異世界魔王の記憶を持ったオリ主 作:カワイイもの好きのスライム
放課後、メールでリアスに呼ばれたアノスたちは、オカルト研究部の前に着くと中から感じたことのない気配を2つ感じたが、すぐに誰のものなのか理解した—それは、ライザー・フェニックスとグレイフィアのものだった
だが、麗央たちは気にすることなく扉を開け、中に入っていった
「入るぞ」
「失礼するわよ」
「お邪魔します・・」
中に入るとそこには、赤いスーツ姿で金髪の髪をし、いかにもホストでいそうな長身の男性とメイド姿の銀髪の女性がいた
その男は、リアスの隣に座り、手をリアスの肩に回し朱乃さんが入れてくれたお茶を飲み、女性はリアスの後ろに立っている
「いやぁーリアスのクイーンが入れてくれたお茶は美味いものだな」
「それは、ありがとうございますわ」
朱乃の表情は終始笑顔だが、その笑顔からは怒りが感じられた
ただ、笑っているだけなのになぜ怒りを感じるのか・・・
「さて、今日、人間界に来たのはリアス、お前との縁談の話をしようと思ってな」
「!?!?」
ライザーから縁談という言葉を聞いた一誠は驚いた顔をし、(こんなやつと部長が釣り合うわけがねぇ!)と思っていた
しかし、リアスの次の言葉を聞いて一誠は、ホッとしていた
「何回も言わせないで!ライザー、私は貴方と結婚する気はないわ!」
「だがな、リアス。俺だって家の看板背負ってんだ」
「それは、私も同じよ!でも、貴方とは結婚しないわ!お婿さんだってとるわ!それに、私にだって結婚相手を選ぶ権利くらいあるはずよ?自分が好きになった人と結婚するわ!」
「リアス、いい加減にしろよ?俺が穏便に済まそうとしてるっていうのによ!」
先程まで温厚だったライザーが話に進展がないことに苛立ち始め、手に魔力を集め始め、それをリアスに向かって放った
「「「!!!!?」」」
周囲にいた眷属やグレイフィアは反応が一瞬遅れてしまった
だが、ライザーの表情はなにかに驚いているようだった
「!?!?!?」
「おい、焼き鳥野郎…今…俺のリアスに何しようとした…」
ライザーの魔力弾を扉の前にいたはずの麗央がいつの間にかリアスの前に立ち、魔力弾を片手で弾いていた
その光景に、ライザーは驚いていた
そして、魔力弾を弾いた麗央の体から黒い魔力が溢れていた
その瞬間、グレイフィアや両眷属は、麗央が放つ威圧感に押され動くことができなった。それは、リアスやライザーも同じだった・・・
唯一、動けたのはサーシャとミーシャだけだった
「聞いているのだ、答えろ。今、俺のリアスに何しようとした…」
「え・・・そ、その・・・魔力弾を・・・放ち・・ました・・・」
「そうだな、じゃあ死ぬ覚悟はできてると受け取らせてもらうぞ」
麗央はサラッとリアスを自分のモノみたいにしているが、誰も何も言えなかった
当のリアスは、自分のモノと言われ頬を赤くしていたが・・・
「ま、待ってくれ・・・」
「待つわけねーだろ!!」
そう言うと、サーシャとミーシャはライザーに対して憐みの目を向けて、麗央は異空間収納から聖剣グラムを取り出しライザーに刃先を向けていた
「この剣はな、聖剣グラム。エクスカリバーより威力は劣るが、破壊力は抜群だぞ」
「せ、聖剣だと!?なぜ、悪魔の貴様が聖剣を扱える!?光は、悪魔にとって毒なはず・・・」
「なに簡単なことだ。大量の魔力を流して屈服させればいいだけだからな」
サラッと言っているが、そんなことができるのは一握りの者にしかできない。下手をすれば聖剣に自分の魔力を全て持っていかれ魔力欠乏症で倒れるか最悪の場合、死に至るかである。それだけ、魔力による剣の屈服は難しく、できる者が少ないのだ。それを麗央はさぞ当たり前のようにやってのけているのだ。
