことは…… 」」
「ここは私とエイミー そしてコーチンちゃんに任せてよ」
上昇気流に乗って戻ってくるコーチン
てっきりリンクをここに運んでくるのかと思いきや
「スッパって大男がこっちに向かっているなら任せてくれだって」
「かっこつけちゃってまぁ…… じゃぁ私達も負けてられないね!!」
エイミーはシーカーストーンを構え
その後ろでクレシェンが二方向に注意を払い いつでも回復出来る体勢で待機する
その上空ではコーチンが援護射撃の準備万端で構えていた
「殺せぇ!!!!」
アサシン達が襲い掛かってくると三人は怯むこと無く迎え撃つ
遠くから聞こえるガノンドロフは確かに言い放つ
「任せていいんだな?!!!」
「「「 勿論!!!! 」」」