永い後日談のヒーローアカデミア~黒絢を添えて~ 作:アルテリア
いきなり担任の相澤先生にグラウンドに出ろと言われて、よくわからない内に体操服に着替えさせられました。
これから何が始まるんだろうと首を捻っていると、担任が現れた。
「ハイ、皆集まったね。それじゃこれから個性把握テストを行う」
「「「「個性把握テストォ!!?」」」」
「入学式は!?ガイダンスは!?」
皆がびっくりしてる中、私は吃驚した人達の大声で縮こまってると、女の子が当然の疑問を投げた。
それはそうだ。言われてみればもうそろそろ入学式の入場の時間だった。
「ヒーローにそんな悠長な時間をしている時間はない。
……爆豪、中学校の頃のハンドボール投げ、記録幾つだった?」
「67m」
え、67?それって割と普通に凄くない?私が最高速に到達するのに必要な距離くらい飛んでるよ?
「じゃ、個性使って投げてみろ。円の外から出なければ何をしても良いよ」
爆豪君はそれを聞いて嗤った。やっぱり顔が怖い。
ボールを握りこんで爆豪が思いっきり振りかぶった。
「んじゃまァ……死ねェ!!」
掛け声が「死ね」!?気合の入れ方が新しいね!?
ともかく、結構な速度を伴って飛んで行きました。低めに見積もっても500mは飛ぶと思います。
「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
ピピっという音が鳴った後、先生が手に持っていた端末の画面をこちらに向けてきました。
その画面には「705.2m」という値が書かれています。恐らく先程のボールに計測機構が備わっていたのでしょう。謎技術再びです。
なんでそういうところだけ優れてるんでしょうか。
「……なんだこれ!すげー『面白そう』!」
「705mってマジかよ!」
「個性を思いっきり使えるんだ!流石ヒーロー科!」
うぅ、この盛り上がりの空気が過ごしづらいです。何故かわからないけど相澤先生の目が怖いですし。
「
ひぃぃ、やっぱりこの先生怖いです!助けて希乃子ちゃん!ヘルプ!
「よし分かった。この個性把握テストでトータルの成績が最下位だった奴は
この先生ヤバい人ですね!?なんで教職に居るんですかこの先生!?校長先生人選間違えてないですか!?
「生徒の如何は先生の自由。ようこそ、此処が雄英高校ヒーロー科だ」
この先生暴君です……希乃子ちゃん、私は今すぐB組に移籍したいという気持ちに溢れています。今ならこの感情でアクシズも止められそうです。
「最下位除籍って、まだ入学初日ですよ!?いや、初日じゃなくっても理不尽すぎます!」
女の子の一人が先生に向かってブーイングしましたけど、先生はそれに対して涼しい顔をして答えました。
「自然災害、大事故、身勝手な敵。
日本は理不尽にあふれてる。そういう理不尽を乗り越えて行くのがヒーロー。
放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。
……『
挑戦的な笑みでそう告げてきました。校訓の悪用が過ぎる気がします。でも、まぁ
進退がかかってるので許されてる限りで真面目にやろうと思います。
なので私は、先生に申し出をする必要がありました。
「あ、あの……先生、装備変えても良いですか?これ、日常生活用なので運動性能は良くないんです……本当だったらアレをずっとつけてればいいんでしょうけど、普段からつけるのも仰々しいし制服着るのに邪魔で……」
「……まあ、いいだろう。急げよ」
先生は私の大きな荷物を思い出したのか、少し考えた後に許可を出してくれました。
*****
「お待たせ、しました……」
ちょっと恥ずかしいが可動域を広くする為だからしょうがない。体操服のズボンは太ももまでまくり、機械の四肢である【Beatrice】を惜しげもなく晒した姿で戻りました。
「大丈夫だ、そこまで時間はかかってない。じゃ、全員揃ったし始めるぞ」
第一種目「50m走」
先程私を心配してくれた飯田君が3秒04と言う記録をいきなりぶん投げてきました。凄い個性だなぁ、速度だけなら今の私と同等かも。
まあまあ時間が経って私の順番が来る。
「君が俺のペアか。俺は常闇踏影、よろしく頼む」
「だ、ダフネ・ル・フェイです。よ、よろしくお願いします」
常闇君から挨拶をされたので、慎重に返しました。今度は噛まずに言えたので内心そっと胸を撫で下ろしてます。
それにしても常闇君のこれは被り物なのでしょうか、それともそういう身体なんでしょうか。
スタートの合図に合わせて、一気に走り出します。勿論本気です。50mじゃトップスピードになる前にゴールについてしまいますが仕方ありません。
『ダフネ・ル・フェイ、3秒67』
ゴールと同時に全身を反転する事で停止しました。トップスピードまで5秒以上かかるのは少し問題だと思ってます。お姉さまはすぐに時速100㎞に到達できますから。
それにしてもお姉さまの「常に【Beatrice】は持ち歩いておけ」って助言がここで役に立つとは思いませんでした……
第二種目「握力」
個性で作ったものとはいえ万力を使うのってありなんですか?あと障子って人が素で540kgっていう数字を叩き出してました。怖い。
ちなみに私は200kgでした。普通の既製品よりも握力が比較的強い理由をお姉さまに聞いたところ、「ゴッドフィンガーしやすくする為」だそうです。貴方ネオジャパンの出身ですか?
