永い後日談のヒーローアカデミア~黒絢を添えて~   作:アルテリア

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【入学式…じゃないんですか?】

入学試験から1週間経ちました。

現在進行形でお姉さまに剣術とか体術を教えてもらっているのですが、めちゃくちゃしごかれてます。

特に剣術は当たったら木刀だからとても痛いです。死なない様に手加減はしているらしいですけど、体術では当然の如く発頸とか使ってるし剣術では木刀なのにオートセパレートが自動で発動するとか、お姉さまはどこで何をしてたのか不思議なくらいに攻撃の線に容赦がありません。

ちなみに私は何故かバールを持たされています。曰く「釘を抜く方を人にぶつければ間合いが読みづらい上に当たったら一撃必殺級の凶器になるし、曲がっている部分でぶつければ鈍器にもなる便利な武器だから」だそうです。小声で言った「個人的趣味もあるけど」という言葉は聞かなかった事にします。

10回打ち合ったけど10回とも受け流されてぶん投げられたせいでふて腐れ始めた頃に、223号さんが手紙を持ってきました。差出人名は「雄英高校」でした。

 

「ますたー!おてがみきたよ!」

 

「あ、ありがとう。雄英高校からって事は結果の通知でしょうか?」

 

「だろうねぇ。私も一緒に見てもいいかしら?不合格だったらいつでも出来るように。」

 

「やめて下さいお願いします。一緒に見るなら普通に見てください。」

 

叩かないでください、あれをお姉さまの筋力でやられるととても痛いんです。拳骨でぐりぐりもやめてください。以前それでブレインファーム内の仮想空間とはいえ頭蓋骨にひびが入ったんですから。

そしてちょっと残念そうにしないでください、私を玩具か何かだと思ってませんか?

 

「むぅ、弄りがいがある妹だから構ってあげてるのにつれないわねぇ。全力でお姉ちゃんを遂行する!って気概でやってるのよ?」

 

「遂行した結果で頭蓋骨にひびを入れるのは姉としてどうかと思いますよ!?」

 

全力でお姉さまにツッコミをしている間に223号さんが「話が進まない」と思ったのか私達をおいて手紙を開けていた。

 

「…?ますたー。へんなのがはいってるよ?なんだろうこ『わーたーしーがー投影された!』わぁっ!?」

 

223号がびっくりした声で私達は言い合いを止めて本題の方向を向く。

それは投影装置のような物で(この辺りの装置は近未来的ですね、雄英高校の予算が気になります)、そこには一昔前にやってた人気曲トップ10を紹介するあの番組みたいなセットとスーツを着たオールマイトが映っていました。本当にあの学校の予算はどうなってるんでしょう。というかオールマイトは雄英高校の関係者でしたっけ?

 

『んん、なぜ私がここにいるのか気になるかな?実は私は今年から雄英高校の教師として教鞭を取る事になった!』

 

あ、そうなんですか。ていうかここでそれ明かすんですね。オフレコにしなくていいんですかその情報。合格者の頭が弱かったらネットにその情報上げちゃうかもしれませんよ?

お姉さまもなんだか微妙な表情です。何とも言えない物を見たような顔をしてますが、どうしたんでしょうか。

 

『さて、そういう話は置いておいて、結果も気になるだろう!

筆記試験の結果は全教科満点での1位!

そして気になる実技試験の結果は敵Pが45!これだけでも充分なポイントだが、もう一つ我々は見ているポイントがあった!

それは「救助ポイント」!ヒーローの本質、人助けの行動を現役のプロヒーローである雄英高校の教員たちが評価して与えられるポイントだ!

ダフネ少女の獲得した救助Pは30!合計75P、実技2位、総合1位で合格だ!

