そこからの続きを書くとしたら他の人とイチャイチャ(物理)する話(1話か2話完結)くらいですかね。
PSO2NGSのShip10で全身テカらせた緑色の肌をしたデューマンで名前が『ピッコロ』だったらたぶん自分です。
『か、返した!?岩技選手の蹴りがあの範馬勇次郎の拳を、はね返したァァァ!!!!』
「「「ほほぉ〜〜〜〜〜〜」」」
三人の男が口々に同じ音を出し、同じ思いを胸にする。
「ボクシングをやめると言ったが・・・あの兄ちゃん、足も
一人は片目に眼帯をはめたスキンヘッドの巨人だ。空手家と思われる道着を着ており、厚い生地でできている道着であるにもかかわらずその存在を表す筋肉や体の節々に残る傷跡から常人ではないことはひと目でわかる。
名前は
「やはり元は
そう言いながらもう一人の男は岩技を興味深く観察している。その姿は先程の男と比べるとかなり小柄だ。しかしその立ち姿はその道を志すものならその人物が
その男の名は
「あの男がどちら側か、はともかく、
そしてこの男、実践柔術家であり(一部の界隈で)解説王とも称される
「範馬勇次郎も今まで数多の攻撃をその身に受けてきた・・・だが自分自身の攻撃を、自分を殴るなどというのは流石に経験も想定もなかったはず。無意識にくらう攻撃は予想以上のダメージを生む、これはどっちが勝つか分からなくなってきましたな・・・」
「・・・本部さん、いつもの癖が出とるぞ」
「おっと、これは失礼しました」
ついついいつもの解説を始めてしまう本部をからかう渋川だが言っていることは自身も思っていたことなのでそれ以上口にすることはなかった。
「しかし」
今の攻防をひとしきり解説した本部は気難しそうな顔で
「相手はあの
「やれやれ、年甲斐もなく熱くなっちまうぜ」
範馬勇次郎がこれからどう出るか一層目を凝らす本部の隣で愚地は何かを抑えるように声を漏らす。
「前に俺が
そう言う愚地は骨の軋む音が聞こえるほど拳を握りしめる。拳と共に震える姿は誰が見ても悔しそうに見える。
「ほほほ、独歩さんや。顔、笑っとるぞ」
「ん?」
いや、その震えは悔しさからではなかった。
戦いたい、彼と、あの武と、己の全てをぶつけ雌雄を分かちたいと心の底から願ったからこそ起こる武者震いだった。
そしてその衝動に共感したからこそ渋川も笑顔で、しかし獰猛に目の前で戦う男を見つめる。
「しかし・・・おかしいですな」
不敵に笑う二人の横で本部は顎に手を当て、なにやら考える仕草をしている。その顔もまた自然と高揚したものに変わっていたが、それ以上に本部の中で湧いた疑問が彼を冷静にさせていた。
「おかしい・・・というのはあの
「はい、おっしゃる通りです」
本部の疑問を寸分違わず渋川は指摘する。彼もまた同様の疑問を抱いていた。
「おそらくあの男は最初から本気だった。しかし今はあの動きこそが本気のように見えます。武術というのは、いやあらゆる格闘術における成長とは例えるなら亀のごとき早さで進んでいくものです」
本部が疑問を抱いたのは流野岩技の急激な成長である。本部自身も武芸者としてその道が険しいものというのは百も承知、だからこそ疑いを持ったのはむしろ当たり前の事だった。
「おそらく・・・・・・
そんな本部の疑問に答えたのは愚地独歩だった。
「あの得体の知れない武術、使えるようになったとして己の物になったのかはまた別の話。俺にはあの『武』にアイツ自身が適合し始めたように見えたぜ」
愚地の言葉に再び二人は考え込むように顎に手を当てる。
「適合・・・なるほど、今まで使い方を知らなかった武器の扱いにようやく慣れてきたということ・・・ですかな?」
「
「私とて知らないことはありますよ、先生ぃ?」
仲良く、しかし目線は片時も闘いから目を離さない二人。あまりにも爛々と輝くその目はまるでテレビで大好きな戦隊モノを見る子どものように楽しみに満ちていた。
