音柱の継子は音が聞こえない   作:月宮塚帖

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今日は展開が早い(?)と思います。

多分早く書きたいシーンがアニメにどんどん登場してきているからだと思います。

遊郭編に入りたいですが、まだ原作の四年前。しんどいです。ペースが遅いです。さっさとぬいを甲にしたいです。

無限列車編も書きたいです。さっさと夢でぬいは幸せ(絶望)になってほしいです。

要約しますと、三話目にして難産でかつ、あんまり納得してないです。

タグでバレバレですが、縁壱フラグ建築したな、って誰でもわかると思います。

ちなみに隠してないです。意味なしに主人公最強とかあんま好きじゃないので先に最強じゃないことを宣言しときます。

大方最強の縁壱が悪い(((


では、長めの前置きはここまでで、これらを読んでくださった方に感謝。

本編スタートです。

納得いかなくても苦情は受け付けませんよ!!(((



第三話

 ぬいは頭を垂れていた。

 

 もちろん相手は鬼殺隊の若き棟梁、産屋敷耀哉である。下弦の鬼を入隊直後に討伐した件について話したいことがあったのだろう。

 

「……宇髄ぬい、か。いい名前を貰ったね。……そして君は音が聞こえないのだよね」

 

「(はい。そうです)」

 

「御館様。ぬいは音が聞こえないことに対し、そうであると返答しております」

 

「そうかい。ありがとう、天元。私はまだ右目は見えるのだけど、読唇術は身につけていないからね。天元がいてくれて助かったよ」

 

「……筆記でやり取りすることも可能ですが」

 

「いいんだよ。私は天元とも話したかったしね。君の継子の話とか当主として聞かなくてはいけないから」

 

「私めを呼んだのはそういうことでしたか。ご連絡が遅くなってしまい、申し訳ありません」

 

 そんな天元の謝罪に謝罪はいらないよ、顔をあげて?と優しく微笑んで促す耀哉に失礼します、と答えてから天元は顔をあげる。

 

「じゃあ、本題に移るよ。……この度は天元と ぬい、下弦の鬼の討伐ご苦労さま。特にぬい。君は最終戦別を突破したばかりで自分の刀も持っていないのによくやったね」

 

「(……もったいなきお言葉です)」

 

「……もったいなきお言葉ですと申しております」

 

「そう。ありがとう、天元。……本来ならば十二鬼月を倒したという事実は鬼殺隊の最高位である柱としての力があるということを示すものになるんだ。でも、君はまだ癸としても仕事をしていない鬼殺隊最弱の地位。急に柱に挙げても周りの子供たちが反対することは目に見えているだろう」

 

「(そうですね)」

 

「私もぬいも同じような心持でございます」

 

 耀哉は天元たちの一つ一つの返答にうなずきながら自分の考えをすらすらと述べていく。

 

「でも、ぬいが天元の継子であるというのも事実だ。実績を評価しなければ、ぬいが他の子供たちに舐められるということもあり得る話だろう」

 

 そこまで言って耀哉はすっと手を挙げた。それを合図に彼の後ろの襖が開かれ、一人の女性が長い物とともに座敷に現れる。

 

「今まで私たちは護衛を付けることを拒んできた。それは私たちの身よりどこかで鬼の被害にあっているであろう人の方を救うべきだと思っていたからだ」

 

「それは、つまりッ!」

 

「ぬいは下弦の鬼を討伐した功績により戊に昇格するよ。ただ、そこから鬼を五十体倒せば過去の経歴と並べて特例で甲に上がるし、そのまま柱にだってなりうる。これは下弦の鬼を討伐した新人として当然といえるだろう。まぐれであるとしても事実には変わりないからね。これくらいならば誰だって認める。そして私達、産屋敷家が護衛を付けなかった理由を今まで人的被害を最小限に抑えつつ、私達の身を守るに足る才能に溢れたものがいなかったから、としてぬいを形だけの私たちの護衛として任命する」

 

 異例の大抜擢である。今までいなかった護衛を形だけとはいえ、産屋敷家に付けるのだから。それに天元は驚きを隠せず、耀哉の方を見上げて硬直している。

 

「これは本来ならば柱となるに足る事実を行ったが故。地位を戊に抑えたからこそ、与えた護衛という地位だと思ってくれると嬉しいよ。ただ、あくまで形だけだ。君は多くの人を救える。だから、定期的に私たちの家に来て護衛をしている風に見せて、しっかり任務をこなすんだ。激務になってしまうが、許してほしい」

 

「(問題はありません。それもすべて功績を認めてくださったからでしょう。私には多すぎる報酬ではありますが、お望みの通りに刃を振るう覚悟はできております)」

 