おめでとうダフネ少女、此処が君のヒーローアカデミアだ!』

 

「おめでとうダフネー!流石私の妹!今日はごちそうね!栄養にはならないけど。」

 

合格した事も、お姉さまが喜んでくれた事も嬉しかったけど、お姉さまの最後の一言で色々台無しです。そういう事は口にしないお約束ですよ。

取り敢えずお姉さまがご飯を作っている間に書類の中で自分で書ける部分を書いていたら、その後今日の訓練のクールダウンを忘れそうだったので急いでしました。

 

ちなみに、その後にお姉さまから「いつ何が起きるか分かったものじゃないから【Beatrice】は常に持ち歩いておいて」と言われました。

 

*****

 

 

そんなこんなで、4月です。私は校門前で知ってる顔が居ないか確認できないかな、と思って早めに行こうと思ったら早く来過ぎました。

自分の足の速さを失念していたせいで始業1時間前についてしまい、校門前で30分近くぼーっとしている羽目になりました。

 

「あっ、ダフネちゃん!やっぱり合格してたノコ!」

 

「…にゃっ!?な、なんだ希乃子ちゃんですか…ぼーっとしてて気づきませんでした…」

 

突然話しかけられてお決まりのように声をあげる。声ですぐに誰か分かったけど、ぼーっとしすぎてて声をかけられるまで気付けなかったです。

それにしても普通に希乃子ちゃんも来るの早くないかな、と思いました。

 

「希乃子ちゃん、来るの早いですね。まだ30分前ですよ?」

 

「それはダフネちゃんも同じでしょ。

…入学式の15分前くらいまでには大体の人が集まってるノコ。だから早めに来ておくと後から来た人に楽に挨拶ができるから、話の流れが作りやすくなって友達も少し作りやすくなるよ。ダフネちゃん臆病で人見知りだし、覚えておくと良いノコ。」

 

「私の評価がちょっと酷いけど全くその通りだから言い返せない…!」

 

シュンとしながらも希乃子ちゃんの言葉をきっちり覚えておく。そして、連れ立って一緒に校舎の中に入っていく。

 

「そういえば、ダフネちゃんは何組?私はB組なの。」

 

「わ、私はA組だから希乃子ちゃんと別クラスですね…うぐぅ、友達作らなきゃ…」

 

希乃子ちゃんからクラスの話題を振られたが、別クラスだったのでちょっと凹む。

その後B組の前に着くまで色々話したけど、希乃子ちゃんは実技試験に受かれるか少し心配だったらしい。希乃子ちゃんの個性「キノコ」で関節部にキノコを生やして破壊してたらしいけど、ビル風とか諸々のせいで狙いが上手くいかなくて倒すのが中々上手くいかなかったと聞いた。自分が実技試験2位、総合1位だという事は言わないでおこう、と小心者な私は思いました。

B組の前で希乃子ちゃんと別れてすぐにA組の扉に着く。

 

(扉が大きいです…大型の動物やら何やらの個性を持った人にも対応できるようになってるんですね。)

 

深呼吸をしてA組の扉に手をかけて開ける。割とすぐ近くにちょっと好きじゃない眼鏡の人が居た。

音でこちらに気付いたのかこっちに来ました、慌てて挨拶をします。

 

「あ、お、おひゃようごじゃいましゅっ!!」

 

「凄く噛んだな!?

俺は飯田天哉、同じA組としてよろしく頼む!」

 

ただの挨拶で3回噛んでしまった。やっぱりキャラじゃないですね、これ…

一回私の噛み噛みの挨拶にツッコミを入れた後に凄くロボットみたいな動きで手を動かしつつ自己紹介をしてくれました。

第一印象はあまりいい感じじゃなかったですけど、話してみると案外普通に話せそうなタイプな気がします。

 

「あ、だ、ダフネ・ル・フェイって言います、よろしくお願いしましゅ!

