異世界魔王の記憶を持ったオリ主 作:カワイイもの好きのスライム
数か月間アップで来てなくてすみませんでした。
これから再開していきますので、何卒宜しくお願い致します。
3日目の午前中―
あの厳しい特訓からさらに3日ほど経ち、訓練は更に厳しさを増した。
特に一番激しい戦闘を行っていたのが木場×アルトリアの所だった
木々は広範囲に薙ぎ倒され、地面にはいくつかのクレーターができ、さらに木場によって創造された魔剣が何百本、何千本と折られた状態で刺さっていた
「木場、そんなんじゃお主死ぬぞ?」
「そんなのわかってます!僕もここで死ぬのはごめんです!」
アルトリアと木場は全力で戦闘をしているにも関わらず、魔力量の違いから木場は肩で息をしている状態だった。
それに比べ、アルトリアはというとまだ余裕があるみたいで汗は掻いているものの息は整っていた
2人は息を整えながら相手の出方を伺っていた
すると、2人の目の前を風が小さめな渦を巻きながらヒュウヒュウという音を立てながら通っていった
その音を合図に2人は勢いよく駆け出し距離を詰めた
その瞬間―――
カキン!ガキン!カキン!ガキン!
と剣と剣とがぶつかり合う音が大気中に響いた。
何度目かの剣同士のぶつかり合いをすると木場の持っている魔剣からピキツという音が聞こえた。魔剣の限界が来たのだ。
木場の創造する魔剣は見た目は完全な剣だが、実際の所その耐久力は極めて低く脆い。そして何合か打ち合いをしただけでも、すぐにひびが入り折れてしまう程だ。
だから木場はこの戦闘中にあることを思いついた。それは、今ある魔剣に過剰に魔力を流せば耐久力のある魔剣として使えるのでは?というものだった。
アルトリアの剣技を捌きながら、木場は手にある魔剣にいつも以上の魔力を流すことにした。すると手に持っていた魔剣の刃に自分の魔力が薄くコーティングすることができた。
ここで問題が起きた。そう、魔力を薄く延ばすこと自体難しいことではないが思っていた以上に魔力消費が激しく数分もって3分ぐらいが限界だった。
木場の魔剣が途中から良くなったと感じたアルトリアは顔色は変えなかったが今まで以上に注意深く観察していた。そして、木場の魔剣の変化を見逃さなかったアルトリアは、チャンスだと思い魔力を脚少しだけ注ぎ木場との距離を一瞬にして詰め重い一撃を叩き込んだ。
パリン
木場の剣はアルトリアの重い一撃に耐え切れず、ついに半分に折れてしまった。
剣が折れたことに木場は一瞬焦ったものの急いで次の魔剣を創造しようとするが、先程の魔力コーティングで魔力を全て使い切ってしまいそのまま前に倒れ込んでしまった。
アルトリアは倒れ込んだ木場に「木場、今日もお前の負けだ」と一言呟き、彼を担いで館に戻ることにした。
館に戻ると既にテーブルの上には2人分の料理が並んでいた。どうやら、今日は木場とアルトリア以外夕方まで帰ってこないらしい。要は残りのメンバーはめちゃハードなスケジュールで訓練を行っているようだ。
因みに、今日の昼食はオムライスだ。それにスープとサラダ、ドリンクが付いている。
★★★
昼食後―
午前中に訓練をした森の中まで戻ってきた。
そして、着くとアルトリアが木場にふいに質問をした
「木場、お前はなぜ強い魔剣を作ろうとはしない?」
木場はすぐに答えることができなかった。
だって、それは自分が一番聞かれたくない質問だったから・・・
別に強い魔剣を作ろうとしなかったわけではない。訓練が終わった後も自室で作ってみたりもした。しかし、いくら作ってもできるのは見た目が強そうな剣ばかりで強い剣はできなかった。
アルトリアが言ってる『強い魔剣』とは芯がしっかりとしていて、耐久力も申し分なく数合打ち合っただけで簡単に折れない魔剣のことを言っていると木場は感じている。でも、未だにできていなかった・・・
それから暫く考えた。
「・・・いえ、前に耐久性のある魔剣を作ってみたんですけど、できたのはいかにも強そうな魔剣だけで強い魔剣はできなかったんです・・」
その返事を聞いたアルトリアは、鍛える場所優先順位を間違えたか、と思った。