 天元はぬいが言った言葉をそのまま耀哉に伝え、自分も師匠としてありがたいと感謝を伝える。そしてその言葉を受け取った耀哉はようやく女性から長い物を受け取り、膝をつく ぬい にそれを差し出した。

 

「これは早めに作るように刀鍛冶に頼んだものだ。千子村正のようにまではいかなくとも素晴らしい腕を持つ刀鍛冶に頼んだから一級品だよ。君の薙刀と刀、そして脇差だ。何色に変わるか見せておくれ」

 

 長い物は薙刀などが入った袋だったらしい。ぬいはそれを受け取って袋から薙刀を取り出し持ってみた。すると刀身がずずず、と黒に限りなく近い灰色である消炭色に染まる。

 

「初めて見る色だね」

 

「私も初めて目にします」

 

「ほぼ、黒ですね」

 

 耀哉、女性、天元の順に言葉を紡ぎ、ぬいの方を見る。ぬいは三人になぜそのような視線を向けられているのかわからないようだった。

 

「私の継子ですがどうやら適正呼吸は音や雷ではないようです。だから多くの呼吸を身に付けているのでしょう」

 

「確かに報告では水の呼吸で鬼を断ったと言われたね。ぬいの適正呼吸はいったい何なのだろう」

 

「……私は無知でありますゆえ、望むような回答はできませんが」

 

「何か心当たりでもあるのかな?」

 

「心当たりといいますか、誰もが思いつくことでしょうが……。ぬいは新種の呼吸、もしくは過去に消え去った呼吸の使い手となるのではないでしょうか」

 

 その言葉を聞いた耀哉は満足したように頷く。そして、言葉を紡いだ。

 

 

”若草 萌ゆる

 

我が命は断罪に 我が使命は果たされず

 

遥か彼方へ (めい)を託す

 

いつか私を 超える者へ

 

耳は聞こえず 女子(おなご)であれど

 

我が命は 未来へ落ちるべし

 

芽生え萌ゆるは 新たな者へ”

 

 

 そこまで言った耀哉は口をぴたりと閉じ、ぬいの方を見る。どこか遠くを見るような目でじっと彼女を見つめたのだ。突然のその(うた)をすらすらと暗唱した耀哉は天元と女性から困惑の視線を受け止めつつ、にこりと笑い返した。

 

「……その詩は……?」

 

「最強の剣士と記録に残る者が最後に産屋敷家に送った手紙の内容だよ。諸事情で彼の生涯のほとんどは鬼殺隊としてのものではなかったけど、その功績はすごい物だった。そんな彼がこんな予言めいた詩を産屋敷家に送ったんだ。何かあるものだと一族はこれを残してきたんだよ」

 

「……確かに内容的には ぬい さんに類似する点はありますが、予言だとは思えません」

 

「あまね。予言か予言じゃないかではないんだ。かの剣士は黒色の刀を使っていたそうなのだよ」

 

「それは!」

 

「そう、ぬいの刀の色に似ている。私は彼女がかの剣士と同じ呼吸の使い手であると考えている。いや……確信している。……どうかな、ぬい? 君はどう考える? ……ぬい? 顔が赤いけど大丈夫かい?」

 

 ぬいは先程までじっと耀哉の顔を見ていたものの、詩を聞き()終えた後から顔を赤くして下を向いていたのだ。何やら恥ずかしがっているようにも見える。

 

「(だ、大丈夫ですっ。別に私のことじゃありませんし、関係ないことですから。なんでこんなに恥ずかしいのかはよくわかりませんが、きっと因縁があるのでしょう。関係ないと思いますが)」

 

 耀哉はふりふりと ぬい が首を振るのを見て、天元の仲介を前に言葉をつづけた。

 

「……そうか。きっと恥ずかしいのだね。この詩を示すのが自分であるということに気づいて。意味は”若草が育つ。私の命は断罪をするためにある。だが、私はその使命を果たすことはできなかった。遥か未来へ、その使命を受け渡す。いつか神に与えられた強さを超える者へ。その人がたとえ、耳が聞こえなくとも、女であっても、私の使命は誰かに受け継がれるのだ。新たに芽生え、使命を果たすのは未来の者たちだ”というものだ。……きっと ぬい は無惨を倒すための大切な鍵となりうるだろう。だから、ぬい。私達に力を貸してくれないか?」

 

「(……大した力にはなれないと思いますが、是非とも我が刃をお使いくださいませ)」

 

「なんといっているかわからないけどね。後で天元に教えてもらうことにしよう。時間も時間だ。子供たちの護衛についてもらってもいいかい? そして夜が明けたら炎柱邸に行ってもらいたい。そこで過去の書物を見せてもらうといい。そこには現炎柱である煉獄槇寿郎もいるし、次期炎柱の煉獄杏寿郎もいる。次期の子は確か今、十六歳だったはずだ。中々優秀な子……。いや、同期だね」