この時点で麗央がライザーより上の実力を兼ね備えていることがわかる。そのことを理解したライザーは麗央に恐怖し、少しずつ後退ることしかできなかった
だが、下がれば下がるほど麗央がどんどん距離を詰めてきていたが、突然背中になにかぶつかった気がした
振り向くと後ろにサーシャとミーシャが立っていた
前からは聖剣グラムを持った麗央が後ろにはサーシャとミーシャが立っており、まさに恐怖というには相応しい状況だった
「ま、待て!さっきのは、ほんの冗談だったんだ。脅すつもりだったんだ!」
「ミーシャ、どうだった」
「・・・悪意・・・殺意の塊だった」
「だそうだ。ミーシャはな、人の気持ちや感情には敏感でな見ることができるんだ」
「…ッ!」
ライザーはアノスに何を言ってももうダメだと思ったのか、今度は自分の眷属に視線を移した
眷属たちの大半は動かなかったが、唯一一人だけ声を上げながら棍を持った少女が麗央に突っ込んでいった
「はぁぁぁぁぁぁぁああ!」
「サーシャ」
「はいはい」
棍を構えながら突っ込んできた少女の前にサーシャが立ち右手に魔力を纏い、そのまま棍を持っている左手を手首で切断した
「あ”、あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁ」
左手を手首から切断されたことで、床をゴロゴロ転がっていた
一方、サーシャは感情を顔に出すことなく床に転がっている少女を見下していた
数分経っても床で喚いている少女を視て目障りだと感じたのか転がっている少女の顔を踏み躙っていた
「ぁ”ぁぁぁぁぁあ”、手が手が・・・痛い・・・よ・・・」
「うるさいわね・・・麗央こいつ、どうするのよ?」
「そうだな・・・今すぐ楽にしてやってもいいが、それじゃつまらないからな・・・ん~暫くそのままだな」
「わかったわ」
麗央たちは普通に会話をしていたが、この光景を見ていたリアスたちと残りのライザー眷属、グレイフィアは顔を青褪めさせ、ガタガタと震えていた
(レオ、怖ッ!絶対に怒らせたくないわ・・・ライザーとあの子に同情するわ)
(あれが暁麗央・・・とんでもない存在ですね・・・実際、どんな人物なのか気になってましたが、彼は危険人物かもしれませんね・・私が戦っても勝てる気がしません・・・30分もかからずに決着が着くでしょう・・・)
(俺は、とんでもない奴を怒らせてしまった!このままでは、俺たちは全滅だ。なんとか、眷属たちだけでも助けてやらねば)
上からリアス、グレイフィア、ライザーがそう感じていた
暫く、沈黙が続き最初に破ったのはグレイフィアだった
「そ、そこまでです」
グレイフィアは震えている足を懸命に動かし、ライザーの前に立ち塞がった
「邪魔だ。どけ」
「どきません。私は、サーゼクス様のクイーンとしてここに来ています。ライザー様を殺すというのなら、まずは私を殺してから行きなさい」
「わかった。なら、まずお前から殺して次にそこの焼き鳥を殺す」
「「!!!?」」
麗央の発言を聞き、サーシャとミーシャ以外は再び驚き恐怖した
なぜなら、サーゼクス様と言えばリアスの兄で現・四大魔王の一人だ。そして、あそこに立って震えているグレイフィアは、そんな魔王のクイーンだ。実力的に言えばNO.2だ。そのNO.2を殺すと言っているのだ
それは、誰でも恐怖し動こうとはしないだろう・・
しかし、グレイフィアはそんな状況下でも冷静になり、無詠唱で反魔法を展開しようとしていた
「殺す」とわざわざ言っているのだから攻撃魔法より反魔法を張ってダメージを最小限に抑えた方が賢明だろうと判断したためだ
しかし、次の瞬間驚くべきことが起きた!
