デート・ア・ライブ 士道ロールバック   作:日々の未来

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デート・ア・ライブ10周年おめでとうございます。


十香クライシス
第1話 4月10日


 燃えている。

 人が、家が、町が。

 そこで積み上げてられてきた幸福を、一片の塵さえ残さず焼き尽くすように、真っ赤な炎が世界を覆っていた。火災の原因となった光の雨は尚も上空から降り注ぎ、更に被害を拡大させていく。

 そんな地獄のような光景を横目に、士道は走り続けていた。

 救わなければならない。折紙の両親を。そして折紙自身を。大切な人を守ろうとした優しい少女の心を、もう2度と壊してなるものか。

 そう考えていたところで、ようやく見つける1組の家族。両親の無事を確認し安堵している折紙の瞳には、未だ復讐の炎は灯っていない。

 まだ間に合う。今まさに放たれた一際大きな破滅の光が、尊い命を奪うその瞬間までは。

 それ以上は考えるだけ無駄だった。否、考える前に足が動き、士道は折紙の両親を突き飛ばした。

 一瞬、折紙と目が合う。驚いた顔が見て取れた。

 ――嗚呼、どうか願わくば、彼女の未来が幸せなものでありますように。

 

 死が迫りくる中で、士道は思い出していた。

 確か以前にもこんなことがあった気がする。

 壊れた町で、誰かを求めて走り続け、そして――。

 突如湧き上がる寂寥感。胸を締め付ける感情がどこから来るものなのか分からないまま、そこで思考ごと少年は光の中へ消えていった。

 

 

 

 どこかで、サイレンの音が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 ふわふわと、士道は輝く海の中を漂っていた。 

 ぼんやりと輝く優しい光に全身が包まれて、気持ちがいい。

 なのにどうしてか、心の中は懐かしさと哀愁に溢れていた。

 まるで自分によく似た誰かの想いが流れ込んでくるかのように。

 

 ――俺は何をしていたんだっけ?

 

 頭の中は霞がかかった様に不鮮明で、なんだか意識がはっきりとしない。

 でもなんとなく、辛いことがあったのは覚えていた。

 

 ――それを変えようとして……どうなったんだ? 分からない。分からないが……なんだかすごく疲れた。身体が動かすのも億劫だ。何もかも忘れて、ずっとここでこうしていたい。

 

 そんな考えが、ふと頭をよぎった。

 今までにも、辛いことは沢山あった。

 そしてこれからも、それは続いていくのだろう。

 それが自分の記憶かは定かではないが、そういう確信が士道にはあった。

 

 ――もう誰も、何も失いたくない。だったらいっそのこと、誰とも関わらなければいいんじゃないか。

 

『駄目よ』

 

 どこからか、優しく諭すような声が聞こえてくる。

 

 ――出会わなければ、失わない。失わなければ、辛くない。

 

『逃げては駄目』

 

 ――どうして? 失うことは辛いことだ。俺はもう、辛い思いなんかしたくないのに。

 

『あの子たちはどうするの?』

 

 ――あの子たち?

 

『そう。あの子たちは、貴方のことをずっと待ってる。深い深い絶望の中で、それでも希望を信じて待ってるの』

 

 ――あの子たちって、誰だよ?

 

『貴方のよく知っている、大切な人たちのことよ』

 

 ――大切な人? そんなもの、俺にはもう……。

 

 いない。

 そう思いかけて、しかし、胸の奥がチクリと痛んだ。

 

 ――いや、確かにいたような気がする。それは誰だ?  顔は?  名前は?

