ふ…ふはははっ、あーはっはっげほっ…、ついに…ついにこの時が来た!
現に現るる事も出来なくなった脆弱なる者共の住まう地…幻想郷に妾が舞い降りる時が!
まずは手始めに妾の偉大なる力を存分に見せつけると同時に食事を済ましてくれるわ!
ふははは――


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骨折の為、現在連載中の作品が書けないので昔書いた短編を投稿。

主人公、五十木 廻
容姿はスターチャイルドから羽を毟って服を着物にした感じです。
能力の行使方法は対象に弾幕を当てるか対象に触るか




いそがしの幻想食事

到・着!…うん!多少お尻から着地しただけで全く問題ない!だ、第一ちゃんと幻想入りしたら休憩するつもりだったからちょうどいいわ!

ん~。ここが幻想郷…、なるほど…ふた昔程前の日本の様な家屋が立ち並んでいるな。

お!あれは学び舎か?

 

 

「いいか、つまり――――という理論が証明し得るにあたって定義が――。」

ちょっと待て…この講義の相手は明らかに子供なんだが…大丈夫かこやつ。まぁいい、最初の食事はコイツにするとしよう…。

「いただきます」

 

「むっ?…。」

「どうしたの先生ー?」

「だ…めだ、このペースでは生ぬるい!よし!この証明の後、他の問題も2,3やるか…?いや、教科書の全部やってしまおう!」

「せ、せんせい?」

「いいか!―――という証明のためには―――という理論が必要だが―――という理論というのは―――という数式を使うのだが…どうしたみんな!書くのが遅いぞ!今日は締めに小テストもやるからな!」

「せ、せんせい…?」

「無理だよー先生ー。」

 

 

ふはは、うまくいったわ。妾が種族の力…「急がせる程度の能力」を使い、急がせた人間から出た余剰えねるぎぃが妾の食事…実に三週間ぶりのまともな食事だわ。

しかしまあ、酷い授業がより酷く…。生徒よすまぬ。だがそれも仕方がない、何を隠そうこの妾、五十木 廻(いそぎ まわれ)はいそがしという種族!他者を忙しくしないと不安に駆られる種の宿命…さて次はどこに行こうか…。

 

寺前

 

ふむ、これは寺か…神社もあるそうだし、宗教色の強い土地なのやもしれんな…。

ガサガサ

ん?

「ぎゃー、おどろけー。」

「驚きません。いただきます。」

「へっ?」

目の前の唐傘を持った少女は…付喪神かな?

 

 

「驚かさなきゃ、驚かさなきゃ――!!」

あ、そっちは学び舎…。

「おーどろけー♪」

「きゃあー。」

「古典的ー!」

「授業の邪魔だー!」

「驚け驚けー!!」

…うん。よかったね。授業は(多分)終わったよ?

 

さて、里の中もだいたい見終わったし、次は外か。

面白い場所が多いと聞くし楽しみだわ。

ん?酒場の前で…

「いいですか小町!あなたは船頭の仕事の大切さを欠片も理解していないのです。」

「すみませんでした。」

「いただきます。」

「へ?」

「えっ?」

 

「いつつ…一体さっきのは…映姫様?」

「ふ…ふふふふふ。」

「え…映姫様!?」

「私はどうやらあなたの説教を優しくしすぎたようですね――本気で行きます!」

「」

 

また、つまらぬものを食べてしまった…。ふふふ、いいぞ。もう妾に敵はいないのではないだろうか。悔悟棒で殴られとるやつも何かやらかして説教をされておるようだし…痛そうだなぁ。

 

 

竹林?

 

む?随分とまた立派な竹林だのう…。

「そこで何してるうさ?迷子うさか?」

「妾は迷子じゃない!」

「迷子の子供は大抵そう言ううさよ。こっちに付いてくるうさ」

そう言って背を向け、先を行くウサギ。

「…いただきます…。」

―――

――

「てゐー!出てきなさーい!」

「うさうさ」

「全くどこに居るんだか…。このままじゃお師匠様にどんな折檻を受ける事か。」

「うさうさ」

「はぁ…、あっちはてゐの罠が設置されている方だし…えっ!?きゃーー!」

「引っかかったうさー!」

「て、てゐ!あなた…!こんなところに落とし穴何て作って…。」

「這い出てきても無駄うさ」

「ぷげらっ!」

「くっくっく、今の私の落とし穴は一つじゃすまないうさよ。さぁて、もっともっと落とし穴を作るうさ!」

「きゅう~」

 