それは、反魔法を展開しきる前にグレイフィアの右肘から鮮血が溢れ出した
何事かと思い、自分の右肘を確認すると肘から先が斬り落とされていた
そのことに驚いたグレイフィアはメイドとしてでなく素の声が出てしまった
「い、いつのまに!?」
グレイフィアは、先程左手首を切られた棍の少女みたいに泣き喚めなかったが、苦痛の表情を浮かべいつ切られたのか考えていた
麗央は、グレイフィアの右肘を切り落とすと聖剣グラムを異空間収納にしまった
「気が変わった、今日は、このくらいにしといてやろう。だが、まだこの問題は終わってないはずだ。こういう場合は非公式のレーティング・ゲームで決着を決めるのだろう?」
「え?えぇ、そうですが・・・」
「なら、それでケリをつけるとするか。クックックク」
「わかりました。それでしたら、開催時刻と場所は後日お知らせします」
麗央は良い遊びを見つけたかのように笑っていた
「それと、焼き鳥。逃げないようにこれに調印しろ」
ライザーの前に現れたのは、白い円だった
その中には、城みたいな柄が書かれており、半分が赤くなっていた
ライザーには、見たことない魔法だったため恐る恐る聞いてみることにした
「こ、これは?」
「これは契約(ゼクト)と言ってな。簡単に言うと、契約だ。これを破ると破った方の根源、つまり心臓が止まるようになっている」
「・・・・」
ライザーが調印を躊躇っていると、悪魔の囁きが聞こえた
「まぁ、別に調印せずともいいぞ。その際は、お前の家ごと潰すだけだ」
「!?!?」
その言葉を聞いたライザーは絶望に満ちた顔をし、仕方なく調印することにした
「そうか、調印したか」
「なら、これでリアス眷属対ライザー眷属とのレーティング・ゲームに参加しなかったらお前の心臓止まるからな」
そう言い残し、麗央、サーシャ、ミーシャが扉に向かって歩いていこうとした時、なにかを忘れていたのか先程サーシャによって切断された手の前に行き、<破滅の魔眼>を使いその手を跡形もなく燃やし尽くした
その行動を見ていた、サーシャもその少女が持っていた棍を半分に踏み折った。
ミーシャは、近くに落ちていたグレイフィアの右手を鷲掴みにし麗央に届けていた
「・・麗央、これ・・」
「ん?あぁ、悪いな。こんなグロイ物を持ってきてもらって」
「大丈夫・・・どうする?」
「そうだな、こいつのは俺が預かっておこう。それとそこのメイドさんよ、あとで俺からお前さんに念話を飛ばすからその要望をちゃんとに伝えてくれよ?他言はゲームが始まるまで許さないぜ。他言したらもう片方の手も切り落とす」
そういいながら、麗央はグレイフィアの右手に凍結魔法をかけ、異空間に放り投げた
そして、そのまま部屋を出て行った
部屋に取り残されたメンバーは、やっと息を吸うことができたのか息を切らす者や床に座り込む者、部屋隅で吐く者、緊張がほぐれ失禁してしまう者までいた
「ライザー、貴方、なんてものを怒らせてるのよ・・・」
「そ、そうだな・・・すまなかった・・・あいつの殺気は尋常じゃなかった・・・本当に殺されるかと思った・・・」
「命拾いしたわね・・・グレイフィアは大丈夫?」
「えぇ、腕を切られましたが大丈夫です。それにしても彼からの念話が気になります・・・」
「そうね。なんか私の眷属がごめなさいね」
「お嬢様、顔を上げてください。」
「ありがとう。でも、グレイフィア、麗央と戦うとなったら貴方勝てる自信あった?」
「ありません。私と彼が戦ったら私の勝率は0%です。30分もかからないうちに終わっていたでしょう・・・それに、彼の後ろにいた2人も相当の実力者ですよ。」
「そう、麗央たちだけは敵に回したくないわね」
「そうですね・・・私は、報告があるので、そろそろ失礼します」
グレイフィアは、リアスと少し話をして足元に魔法陣を書き、帰っていった
それと同時にライザーたちも負傷した眷属を連れ転移していった
残されたのは、リアスとその眷属だけだった
「なんていうか・・・息できなかったな」
「そうだね、僕なんか彼の魔力に当てられすぎて頭が痛かったよ」
「あれは、一撃でも喰らったら消滅レベルの魔力でした・・・」
一誠と木場、塔条がアノスの魔力について語っていると、後ろからフラフラしながらリアスが近づいてきた
「と、とりあえず今日の部活は終了よ。帰りましょう」
「「「「はい・・・」」」」
部活が終わり、帰路に着こうとしていた一誠は今日の部室でのことを思い出し、すぐに家に帰る気にはならなかったため、少し寄り道をして帰ることにした
「はぁぁぁ・・・今日は散々な目にあったぜ」
(本当だな・・・・だが、相棒。麗央が解決してくれたじゃないか!アレを見て俺は満足したぞ)
「確かに、俺も満足したさ。でも、1つだけ満足してないんだよ」
(それは、なんだ)
「それは、俺は普段から皆を守る力がないことを実感しているんだ・・・転生してから間もないから仕方ないと言えばそうなのかもしれないけど、それで終わらせたくはない・・・俺は、その一点に満足してないんだ」
(なるほどな、確かにお前は今代最弱の赤龍帝だ。だが、逆に言えば伸びしろがあるということだ。なら、やることは1つだ。死ぬ気で努力して強敵との戦闘経験を詰め。それを繰り返せば相棒も強くなるさ)
「そういうもんかな・・・なら俺h「きゃぁぁぁぁぁああぁ」」
一誠が寄り道しながらドライグと話していると近くから女の人の叫び声が聞こえてきた
「今のは、悲鳴だよな」
(そうだな、悲鳴だな。相棒、行くのか?)