 

 同期……?と首をかしげる ぬい に対して疑っていたわけじゃないが、本当に言葉がわかるんだね、と耀哉は微笑む。困惑している ぬい に天元は柱であるゆえに知っている彼についての情報をぬいに言う。

 

「派手な髪色のやつだ」

 

「(……派手……。ああ、彼ですか)」

 

「誰かわかったみたいです」

 

「そう。彼も多くの未熟な剣士を助けていたからね。ぬいほど多くはないが、彼も多くの鬼を狩っていた。おかげで今年は鬼の補充が大変だよ」

 

 ふふふ、と縁起でもないことで笑う耀哉を見て天元は少し眉をひそめた。

 

「ぬいはもういいよ。我が子の元へ あまね と行ってくれないか? 我が子たちも ぬい のことを歓迎してくれるだろう」

 

「(……では、失礼します。恩を仇で返すことはありませんので、安心してこの刃をお振るいくださいませ)」

 

 天元がぬいの言葉を伝えて、ぬいはようやく部屋から退出する。そしてあまねの案内の元、彼ら夫婦の五人の子供の前へ姿を現した。たくさんの紙が散乱しているその部屋を見て、少々不思議がる ぬい をみて あまね は焦る。耳が聞こえないから、と話していたから子供たちは紙を用意して、最初に会いに来た時の言葉を先書きしていたようだったのだ。

 

「(……何を?)」

 

 この状況がわからない ぬい は思わず口を動かした。それを横目に見た あまね は落ちている紙を拾い、子供たちの使っていた筆を使って『すみません、この子たちが楽しみにしていたようで』と書いて ぬい に見せた。

 

 そういえば、ここには天元がいない、と気づいた ぬい は急いで紙を二枚拾って筆を借り、さらさらと文字を書いていく。そして、一枚をあまねに、もう一枚を五人の子供たちに見せた。

 

『あまね様、ご心配には及びません。素晴らしいお子様と出会えて幸せです。この部屋まで案内していただきありがとうございます』

 

『皆様。私は相手の口元が見えていれば、言葉を理解できます。読唇術、というやつです。ですから、皆様がお話しするときは私の方を見ていただけると嬉しいです。私からの言葉は筆談となりますが、皆様の声の揺らぎを体で覚えるためにも声を発していただけると嬉しいです』

 

 その紙を見て、五人の子供たちは「おぉ~」と声を上げた。そしてあまねは顔を赤らめた。先程の耀哉との謁見でぬいが読唇術をできるということを知っていたというのに子供たちのはしゃぎように焦り、思わず紙で意思疎通をしたことを恥じているのだ。

 

「では、自己紹介をさせていただきます。―――」

 

 子供たちと対面したぬいはその後、一人一人の言葉をしっかりと見ていた(聞いていた)。音の振動も覚え、意思疎通も大丈夫であろうというほどまで親密になったのだ。

 

 対して子供たちの方はぬいの発言には紙を媒体としなくてはいけないもどかしさから音柱に読唇術を学ぶ、という目標ができた。知らぬところで仕事が増えた天元である。今まで遠巻きにされて、人と関わることが多くなかった子供たちはぬいの存在がかなり大きいのだろう。家族以外の人で友人になりえる存在だ。齢四歳の五つ子はそれがとても嬉しかったようだ。

 

 そして、しばらくして ぬいの元にあまねがやってきた。

 

「ぬいさん。任務のお時間です。屋敷にいるのに鴉を飛ばすのはどうだ、と御館様が判断され、私が言葉をお伝えします。南南西、小さな村、そこに鬼の痕跡あり。隊員、煉獄杏寿郎と共に鬼を討伐せよ。以上です。詳しい場所は鴉が案内してくれるでしょう」

 

 その言葉を見た ぬいは紙に文字を書く時間が惜しいのであまねに深々と頭を下げた後、先程まで一緒に折り紙で遊んでいた五人の子供たちにも頭を下げる。

 

 それを見た子供たちは寂しそうに、だがそれでいて流石産屋敷の子供だとでもいうように声をそろえて「いってらっしゃいませ」とぬいに言葉を掛けた。

 

 ぬいは部屋の隅に置いていた薙刀と刀、脇差の入った袋をつかみ取り、襖をあけ、縁側から外へ飛び出した。明らかに失礼な行為であるが、鬼のことをよく知っているがゆえに産屋敷家の者は許容した。寧ろそれが好ましい行為であるとまで認識していた。

 

