スタートダッシュで出遅れて6番煎じくらいになったうすうすハリボテ小説です~。
基本アニメ設定で書いていきますが、時々独自解釈も入ります~。
ご了承ください~。
――続く7番ゲートは『ゆーえむえー』! 茶色の肌に四足歩行! 巨大な犬のようなオリジナルの怪物姿で出走です! こちらジェシー兄妹が一週間費やした手作り仮装! 出走者も同じく二人三脚です!
『二人ではしれば、ウマむすめよりもはやい!』と力いっぱいのコメントを頂いてます!
そして8番ゲートは皆さんご存知、メジロティターンさん! 秋の天皇賞を制覇した現役ウマ娘です! 今回○△小学校の運動会に特別に参加して頂いております! 小学生の皆さん、頑張って挑んでみてください!
さぁ◇△小学校春の運動会、400m走! 各選手一斉に……スタートを切りました!
まず先頭を駆けだしたのは『ゆーえむえー』!
速い、速いです! 小学生とは思えない健脚! ジェシー兄妹のぴったりと息のあった足運び、これはコメントに偽りなしでしょうか!?
『ゆーえむえー』、様々な姿に扮した小学生達をごぼう抜き! なんとメジロティターンさんすらも抜いて先頭をひた走ります!
あっという間に第一コーナーにさしかかりました! いまだ先頭は『ゆーえむえー』、視界も限られる仮装の中で一糸乱れぬ見事な動きで最後までいけるのか――っと、挙動が怪しいぞ! ダンボールの体が、体がねじれっ……千切れてしまったぁ! 『ゆーえむえー』転倒! 大きくもんどりうちましたがジェシー兄妹大丈夫でしょうか!?
………………
…………
……
◇△小学校春の運動会! 1位は『ニイガタテイオー』の●●君! 2位は『ウイスキーピーク』の△△君! 3位は『ミギワホーム』の××ちゃんでした!
序盤で転倒してしまった『ゆーえむえー』のジェシー兄妹は惜しくも最下位でしたが、最後はメジロティターンさんに肩を借りながらも一緒にゴールをする事が出来ました! 皆さん、盛大な拍手をお願いします!
『惜しかった……惜しかったね。でも最後まで頑張れたね、二人ともすっごく偉かったよ』
『っ……うっ、う゛んっ』
『……ぐすっ……ぅうーっ』
『お姉さん二人の速さにびっくりしちゃった。このまま負けちゃうかと思っちゃったよ』
『……けないもん』
『?』
『次は……ぐすっ、次はぜったいに、お姉さんよりも、ウマむすめよりも……だれよりも、だれよりもはやく走ってみせるもん!』
『! ……そっか。それならまた一杯練習しないとね』
『……うんっ……!』
『れんしゅうするもんっ…! お兄ちゃんと、いっしょに……!』
『今度は転ばないように頑張れる?』
『できる……!』
『できるもん……っ!』
『うん! ならお姉ちゃん、二人のこと待ってるからね。今度は一緒に勝負しよう……私も負けないからね!』
『『……うんっ!!』』
『おにいちゃん、ぜったいに、次はぜったいに負けないようにしよ!』
『あぁ、こんどはぜったいに、まけない! ふたりで、勝つんだ!』
§ § §
「ウマ娘のお化けがいる!?」
「そーなんですヨ!」
幽霊は怖くないけど殺人鬼とかはちょっと怖い、『怪鳥』の異名を持つ実力派ウマ娘、エルコンドルパサーの声が大きく響いた。
トレセン学園*1、その育ちざかりのウマ娘の食を一身に担う巨大食堂。一画を囲うスペシャルウィーク、サイレンススズカ、グラスワンダーは彼女の話に驚きを隠せなかった。
「エル。そんなの居るわけがないでしょう」
「グラス~、ところがどっこいなんですヨ! 出所は分からないんですが、最近至る所でこの話題で持ち切りなんですヨ? ワタシとしては興味津々で仕方ないデース!」