「当たり前だ。いくぞドライグ」
そう言い、一誠は悲鳴が聞こえた方向に駆けて行った
悲鳴が聞こえた場所に向かうと、そこには見覚えのある人物がいた
「レイナーレ・・・」
そこにいたのは、以前一誠を殺したレイナーレだった
しかし、以前会ったときはなにかが違っていた
すぐにはわからなかったが、暫くすると彼女の背中に羽根がないのがわかった
「お前、羽根は?」
「!!うるさいわね。あいつに切り取られたのよ!」
一誠がレイナーレの羽根について聞くと、逆上したかのように目の前にいた金髪の少女に向かって自分を殺した時と同じ光の槍を出し顔に突き付けていた
「やめろ、レイナーレ!その子を殺す気か!」
「うるさいわね、貴方には関係ないでしょ!邪魔するならまずは、貴方からよ」
レイナーレは、横から口を挟んできた一誠に先程の光の槍を向けていた
「でも、今回は貴方を殺しはしないわ。運がいいわね?今日は、このアーシアを連れ戻しに来ただけだから貴方はそこで黙ってなさい」
「やめろ!その子が何をしたっていうんだ!」
レイナーレは、一回は先程の光の槍をしまったが一誠が懲りずに口を再び挟んだことで光の槍を2本出し、一誠の太ももめがけて投げつけた
2本の槍は、一誠の太ももを貫通し、槍の半分が刺さっていた
「グガッッッ!」
一誠は顔に苦痛の表情をし、立っているのが精一杯だった
「いやぁぁぁぁぁああ!レイナーレ様、なにをするんですか!あの方がなにをしたって言うんですか!」
「アーシア、貴方が戻って来なければ彼を殺すわよ」
「!?!?わかりました。レイナーレ様の元に戻ります。ですので、彼は助けてください」
「いいわ。かわいい部下の願いだもの。聞いてあげる」
「やめろ、行くな!君は、そんな奴に着いて行っちゃダメだ」
「心配してくださり、ありがとうございます。でも、私は大丈夫ですから。貴方だけでも、生きて下さい」
そう言い残し、レイナーレはアーシアを連れて時空に切り込みを入れ、その中に消えていった
それとすれ違い様に一誠の前に魔法陣が展開された
その魔法陣に見覚えがあった
なぜなら、その魔法陣は一誠の主リアス・グレモリーの魔法陣だからだ
「一誠!大丈夫?」
魔法陣からリアスと朱乃さんと小猫ちゃんが現れ、リアスは立ち尽くしている一誠に思いきっり抱き着き涙を流していた
「ひどい傷だけど生きててよかったわ・・・ごめんさいね、気づけなくて・・・・」
「部長はなにも悪くないですよ。俺が勝手に突っ走ったことなんですから」
「でも、本当に生きててくれてよかったですわね」
「・・・・」
一誠は泣き続けている部長の頭を撫でるしかできなかった
それから暫くしてリアスが泣き止み、いつもの感じに戻った所でさっきの出来事を説明していた
「部長、俺、アーシアを助けたいです」
「一誠、それは無理よ。下手に動けば堕天使との全面戦争になるわ」
「でも、このままじゃアーシアは殺されてしまいます」
「無理なものは無理よ!」
「なら俺を眷属から外してください!」
「馬鹿なことを言わないで!そんなことできるわけないでしょ!」
「まぁまぁ、今日はここまでにしましょう?一誠君も怪我を負って大変なんですし」
「そうね・・・」
リアスも自分が少し熱くなったのに反省し、そっぽを向き朱乃は持ってきた道具を使い一誠を治療していた
治療と言っても太ももに空いた穴を魔力で元に戻し、その後穴の開いていた場所を隠すように包帯で巻いただけなのだが・・・
ちなみに、小猫はあくびをして眠たそうにしていた
一誠の治療が終わると、リアスたちは魔法陣を足元に書き転移し、一誠は何事もなかったかのように家に帰って行った
~翌日~
翌日になると、一誠は何事もなかったかのように普通に登校してきた
普通に登校してはきたが、昨日の傷が完治しておらず、両太ももに包帯を巻いているため歩き方がロボットが歩いているようにぎこちなかった