永遠亭

 

「なんだか辺鄙な場所に着いたのぅ。」

目の前に広がるバカでかい日本家屋、看板には『永遠亭』とだけ書かれているが…。

「この見た目…、そうか!日本料理屋さんか!」

向こうの世界で看板が出ているこういう雰囲気の店と言ったら日本料理屋だ。

「そうと決まったら…、ごめんくださーい…あっ、お金持ってないや…。」

仕方がない、引き返すか?いや、此処は忍び込んで人を喰らう(いそがし的な意味で)か?

「あら?何の様かしら?」

ほんの少し考え廻らせている間に店員が来てしまったらしい。黒髪の長髪、整った顔、…何故か布団着用だが、妾から見ても美人といってしまうほどの。

「ふ~ん、妖精でも薬って必要になるんだ…。」

「薬?」

「…あー、分からないで来ちゃったのね。参考までに何屋さんだと思った?」

「日本料理屋!」

「ぷっ、っはーはっー!」

余程おかしかったのだろう。美少女らしからぬ爆笑をして少しむっとした。

「だって現代だとこういう雰囲気の店と言ったら日本料理屋さんだもん。」

「ふふ、ごめんなさいね。別に発言がおかしいのではなくて永琳、家の薬師が割烹着着て料理作ってる絵を思い浮かべちゃってね。それにしても妖精なのに外から来たの?」

「むー。妾は妖精なぞではない。廃れ行く妖怪たちの中でもその勢力に衰えを見せぬ現代の中でも強力な“いそがし”一族の廻だ。」

ふふん、どうだ!

「…いそがし……ああー、昔からマイナーだから大して変わらないのか…。」

「?何か言ったか?」

「大丈夫、何でもないわ。それよりも外の様子の話でも聞かせてくれないかしら?お菓子ぐらいだったら用意できるんだけど…。」

お菓子!…ふむ、仕方がない。あくまで情報交換の為にはしかたがないか!

 

 

「それでね…まぐまぐ…急ちゃんがその社長を食べたら…もぐもぐ…『出来なくてもやらせるんです!』って言い始めてね…うまうま…結局その飲食店、黒くなっちゃったの!」

「へぇー、現代でもあるのね。上に立つべき資格でない人が上に立っちゃう事が…。」

「うん!後はね…。昔は師走辺りが私たちの食料の書き入れ時だったんだけど、最近は変わってきて常に書き入れ状態で食べる物にこまらないんだよ。」

結構他愛ない話でもこの人は聞いてくれている。

「それでね――「失礼いたします」?」

部屋に入ってきたのは女性、赤青の二色の服は前衛的だの。

「こんにちは、…いそがしの一種?」

「おお、妾の一族を知っておるのか!」

「ええ、確か昔の絵巻で見たわ。」

「そうだわ!試しに永琳を喰べてみて?」

「「へっ!」」

いいの!?

「ほら永琳、動かないで~!」

「ちょ、ちょっと待ってください姫様…。」

「いただきます。」

―――

――

「永琳、調合室に閉じこもっちゃった…。」

「うむ、忙しく調合しているのだろうな…。所で…。」

「何かしら?」

「どこか面白そうな場所ってない?」

「そうね…。紅魔館なんてどうかしら?」

「紅魔館?」

「吸血鬼の住まう不夜城よ。」

「吸血鬼…!会ったことない!」

「竹林を出るときにてゐに教えてもらうといいわ。」

「うん!じゃあ行ってきます。」

「行ってらっしゃい。…久々に面白い娘だったなぁ。」

「……う…うぅ…ただいま戻りました…。」

「ずいぶん遅かったわね。」

「それがてゐが落とし穴を掘りまくっていて…。」

「ああ、あの娘の仕業ね…。」

「ところでうどんげ、てゐは逃がしたのね?」

「お、お師匠様…っ!」

「あら永琳、思ったよりも早かったわね。」

「ええ、あの娘の能力は中々に良いわね。さて、早速じっけ…おしおきよ、うどんげ。」

「え!?私、もうボロボロ…。」

「さぁて、どれから使おうかしら…。」

 

 

 

 

 

竹林

 

「てーゐ、てーゐ!」

てゐが見つからない…。いないのか?