 

『思い出して』

 

 頭の中の霞が少しずつ薄れて、同時に暖かいものが流れ込んでくる。

 

『士道』

 突飛な行動ばかりとる、けれど一途に自分を想ってくれる少女。

 

『士道さん』

 気弱だけど本当は強い心を持っている、誰よりも優しい少女。

 

『おにーちゃん』

 無茶なことばかり注文してくる、それでも絶対の信頼を置いてくれる少女。

 

『士道さん』

 問題ばかり起こすくせに、何度も自分を助けてくれた少女。

 

『士道』

 格好をつけているのに揶揄われるとすぐに取り乱す、いつも元気な少女。

 

『士道』

 突拍子のないことを言って驚かせる、冷静なようで熱い心を持った少女。

 

『だーりん』

 誰よりも深い愛情を向けてくれる、歌声の素敵な少女。

 

『士道』

 ネガティブなことを考えてはすぐに暴走する、可愛らしい少女。

 

 そして――。

 

『シドー』

 いつも一生懸命で、天真爛漫に笑う少女。

 

 辛いときはいつも近くに居てくれて、励ましてくれた。勇気をくれた。

 そして自分を愛してくれた、そんな彼女たちに。

 

 ――逢いたい。

 

 嗚呼、どうして忘れていたのだろうか。

 確かに辛いことはたくさんあった。

 でも、みんなと過ごしてきた時間の中には、それ以上に楽しいことや嬉しいことがあったのだ。

 いつの間にか士道の周囲には、色とりどりの光の結晶が集まっていた。

 動けない士道を支えるように、そして何かを伝えるように、時折強い輝きを放っている。

 それを見ていると、自然と身体に力が漲ってくるようだった。

 

 ――俺は……。

 

『忘れないで。貴方の周りには、必ず助けてくれる仲間がいることを』

 

 ――俺は……!

 

『行きましょう、士道。今度こそ、みんなを救いに』

 

 ――俺はまた、あいつらに逢いたい!!

 

 士道の思いに呼応するように、辺りを漂っていた光たちが収束し、一際眩い光となって目の前に現れた。

 それはやがてひとりの少女のシルエットを形作る。

 顔は見えないが、傍にいるだけで優しい温もりを伝えてくれる。

 ゆっくりと手のひらをこちらに向けると、そこには可愛らしい花飾りの付いた鍵が乗せられていた。

 士道はそれに向かって手を伸ばす。

 もう迷わない。もう立ち止まらない。

 目的を果たす、その時までは。

 

『私も手伝ってあげる。最期の、その瞬間まで』

 

 士道が鍵を掴み取った瞬間、()()はこの世界から忽然と姿を消した。

 あとに残されたのは、先ほどまでのやり取りをじっと見つめていた、ノイズのようなもの。

 それは男とも女とも分からない感情の読み辛い声で、しかしどこか楽しそうに呟いた。

 

「随分と勝手なことをしてくれるじゃないか…………万由里」

 

 やがてノイズも後を追うように姿を消した。

 そこにはもう、何も残らなかった。

 

 

 

 

 

 夢を見ていた気がする。

 楽しくて、キラキラと輝いていて、少し切なくて。

 そしてどうしようもなく終焉へ向かっていく、そんな悲しい夢。

 でも、夢はいつか覚めるもので。

 

『……もう、絶対に離さない』

『……ちょっと、起きなさい』

 

 士道を待っている人たちがいるから。

 悲しい運命を変えるために。

 彼女たちと笑いあえる未来へ進むために。

 

『もう、絶対間違わない。だから、』

『いつまで寝てるわけ? ねぇ、』

 

 ――俺は……お前を、お前たちを……!