大盛り鶏唐揚げ定食に持参したデスソースを満遍なくぶちまけながらエルは吠え、グラスは自分の焼き鮭セットにかからないように退避する。手慣れた動きであった。
「で、ででで、でもでもゆ、幽霊なんて……ねぇスズカさん! そんなの居ないですよね!?」
「……うーん」
チョモランマもかくやと言わんばかりのご飯の山+超盛り人参ハンバーグを食すスペシャルウィークは
「スペちゃん……それはあるウマ娘が夜遅くまで練習をしていた時の事なんですヨ……!」
「ひぃっ!?」
スペの反応に気分を良くしたエルコンドルパサーが朗々と語り出す。
「負けられないレースが迫る中、ついつい熱が入ってしまい、気が付けば草木も眠る午前二時……! 流石に早く帰らないと、と思ったその時……! 誰も居ない筈のグラウンドで誰かが走る音がするんデース……!」
「そして怪しがって見に行ってしまったのが運のツキ……! なんと、真っ暗闇なグラウンドに首のないウマ娘が黙々と走っているではないデスか……!」
「あまりの恐怖に動けず、早く逃げないとと思うその娘……しかし! うっかりと物音を立ててしまって幽霊に気付かれしまうんデース……! アススタード!*2」
脅かす気満々でおどろおどろしく語り続けるエル。
スペは既に隣の座っていたスズカに無意識に体を寄せており、スズカはと言えば黙々と頷きながらスプーンを口に運んでいた。
「そしてその首のない幽霊はしわがれた声で言うんデース……『勝負シロ~~……勝負シロ~~……!』 徐々に近づいて来る幽霊にその娘は動くことが出来ず、強制的に勝負を挑まれてしまいマース……!」
熱演に力が
「どうやら種目は必ず短距離1000mレース。その幽霊は実力はそんなになくて、普通に追い抜けるみたいデスが……もしも、もしも幽霊に負けてしまうと――」
「ま、負けて……しまうと?」
「――その首を取られてしまうそうデースッ!!」
「ひゃあぁぁっ!!!?」
急に立ち上がったエルの勢いに圧倒され、自然と前のめりになっていたスペはけたたましい悲鳴と共に椅子ごとひっくり返ってしまう。そして食堂中の注目を浴びた結果、エルはグラスに『すぺんっ』といい音で頭を叩かれ、食堂の皆にも頭を下げる事になったのだった。
「エル。スペちゃんにも謝りなさい」
「ごめんなさいデース……」
「よしよし、スペちゃんよしよし」
「うぅぅぅ……ひ、酷いですよエルさん……!」
頭を押さえながら謝るエルに、スズカに
ただでさえ普段はトレーニングの事、レースの事、学業の事(そして体重の事!)を気にかけている悩み多き乙女であるのに、加えて幽霊の事まで気にしないといけないなんて溜まった物ではない! そんな抗議の視線に流石に申し訳なく思ったのか、エルは継ぎ足すように語り出した。
「でも実際の所、この話は根も葉もない噂でしかないデース。首を取られたウマ娘なんて居ませんし、第一スペちゃんならきっと勝てると思ってマスから!」
「エルの言う通りよスペちゃん。本当の話なら事件になってもおかしくないし、そもそもの話、勝負を仕掛けられても逃げればいいだけよ」
「エルちゃん、グラスちゃん……ほ、本当の本当に大丈夫なんですか?」
未だ信じ切られてないスペ。ちらりと縋り付いたままのスズカに目を寄せれば彼女は微笑みと共に「スペちゃんなら大丈夫よ」と頷く。
「だってスペちゃん、夜更かし出来ないでしょ? そもそも幽霊さんに出会えないと思うわ」
「す、スズカさんっ!?」
食卓に笑いが起こり、いじけるスペに全員がおかずを提供して機嫌を取るという一幕があった中、サイレンススズカだけは、その場限りの噂話を思案し続けていた。
(幽霊さん……どんなウマ娘なのかしら。首がないと凄く走り辛そうだけど……)
