場所は移ってデクレ・ガノンドロフサイド
相対するはイーガ団員率いる総長コーガ様だ
「首狩り刀を持って来い!!」
内側にも外側にも刃が付いている丸い武器を部下が持ってくる
そして座布団から身体を起こして地に足を着けた彼は改めて自己紹介
「ご存じの通りコーガ様だ お前達もコーガ様と呼んでも構わねーぞ?」
「却下! てめぇを崇める道理がこっちにはねぇ!!」
「そうか…… 残念残念 忠義を誓って街の住人になるなら考えてもと思っていたが……
死刑確定!! 斬首不可避!! バナナ命!! 生きて帰さぬそれがコーガポリスの法律だぁ!!!!」
コーガは空中に複数の鉄球を生み出した
自らの合図と共に投射を合わせて部下達の持つ二連弓の矢と共に襲い掛かる
雨と礫の怒濤の遠距離攻撃に結界を張るはガノンドロフ
彼の魔法の質は光る為 範囲を広げれば死角を作るのも容易
横から放物線を描いて突進するデクレは元よりザコに興味はなかった
ただ一点集中するは大将首 駆け上がって宙で胡座を掻いてるコーガの首に二本の槍先を近付けた
「……甘いなぁ!!」
複数枚の札を散らしてコーガのその姿は別の場所へと瞬間移動する
しかしコーガの移動は部下達も認識している訳でもなく
一連の流れを視界に留めていたガノンドロフだけが行動に移せた
「敵は複数いるんだ…… 不意を突きたいなら死角になる岩場とかに移動しろよ……」
「……ゲゲッ?!!!」
自身が魔法を込めた拳で襲い掛かるのに対し 慌てふためくコーガで察した
ーーあっ…… こいつただ馬鹿なだけだ……
ガノンドロフの攻撃はクリーンヒット
雲を掴む様なイーガ団での戦闘に於いて油断は禁物を心掛けるべきなのだが
疑う余地を与えない手応えを感じさせるのだから これ以上の逆転は無いだろと踏んだ
サポートに回って来てくれたクレシェンも呆然と立ち尽くしており
残党達は逃げる様に次々と消えていく
「呆気なかったわね……」
「確かに強くはあったんだが…… 馬鹿だったゾ……」
「んでコーチンとエイミーんところは終わったのか?」
こちらに援護を回せるほど余裕なのかと言われれば
遠目で確認していたクレシェンの口から出て来たのは 不可解という言葉である
急いで三人はホルンと戦っている二人のもとへ向かった
そして場所はリンクとスッパの一騎打ちの舞台へ の筈が
「っ……」
「リベンジマッチで成長を見せぬとは……」
元より三人で取り掛かって倒せぬ相手をリンク一人で倒すには土台無理があったのだ
総合的に言えばこのスッパを引き剥がせてコーガを討てたとするならば
リンクは囮として活躍してくれたに違いないが 当の本人は悔やんでも悔やみきれなかった
またまた場面は戻ってコーチン&エイミーvsホルン戦
と言っても戦況は変わらず
ホルンの立っている場所を中心にエイミーを乗せたコーチンが滑空しているだけ
そこにガノンドロフ達も合流する
「ホントにあれが分身なのか??」
「そう…… だけどジッとしていられない そんな予感がするの……」
降下してきたエイミーの話ではホルンは〝何か〟を待っているらしい
身の安全を顧みずに突撃して来てもデメリット無しの状況なのだから逆におかしいのだと
作戦会議している中で目を離さないデクレはホルンと睨み合いに
そして彼女の身の毛がよだつ はしたない口が裂けた笑みは自分達を絶望の淵へと叩き落とした
「お待ちしておりました 〝ゼルダ様〟」
「「「「「 !!!? 」」」」」
五人が後ろを振り向けば 本来そこを通るはずだった第三層への道にはギッシリ詰まった兵士が
そしてその宙には光の弓矢を携えしゲルド公家の姫君ゼルダが浮いていた
「しぶとく生きているとは感心しますよ ゴミ虫ほど生命力が強いと照明されましたね」
「久し振りだなぁゼルダの姫さんよぉ!!
……まさか滝壺に落としたゴミを覚えていてくれているとはなぁ!!!!」
足に魔力を集中させて跳躍力を強化したガノンドロフはゼルダの下まで一気に飛び
これまでの憂さを晴らすが如く その前に突き出す拳に迷いは無かった
だがその攻撃が届くこと叶わずまるで見えない壁に阻まれてるかの様
「私は人の魂を操れますのよ?」
「なっ??」
「貴方の魂は今 私に握られている状況 勿論手中にある物は思いのまま」
「ぐぉぉおおおおお!!!!」
反発するガノンドロフの肉体は勢い余ってコーガポリスの街中へと吹き飛ばされてしまった
四人が唖然とする中でゼルダは地に足を着け クレシェン達を無視してホルンの前に移動する
「来られて早々目に余る素晴らしいご活躍ですゼルダ様!」
「お役目ご苦労ですホルン 足止めの任を解き 意識を王都にある本体に戻しましょう」
「ははっ!!」
手を胸に置いてお辞儀をするホルンはその場から姿を消す
そして四人の前にさらなる凶報が 瀕死のリンクを雑に掴んで戻って来たのはスッパ
「っ……!? コーガ様?!」
スッパはリンクの身体を投げ飛ばしてコーガのもとへ走って行く
その弱り切った少年の無様な形を見てゼルダは満面の笑みを溢した
「歴史を遡る研究員達の調べで新たに解った事があるのだ
どの時代に於いても強力な魔を打ち払って来た勇者は孰れも〝リンク〟と名乗っていたそうだよ
由緒正しい〝近衛騎士の名家〟に生まれたお前の名前もリンク 果たして偶然だろうか……」
「……??」
勇者はカユではないのかとリンクはゼルダに問うと
「ハハハ!! 鈍さは救いだなリンクよ 何も知らぬまま逝ける事 悦に浸るがよい」
自分の魔力で光の矢を生み出すゼルダはリンクに標準を合わせて目一杯弓を引く
「お前が死ねば障壁は無くなる 厄災の力は…… 私の物だぁ!!!!」