アルトリアの頭の中では、既に木場は芯がしっかりとしていて、耐久力も申し分なく数合打ち合っただけで簡単に折れない強い魔剣を1、2本は創造することができると思っていた。だから、『なら私がやることは戦闘技術の指南と相手を観察することを教えればいい』と思っていた。しかし、実際に蓋を開けて見ると芯がしっかりとしていて、耐久力も申し分なく数合打ち合っただけで簡単に折れない強い魔剣を想像することができずにいた。こうなるともちろん、やることが変わって来る。まず『強い魔剣』を作るためには莫大な魔力が必要なので魔力の増幅訓練、魔剣を作るのに必要なイメージ訓練の2つが最初に追加される。
「なるほど。だが、魔法はイメージで成り立っている。だから、作るときにどんな魔剣を創造したいのか明確なイメージができれば作れるんじゃないか?」
「(それができれば、こんなに苦労していませんよ!!)」
と軽い感じに言われて木場の内心は荒れていた
午後の訓練も今までと同じくらいに激しく厳しかった
だが、ここで変わったことが起きた。それは簡単に飛ばされなくなったことだ。
今までの訓練だとアルトリアの攻撃を受ける度に何回も魔剣が折れたり、飛ばされていた木場だが、今の木場はアルトリアの攻撃を受けても5回に2回しか飛ばされなくなっていた。
それは、木場が打ち合っている内に芯がしっかりとしていて、耐久力も申し分なく数合打ち合っただけで簡単に折れない強い魔剣を創造することができていることを指していた。木場はアルトリアに言われたあとどんな魔剣を作りたいのかひたすら脳内で考えていた。しかし、いくら考えても何も思いつかなかった。
考えるのをやめようと思ったときふと思ったことがあった。それは、作りたい剣が思いつかないのなら自分のアイデアを全部詰め込んでオリジナル魔剣を作ればいいのでは?と。
そこから木場は打ち合いの最中に脳内でオリジナル魔剣の製作にとりかかった。
そして完成したのがついさっきだった。
木場の手にあるのは柄が赤黒く刀身は黒曜石みたいに真っ黒な色をした片手剣の魔剣だった。
その剣から何かを感じ取ったのかアルトリアは剣を見た瞬間、口元をニタァとさせた。
「今までよりも様になってきたじゃないか!簡単に終わってくれるなよ!!」
「・・・!!」
狂気じみたアルトリアの怒涛の連撃をうまく捌いていた木場は、今まで手を抜かれていたと感じここからが本当の戦闘だ、と感じていた
「ほらほら、どうした!防戦一方じゃないか!戦闘は防御だけじゃ進展しないぞ?」
「・・・・」
時間が経つにつれアルトリアの連撃はドンドン鋭くなり、スピードも増してきた。そのため、木場も全ての攻撃を捌ききれず頬や肩、太ももなどに切り傷がつくったが、致命傷になり得る攻撃だけはなんとか凌ぎ切っていたため、まだなんとか戦える状態ではあった。
「・・・・」
しかし、時間が経つにつれそんな木場の集中力も限界に近くなり、致命傷までとはいかなくてもかなりの数の傷を作っていた。そんな一方的な戦闘は気づけば夕焼けが見える時間まで続いた
だが、それでも2人の特訓と言う名の蹂躙劇は終わらなかった
「オラオラオラァ!お前の腕はそんなもんか?!これまでの3日間お前は一体何を学んできたんだ!アぁ?!」
「そうは・・言われて・・も・・師匠の・・・連撃を捌くのに手一杯で・・・反撃する余裕が・・な・・いんですよ」
「そんな余ったるいことが戦闘中に通じると思っているのか!?相手は、待っちゃくれない!お前を殺す気で、喰うきで仕留めにくるぞ?それを生きながらえるには戦闘中に色々な技や武器を臨機応変に使わないと死ぬんだぞ!」
木場を怒鳴りつけるように大声を出しながらアルトリアは、さらにスピードを上げたがこれも木場を思っての愛のムチだった。
そのスピードは傍から見たら既に音速の息に達しているのではと錯覚する者がいてもおかしくないほどの速さだった
木場はそのスピードに着いていくことができず、さらに体中に切り傷が増えることになってしまった。
それから3時間ぐらい経って、外が完全に真っ暗闇になっていた。
時間的には午後8時弱なのではと感じたが、外にいるため時間を確認することができなかった
2人はゼェゼェと息を切らし始めていた
「次が最後の一撃だ・・・だからお前も全力で来い!」
「えぇ、僕もこれ以上戦えそうにないです・・僕が今出せる全力で師匠にぶつかりたいと思います」
「約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)!」
「魔剣創造(ソード・バース)!!」