そんなスズカ特有とも言える何処かしらズレた懸念は、しばらく彼女の心の一部を占める事となるのだった。
§ § §
「――ふっ……はっ……ふっ……はっ」
静寂の
それも次なる目標であるG1レース、宝塚記念に向けてのトレーニングではなく、ただの気分転換が目的だった。
スズカは走る事が大好きだ。
誰かと競い合う事を抜きにしても、両足で地面を蹴り、風そのものになって、窮屈じゃない空間、広がる景色を一人占めする。それが何よりも好きで、そんな光景を見せてくれる『走る』という動作は彼女にとって全てだと言っても過言ではなかった。
気分が高揚すれば走りたくなるし、不安な気持ちであっても走りたくなる。
どんな時でも『とりあえずは走りたい』という気持ちが抑えられないスズカは、本当はいけない事だと知りつつも、寮の皆が寝静まったのを見計らってちょくちょく走り込みに出ていた。
「ふぅ……ちょっと、遅くなっちゃったかな」
季節は4月。満開に咲いた桜の道を美しい夜空と共に堪能してすっかり気分が乗った彼女は、自分が相当遅くまで走っていた事に今更気が付いた。
近くにあった時計台はとうに日付をまたぎ、間もなく2時を回ることを示している。
早く寮に戻られねば。そう考えて
『ターフ*3を走るウマ娘の幽霊』
――曰く、レース中に転倒し、首を切断する大事故で亡くなったウマ娘の霊。
――曰く、まだ自分が生きてると勘違いしてターフを走り続けている。
――曰く、自分の首の代わりを探して
まことしやかに
知っている娘達の反応と言えば「怖がる」「面白がる」「一蹴する」の三極に分かれるのだが、かく言うスズカはそのどれとも異なる反応を見せていた。
(ちょっと怖いけど……もし本当に居るなら話しかけてみたいかも)
何せ彼女は一人で走るのが大好きな孤高の先頭民族*5である。
ひとたび『自分と同じ、夜中に一人で走るのが大好きなウマ娘』というイメージを思い描いてしまえば、きっと共感多き同志であると言う身勝手な想像を抱いていた。
加えて、スズカは皆が恐怖の
(首がないと景色が見れないから走り辛そう……どういう風に走ってるのかしら?)
気付けば彼女の足は学園に向かいつつあった。
寮を通り過ぎ、気配の絶えた通学路を往き、硬く閉じられた門をぴょいと飛び越えた時には、もう彼女の足取りは迷いもなくなっていた。
普段は喧噪でごった返す学園が静寂で満ち満ちている光景が予想外に面白く、少し鼻息荒く進んで行けば……程なくして行き慣れたグラウンドへと辿り着いていた。
「わぁ」
スズカは昼とは全く違う様相を見せる馬場*6に興奮を隠せなかった。
夜間練習の時にはしっかりとライトで照らされたグラウンドはその全てが暗がりに落ち、月だけが唯一の光源となっている。光が届かぬ場所はまるで黒い
何百、何千回とこの馬場を走ったのに、こんなに違った景色があるなんて――感極まったスズカは、ふらふらとコースへ近付いていた。
広漠なグラウンドは月明かりで薄っすらとその全貌を見せ、今にも消えてしまいそうな
耳に痛いほどの静寂に包まれたターフを前にし、最初は恐る恐る歩くだけだったスズカの足は、徐々に速度を帯びていった。
暗闇は恐ろしいがこんな未知なる光景を前にして足を止めるなんて、スズカは勿体なくて出来なかった。
全速力とは程遠いスピードで、薄闇に包まれたコースをゆったりと走ってゆく。
「……はっ、はっ、はっ……はっ……!」
夜空には半分に欠けた月と散らばった宝石のような星の輝き。
冷え込んだ空気を吸うたびに、まるでミントガムを嚙んだような爽やかな感覚が走り、湿気を帯びた芝と土の香りがレースの高揚感を思い出させる。
楽しい。楽しい。楽しい!