 

『『 し――』』

「――ッ!」

 

 近くで誰かに名前を呼ばれたような気がして、士道は慌てて飛び起きた。否、近くというのは語弊があるかもしれない。あれはまるで頭の中に直接声が響くような……。

 と、そこまで考えたところで、士道はようやく周りの状況を把握し始める。

 

 目の前に広がっていたのは見慣れた自分の部屋……ではなく、何やらハイテクそうなコンピュータやら精密機械やらが所狭しと並べられた、しかし何度か見たことのある部屋だった。

 あれは忘れもしない。十香と出会い、折紙との戦闘に巻き込まれてフラクシナスに初めて乗った際、運び込まれたのがこの部屋だったのである。 

「ここは……」

「……ん、起きたかね」

 声のした方に目を向けると、そこには胸ポケットから傷だらけのクマのぬいぐるみを覗かせた、眠たげな顔の女性がいた。

「令音さん。どうして俺、こんなところに……?」

 いまいち自分の状況が把握できない士道は説明を求める。

 村雨令音。フラクシナスの解析官であり常に冷静に物事を判断する彼女ならば、丁寧かつ分かりやすい説明してくれるだろう、と思ったのだが。

 自分の身体を弄り異常がないか確認しつつ言葉を待つも、一向に返事がない。不思議に思い士道が再び令音に目を向けると、彼女にしては珍しく、少し困ったような表情をしてこちらを見ていた。

「……令音さん?  どうかしたんですか?」

 彼女が言葉を失うくらいの何かが自分の身に起こっているのだろうか。例えばあの愛らしい妹にとてつもない落書きを顔に施されたとか、或いはスーパーサ〇ヤ人級の寝癖がついているとか。いや、頭を触ってみてもそんな感触はない。ならばやはり落書きの線が濃厚か……。 

 ぺたぺたと顔を触りながらそんなことを考えていると、短い沈黙を破り令音が口を開いた。

「……いくつか訊きたいことはあるのだが。まずは君の質問に答えよう。ここは空中艦フラクシナスの医務室。君は先ほど、精霊とASTの戦いに巻き込まれて、ここへ運ばれてきたという訳だ」

「……あ」

 その瞬間、頭の中で細切れにされていた記憶が次々と繋がっていく。

(そうだ、俺は折紙の両親を助けようとして、天使の攻撃を受けて……)

 幸い身体はどこも異常は無いようだ。琴里の治癒の炎のおかげなのか、あるいはギリギリのタイミングで狂三の力の効果限界が訪れて、元の時代に帰ってきたのか、判断はつかないが。

 しかし妙な点がある。先ほど令音はここがフラクシナスの中だと言った。士道の記憶が確かならば、狂三の能力で過去に行く前、この艦は反転した折紙の攻撃を受けて撃墜されたはずだ。

 そもそも、その折紙と最後まで戦っていたのはASTではなく士道たちだったはずだ。

 うまく情報を整理できず、頭の中がこんがらがってくる。

(俺の記憶がおかしいのか? 時間跳躍をした影響か? いや、それよりも)

 自分のことよりも、まず確認しなければならないことがある。

「みんなは無事なんですか!? 十香たちは……折紙は!」

 思わず詰め寄りながら令音を問いただすと、静かな声色が返ってきた。

「落ち着きたまえ。戦闘はさっき終わったし大した怪我人も出ていないよ。……町は酷い有様だがね」

 宥める様な声で自分の語気が荒くなっていたことに気付き、僅かだが頭が冷える。

「……そうですか。 すみません、取り乱しました」

 怪我人がいないと分かり、士道はとりあえず息を落ち着けた。

 しかし、そこへ更なる混乱をもたらす言葉が飛んでこようなどと、士道は思ってもみなかった。

 

「……あまり驚かないのだね」

「いえ、十分驚いてますよ。目が覚めたらいきなり医務室にいるんですから」

「……いや、そうじゃない。“精霊”や“AST”といった存在に対して、だ」

「へ?」

 士道は彼女の言っている意味が全く理解できなかった。これまで何人もの精霊を封印してきた士道が、今更どうしてその存在に驚かなければならないのだろうか。

 更に令音は言葉を続ける。

「……いったい君は何者だ? どこまで知っている?」

 困惑。

 今の士道の心境を表す言葉として、それ以外のものはない。

(何者? どこまで知っている? なんの話だ? 俺は精霊を封印する力を持っているだけのただの高校生だ。隠していることなんて黒歴史を綴ったノートの存在くらいしか――)