あぅ、また噛んじゃいましたぁ…」

 

「もしかして、話すのが苦手なタイプか?無理はしなくていいぞ?」

 

緊張しすぎていたせいで余りに噛み過ぎていたら、心配してくれました。

多分この人は真面目過ぎるだけなんだろうなぁ、と何となく思います。

 

「だ、大丈夫です…緊張しすぎなだけですから…」

 

「そうか…ところで、座席表を見たところ出席番号順に座るらしい。自分の出席番号を確認したらそこに座ってくれ。」

 

「ありがとうございます…何から何まで…」

 

「気にするな。俺のやるべき事をしただけだからな。」

 

頭を下げて礼を言って、座席表で示された席に座る。教室の後ろから見て左から2列目、前から3つ目の席でした。隣は緑谷君だったので知り合いですが、後は誰だかさっぱりです。

席に座って数分後、ある程度人が集まるまで凄く目につく生徒が入って来た。頭がツンツンしていて、いかにも唯我独尊な感じのあふれる男の子。座った場所は緑谷君の前。確か座席表での名前は爆豪 勝己(ばくごう かつき)君。

足を机の上に置くとか座り方の柄が悪いなぁ、と思いました。というか制服の着崩し方が不良のそれです。怒られますよ?

案の定飯田君が爆豪君を注意しに行って口論が始まりました。爆豪君は外見通り性格が乱暴で、なんというか「THE・不良」って感じがします。

 

「…んで、そこのテメェ、さっきから何ジロジロ見てんだ。ぶっ殺すぞ」

 

「ひっ、ご、ごめんなさい…!」

 

凝視し続けてしまったからか、口論の途中で爆豪君がこっちを向いてきた。視線が怖くて急いで机の上に伏せて縮こまる。

 

「爆豪君!ダフネ君が怯えているだろう!」

 

「ああ?」

 

またドアが開く音が聞こえたからそっちをちらっと見ると、見覚えのある緑っぽい色の髪の毛の男の子、緑谷君が居た。何故か凄く「一番クラスメイトになって欲しくない人がいる!!」って顔をしてますね。

でも彼も受かっていたんだと思って少し恐慌状態から抜けられました。そうしてまあまあクラスのメンバーがそろって喧しくなって来たところで。

 

「お友達ごっこなら余所でしろ。ここはヒーロー科だぞ。」

 

突如としてミノムシみたいに寝袋に入った男が現れて喋り始めました。

10秒で栄養をチャージするアレみたいな奴を一気に飲み干した。地味にあれって10秒で飲み切るの大変な事ありますよね。それを数秒で飲み切るって結構凄い人なのでは?と真面目に考えていると、皆が静かになっていました。

 

「…ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君達は合理性に欠くね。」

 

(いきなり現れてよくわからない事言われてます…!そもそも私、ファーストコンタクトで噛みまくったせいで飯田君に心配されて、爆豪君を凝視しすぎてオラつかれた以外何もしてない!?)

 

ミノムシの男にいろいろ言われている間に冷静になってこれまでの自分を振り返ってハッとなる。

そういえば友達を作ろうと思っていたのに、気づいたら縮こまってるだけだった。

気付けばミノムシから人間に戻っていた。けど服が黒一色。そういうコスチュームなのかな?あと首に巻いてる布も気になる。

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね。

早速だが、全員今から体操服(コレ)着てグラウンドに出ろ。」

 

え、それ体操服ですか?入学式とかするのではないんですか?雄英高校は入学式前に皆でレクリエーションでもするのでしょうか?




全力でお姉ちゃんを遂行するモルガナ(ただし通常の人が受けると死ぬ)。

敵Pは1Pを24体、2Pを6体、3Pを3体、合計33体を破壊して45Pです。
救助Pは希乃子救助と0Pロボに反撃して時間を稼いだ事でポイントをもらいましたが、希乃子を抱えたままでやった為、救助者の安全を優先しなかったと見做し30P止まりでした。
ちなみにジアド粒子を使ったら点数がマイナスに行きます。

そして筆記が満点なのはモルガナが時間ギリギリまで仕込んだから。
モルガナ「大は小を兼ねる。なのでいきなり中学3年の勉強をする!」
こんな感じのノリでやりました。ただし幾つかの科目はきっちり中学1年からやってます。
充分な頭さえあれば高校受験ってこんなノリでも普通に行けると思うんですよね。個人の感想ですが。それでも偏差値79は頭おかしいけど。
筆者は得意教科でやっと偏差値70なのに80取れとか満点とっても無理な気がします。
一体どんな筆記試験なんでしょうね。

次回、個性把握テストです。
気分が乗ったら本日中に次の話投稿するかも。
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