スズカは自然と笑みを浮かべながら走ることを辞められない。
既に頭に幽霊の事は無く、この光景を独り占め出来る喜びをもっともっと噛みしめたい――そう思えたのは第二コーナーを過ぎさるまでの話だった。
「……はっ……すっ……はっ……はっ……?」
途中。スズカは無人のコース上に何かの存在を知覚した。
ちょうど自分の数百メートル先だろうか。暗がりの中、薄ぼんやりと光る何かが居る。
その光る何かは丁度自分と同じくらいの大きさで、そして自分と同じく走っているのが同時に分かった。
相手のスピードは軽く流している自分より遅く、すぐにでも
(もう間違えようがない――ウマ娘だわ)
互いの距離が10馬身を下回った所でスズカは確信する。
うっすらと光を放つ存在は自分と同じジャージ姿で、尻尾を風にたなびかせながら走っている。
同じ背丈だと思っていた部分は相手の足から胴体までで、そのウマ娘には本来あるべき頭が
スズカは流石に寒気を感じていた。
あの娘を追いかけるのは勿論、追い抜くのもきっと良くない事が起こるだろうと薄々感づいていた。もしも相手が振り返った時、私の身に何が起こってしまうのだろうか。
嫌な予感に
「……っ」
事ここに至ってスズカはようやく自らの行いを後悔し出していた。
どうして大人しく寮に戻らなかったのだろうか、私のあんぽんたん……自らを責めながら、この先どうなってしまうのかを思い出す。確か、見つかってしまうとその娘は――
「……勝負……してくれ……」
しまった。そうだった。勝負を仕掛けられるんだった……!
怖くて顔を上げられずに
限られた視界の中、ジャージの上からでも分かる、細身だがアスリート然とした筋肉質の体が見え。荒い吐息が上方から漏れてくるのが聞こえてきた。
ここで首を左右に振れれば、そして逃げ出す事が出来ればどれだけ良かっただろうか! スズカは自分の意思とは真逆に振り子のように
「……勝負は、1000m……。ここから、丁度向かいの2つ目のグリーンウォール*8まで……。合図は自分が出す……」
「……」
あれよあれよと整っていくレースの準備。その内容も噂と違わぬモノなので、より一層恐怖が
あぁ私はこの勝負に勝てないと首を取られてしまうのね……と泣き出す気持ちはとうに超え、既にスズカは
今までずっと首を取られないように俯きがちだったスズカはレースに備えて首をもたげ、少し離れて隣に立つ幽霊を仰ぎ見たのだが――その時、不思議な事に気付いた。
(……? 首がない訳じゃない……? 代わりに何か
未だ暗闇であるためはっきりと見えていないが、この娘が見たことのない動物の被り物をしているのは間違いなく、今まで首が見えないと思っていたのは首から上が闇に溶け、それ以外が光っているせいだとスズカは理解した。その不思議な頭のお陰で、彼女の中で占めていた恐怖は今や半分くらいは困惑で満たされていた。
「首……あるのね。貴方」
「……? 始めるぞ……」
疑問を浮かべる幽霊に対し、慌てて構えを取るスズカ。
彼女のスタイルは一般的なスタンディングスタート*9の体勢から更に前傾となった姿勢。一流のスプリンターたるサイレンススズカは地を這うように走る事でも有名で、彼女の追い求める大逃げを実現させるのに最適な構えでもあった。
そして対する幽霊の体勢はと言えば……両手を地面につき、腰を上げるようにしてスタートを待つクラウチングスタート*10であった。
スズカはまたも困惑する羽目になった。
確かに陸上競技ではよく見られるこの体勢はスタンディングスタートよりも早く、安定したスタートを切れるのは間違いない。だが、ウマ娘達のスタートは必ずゲート*11を挟む。
一時的に押し込められた狭い空間から最速で飛び出すためにはクラウチングの体勢は不適と言わざるを得ず、ウマ娘であるならば使わない走法であると教えられてきた筈だが――
しかして困惑をする余裕も十分に与えられず、非情にもカウントが切られてしまう。