 思考処理が追いつかず、混乱がピークに達したとき、トドメの一撃が放たれた。

 

 

 

「……そういえば、自己紹介がまだだったね。私の名前は村雨令音だ」

 

 

 

 今までに無いほどの、何かとてつもないことに巻き込まれているのだ、と。

 そんな確信めいた予感がした。

 

 

 

「初めまして」

 

 

 

 

 

 

「で、これが精霊って呼ばれてる怪物で、こっちがAST。陸自の対精霊部隊よ。厄介なものに巻き込まれてくれたわね。私たちが回収してなかったら、今頃2、3回くらい死んでたかもしれないわよ? で、次に行くけど――」

「…………」

 あの後士道が令音に連れられてやってきたフラクシナスの艦橋には、待ってましたと言わんばかりの顔で琴里が待ち構えていた。そして士道に対しておざなりな挨拶をした後、いきなり精霊についての説明を開始したのである。

 まるで何も知らない彼に初めて世界の秘密を明かした、あのときのように。

「――という訳よ。 ……ちょっと士道、話聞いてるの?」

 説明を中断し、琴里は士道の様子を伺う。

 当初の予想では、突然聞かされた突拍子も無い話と妹の態度の豹変により、士道はこの上ないほどの動揺見せると思っていたのだ。

 しかしどうだろう。大方の予想を裏切り、士道は全く狼狽えないどころか心ここにあらずといった様子で、ぼけっと空を見据えている。視線の先にあるモニターに映っているプリンセスに釘付けになっているのかと思ったが、そうでもないらしい。

 それもそのはず。士道は現在、情報の整理に頭の全リソースを割いているのだ。

 見知った相手から突然の初対面発言。

 先ほどここに来る前にスマートフォンを確認してみたが、日付が示すのは士道の通う来禅高校の始業式の日であり、十香と初めて出会った日。つまり、4月10日だったのである。琴里ならば何か知っているのでは、と淡い期待をしていたが、その様子もない。

 ここまでくれば、凡そ平均的な知能しか持たない士道でも流石に状況を把握できる。

 自分はまた、過去へ跳ばされたのだと。

(いや、直前までいたのは5年前の世界だったから、ここは未来か? はは……もう訳分かんね)

「ちょっと! 無視するなって言ってるのよこの阿保兄!」

 思考停止しかけた士道の意識を無理矢理呼び戻したのは、苛立だしげに椅子に肘をついてこちらを見つめる琴里だった。

「なに? この程度の説明で頭がパンクしちゃったわけ? まだ本題にも入ってないってのに。 流石は毛蟹にも劣る脳味噌ね!」

「司令、蟹味噌は脳ではなく中腸腺です」

「黙りなさい」

「アォォォン!!」

 容赦なくキャンディの棒を目に突き刺す妹と、それに喜ぶ大の大人。シュールすぎるこの光景も士道にとっては過去に1度見たものなので、今更いちいちツッこんだりしない。

 代わりに、質問を投げかける。

「そんなことより琴里、1つ訊きたいことがあるんだけど」

 その士道の言葉に、フラクシナスのクルーたちから驚愕の声が上がった。

「そんなこと!? 士道くんはこの光景を見てなんとも思ってないのか!?」

「私たちですら慣れるのにしばらくかかったっていうのに……!」

「指令って家では猫かぶってるはずですよね?」

「突然豹変した妹の常軌を逸した公開SMプレイ! そんなものをいきなり見せられても涼しい顔で許容してしまうなんて……士道くん、恐ろしい子!」

「流石は司令の兄だ。懐の大きさが半端じゃない」

「放置プレイですか……それもイイ!」

「もしかして単にあんまり興味ないだけなんじゃないの?」

 

「……煩い。 少し黙りなさい」

 

