東方不動語 〜岸辺露伴の幻想入り〜   作:佐々木邦泰 

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やっぱヘブンズドアーってチートスタンドだよ。
今回は長めです。
感想と誤字脱字報告よろしくお願いします。


幻想郷の奇妙な事件簿 第十話

「仕方がない。鳥井さんを探すのを手伝ってやるよ。どーせ慧音くんが家に泊めてくれるし、仕事もあるから一ヶ月ぐらいお世話になってもいいだろ」

「露伴............奥さん、自治組織に訴えは出したのか?」

「はい...妖怪に喰われてしまっていては意味を成しませんが...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜。少し早めの夕食と風呂をいただいた。タダ飯食わしてもらっといてなんだが、味付け薄くないか? 風呂もぬるいし。もしかして高血圧だったりして...? 上白沢慧音は紹介したい人物がいるといい、呼んでくると出て行った。

一方、露伴は険しい顔で昼間出会った鳥井妻の言葉をゆっくりと反芻していた。

(何か...不自然だ。しつこいほど妖怪と人里の外という単語が出てきたぞ。何か隠しているんじゃあないか? まあ考察材料があまりにも乏しいし、何より天国の扉(ヘブンズドアー)を使ってもいいんだが、八雲紫の言うように、ここは妖怪と人間、神々が住まう楽園。当然半妖とされるものもいるだろう。そいつがなんらかの能力を持っていないとも限らない。やはり人前で使うのはリスクが大きい。こいつでケンカなんて吹っかけられてみろ。先手必勝の天国の扉(ヘブンズドアー)は能力に大きくパワーが割かれていて、スタンド自体の破壊力は強い訳じゃあない)

地道にやるしかない。スタンドはいざというときの切り札だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな露伴。紹介しよう、私の友人藤原妹紅だ」

「こんばんわ〜。あんたがけーねの言ってた外来人の漫画家だね? よろしく頼むよ。うわぁ早死にしそうな顔。んでもってすごい偏屈そー」

「ああこちらこそよろしく。君の失礼な態度は大目に見るとして。君の名前で判断すると君の父親、藤原不比等だろ? 日本史の重要人物だ。確かかぐや姫にも出てきたな。いや、倉持皇子のモデルか?」

「いきなり質問攻めか。けーねが言ってた通りだな。確かに私の父親は藤原不比等だ。それに実際にかぐや姫ならいるぞ。この幻想郷に。何なら輝夜とは、殺し合いの仲だ」

何を言ってるんだ...? こいつイカレてるのか? それに殺し合いだって? このガキが? かぐや姫って空想のお話だろ? いやいやいやいやいやいや。

「信じられないって顔してるな。私は老いることも死ぬこともない程度の能力を持っているんだ。だから今日に至るまで、生き続けているんだ。いやいやほんとだってば」

...幻想郷では常識に囚われてはいけないと言うことを露伴はすっかり忘れていたのだった。

「ああ、ぜひ輝夜とやらに会ってみたいな。ぜひ君にも取材がしたい。都合をつけて何度でも取材に行きたい。楽しみだ」

なにを聞かれるんだか...妹紅は少し寒気を覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このクソカスが。わしの娘の邪魔をしおって。まあ良い。焦らずにじっくりやっていけば良い。妖怪どもに支配された世界じゃ信頼できるのは金と娘だけじゃ。そうじゃろ?」

ひひひと笑う何者かの下衆な笑い声。

グググという音と共に起き上がる巨体。

その声は闇夜に消えていった...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝。朝食を三人で食べて鳥井さんの行方を調べるため会議をしていた。

「なあ露伴。鳥井さんがどこへ行ったかどうやって探すつもりだ?」

「地道に聞いて回るしかないだろう。幸いなことに幻想郷はかなり閉鎖された空間だ。あせらずとも、すぐに見つかるだろうさ」

まあそうだ。と慧音と妹紅はうなずく。

このなんの変哲もない行方不明事件。鳥井さんが高齢だったこともあり、徘徊でもしているんじゃないか? とノンキにいう2人。しかしと続けて露伴が言い始める。露伴は険しい顔をしていた。

「今回のおかしなポイントはふたつある。ひとつは行方不明の期間が長すぎることだ。ふつーに考えたら三日くらいで見つかってもおかしくない。こんなど田舎の閉鎖空間ならな。ふたつ目に鳥井さんが居なくなった時期と奇妙な鈴が鳴り始めたのがほぼ同時期と見ていいことだ。都合が良すぎる」

「露伴。君は鳥井さんが誘拐されたとでも言いたいのか?」

「あらゆる可能性は考慮しておくべきだぜ。特に正体の分からない異常なものに対してはな」

「なにか知ってるのか? 露伴?」

「あのばーさん。なにか隠してると思う。慧音ちゃん。君は人里の守護者だったな。そんなヤツが折角家に尋ねて来たんだ。ふつーお茶ぐらい出さないか?」

「向こうにも事情があるんだろう。お茶ぐらい...」

「家の中に入ってほしくないとか?」

「お前! 鳥井さんの奥さんを疑うのか!?」

慧音は声を荒げる。

「可能性さ。それに僕だってこんなことしたくない。だが人間は皆生まれ持った性というものがある。外の世界には女の手に異常なほど興奮を覚えるヤツがいたよ」

「...人を疑うのは気が進まないな。」

「いざとなったら、無力化は容易だ」

露伴はこの2人なら自身の秘密を話してもいいと思っていた。

「なに言ってんだおまえ? 無力化? 何か能力を持ってるのか? おまえ! 早く見せろよ!」

幼い子供の様に目を輝かせる妹紅。

「...君たちには教えてやってもいいぜ。特別にな。天国の扉(ヘブンズドアー)

「「なっ...!」」

2人の体が本になる。

「これは僕に備わった能力だ。カミサマってヤツが普段から頑張ってる僕にプレゼントしてくれたんだろうな。だから矢に選ばれた。八雲紫にもこの能力は話してるよ。もっとも口外すれば焼身自殺するように書き込んで命令しているけどね」

「相手を本にして命令させる程度の能力か。面白いな」

くっと噛みつきそうな顔で妹紅が言う。

「正確には、対象を本にして体験や記憶を読む能力だ。ページの余白に指示を書き込めば、その指示通りに行動しなければいけない。記憶改変。能力改変。行動制御。これが僕の能力だッ! 君たちにも八雲紫と同じ安全ロックをかけさせてもらうよ。『私は漫画家岸辺露伴の能力について口外しません。した場合には焼身自殺します。』」

両手に筆を持ち、同時に書き込んでいく露伴。人間離れした左右同時筆記。

「外の世界は物騒でね。個人の能力が知られることは死と同義なんだ。すまないね。...ああ妹紅くん。君には書き足しておこう。『岸辺露伴の書き込みの能力による死亡には、不死の能力は発動しない』っとこんなもんでいいだろ」

 

「この恨みは忘れないぞ。露伴」

妹紅は睨みを効かせる。があっけらかんとした様子で露伴は言う。

「君が僕の敵になるかもしれないだろ? だったら鎌くらいかけておくさ。当然だよ。そんなこともしないくらいここは平和か? さあ行こうか。あのばーさんの正体を暴きにな...」




次回は早く出す!
いつになるやら...まあ気ままに待っててくださいね。
アンケートもよろしくね。

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