教室に入るとすぐにエロ仲間の元浜と松田に「「エロの話をしようぜ!!」」と絡まれたが、今の一誠の頭の中はアーシアを助けることしかないため彼らに構っている余裕はなかった
「わりぃ、今日はそんな余裕ねぇんだ」
エロの権化とも言える一誠が同じエロ仲間の誘いを断るとクラスメイトが一斉に一誠の方を向いた
それもそうだ、なにせ普段からエロのことを昼夜問わず話していた一誠が誘いを断ったのだから・・・
この光景にクラスメイトたちは驚きもしたが気持ち悪くも感じていた
一部の生徒からは、「明日、雪でも降るんじゃね?」という声も聞こえて来た
そんな心ここにあらずの状態で一日分の授業を受けていた
放課後になると、一誠はいつものようにオカルト研究部に足を運んでいた
そこには、既に一誠以外のメンバーが揃っていた
辺りを見渡すとある者は、お菓子を食べながら宿題をし、ある者は紅茶を啜り、ある者は壁に寄りかかって目を瞑っていたりしている
すると普段一誠と滅多に話さないサーシャが一誠に声をかけてきた
「ねぇ貴方、昨日堕天使と遭遇したかしら?」
「え?」
一誠とリアス、朱乃、小猫は驚いていた
なにせ、昨日現場にいなかったはずのサーシャの口から堕天使というワードが出て来たからだ
「え?じゃなくて会ったかどうか聞いてるのよ」
「確かに昨日、会いました。でも、なぜです?」
「そう。それで堕天使に両太ももを槍で貫かれたというわけね」
「「「「!!?」」」」
またも4人は驚いた
そのことを今日話そうとしていた4人は、またも現場にいなかったサーシャの口から一誠の今の状態を当てられたのだから
「た、確かに両太ももを貫かれました。でも、なぜサーシャさんにわかるんですか?」
「なんでって、貴方達4人から堕天使の残留魔力を感じるからよ。?特に、貴方からわね」
「な、なるほど・・・」
「ちなみに昨日の出来事、私たちも知ってたわよ」
一誠が自分が怪我をしている理由がなぜわかったのか理由を聞いて納得していると、サーシャから驚きの発言があった・・・
なぜなら、彼女たちは昨日一誠が襲われるのを知りながら助けなかったと言っているからだ
「待って!なんで知ってたのよ」
「なんでって、仲間に調べてもらったからよ?」
さすがにサーシャのこの言葉を聞きリアスも声を荒げ問いただした
「じゃあ、なんで一誠を助けなかったのよ!」
「私は貴方の眷属じゃないし、麗央の言うことしか聞かないわ。それに麗央は一応貴方の眷属だけど、なんでもかんでも麗央に頼ってたら意味ないでしょ?麗央に頼るのは、自分たちで努力したあとよ。違うかしら?」
「・・・」
サーシャの反論にリアスは、なにも返す言葉が見つからずそのまま黙って席に着いた
「それに彼女には両羽根がなかったでしょう?あれをやったのは麗央よ」
「!!」
その言葉に一誠は何度目かの驚きを見せた
当の麗央はミーシャと楽し気に話をしているため聞こえてないらしい
そこで一誠は妙案を思いついた
彼女らに討伐してもらえばいいのではないかと・・・
彼女らなら眷属じゃないからもし仮に殺してしまっても全面戦争は起きないだろうと考えたのだ
しかし、そこに1つ問題が生じる
それは、彼女たちがこの依頼を受けてもメリットが全くないことだ
なら、どうしようかと考えているとリアスがサーシャに質問をしていた
「さっき、仲間に調べてもらったと言ったわね。その情報のことを詳しく教えてくれないかしら?」
「いいわよ。今回の件は、首謀者の独断だということ。彼女の目的はアーシア・アルジェントの神器を奪い堕天使内での高位の地位につくこと。この2つが主な目的よ。ちなみに首謀者は、彼を殺したレイナーレよ」
サーシャは、調べてもらった情報を全部教えた
それを聞き、リアスはホッとしたような表情をしていた