5から始まった幽霊のガラガラ声は宵闇の馬場によく響き渡った。
4――
3――
2――
1――
スズカの体勢がより前のめりに。
幽霊の腰も上がり、両者の溜めていた足のバネが、今まさに解き放たれようとし――
「――スタートッ!」
「!!」
――とうとう勝負が始まった。
恐怖に飲まれかけていたとはいえスズカも伊達にレースは経験していない。彼女は合図に完璧に応え、淀みなく走り出していた。
流石に暗闇の中で走った経験がないため全速力は出す事は出来ないが、程よい月明かりと夜目が利いてきたお陰で今のところは順調だと言っても良かった。
後ろでかき鳴らされる、足音とは全く違う空き箱のような音に違和感を覚えながらも、スズカは一心不乱でコースをひた走る。
(……スタートダッシュは私に分があったみたい。あとはこのまま先を
スズカの常勝パターンともいえる『逃げ』の戦法がかちりとハマった時、これを
彼女の極限の集中力は走る事にのみ全集中することを可能にし、
既に第一コーナーを越え、第二コーナーに差し掛かった中盤から後半へ移るレース展開。仕掛けてくるならそろそろだろう、と独走する彼女が後ろに続く幽霊を見ようと振り返ったのだが――そこでスズカは、本日何度目かになる驚愕に見舞われる事となった。
(……い、ない――? どうして――っ!)
何故なら後ろには
今しがた第二コーナーを過ぎさった後半戦、左を振り返っても右を振り返っても暗闇が広がるばかりで追い抜いた筈の幽霊の姿はどこにも見当たらない。また、左右から抜かれた気配など
ありえない、ありえない、ありえない。
もしや幽霊だから気配を消せるのか? だとすれば、私はとうの昔に抜かれていたというのか……!?
困惑から自然とペースが上がっていく。浮かんできた焦燥をかき消さんと、見えない相手を追い抜こうと、スズカの足は今までにない速力を発揮していた。
ゴールまで残り4ハロン。*12
闇に染まったハロン棒*13が冷たく見下ろしてくるような錯覚を振り払い、スズカは春風となってコースを駆け抜ける。
もう事この段階ではスズカは風景を独り占めしたいと言う気持ちは微塵も沸いていなかった。首を斬られたくない、まだスペちゃん達と、心行くまで走りたい……! その思いで胸を一杯にしながら走って、走って、走って――!
(ゴール……っ!)
ゴールラインになりふり構わず飛び込び、そして、すぐにその場で膝をついた。
無様な事に、スズカの心臓は破裂しそうな程脈打ち、呼気は聞くに
(私は負けてしまったのかな……、私の首、取られてしまうのかな……!)
自分の実力不足が死因だなんて本当に笑えない。あぁ興味本位で学園を覗きに何て行かなきゃよかった……! 心底の後悔に、涙を流しそうになったスズカが恐る恐る周り見回すのだが……、
「……え?」
待てども待てどもゴール地点は自分一人だけ。きょろきょろと周りを見回しても耳元をくすぐる風の音以外に何も聞こえてきやしないし、誰の気配も感じ取れない。
「ひょっとして……勝てた……のかしら?」
へたり込んだ姿勢のまま
はっきりとした勝利の余韻も感じ取れず、自分の沙汰は一体どうなるのか、命拾いしたという判断でいいのか迷っていると、初めて何かの物音を捉える事が出来た。
「――そこに誰かいるのか!?」
ライトと思しき光源をチラつかせながら近づいてくるのは警備員。
流石に天下のトレセン学園は無能ではなかった。夜中なのにターフの上でへたりこむスズカめがけて一直線に飛んでくる。だが肝心かなめのスズカは別の所を見ていた。
(……幽霊さん。どうしてあんな所に?)
ゴールから大分離れた第一コーナー周辺、そこから逃げだそうとする幽霊を彼女は捉えていた。
※この小説を書くに至って、タイトルやストーリー様々な方にご協力頂きました!この場を借りてお礼申し上げます! 本当にありがとうございました!
・梁山泊 様 ・Libby 様 ・慎 様 ・ひよこがはら 様
・ふば 様 ・お茶べり:パンナ 様