「おい、そこの妖精。どうかしたのか?」

声をかけてきたのはもんぺの白髪。

「紅魔館と言う場所に行きたいのだが…。」

「よし、じゃあ私が竹林から出してやろう。こっちだ。」

 

紅魔館

 

結局、妹紅に世話になてしまった。ので、特別に妖精呼ばわりも許してやり、紅魔館までの道のりを教えてもらった。ちなみに妹紅は友達が人里で暴れまわったせいででた怪我人を永遠亭まで連れて行ってたなんて…、その友人は何を考えているんだ全く!それにしても――

「zzz…。」

門番仕事しろ。こやつ食っても 眠りが深くなりそうなだけだし捨て置くとするかの。

「潜入成功…。」

「それであなたは誰?潜入者さん。」

「うひゃ!」

何で!?さっきまで背後には誰もいなかったはず…。

「もう一度言うわ。貴女の名前は?」

くっ、普通の人間程度に妾が負けるはずが…。

「反抗的ね…。」

ヒュ、ストン…

こ、怖い~。何!?なんなのこの女!妾のようにか弱くてぷりてぃな女子にないふ投合して掠らせるって馬鹿じゃないの!?

「ごめんなさい許してください。」

まぁ、ほら妾は平和主義だし、ここは一つこちらが引いてあげよう。

「それで?貴女は…妖精…よね?羽はないみたいだけど。」

「なっ!あのような下等生物と妾のような高貴なものを一緒にしないで下さるかしら!」

「へぇ~、妖精じゃないのね…何処の子かしら…?」

「子供扱いするなこのひんにゅ…――!!」

ヒュ、ストンストンストンストンストンストン

「ひゃーー!!」

「ねぇ、今なんて言おうとしたのかしら?お姉さん、聞こえなかったなー?」

「ごごごごごめんなさい、お姉さま!」

…妾、高貴なる一族の…グズっ

「うう、うぅぅぅ…。」

涙が滲んでくる。

「あっ…ごめんなさいやりすぎたわ。」

不意にひんにゅーメイドが妾を抱っこして頭を撫でてくる…あれ?これってちゃんす?

「いただきます…ひんにゅー…。」

「誰が…がっ!?」

そのまま速攻で外に出る。

「ふはははー、やはり妾は最強!あの程度のひんにゅーめいどなぞ、恐るるに足りん!」

「へえ、咲夜さんに何かしたんですか?」

目の前の門前には(さっきの付喪神よりは)驚くぐらいの迫力ある雰囲気を纏った門番…。さっきのひんにゅーよりも更に怖い。

「答えなさい妖怪!内容如何ではただでは済まさない!!」

好きのない構え、後ろには『凛』という文字が似合いそうだ。妾?腰が抜けて立てなくなってる。

「…とにかくあなたを捕縛させていただきま…ほらばっ!」

ズドドドという音と共に門番の人の上から超大量のナイフが降り注いできた…門番に。

「さ…くや…さん?」

スッと門番の目の前にあのひんにゅーが現れる。

「貴女…さっき居眠りしてたわね?お仕置きよ…さて次は各部屋の掃除か、さて忙しいわ。」

消えた…瞬間移動なのかな?とりあえず…。

「」

「ええっと…どんまい!」

 

道中

 

「ここら辺に仮面の気配…。」

おっ、さっきの奴らほど強くなさそう…いや、妾が弱いから相手を選ぶのではなくあまり強いとその…時間かかるし?それに如何に強い妾と言えどもここまでに続く戦闘数にさすがに疲れ――

「やあやあ、我こそは数多の面、秦こころなるもの。率爾ながらお尋ね致す。お面しらない?」

「ひゃー!くっ、気付かれたのなら仕方がない…鈍臭そうだし――いただきます。」

「わっー。」

なん…だと…?私の食事(攻撃)を避けた?

「ふっ、妾の無敵攻撃を避けるとは…貴様を私の次に強い存在だと認めてやろう!」

「うーん、お面じゃないならいらない。」

「えっ…妾…が…認めたのに…。」

そんなはずないもん。ふ、ふふ怒りで肩が震え、気が立ってきたせいか目の前がぼやける。

「…あー、ヤッター、サイキョーから2番目だー。」

おお!こやつも妾の次に強いことの凄さに気がついたか!