「部長、これでアーシアを助けに行けますね」
「そうね!そうと決まれば、早速今夜救出に向かうわよ」
「「「「はい!」」」
「ちなみに場所はどこかしら?」
「古びた教会よ。この街に教会と言ったら1つしかないわよ」
「わかったわ、ありがとう。貴方って意外と優しいのね」
「何を言ってるのよ、私はいつでも優しいわよ」
そう言い残すと彼女は急に恥ずかしくなったのか、そそくさとアノスたちのところに行ってしまった
「彼女、意外とかわいい所もあるのですね♪」
「えぇ、最近まで悪女だと思ってたけど違ったみたいね」
リアスと朱乃は、サーシャの背をみながら本人には聞こえない声でサーシャの評価を直していた
サーシャから情報を聞き出したリアスたちは古びた教会の前に来ていた
壁が所々崩れており、屋根の上に立っている教会のシンボルといえる十字架は半分欠けている状態だった
「ここね。中から堕天使の気配はするけど、あまり立ち寄りたくはないわね」
「そうですね、扉の前にいるだけで肌がビリビリしてきます」
「早く済ませて、帰った方がよさそうですわね」
「なに、別に気にすることはあるまい」
「それは、貴方だけよ」
この地に転移してきたのは、リアス・木場・朱乃・麗央・小猫・一誠・サーシャ&ミーシャだ
要は、オカルト研究部の部員全員とプラス2人といった状況だ
「部長、作戦はどうするんですか?」
「そうね、私と朱乃は裏に回るわ。裕斗と一誠、小猫は正面から・・・麗央達は、自由行動ってことで」
「わかった。なら好きにやらせてもらう」
「「「はい!」」」
作戦を伝えられたメンバーは各位置に着く行動をしていた
各位置に着くと、既に敵が待ち伏せをしていた
最初に敵と遭遇したのは、裏に回ったリアス&朱乃ペアだった
「やっと、きたよ。来ないのかと思ったよ」
「左様、怖気づいて逃げたのかと思ったぞ」
「そういってやるな。彼女らも勇気を振り絞って来たのだから」
目の前の堕天使たちは、リアスたちを嘲笑い完全に自分たちよりも実力は下だと思い込んでいた
しかし、実のところリアスと朱乃の実力は目の前の堕天使たちより遥かに上なのだ
彼らは、そのことを気づけないでいた
「別に怖気づいたわけじゃないわ!ただ、遅れただけよ」
「そうですわ。あまり、私たちを甘く見ないことですわ」
「そうか、口では何とでもいえるからな。信じて欲しければ力で示せ」
その言葉を聞くとリアスは滅殺の魔力を使い魔弾を作り敵に飛ばし、朱乃は後ろに控えていた堕天使2体に雷を落とし攻撃をしていた
後方に控えていた堕天使2人は自分たちの方が強いと思い込み、全くと言っていいほど警戒していなかったため朱乃の雷に気づかず塵尻にされていた
一方、リアスの相手をしている堕天使は相当の手練れのようで魔弾を放っては躱され、敵の攻撃を躱しの繰り返しが行われていた。その光景を見ていた朱乃は気配を消し、敵に気づかれないよう背後を取って攻撃しようとしていた。肝心の2人は、自分たちの戦闘のことしか頭になく朱乃がなにをしているのか眼中にもなかった。そのおかげで、朱乃は簡単に背後を取ることに成功し、雷を纏わせた手を心臓部分に刺し込み体内から燃やし尽くした。凄まじい雷を体内で直接感じた堕天使は、口や鼻、耳から煙を出し灰となって消えていった
「あっけなかったわね・・・」
「そうですわね・・・今度はもうちょっと強い方とやりたいですわね」
リアスと朱乃の戦闘が終わったころ、一誠たちはというと苦戦を強いられていた
なぜこうなっているのかというと、作戦が各自に伝えられた後一誠たちは扉を壊し中に侵入したのだが、目の前に見覚えのある顔がいた。そう、フリード・セルゼンである。前に彼の討伐任務で戦ったことがあるが、その時はコテンパンにやられてしまいアノス以外のメンバーが瀕死の重体となってしまったのだ(そのとき、アノスは自宅で夕食中だった)。
