ありがたすぎます……!
感謝が天元突破……!!!
隠アイデアも感謝です!!!
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本来ならば一話で終わらそうとしてたのですが、前半までが長くなってしまって、きりがいいとこまで書いてみたんですけど、それが4843字……。前回よりはるかに少ないっす……汗
では、本編をどうぞ!
二人が着いたのは任務内容にもあったように小さな村。ただ、どこか陰気臭く、来訪者を迎えるような、そんな雰囲気ではなかった。
「……お外の人?」
「?」
まずは綺麗な夕日が落ちてしまう前に聞き込みを、と意気込んだ杏寿郎の前に健康的な一人の少年が怯えた気配で二人を見ていた。そんな彼に杏寿郎は腰を屈めて話を聞こうとする。
「うむ! その通り、我らはお外の人だ! この辺りに起きている不思議なことを解決するためにここに来た!」
「……神狩り」
「は?」
「神狩りだ!!! おじさんたち!!! 神狩りが来た!!!」
「(神、狩り……ッ)」
少年は大声で叫んだ。鬼狩りであるはずの二人に向かい、神狩りだ、と言いながら。すると、少年は態度を一変してにこにこと笑って二人を見上げる。その急変に警戒心を高める二人だったが、少年から発せられた言葉はそんな心配とは無縁の発言だった。
「……お外も暗いです。鬼が出てきましょう。泊まれる場所まで案内します」
「……行くしかない、か」
まだ、夕日は沈んでいない。血鬼術で操られているのなら、日のある刻には支配が嫌でも外れる。そのため、二人は為す術無く少年の案内の元、村で一番立派であろう家に案内される。いや、この家が村にあるのがおかしいぐらい立派な屋敷が目の前にあった。村の家々に隠されていて、一般的な街道からの村の入り口からは全く見えなかったのだ。
その屋敷からは隠す気がないほどの鬼の気配がするのだ。
「ここは村の守り神の屋敷です。僕らの家でもあります。他の家じゃ、鬼に襲われちゃうんだけど、ここだったら大丈夫なんです。だから客人はこっちに通すように言われてて」
「ッ。ありがとう! では我らはここで休もうか!」
杏寿郎の言葉に頷くぬい。これ以上の詮索はやめた方がいいとの判断だった。
部屋に案内されても緊張感が解けない二人は鬼の監視があるこの屋敷で作戦会議ができるはずもなく、このままでは無言のまま決戦の時を迎えてしまう。そんな危険な状態で戦い、ましては初の共闘に挑むのも無理があると判断したぬいは懐から紙と天元に買ってもらった鉛筆を取り出した。
『私は耳を除く他の感覚器官が人よりも遥かに優れています。そのため、人の感情が手に取るようにわかるので、してほしい行動など細かいことはわかりませんが、伝えたいことがありましたら、強く考えてください。私が合わせます』
「⁉ それが噂に聞く超高級品の鉛筆か⁉」
『そうですが。とりあえず内容は把握していただけましたか』
「うむ。把握はできましたが、貴女の鴉に怒られてしまうので、貴方は敬語を外していただけると!」
鉛筆に驚かれ、敬語を使うなと言われ、いったいこの紙に書いてあることは本当に把握できたのかと不安になるぬいだったが、一呼吸おいて、紙に言葉を書き連ねる。
『わかった。敬語を外すとどのように話したらいいかわからないから、兄上の口調を真似するが、いいか』
「敬語を外してくれるなら別にいい! です!」
「……失礼します」
そんな最中、二人の男が彼女らのいる部屋へと入ってきた。その手には少し冷めている質素な料理があった。決して客人に出すようなものではないといえるだろう。
そしてその男達をはじめとして服を持ってきた女も現れる。
だが、入ってきた男女は全員初めに見た少年と比べ物にならないほどやせ細っていてどこか虚ろだった。
はっきりと言おう。二人はそれが不気味でたまらず、与えられたものには触れもしなかった。
一人の男はぶつぶつと何かつぶやいていて、女は息を荒くしてなぜか顔を赤らめている。もう一人の男は頭を下げたままずっと助けてくださいと呟いている。
人は増えていくばかりだった。
『囲まれていることには気づいているか』
「さすがに視界内にいるやつのことを言われてもな! 把握しているとしか言えないですがね!」
食事を運んできた男達が。召し物を置いてきた女が。紙で会話している内容が危険すぎないことから無視をし続けていたが、流石に誰も部屋から出ていかないとなると危険視する。
戦闘は突如として始まった。