第3種目「立ち幅跳び」
悩んだ結果、全力で飛びました。本当はジアドスフィアを使えば理論上かなり遠くまで飛べるのですが、それをやると皆死んじゃうので駄目です。
結果は4m50㎝、人間としては十分バケモノの数値ですね。
爆豪君、あれどこまで飛ぶんでしょう。
第4種目「反復横跳び」
峰田って人が滅茶苦茶ぼよんぼよんしてました。楽しそうだから触ってみたところ、剥がれなくて困りました。
仕方ないので触れた部分を足の突撃衝角でめちゃくちゃ薄く削ぎました。金属部分なのであまり痛覚はありませんでしたが、自分が人間以外の何かになっちゃったのを痛感してやっぱりいい気分はしませんね。
その後普通にやりましたが、結果は76回でした。
第5種目「持久走」
八百万さんのバイクはチートだと思います。まあ最高速度で5分間走るくらい余裕ですけど。
結果はざっと8㎞。一応トップの成績は取れました。ところで八百万さんはバイクの免許を持っているのでしょうか…いや、考えない様にしましょう。
第6種目「上体起こし」
尾白君って人が早かった。私は普通でした。
記録は58回です。
第7種目「長座体前屈」
オートセパレートを使って伸ばしました。
最終結果はオートセパレートで戻れる距離ぎりぎりで10m。長座体前屈で出る記録ではないですよね。これをやったらちょっとみんなの顔が引き攣ってたけどまあいいいや、と諦めました。
第8種目「ソフトボール投げ」
私自身は特に何も考えず投げて終わりましたが、緑谷君はこれまで全部ドベ、相当焦ってました。
緑谷君が肝の据わった目をして投げましたが、結果は46m。緑谷君は呆然と自分の手を見ていました。
その後相澤先生が二言三言話した後、2回目を投げました。今度は凄く遠くに飛んでいきましたけど、右手の指が酷く損傷してました。
その後爆豪君が何か言いながら飛び出しましたが相澤先生の首の布が捕獲して止めました。それ一応武器だったんですね。
あの二人の間には色々因縁がありそうだと思いながら、結果発表を見ます。
あ、ちなみに私は180m飛ばしました。射撃武器が手持ちにあったらもっと飛ばせたんですけどね。
結果は4位、表彰台にはぎりぎり立てませんでした。
そして最下位は緑谷君、悲しい表情をしている緑谷君を前に、先生はあっけらかんと言い放ちました。
「ちなみに除籍は嘘な」
みんながまた驚きの声をあげました。私も眼を見開きました。
後ろにいた女の人はごちゃごちゃ言ってますが、除籍処分を言いだした時は本当にそうする気だったと私は思ってます。
最初こそ理不尽な暴君だと思いました(今もちょっと思ってる)が、行動とその前後での緑谷君の動きや身体の状態を見たうえでの感想だと、ヒーローに対する思いは人並み以上あるように思えました。
どちらかと言うと、有能と無能を篩で分けてるような感じだと思っています。
ともかく、個性把握テストも終わって解散になったので普通に着替えて帰宅しようと校門に向かったら、そこで希乃子ちゃんが待ってくれてました。
「ダフネちゃん!入学式で見かけなくて心配したノコ!一体何してたの!?」
「じょ、除籍をかけた個性使用OKの新体力テストです。多分。才能の無い人はあれで落とすつもりだったんだと思います。
……ぶっちゃけ担任の先生が怖いよ……希乃子ちゃん助けてぇ……」
「流石に担任の先生からは無理ノコ、クラスも違うし」
「無慈悲!」
そんな感じで私は希乃子ちゃんに今日あった事を話しながら帰路に就きました。
興が乗ったので書きました。ですが多分一番出来が悪いです。
どう描写するべきかわからず最終的に適当になっちゃいました。
ジアド粒子が無害だったらほぼすべての種目で1位を取れるんですけどね…
そして2回目の登場【Beatrice】と「オートセパレート」。
オートセパレートで長座体前屈の記録を伸ばすのは登場させた時点で考えてました。
全身オートセパレートってこれほとんど取蔭切奈では?と思わなくもないですが、四肢だけなのでセーフです。
次回、ダフネ、戦闘訓練に行く。
誰と組ませよう…