「(夜が明けた後に炎柱邸もとい煉獄家とおっしゃっていたが、都合のいい任務があったからそれを取り消したのだろう)」

 

 ぬいは夜が明けるまで子供の護衛ごっこ(・・・)をされると思っていたが故に、この任務には驚いていた。ただ、命じられたことには意味があるのだろう、と刀と脇差を腰に装備しながらそろそろ夕焼けの時間になるであろう道を駆けていく。

 

「(どこへ行く?)」

 

 ぬいが向かっている方向は南南西ではなかった。指示通り鴉について行っているのだが、どうも向かうべき場所とは違う方へ向かっているのだ。

 

 そして鴉はついにある屋敷の前でくるくると旋回して動かなくなった。

 

「うむ! さあ! 案内してくれ!」

 

「(うわっ)」

 

 不思議そうにそこに立ち止まった ぬいは視界外からくる気配を避けることが出来なかった。完全に意識の外にあったということだろう。故にぶつかった。人がいるのはわかったが対処が遅れ、ぶつかったのだ。

 

「すまない! 君は誰だろうか! 隊服を着ているようだが!」

 

「(えっ、と。私は宇随ぬいと申します。あなたは?)」

 

「なんといっているかわからないな!」

 

「(あっ。……私の鴉は指文字がわかる鴉を頼んだって兄上が言っていたから……)」

 

 ぬいは鴉の方に体を向け、胸元のポケットから一枚の紙を取り出した。其処にはいくつかの指文字の意味が描かれている。それを見ながら ぬいは鴉に向けて”私のことを伝えて”という指文字を作る。

 

「カアアアアアア!!! コイツ、宇随ぬい!!!! 音柱ノ継子ォオオオオ!!! オ前ノ同期ィィィ!!! チナミニ音ガ聞コエナイ!!!! 読唇術ヲ身ニ付ケテイル!! ダカラ言葉ハ伝ワル!!!」

 

「うむ! 俺は煉獄杏寿郎だ!! 宇随ぬい……任務を一緒にする方だったか? 認識は間違っていないだろうか?」

 

 言葉で意思疎通ができないため、こくりと頷く ぬいに目を輝かせる杏寿郎。自分の言葉が伝わっていることに感激しているらしい。

 

「オ前、年下ァアアア!!! 敬語使エ!!!!! 俺ノ主、偉イ!!!!」

 

 ちなみに、ぬいは鴉の嘴から言葉を判別することができないため、鴉の言い過ぎは注意できない。よって、このような事故が起こる。

 

「そうか! それは失礼だったな! 敬語をこの後は使わせていただく!」

 

「ソレデイイ!!! 素直デ好マシイ!!! 俺ノ主ノ婿ニ来イ!!」

 

「婿入りは遠慮しとく!!! それと初対面の人間にそういうことを言うのは些か不安な鴉だな!!!」

 

「(何が起きている……⁉)」

 

 完全に会話の中心である本人をおいて鴉と杏寿郎の会話が進んでいると、杏寿郎の鴉が行クゾ!といい、飛び去ってしまった。それを見た ぬいは焦って手をぶんぶんと振り回す。会話に夢中になってた ぬいの鴉と杏寿郎はそれに気づき、行くか!と同時に言う。

 

 これが名相棒の誕生の瞬間である。

 

 




お願いです…!殴らないでッ!!((

以上、御館様と対面編、四歳児との対面編、杏寿郎との対面編でした。

怒涛すぎます。

一級フラグ建築士を名乗ってもいいですか???ダメですね。

ちなみにアンケート取りたいんですよね。(特に意味のないアンケートをしたいだけ)

ついでにオリ隠を募集したい。(意味しかない発言)

設定としては主人公と同期で主人公に助けられたけどお礼を言えず、自分の実力に絶望した杏寿郎より年下の男子とその男と双子の鬼殺隊に無関係だった女子。

活動報告で募集したいと思うのでそちらにコメントの方をよろしくお願いしますm(__)m

正直言うと、隠を考えていなかったッというだけなので、考えようと思えば考えます。

でも読者さんと一緒に盛り上がりたい欲があるのでッ!!!!!!!!!
是非!!!!!!!!!!!!!!!!!


では、次回、第四話。杏寿郎と一緒に鬼を討伐しに行ったよ!初任務にしてはむずすぎないか⁉をお楽しみに!!


~大正コソコソ話~

帰宅の前に読唇術教えて、と四歳児に言われた天元は仕事が増えたことに内心頭を抱えたそうです。嫁たちと一緒に教えていくことになりました。


追記:隠募集はこちらから↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=273869&uid=287146


カナエ

  • 五体満足で生きててくれ
  • 戦えない体で生存ルートだよなあ
  • 原作通りに
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