「ッ⁉」
「(やはり、か。操り人形のように人間を使う鬼。……厄介でしかない。……声が届かないのは些かやりずらいな)」
周りの人間が一斉に刃物をもって二人に襲ってきたのだ。二人は刀を鞘から抜かずに彼らを気絶させていく。それも面倒になってきたころ、襖から一人の男―――鬼が入ってきた。
「いやあ、ようやくあの女に頼り切りで強かった夫婦鬼が殺されたんだ。しかも、鬼狩り見習いに殺されたようだったね。無様だなぁ。だから俺があの二人の分まで鬼狩りを殺してあの方に献上したんだ。そしたらね、そしたらね、空席になったあの夫婦鬼の席に俺と俺の子供を鬼にして入れてくれるとおっしゃったんだ! だから、俺はその間にもたくさんの鬼狩りを狩ろうって思ってね? 新人っぽい君たちを雑魚鬼を使って誘き寄せたってわけ。わかる? 俺に嵌められて敵うはずもない鬼の元に君たちは来ちゃったんだ」
「うるさい鬼だな」
「(振動が不快、しゃべるな)」
豪華な着物を着た鬼は両目を前髪で隠していた。だが、ちらちらと見えるその瞳の色は黒曜石のような漆黒。本来白目であろう部分まで黒かった。
「ふふふ。俺はそこらの雑魚鬼と格っていうものが違うんだ。そうだね、例えば血鬼術。大人たちは俺の言いなりだよ。最近巣にしたばかりだから血鬼術を使わなきゃいけないのが癪だけど、丁寧にやらないとね? 足元が掬われるのはごめんだ。でも、時間を掛けるほど、俺の巣は確固なものになる。信仰は集めるんじゃない。自然にできるものでもない。なら、どうすればいいと思う? まずは外から人が入らず、出ていかず、のところに巣を構えてね? そして、忙しい親の代わりに俺が子供育ててあげるんだ。大人には酒と称して俺の血を混ぜた水を。子供には楽しい遊び場と食事を。そして、そこでの常識をあの方と俺を絶対にしてくみ上げればいい。何年か経てばそこは立派な巣だ」
「……ッ」
「そうそう。大人たちはね? 反論していくんだけど、俺の血でだんだんと逆らえなくなっていく。太陽光も嫌いになっていく。そして夜しか行動しなくなる。……つまり、鬼役さ」
「は……?」
「そして俺が殺してあげるんだ。そしたら子供は鬼を怖がり、俺は人を食える。多少まずくても子供のためさ」
「(……ひどいな)」
「そして俺に信仰的だった子供も大人になっちゃうだろ? 外へ出すんだ。そして酒を成人の儀としてあげる。そしたら、その血に刻まれている通りの行動をするんだ。昨日まで家族だった女と日中連夜子作り。女の方は面白いからその行動は刻まないんだけど、男の力に敵うはずもなく、されるがままで苦痛も快感に、ずぶずぶと破廉恥になっていく。妊娠してもなお、快楽に抗えなくなるんだ。それでまあ――――――そういう風になったら子供を産む前に食ってあげるんだ。言っただろ? 痛みも快感になるって。最終的に耐えられた母体だけが永遠に子供を産む機械となってもらうんだ。そして最終的にはみーんな鬼役でがぶり。ほら。完璧だろ? ―――子供は宝だ。ずっと育ててあげよう。だが、大人は? 子供だけでいい。子供を落として消えるだけの道具さ」
ぬいはそんな鬼の発言を見て、子供に執着するその姿にどこか既視感を覚えた。それはある家で住み込みで働いていた時に読んだ本に書いてあった話だ。
「俺は子供だけの世の中を作るつもりだ。実験でいくつか村を破壊せざるを得なかったが、それもまた良し。俺の子供は過去最高の出来になっているのだから」
「……お前の考えに同意する点もいくつかなくはない。強き者は弱き者を守る責務がある。……だが、お前はそれに大人を入れていない。ましては毛嫌いしている。そんなに子供が好きなのか」
「ああ。特に処女は美しい」
ずっと思案していたぬいは情報をようやく整理し終える。
その鬼には長い角が生えていた。そして、その鬼は処女を好んでいる。
ここまで情報が集まれば十分だと判断したぬいは刀を腰に付けなおし、袋から先程もらった消炭色の薙刀を取り出す。
ふつうの薙刀は一方の末端に刃物がついているが、ぬいの持つ薙刀は両末端に刃物がついていた。
「(さっさと殺す。お前の振動は不快だ。それと、語りすぎだろう。口を閉じろ)」
「……ああ、さっき紙に書いていたね。確か、耳以外の感覚器官は優れている、だったかな。君は処女だけど、体はもう大人だな。惜しいが消えてもらおうか」
杏寿郎に説明している時間がないな、と思ったぬいは単独で鬼に切りかかる。しかし、それは操られている大人たちに阻まれる。
「厄介すぎる!」