「ふはは…、おぬしは食わんで置いてやろう!感謝するが良い。」

さて次はどこへ行こうかな…。

 

 

side霊夢

 

「暴走する奴らがいる?」

「ええ、それも人妖問わずに…。そして重要なのは、暴走を始める前に妖精を見たっていう証言が多いのよ。」

「また妖精大戦争カッコワライ、っていうオチじゃないの?」

「あらあら、よもや博麗の巫女ともあろうものが面倒臭いから動かないなんてまた言うんじゃないわよね。霊夢?」

「…はあ、分かったわよ…面倒臭い。」

妖精如きが私の手を煩わすとは…ぶちのめして、泣かして、土下座させて、自尊心をゼロまで下げてやるわ。

※博麗は悪役ではありません。

 

 

「三匹とも!出てきなさい!」

「「「は、はい!」」」

出てきたのは三匹の妖精、サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイヤの通称三月精。

神社の裏手にあるミズナラに住み着く居候である。

サ「何の用ですか?霊夢さん。」

ス「サニーが掃除をサボった件ですか?」

サ「違うわよ!黙っておけばバレないもの。」

ル「たった今、バレちゃったけどね…。」

「バカ一匹がサボったのは後でシメるとして…。三匹とも!他人を暴走させる能力を持った妖精の情報を渡しなさい。」

サ「知ってるー?」

ス・ル「「知らなーい。」

ル「そもそも能力を持つ妖精はそれほど多くないので妖精達の中では目立つはずです。」

ス「そんな能力の妖精は聞いたことありませんし、いないのでは?」

「じゃあ新しく入ってきた妖精か生まれた子がいるってこと?」

サ「生まれたばかりじゃ強いのはいませんし、そもそも妖精はその場の自然からあまり遠くには移動できませんよ?」

「じゃあ前からいた妖精が能力を持ったってこと?」

「「「そうだと思います。」」」

なにか違う気がするがまあ、良いだろう。

「それで?ここら辺で力を持った妖精がいるのはどこ?」

サ「ええっと…。」

ル「あそこじゃない?あの本が取り放題だったとこ…。」

ス「ああ、あそこの妖精なら確かに強いほうね…。」

「「「紅魔館!」」」

 

 

紅魔館

 

「はあ、ここじゃない気がするんだけどなぁ…。」

でも他にどこかに寄ろうとも思えない。

「おーい。門番。」

「ふにゃ…。もう食べられない…ざべらった!」

ゲシッゲシッ

「ほーら、起きなさい門番、滅多にない出番が来たわよ?」

「イタッイタッ、起きてますって…や、やめてください!」

「…ッチ。」

「なに距離とられたからって舌打ちしているんですか!?一体何のようですか?」

「あんたのところに他人を暴走させる妖精っている?居たら匿わずに出しなさい十回ぐらい休みにさせてから痛めつけるから。」

「いや、鬼ですか!?貴女は仮にも巫女でしょ!?」

「大丈夫よ。人間はあんまりボコボコにしないから、遠慮なくヤルのは妖怪やら神だけよ!」

「…本音は?」

「人間なんて2、3発ボコしたら命に関わるじゃない。」

「もうやだこの巫女…。兎も角、他人を暴走させる妖精ですか…?」

「ええ、この屋敷の妖精なら能力を得るまでの力を蓄えていても不思議じゃないそうよ。」

「残念ながら家の妖精の中に能力持ちはいません、でも…って、待ってください!まだ全部話してないですって…!」

「問答無用、私が勝ったら全部吐いてもらうわよ?」

「だからいいますって…わぁ!」

 

結果…

「うわぁ…ボロボロね。」

勿論、私が勝った。っていうか博麗の巫女に挑むというのに最初から大量の刺し傷を作ってるってどういうこと?馬鹿じゃないの?

※霊夢に悪気はありません…悪気は

「うう…さっきのから一時間も経ってないのに…ぐふ…。」

「気絶はいいから早く説明しなさいよ。」

「きゃいん!」

どすっどすっ

「ぐべらっ、ゲベらっゴジラっ」

「…霊夢…。気が立っているのは分かったからそこら辺にしておいてあげて。」

「さ…咲夜さ~ん…。」

「メイド長か、知ってること吐きなさい。」

陰陽玉を浮遊させて威嚇してみる。

「最初から言うって言ってるでしょうに…犯人は外からやってきたと思しき妖精っぽい外見の妖怪よ。さっき家にも来ていたわ。」

なんだ、そういうことか。ま、居場所は適当に飛んでれば見つかるでしょ。

 

 

 

sideいそがし

 

なんと!秦こころはそれなりに高貴なるものだということが判明し、妾の友人となった!