「おやおや、誰かと思えばあのときの悪魔さんじゃ~ないですか!なになに、今度は俺ちゃんに殺されに来たんですか~?いいねいいね、ぜひ俺ちゃんにやれせて~な!」
「俺たちは、お前にやられに来たんじゃない!リベンジマッチをしにきたんだ!」
「そうだよ。前回は負けたけど今回は負けないよ」
「今回は、負けません・・・」
フリードの言葉になぜか一誠だけでなく、木場も燃えているが、小猫だけは普段通り落ち着いた雰囲気を醸し出している。しかし、内心では秘かに燃えていた
「さいですか!なら死んでちょ」
「!!」
一誠たちの言葉を聞いたフリードは、地面を蹴り片手に剣もう片方の手には銃を持ち切り込んできた
それを一誠はギリギリの所で回避し、木場は背後に回り反撃を小猫は教会内にあった長椅子を持ちあげフリードに向かって投げつける
フリードは、向かってくる長椅子を真っ二つに切り、後ろにいた木場の剣を弾き、一誠の腹に蹴りを入れ間合いを取った。腹に蹴りを受けた一誠はその勢いを殺せず壁に激突したことで悶絶し、木場はバランスを崩していた
「そこまでだ」
その時、扉の方から聞き覚えのある声が聞こえた
「麗・・・央」
「麗央君」
「麗央先輩」
そう、扉の所にいたのは麗央とサーシャ、ミーシャだった
「よく、耐えたな。あとは、俺に任せて先に行け」
「あぁ、任せたぞ」
「お願いします、せんP「あぁ~お前は俺の足を焼け落としたやつ!あのときは、よくもやってくれたもんだね~」
「ほう、覚えていたか。それにしても、前回の戦闘でお前の足は焼け落ち、片腕は高温の火傷で使い物にならなかったはずだが?」
「そうだったよ!だがな、あの後義足を作ってもらい、今じゃ自由に使えるようになったのですよ!それと、使い物にならないと思ってた片腕は攫った子の神器(セイクリッド・ギア)で治してもらったのよ~」
「なるほどな、また面倒なことをするもんだな」
一誠たちはフリードとの戦闘をアノスたちに任せ、前にサーシャから聞いていたアーシアがいる部屋に繋がっている教壇を破壊し、先に進んで行った
一方、アノスはというとフリードのその後を聞きながら興味なさそうに自分の前に、先の戦いで使った起源魔法 獄炎殲滅砲(ジオ・グレイズ)を展開しようとしていたが、サーシャに止められてしまった
「麗央、待って」
「サーシャ、どうかしたか?」
「あいつは、私がやるわ。なんでもかんでも麗央にやらせてたら配下の示しがつかないわ。だから、麗央は後ろで見てて。それとミーシャ今回は手助け無用よ」
「わかった、そういうことならお前に任せよう」
「わかった・・・手出さないでおく・・・」
サーシャがフリードの前に立つと、サーシャになら勝てると思ったのか考えもせずに突っ込んできた
サーシャはそれをひらりと躱し、フリードの腹に魔力で強化した拳をめり込ませた
「…グハァッ!」
サーシャの拳を受けたフリードは、地面を何回もバウンドしながら壁に激突し瓦礫に埋もれていた
暫くして、瓦礫から出てくると「これはアカン!ほんまにアカン」と言いながら懐から閃光弾を取り出し、床に投げつけた。光が収まると、そこにフリードの姿はなかった
「逃げたか・・・」
「アノス、ごめん逃がしたわ・・」
「別に気にすることはない。またいずれ会う。それより、サーシャよ今の戦闘カッコよかったぞ」
「本当?」
「あぁ、本当だ」
「あ、ありがとう//」
サーシャを褒めていると、外から強大な力を感じ外に出てみると、そこにいたのは10歳ぐらいの背丈でなぜか胸元には×印の書かれたテープが貼られている女の子が立っていた
「お前さんは、何者だ?」
「我、ウロボロスドラゴン オーフィス。無限龍なり。強大な力の持ち主は、お前か?」
外にいたのは、なんとドラゴンの中でも最強と謳われる無限龍オーフィスだった