「ふふふっ! この屋敷に久しぶりに大人を入れたんだ! 不快だ不快! さっさと死んでくれないと不快だ! 気持ちよく殺しておくれ!」
せっかく刃を晒したというのに襲ってくるのが人間であれば結局先程の二番煎じ。意味がまるでない。ならば、相手の使えない、こちらを攻撃できないものを使えばいい。そう判断したぬいは天元特製の正露丸みたいな爆薬を取り出す。
「(私は宇随ぬい。音柱の継子。ならばやるべきことは一つ。派手に! 爆発!)」
ぬいは人のいない方、そして隣の部屋に誰もいないのを肌と匂いで感じながらその爆薬を投げて、薙刀で切りつける。
―――音の呼吸 肆の型 響斬無間
ドンッと大きな音が響き、立派な屋敷の壁が破壊される。弾ける爆弾の中には煙玉も混じっており、辺りは一面真っ白になった。
「何をしているのですか!? 危険です!」
「(―――祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛きものも遂には滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ)」
肌からびんびんと感じる杏寿郎の驚きと怒りの感情。煙の前には視界が消えて、普通なら音に頼らなければいけないが、ぬいにはそのようなことはできない。杏寿郎の言葉はわからないし、なぜ怒っているのかも想像がつかない。
彼女は杏寿郎の位置を空気感で把握し、襟首を引っ張り、人のいない隣の部屋から外に出て屋敷から遠ざける。そしてそのまま村の外へと杏寿郎を誘導した。
あまりに急なことで驚いている杏寿郎を置いといて、ぬいは元居た方向に薙刀の刃を向ける。
「(―――お前の栄華は終いだ。爆風の前に消えろ。一角獣を模した鬼め)」
村の入り口から出てきたのは先程の前髪の長い一本の角を持つ鬼ではなかった。
そう。まるで容姿は一角獣―――西洋風に言えばユニコーン。
ただ、少しだけ開いている口から鋭い牙、そして先程まで生きていたであろう男の腕があるという野生に生きる一角獣あるまじき格好であった。
「お主、その姿に戻るのはいつ振りかのう? 約束の時間になっても若い女子を連れて来んから様子を見に下山してみたら二人の鬼狩りに殺されかけておる。愉快じゃ愉快。儂のが先に十二鬼月になれそうじゃなあ?」
「これから戦闘するんだよ。勘違いするんじゃないね、糞爺」
「援護するか?」
「ふざけんな。お前を先に食うぞ」
「まあまあ。確実に殲滅する方が飯もうまいじゃろ?」
「……チッ。勝手に笛でも吹いてろ糞爺。犬は出すな。出したら俺が食う」
「わかったわかった、糞餓鬼」
そこに現れたのは笛を持ったしわくちゃな老人鬼だった。誰が周辺に鬼が一体と言ったのだろうか。そう。誰も言っていない。一角獣鬼と同じくこの老人鬼も十二鬼月級だと自分で言っている。確実に厄介な手合いとなってしまった。
「……厄介すぎるぞこれは」
「(……笛ならば私の相手だな。今のうちに紙を)」
「何しようとしてるのかなぁ? まあ、先手必勝だよね。男は殺して処女は食っちゃおう」
人を操る一角獣鬼と正体不明の笛を持つ老人鬼。それに相対するは将来有望の新人の隊員二人。片方は炎柱の本来であれば継子。もう一方は十二鬼月をすでに倒している隊員で音柱の継子。
「(やるしかないだろう)」
「……だが、俺は俺の責務を全うする!」
本番はここからだ。
最後の老人鬼、無限列車編の映画を見た人なら……覚えがあるかも?です。
本来ならば、歯車の犠牲者になってたとこなんですけど、直前で入れよう、と。
まあ、そのせいで伸びたんですけどね。
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鉛筆一本この時代では現代の価値で3000円以上する上、高級官僚などが使っていたみたいです。天元のコネクションと財力よ……。
~大正コソコソ話~
ぬいは、いらいらしつつ、この鬼の話し方、教祖様に似てるな~って思っていたみたい。
誰?????
カナエ
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五体満足で生きててくれ
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戦えない体で生存ルートだよなあ
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原作通りに