何でも高貴な人に使えていた者が作り出した仮面の九十九神で感情豊かなぽぅかぁふぇいすと呼ばれているらしい。今度また遊ぶ約束をし、今は別れる。残念だが妾も幻想郷の頂点に立つという目標がある。

 

「ふんふーんふーん。誰か食べられそうなのは~…いた。」

少し遠くだがいるのは妖精、全体的に青を基調とした色合いと氷の羽をみると所謂氷精と言う者か。

「あーはっはっ、もうこの辺りのカエルは恐るるに足りないわ!」

何故にカエル?ま、妖精の考える事なんて理解できないししたくないわ!

「いただきます。」

必要なのは余剰えねるぎぃだけ。

「!…。戦わなくちゃ…。さいきょーたるあたいは戦わなくちゃ!」

ちょっと待て!

「最強?今氷精ごときが最強の名を口にしたか!何たる恥知らず…!最強とは妾の称号にして象徴なり。」

「さいきょーはあたいだ!勝負!」

「ふふん、いいだろう普段なら妖精ごとき妾の敵ではないが受けてくれよう。」

「くらえ氷符「アイシクルフォール」」

「へ?なにそれ…ひゃ~~!」

ぴちゅん

「やっぱり、あたいったら最強ね。…さて、どんどん戦うわよ!」

―――

――

 

「…うう…。ひどい目にあった…。」

まさか急にあんな攻撃をされるとは…きっとあれは、妖精じゃなくて何かもっと別の…恐らくは幻想郷のとっぷくらすの強さを持つ種族に違いない!

「ほとんど食べたえねるぎぃを使っちゃったし…。どこかに食べられそうな奴は…。いない…。」

おなかが減った…。

「うう…、想った以上に復活するのにえねるぎぃ使っちゃった…。」

ちょんちょん

「ん?今誰か…。」

「大丈夫?」

誰?この子は、今も気安く頭をなでてくるし…妾がその程度でほだされんわ!

「はい。おにぎり、二個あるから一つ上げる。」

「わーい。」

…献上品まで出されては私も鬼じゃないし?こいつの事を食べるのはやめてあげよう。

「おいしい?」

「うん!」

中身はおかかか…。

 

食べ終わると大分えねるぎぃも回復してきたおかげか今度は眠くなってきた。

「うーん、…ぐぅ。」

 

sideこいし

 

目の前でお腹を空かせてうずくまっているちっちゃな妖怪の女の子がいる。丁度良く今日のお弁当のおにぎり(お弁当箱にお姉ちゃんの名前が書いてある。なんでだろ…)は二つだし、一つ上げても大丈夫かな…?

つんつん

「大丈夫?」

こっちを警戒してるのかな?突然現れたらそうだよね…。でも、その合間合間にもグーグーとお腹が鳴ってるし、このお姉さんが助けてあげよう!…食べてくれるかな…。

「はい。おにぎり、二個あるから一つ上げる。」

「わーい!」

やったすごく簡単に餌付けできた!

「おいしい?」

「うん!」

すっごくかわいい!この子お持ち帰りできないかな…?

 

食べ終わるとすやすやと寝ちゃった…。

うん、しょうがないよね?此処に放っておいたら他の妖怪に頂かれちゃうかもしれないし…。

「よっし、地底までレッツゴー!」

おんぶして地底まで歩く。

「ふふ、これで私もお姉ちゃんか…。」

 

side霊夢

 

 

「そこのお面!あんた何か知ってるんじゃないの?」

無数のお面に囲まれた少女、カンだけど何か関わってそう。

「さぁ、私が勝ったら話してもらうわよ!」

「えー…、面倒くさいからやだ。」

暴走状態ではないと言う事か…。

「じゃあ話して。」

「何を?」

「…そうね、最近妖精みたいなやつに会わなかった?」

「ん。友人、かわいい子。」

「そいつのこと教えなさい。あちこちで迷惑かけまくってるからしばく。」

「…教える代わりにあんまりあの子の事怒らないで…。」

ふうん、今現在の心境に合わせて被ってるお面を変化させるのか今は狐…どんな感情なのかしらね。

「ま、いいわ。少しぐらいなら考慮してあげる。」

「あっちに行った…。」

それだけ?まぁ、いいか…。

 

