ゼルダの伝説:リフトツリーフォーク   作:滝翔

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六話 招集命令

広場には村に暮らす大半の住人が集まっていた

中心には長老モモヒキと先程のハイラル衛士

身体が埋もれるほどの麦穂を背負って帰ってきたリンクとカユもその場に寄ると

 

「おぉ来たモンジャ!! 待っておったぞリンク!! カユ!!」

 

長老に手を引っ張られて中央に連れてこられる二人 その他にはナゴとコーチンもいた

 

「どうしたんですか長老?」

 

「うむ…… 二人と二羽が集まったので改めて説明しておくれなんジャ」

 

全員が注目する中 衛士は深刻な声を荒げた

 

「我がハイラル王国の王女ゼルダ姫より 先日予言が舞い降りました

近い未来 この世界樹は闇に覆われ 彼の時代より封印されし厄災が蘇ると」

 

衛士の言葉に全員が戸惑いの声を漏らす

 

「そんな…… 〝厄災ガノン〟は遠い先祖達が封印してそれっきりだと聞いたぞ」

 

「えぇ…… ですがあくまで〝封印〟です 消滅した訳ではありません

それで予言の続きには 厄災誕生の兆しが見えし時

古より勇者の魂が女神ハイリアの導きの下

力・知恵・勇気を携えしトライフォースをその手に宿した御子が産まれるとおっしゃられました」

 

辺りがザワつく中 リンク達もまた混乱する

 

「それでリンク達を集めた理由とは……」

 

「姫様が異変を感じ始めたのは十四年前

即ち厄災の影を感じ取った十四年前に産まれた子供達の中にも同時に

勇者が産まれている可能性があるということです

予言はより鮮明にとの報告があり つい先日第一層の王都全域に暮らす民達にも公表しました」

 

「何かの前触れの様なものは起きておりますのかな??」

 

「それは現在調査中です ご存じの通りここ第二層エリアから下に向かうのは危険が伴いますので」

 

カユはそっとリンクの袖を掴んでいた

リンクやナゴも顔には出さないものの 状況の整理が追いついていない

何とか平静を装う長老だけが口を開く

 

「話は承知しましたでモンジャ

……リンク達には王都に向かって貰わなければならないということモジャな」

 

「えぇよろしくお願いします…… 他の村よりも齢十四の子の招集が言い渡されている頃です

ですがそうでなかった場合には 我々が責任を持って故郷に連れ帰ることを固く誓いますので」

 

その夜 立て続けにリンク達は村の人達から注目の的になっていた

 

「聞けば耳から耳へ語り継がれた勇者というのは

ハイリア人だそうだから ナゴとコーチンの可能性は薄いな」

 

「……ということはこの村で可能性が高いのはリンクとカユか」

 

 

「もう皆して決めつけ過ぎ!! 私達と同い年の子がこのハイラルに何人いるかも分からないのよ!」

 

 

開けば重い口が開く送別会で 唯一まともに話せたのはモモヒキとカユくらいだった

ナゴとコーチンは最後になるかもしれないと 今夜限りは家族の団欒を大事にしている

 

リンクはというと二夜に渡ってのご馳走を食べ過ぎて早々に寝てしまっていた

昨日のように笑い合えるだけの空気にはなれなかった村の人達は一人 また一人と家に帰り

結局はカユと村長 その他年配の老人達の集いで一本締めのお開きとなった

 

家に帰ってきたカユは 自分の部屋には行かずリンクの部屋に入ってくる

 

「今日だけ一緒に寝ない?」

 

「……」

 

リンクは起きていたが 照れているのか反応に困っていた

そんなのはお構いなしに布団へと潜ってくるカユ

 

「なんか…… 立て続けに変なトラブルに巻き込まれるね」

 

「……」

 

「この先…… 私達は一緒にいられなくなるのかな……?」

 

「……zzz」

 

「ホンッッット緊張感無いよねリンク!! ……ハァ 羨ましい」

 

故に安心出来た 不安でモヤモヤしながら寝る筈なのに

リンクが隣に居てくれるだけで

自分は安心して眠ることも出来るのだろうと カユもそのまま瞼を閉じていた

 

そして夜が明け 衛士の後ろに続くように二人と二羽が付いて行く

別れの挨拶は軽く済まして名残惜しむことなんて無いようにしたのは 村民側の配慮だった

 

「なんか俺達恵まれてるよな……」

 

「「「 ……?? 」」」

 

沈黙の旅路が始まるのかと思えば 先にクチバシを開いたのはナゴだった

 

「メドーの洞窟でゴーマと遭遇したかと思えば 次は王都に観光だぜ??

昨日の朝にはいつも通りの日々を送るだけかと思えば 立て続けのイベント発生

厄災の話を抜きとして これ以上の冒険は後にも先にも無いぜ?!」

 

「……フフッ そうだね!! どうせなら楽しまなきゃ損でしょ!!?」

 

カヤは青ざめるコーチンの背中を摩りながらナゴの言ってる事に賛同する

 

「まぁこんな時にも疫病神が付いてくるのも勇者の宿命かもな…… なぁリンク??」

 

「……?!」

 

 

「こんな時にまで…… 喧嘩しないでよお兄ちゃん……」

 

 

いがみ合うリンクとナゴに嫌気が差しているコーチンの一言にクスクス笑っているカユ

そんなリンク達の会話につい衛士も笑っていたが 今の話を聞いて真剣な面持ちになる

 

「そのゴーマの出現も厄災の影響かもしれないな」

 

「「「「 ………… 」」」」

 

「私も予言なんて嘘であって欲しいと思いたいのが本音だ

自己紹介がまだだったな 私はハイラル衛士の〝ゴーマン〟だ

こう無理矢理な形で君達を連れて来て 本当は詫びの一つでも入れたいんだが状況が状況だ

それでもし勇者の選別が終わり次第であれば 我が親族が経営する【ロンロン牧場】に来てくれ

大したもてなしも出来ないが シャトー・ロマーニをご馳走しようじゃないか!!」

 

「シャトー・ロマーニって言ったら一瓶200ルピーは下らない最高級ミルクじゃないですか!!!!」

 

目を光らせたのはコーチンだった

 

「第二層にも宣伝が行き届いていてありがたいよ

ハイラル城に着いたら住所を書いておく 少し遠いが寝床も用意するので是非寄ってくれ」

 

いつの間にか打ち解け合うリンク達の旅はあっという間で

気がつけば第二層と第一層を行き交う関所まで辿り着いてしまっていた

 

 

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