「ほう、これは大層なやつがでてきたもんだな。強大な力の持ち主は俺だ。なにか用か?」
「我、お前、気に入った・・・名は?」
「暁麗央。」
「暁・・・麗央・・・」
「なぜ、俺の所に来た?」
「我、静寂も好きだが・・強いやつの傍も好き」
オーフィスの目的は、どうやら強大な力を持っている麗央だったようでその証拠に近くにいたサーシャとミーシャには微塵の興味も示さなかった
(要するに、オーフィスは静寂も好きだが強い奴の傍にいるのも好きで、俺から強大な力を感じたから傍に居させて欲しい・・・と言ったところだな)
「いいぞ、気が済むまで俺の傍に居ろ」
「わかった・・話が早くて助かる・・・」
この光景を後ろから見ていたサーシャとミーシャは、「また、面倒なことして」と言ったような表情をしていた
それから暫くすると、中からなにやら鳴き声が聞こえて来た
気になり、中に入ってみると最前席の長椅子に意識がなく心臓が既に止まっている少女が横たわっていた
アノスは彼女を見て死んでいる理由はおそらく神器(セイクリッド・ギア)を抜かれたことだと彼女の手の上にある2つの指輪を見て察した
それからというものアノスは彼女の死体を見て悲しむわけでもなく、(また会ったな)程度にしか思っていなかった
一誠は、大泣きをしていたがな・・・
(よくもまぁ、知らない奴のために流せる涙があるものだな)と一誠を見て歓心していた
「部長、アーシアを助けてください!」
「一誠、本当に彼女を助けたい?」
「当たり前です!俺は・・アーシアを助けたいです」
「そう、わかったわ。でも、アーシアの面倒は貴方が見ることこれが条件よ」
「わかりました。アーシアの面倒は俺が見ます」
「良い返事ね」
そう言うとリアスはスカートのポケットから僧侶(ビショップ)のチェス駒を取り出し、アーシアの手の上に乗せ何かを呟いていた
すると、死んでいたはずのアーシアの手がピクッと動き薄っすらと目を開き始めた
「貴方は?私は確か‥レイナーレ様に攫われて・・・それから・・・指輪を奪われて・・・意識がなくなって・・・?」
アーシアが死ぬ前の記憶を辿っていると、一誠がアーシアを強く抱きしめ号泣していた
それから数分して一誠が泣き止むと、今回のことを一誠がアーシアに説明していた
「そうですか・・私、死んだんですか・・・」
「えぇ、そうよ。貴方は一回死に、悪魔となったのよ。だから、これからは、私の下僕として私のために働きなさい」
「わかりました。これからはリアスさんのために働きます。どうかみなさん、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いしますわね」
「よろしく、アーシアさん」
「・・よろしくです」
「よろしく頼むぞ」
アーシアが眷属になったのを、受け入れているとリアスがやっとさっきから麗央の足元にいる少女に気が付いた
「それで、麗央。その子は一体なんのかしら?」
「こいつか?こいつはな無限龍オーフィスだ」
「「「「・・・・・」」」」
アーシア以外の眷属たちは、驚き発言によりフリーズしていた
そんなことを他所に麗央は言うことを言って満足したかのようにサーシャとミーシャを連れ自宅に転移して行ってしまった
結局、リアスたちのフリーズが解けるのは麗央たちが転移してから数十分経ってからだった
~用語解説~
聖剣グラム・・・聖剣エクスカリバーより切れ味は劣るが、破壊力抜群な聖剣。似ている聖剣と言えば、後々でてくるが聖剣デュランダルと同じ性能である。しかし、デュランダルよりも刃幅は狭く軽いため、ぱっと見ただの刀にしか見えない。ちなみに、本文中で麗央が聖剣グラムを使えたのは聖剣を使う際に片手に大量の魔力を流し込み、無理矢理屈服状態にさせているため、相手からしたら悪魔が聖剣を直接持っているように見えている