お互いが今出せる限界の力に全ての魔力を注ぎこむと空気中がキシキシと悲鳴を上げ、大地には大きなクレーターができ2人の周りにあった木々や草花は1つも跡形もなく消えていた
アルトリアは、剣を両手で持ち真っ二つに切る構えをしている。一方、木場は今自分が作れる最硬度の魔剣を3本作りだし左右の手と口に魔剣を咥えていた。
数秒すると2人は真っ向からぶつかり合った
「「・・・・」」
激しい一太刀を入れた2人は暫く立っていたが、先に倒れたのは木場の方だった
木場の両腕は肩から下が綺麗に切断されていた
一方、アルトリアはというとフラフラになりながらも剣を杖代わりになんとか歩けている状態だった。
容体は、木場よりも酷くはないが腕や肩・足・頬・二の腕・太ももの数か所に致命傷とは行かないまでもかなり深い切り傷が着いていた
「木場、最後の技はなかなかだった・・ぞ」
アルトリアは、木場の最後の捨て身の技を褒めたあと、そのまま意識を手放した
★★★★
暫くして目を覚すとアルトリアは目覚えのある天井の下にいた
「(確か、遅くまで木場と殺し合いをして・・木場の両腕を切ったあと意識がなくなったんだっけ?)」
アルトリアがつい先程までの記憶を鮮明に思い出していると、ドアが開く音がした
音のした方に首を向けるとアノスとサーシャが部屋にはいって来た
「アルトリア、目が覚めたみたいだな。平気か?」
「大丈夫?」
どうやらアノスとサーシャはアルトリアのお見舞いに来たらしい
この際だから、と割り切って倒れた後のことを聞いてみることにした
「アノス、私が意識を失った後のことを教えてくれないか?」
「構わん」
~回想中~
「ねぇ、アルトリア帰ってくるの遅くない?」
サーシャの何気ない一言から事態が発覚した。
普段なら6時前には特訓を切り上げてこの別荘に戻って来るはずなのに、一向に戻ってくる気配がしなかった
これは、あの2人になにかあったのかも?と感じたメンバーは居ても立っても居られず別荘の周辺や森の中を探索することにした。そして、探索すること10分ぐらいで一番簡単な探索方法を見つけた。それは、魔力を薄くこの森全体に広げ、ヒットしたところを見に行くと言ったものだった。そのことを思いついたアノスは一生懸命探してくれているメンバーにそのことを告げず、勝手に行使した。その結果、2つの魔力がここから数十キロ離れた場所にあることが分かった。その場所に転移(ガトム)を使って行ってみると両腕を肩から見事に切り落とされた木場とやたらと深い切り傷を負っているアルトリアを見つけた。なにがあったのか、どれほど激しい戦闘を繰り広げたのかは辺り一面の状況を見れば何となくわかった。
「随分と派手にやったな・・・」
アノスがそう一言呟くとアルトリアと木場、それと落ちている両腕を抱えて別荘に転移した
「木場とアルトリアを見つけたからすぐに別荘に戻って来い」
そう念話で送ると数分して全員一斉にノックもせずに部屋に入って来た・・・が、2人の状態を見て泣き出す者もいれば、吐き出しそうになる者などなんらかの症状を引き起こしている者たちがいた
アノスはしょうがないといった様子で木場の両腕を魔法でくっつけ、アルトリアの傷も完治させた
それからは、心配そうにしていたメンバーをリビングに強制転移させ、自分のその部屋から出て行った
それから一夜経ち、様子を見に来たらアルトリアが目を覚ましていたという状況だった
~回想終了~
「そうだったのか・・迷惑をかけたな」
「なに、気にするな。だが、やりすぎだ。明日から気を付けろよ?」
「あぁ、同じミスは起こさないさ・・それより木場のやつは?」
「あいつならまだ寝ているぞ。一応、傷は治しておいた」
アノスはそう言うと部屋から出ていこうとした
「そうか、ありがとう」
アルトリアは、部屋を出ていこうとするアノスの背中に向かってお礼を言った
それを聞いたアノスは振り返ることなくそのまま部屋をあとにした
それから数時間経つと、みんな目を覚ましリビングにズラズラと列を成しながら出て来た
その様子を見ていたアノスは不覚にも気持ち悪る、と感じてしまった
それから起きて来たメンバーにアルトリアが今朝、目覚めたことや今日の訓練は参加せず休養を取ってもらうことにしたなど、話していた
アノスの話を聞き終わった面々は木場に早く目覚めてと思いながら朝食を取っていた。