 

「さぁ!さいきょーのあたいとしょーぶだ!」

「ああもう!面倒くさいわね!」

多分チルノも暴走状態…なのかしら?うん、そうっぽいわね…カンだけど。

「いくわよ凍符「パーフェクトフリーズ」」

「甘いわね。」

全部避けてお札を何枚か投合する。

ピチュン

「きゅう~。」

あっちから来たわね…地底の入り口近くか…。

「まさかとは思うけど…。有ったか…。」

入口近くには子供サイズの足跡が一つ、面倒くさそうだ。

 

 

sideいそがし

 

「ふにゃ…。」

目を覚ますと…。

「どこ?ここは…。」

ずいぶんと豪華な天蓋付のベット…。

「お目覚めですか?」

(誰?)

「失礼致しました。貴女をここに連れてきた古明地こいしの姉、古明地さとりと申します。」

(…覚?)

「あら、意外と博識なのね。」

(ほう、本当に心が読めるのか…面白い。)

「…珍しい反応ですね。」

(そうか?妾には及ぶべくもないがそれなりに使い勝手の良い能力だと思うぞ?)

「いそがしの能力に及ばないって中々に屈辱的な気が…。」

「む?小声で聞こえないのだが…。」

「気にしなくていいわ。それよりも貴方、逃げた方がいいかもね。」

(逃げる?妾が?)

「ええ、一応こいしが勝手に連れてきてしまった手前、家の者を時間稼ぎに向かわせましたがあまり意味をなさなかったみたいで…あっ、もう来ましたね…。」

「え?何が…『ドゴォ』!?」

「距離的には猶予はなさそうですね…。いいですか、絶対に最初にスペルカードでの決闘を申し込みなさい。」

(すぺるかぁど?)

「この郷で行われる決闘方法兼遊びよ。」

 

   …少女説明中

 

「成程、魅せる遊びか…。奥が深い…。」

「それじゃ、私が時間を稼いできてあげるから、その間に作っときなさい。」

 

(おおう!本当に良い奴!)

「…こいしが連れて来ちゃったしね。あれほど、勝手に拾ってきちゃダメって言ってるのに…。今回みたいにどうせすぐに外へ遊びに行っちゃうくせに。」

(…ふ、良いだろう。その博麗の者を妾が颯爽と倒してくれよう!)

「…期待してます…。」

そう言って部屋から出て行った。恐らくはその巫女やらと弾幕ごっこで戦いに行ったのだろう。しかし――

「ふ、ふっふっふっ…我に秘策有!」

博麗の巫女がいくら強かろうと今の私はそいつすら倒すことのできる秘策がある!

「はーっはっはっ!」

 

sideさとり

 

「さて、霊夢さん。お待たせ致しました。」

目の前にはお燐と空はすでに負けたか…。

「ペットより弱いあんたじゃ、話になんないでしょ。通しなさい、ここまで妨害するならいるんでしょ?今回の元凶が。」

「ええ、居ますよ。廻さんというちっちゃな子です。少し事情もあるのでここをお通しする事は出来ませんよ。」

「…だからなに?情にでも訴えようとでもしてるのかしら?だとした無駄よ。取りあえずぶっ飛ばす。」

「そのようですね。それにしても相変わらず思った事をそのまま口に出す人ですね、貴女は…。」

「うるさいわね。始めるわよ!」

さて、精々時間稼ぎをしますか…。

 

 

sideさわがし

 

『ドゴォン』

扉が吹き飛び、奥から腋の空いた巫女服を着た女が入ってくる。

「ふん、扉の開け方一つも知らない粗暴な女め…。」

「何、他人の家で主気取り?っていうか本当に妖精並みにちっこいわね。」

「……くっー…。よっぽど妾を怒らせたい様じゃな、勝負よ!」

「いい度胸じゃない…泣き叫んで助けを乞うつもりだったらムカついて九分の八殺しぐらいにするつもりだったけど、途中の仮面女の言葉もあるし三分の二殺しで済ませてあげるわ。」

……こ、怖いわ!この巫女!

