東方不動語 〜岸辺露伴の幻想入り〜   作:佐々木邦泰 

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私は学生時代、量子の研究をやっていましたが、今になって考えてみると、医学というのも面白い学問だったのかもしれないなとは思いますね


幻想郷の奇妙な事件簿 第二十話

「『天国の扉(ヘブンズ・ドア)』は読むだけで、支配するなんて部分はオマケだよ」

興味深いと言った様子で身を乗り出している

「女の子に対して『男になれ』と書き込んだってオチンチンが生えてくるワケじゃあないし、現実を書き換えるなんて次元はできない。まあ、『そういうこと』だ」

「その次元まで、干渉できなかったということですか。実に面白い...」

「つまりはそういう生理的なこと、現実的に関わるような場面において天国の扉(ヘブンズ・ドア)は無力だった。それが僕の限界だったんだろう。そういえば昔な、アレルギーについても見てみたことがあるんだ。顔も思い出したくないがクソッタレの知り合いがいてな...ソイツの友達は僕の親友だからってのでカフェでケーキ食ってたんだ。ケーキだぞケーキッ!僕が奢らされたんだッ!いくらしたと思う?800円だぞ800円ッ!あのクソッタレのために800円だ!康一くんの卒業祝いにカフェを奢ったらあいつと、アホの億泰まで付いてくるなんて思ってなかったよ...こればっかりは僕のミスだね」

「あの、その方への恨み言はいいので...」

途中から私怨になってきたので切り上げさせた

「フン、それがな、アイツ、ケーキに使われた着色料にアレルギーがあったらしくってな、しかも本人もそのこともアレルギーも知らなくって、食ってる途中でぶっ倒れたんだよ。とうとうクソガキがぶっ倒れたかってついニヤニヤしちゃってな。救急車が来るまでの間、そいつを読んでたんだけど、どうしても書き込めなくってな」

岸辺露伴は『クソッタレ』のことになると饒舌になった

いつもは近寄らせないような空気を纏っている分、こういう時は素直でもある

「最低」

「マジモンのクズじゃないですか」

非難の声は当然である

「マ、変えられないことだってあるってことだろうな。なにかしら、少なからずそういう『運命』ってのがあるんじゃないかって僕は思うけどな」

「もうこれで十分です。ありがとうございました。晩御飯...食べます?」

「イヤッ、遠慮しとくよ...」

妙なところで潔癖症であった

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

世の中には珍しいアレルギーがある

柑橘アレルギーなんてのもあるし、ニンニクアレルギーというものも存在する

ある意味、明確にそうだなどという検査結果は、特定のものを摂取したときにこうなるという事実関係においてはあまり意味を持たないのである

プロセスは不明でも、それは結果としてそう起こっているからそうとしか言えないだろう

 

ある意味で科学をやる人間である以上、八意医師は困っていた

語弊があった、悩んでいるとも言えた

 

「八の字困り眉はシワになるぜ?」

「岸辺...露伴?」

「オイオイ怒るなよォ〜!なんかさァ、見てらんないぜソレ」

無意識のうちに浮かんだ青筋を理性で沈めると、なにかが吹っ切れたような気分になった

「一昨日納品したスケッチ、役に立ってるかなって思って来てみりゃツレない顔してたからな」

「そうでしたか?」

「酷い顔だぜ。しばらく食ってないって顔だし、寝てない顔だ」

確かに机に向き合ってこの現状に悩み始めてから、どれだけの時間が過ぎたかを把握していない

不老不死に甘えては医者の不養生になってしまう

そうなってはお笑い種である

「あの八雲紫が、来ましたよ。ここへ」

「ヘェーっ、アレ、風邪薬でも取りに来たのか?」

「その件は岸辺露伴に相談してみろって言ってましたよ」

露伴はクラリと眩暈を覚えると同時に腹が立った

「オイオイ、ちょっとさァ、オイオイオイオイ。君たちちょっと変だぜ」

「もちろん私もあなたに頼るなんて絶対お断りでしたから、こうして机に向き合っているわけです」

「ワケ知りってことかい...天国の扉(ヘブンズ・ドア)は慈善事業のためのモノでもないんだが」

「もう先に言いましょうか。『アレルギー』を解決して欲しいんです」

 

『アレルギー』

『アレルギー』だ

またこの話だ

 

「謎のアレルギーの正体を調べて欲しいんです。スケッチを依頼したのは、アレルギーの調査名目です」

「取引ではしちゃいけない『ルール』があるはずだよな。嘘を言わないこと。隠し事をしないこと。公正に取引すること。『マナー』だぜ。信用がないねッ」

「無礼を承知でもう一度お願いしてもいいかしら?どうしてもこの件だけはフラットな気持ちで偏見なく見たままを描いてもらう必要があったの」

「僕が、この僕が嘘を描くような人間だって...?ふざけるんじゃあないぞッ!ボケ」

「これで私もあなたも信用がないでしょう?お互い0:0。納得?本題に入りましょう。便宜上アレルギーとは呼んでいますが、その正体はハッキリとしていないわ」

「ちょっと待てよォ〜〜!話は終わってないだろ!君、それじゃあまるで僕が『手伝う』、『結論』ありきで話してるってことじゃあないか!?」

「『症状』はアレルギーのそれと同じとしか言えません。そして血中アレルギー抗体の量も通常のアレルギーとは相違は見られない。ただただ原因だけが不明なの」

「話を聞けェェ!お前のその耳は飾りか?笑うぞ、マヌケ」

原因だけが不明などそれこそ科学の分野の仕事である

比較実験を繰り返せばいいだけの話だ

それをする時間も、知識も、人員もその気になれば用意できる状態でありながら、岸辺露伴に助力を求めるという状況を疑う

そういう疑問を素直にぶつけると意外な言葉が返ってきた

「なににも反応しないのです。全くの未知。科学のアプローチでは原因に判別がつかなかった」

「ますますおかしいぜ。それこそ、奇妙だ。抗体取れるんだろ?どういう症状なんだよ」

『会話』を諦めて話を聞いてみると面白いことをいう

たぶん、『芯』が強いんだろう

そういう、学者肌の気質は苦手ではない

「特定の場所、特定の時期、特定の食物を摂取すると発症する特殊なアレルギー反応(便宜上)よ。あなたが好きな『奇妙』じゃない?」

「そういう気質が気に入った」




5,000文字がパーになってしまいました(涙)
原因は、パソコンが落ちました

次回更新未定&次回完結
新規タイトル「噂のお客様」はゴールデンウィークごろに公開予定(予定変更あり)

前書き部分にあらすじを書いてほしいか

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  • 今のままくだらない雑談でいい
  • 何も書かなくていい
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