 琴里が声を発した瞬間、それまで好き放題喋っていたクルーたちがシンと静まりかえる。

 ――キレてる。

 全員が一瞬でそうと分かるほどの怒気が、言葉に込められていたからだ。

 もっとも、それが士道が思い通りの反応を示してくれなかった所為なのか、クルーの最後の一言に対するものなのかは分からないが。

「ずっと黙ってたくせに今更質問って何よ士道。まさか、『聞いてなかったからもう1回説明してくれ〜』とかだったら、あんたの黒歴史を学校中にばら撒くわよ」

「いや、聞いてなかったのはその通りなんだけど」

「あ”ぁ”!?︎」

「「「ひぃぃ〜」」」

 琴里が女の子がしてはいけない表情をしたせいで、周囲から悲鳴が上がる。構わず士道は続けた。

「茶化さないで、真面目に聞いてほしいんだ」

「なっ! ……なんなのよ」

 いきなり真面目な顔でじっと顔を見つめられ、思わずドキリとする琴里。心なしか顔に赤みがさした気がする。

 その様子を慈愛の目で見守るクルーたち。

 なんだこいつら、と思いつつも士道は問う。

「……身体はなんともないか? どこか痛いところとか、怪我を隠してたりはしないよな?」

 琴里が無事なのは見れば分かることだ。まして彼女には〈灼爛殲鬼(カマエル)〉の回復能力がある。だが、時間遡行前のあの地獄のような光景が、どうしても頭から離れない。

 士道にとっては、愛する妹の安否を確認するための、この上なく重要な質問だった。

「……はぁ?」

 しかし、琴里にとっては全くの予想外。

 世界を蝕む化物や、そいつらと戦う秘密組織。そんな健全な10代男子ならば少なからず思うところがあるはずであろう存在よりも、優先されたのは自分の安否。

 その理由を考え、彼女はここが待ち合わせをしていたファミレスの真上だということを思い出した。携帯のGPSを見て警報発令中にも関わらず駆けつけてくれたのか、と考えが及んだところで、ようやく合点がいったように琴里はニヤリと笑みを浮かべた。

 実際は少し違うのだが、前回の士道がとった行動は事実その通りなのである。悪い気はしない。とういうか実はめちゃくちゃいい気分だったが、自分はフラクシナスの司令官で今は部下たちの前だと自分を律し、浮き立つ心を悟られないように、琴里は口を開いた。

「私をどれだけ馬鹿だと思っているのかしらこのボケ兄は。一体どこをどうしたら私が怪我をしてるように見えるわけ? アメーバだってもう少し頭使うわよこの半細胞生物」

 因みにいつもより少し早口になった上官の精神状態など、無駄に優秀なクルーたちには筒抜けである。

「いや、それならいいんだ。琴里、いつだって俺はお前の味方だ。何かあればすぐにお兄ちゃんに相談するんだぞ。いいな?」

「ふん、世界が終わるくらいの事件でも起きれば相談するかもね」

 心底安堵した上に更に優しい言葉を投げかけられ、そっぽを向きながらもぴこぴこと黒いリボンを揺らして答える琴里。

「でもまあ……ありがと」

 聞かせるつもりもないので僅かに呟いただけの言葉は、1番近くにいた副指令、神無月の耳にしっかりと収められた。ついでにフラクシナスのレコーダーにも記録され、目覚まし音声や着信音などに加工され、クルーたちに出回っていることを知った琴里が怒りの鉄槌を下すのは、そう遠くない日の出来事である。

 観測していれば3回くらいは余裕で封印できるんじゃないか、と思えるほど機嫌を良くした琴里と、それを慈愛の目で見守る愉快な仲間たちを尻目に、士道はひとりごちた。

「世界が終わるくらいの事件……か」

 背中に冷たいものが流れ、ぞわりと体を震わせる少年を、令音は感情の読めない瞳で見つめていた。




6年前に投稿していた同名作品のリメイクになります。
ご興味のある方はお付き合いくださいませ。
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