「わ、わわ妾にかかかれば貴女なんてあんまり怖くないわ!」

「その割には急に“女”から“貴女”にランクアップしてるわね…。」

「ふん!行くぞ博麗の巫女よ!(恐らく)幻想郷最強の者から受けた技、そこからひんとをもらったこのすぺるかぁどを受けるがよいわ!」

「……なんでだろう…すごくこっちにとって良い意味での悪い予感しかしない。」

「急符「急がば回れ」」

宣言と共に左右上下から包み込むように会う手を襲う。

「ふははは、見たか!妾の頭だからこそ作り出すことのできたこの技を!」

放たれた弾幕によって土埃が舞っているが人間如きに避けられるものでないのは確かだ。

「…そうね、妖精並みの頭の持ち主じゃないとできないでしょうね…。」

「な!一体どうやって妾の無敵の包囲網から…!?」

「…はぁ、本っ当~に残念な頭なのね。左右上下?それも穴だらけだったけれど一番肝心な正面は?」

「…あ…。」

「はい。ゲームオーバー。」

え…、何その量のお札…。わわっ

ピチューン

「ううぅ…あれ?」

弾き飛ばされはしたけど、あんまり痛くない?

「全く…、これ以上私に手間掛けさせたら本当に痛い目に見せるからね。」

「あ…ぅ、…はい。」

「わかればよろしい。…紫!見てるんでしょ、返事しなさい!」

「ひゃ!?何この裂け目!」

目の前の空間が裂けてのそっと人型の妖怪が出てくる。

「はぁ~い、呼んだかしら?霊夢。」

「遅い!とっくに元凶は倒したわ。スキマで家まで帰して。」

「…はぁ、どこで育て方間違えたのかしら、こんなに自分勝手になっちゃって。帰るにしてもちょっと待ってなさい…初めまして、いそがしの廻ちゃんよね。」

「…ん…誰だお主。」

「失礼、自己紹介がまだだったわね。私はこの幻想郷を管理していますしがないスキマ妖怪の八雲紫と申します。」

……。ほわぁ。なんだろう…まるで妾に誠心誠意を見せているという感じは…。幻想郷に来てから初めて味わった感覚だぞ。

「うむ、妾こそ“いそがし”一族の長、疾風の娘の廻に違いない。」

「そう、間違ってなくてよかったわ。それで、今回起こした異変に対しての請求なんだけれど…。」

「へっ?」

「人里での騒動と迷いの竹林の道の整備費、紅魔館のメイド長はしばらく筋肉痛で動けなくなったと言っていたわね。あと宴会費。」

「ま、待って…。」

「その請求をあなたのお父様に請求したところ一つの伝言を頼まれたわ。」

「お、お父様に…。」

終わった…連れ戻されて凄い説教が…。

「コホン『お前がどうにかしろ』だそうよ?」

「え…連れ戻すとかでなくて?」

「しばらく帰ってくるな的なことも言っていたわね。」

別の意味で終わった!

「そんなあなたへ朗報ですわよ。」

「うー、何?」

「幻想郷はすべてを受け入れる。貴方を歓迎いたしますわ。」

「あっ。」

そうか、ここで生活すれば――。

「その代わりに寺子屋で常識を学んでもらうのと…。」

「と?」

「結局支払ってもらえなかったお金を稼いでもらいますけどね。」

お父様!?

「大丈夫よ。仕事先は斡旋してあげるから。」

仕事?妾に?

 

 

 

数日後から一人の妖精(笑)の姿があちこちで見られるようになる。週一回、寺子屋で学び。紅魔館でメイドをしつつ永遠亭で雑用をする一人の実は妖怪の姿が。

 

 




あとがきとおまけ

皆さんはいそがしと言う妖怪の名前を聞いたことはありますでしょうか。本来は食すのではなく憑りつくようですがこの作品内では食べる使用にさせていただきました。こいつが出てくる作品は水木しげるさんの作品とWEB漫画の一作しか知りません、いい設定の妖怪なんですがねぇ。


異変の名前は急廻異変、EXボスはこいしになります。
五十木 廻(いそぎ まわれ)
スペルカード
急符「急がば回れ」 アイシクルフォール(easy)の密度を薄くして、安全地帯を広くした技
即符「急いては事をし損ずる」 最初は左右で密度の薄い弾幕と密度のある程度濃い弾幕を張り、後半になるにつれ弾幕の薄かった方がきつくなるスペル
橋符「瀬田の唐橋」 急がば回れの元ネタの橋、とにかく長い弾幕を幾つか張って追尾弾幕で追い詰める技  


ではでは

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