三人の目には
しかし、『最強』を知る者は目の前の男がこの程度で膝を着くような男でないことは知っている。
範馬勇次郎を識る者が見れば分かるのだ。
あれは喜んでいるのだと・・・。
───────────────────
「・・・・・・老師、いかがでしょうか?」
「・・・・・・」
本部達がいる席の数段後ろには見るからに老齢な男と愚地達と変わらず屈強な男が座っている。その二人の共通点は中華人を思わせる服装くらいか。
しかしこの二人こそ中国拳法を代表する拳豪である。それは周囲の人も分かっているのか、あるいはその雰囲気に圧されてるのか、少し距離を取られている。
「烈」
「はい」
「あれは・・・
「は、はい?」
烈と呼ばれた屈強な方の男は老人の問いに意図を見いだせずにいた。
「あれは・・・拳法か?」
「・・・・・・構えは
「つまりは?」
「あの者の使う武術は、独学あるいは何かの流派を自己流に発展させたものだと思います」
「・・・・・・・・・」
「・・・・老師?」
「あそこまで精巧に打撃を
「はい、私の知るところでは郭海皇、あなたの
「・・・・・・」
「老師?」
烈の言葉に老人、郭海皇はしばらく沈黙する。烈自身、己の師の問いに忌憚のない意見を口にした。郭海皇がその手に握る『理』は間違いなく中国拳法ナンバーワン、そう疑っていないからこそ出た言葉だった。
しかし、烈の言葉に郭海皇は口を閉ざす。烈自身、己の師が今何を思っているのか掴めずにいた。
『範馬選手、突然流野選手に飛びかかる!しかし流野選手、鮮やかに流し、カウンターを決めるゥ!』
沈黙が二人に落ちる中、目の前では再び範馬勇次郎と流野岩技の死闘が再開していた。しかしその内容は勇次郎の攻撃を岩技が流し、そこに生じた隙に攻撃するという一方的なものになっている。
『通用しない!?
「・・・やるな」
あの範馬勇次郎の攻撃を流し、攻めに転じる。それだけでも神業と称されてもおかしくないことを自分より歳下の男がやっている。烈の口から賞賛の言葉が出るのも仕方がなかった。
「ッ!」
しかし同時に、烈に湧き上がったのは果たしてどう形容すればいいのか。苛立ちのようで、しかし確かにワクワクしている自分がいる。そんなもどかしい気持ちが烈を支配する。
「闘いたい・・・」
「!!!」
烈の中に湧き上がる感情を老人が代弁する。否、それは郭海皇自身も思い口にしてしまった独り言だった。
(私も老師も闘いたい気持ちは同じ・・・いや、この場にいるあらゆる闘士が同じ思いでこの場にいる)
無論自分も含めて、と闘士とは分かりやすい生き物だと思いながらも烈は自分なら流野岩技とどう闘うかを思考する。
(おそらく、
烈は自分が流野岩技と闘うならどう立ち回るかを思考する。
『岩技選手の回し蹴りがモロに入る!しかし範馬選手、全く動じていないぃ!』
その思考とは別にこの戦いが『次の』ステージに進むことに烈は気づく。そしてそれを
そしてこの男、範馬勇次郎は
───烈の知る限りでは───
その成長速度、適応力も生物界一である。
『・・・!!?岩技選手が、弾かれたァァァ!!』
───────────────────
「チィッッ!!!」
薄々感じていた。そして今それは確信に変わった。
攻撃を全て回避した。数え切れないほどの殴打を浴びせた。
だけど、だけど・・・・・・・・・
「追い詰められてる・・・!」
勇次郎さんの攻撃に対応出来てると思っていた、
俺が勇次郎さんに攻撃するのは流水岩砕拳で隙をさらした瞬間。だが何度も拳を交わしていく内にその攻防にある変化が起こっていた。
少しずつ、少しずつだが、勇次郎さんの拳が速く、鋭くなっていき、それに比例して隙も小さくなっていく。
始めはこちらが攻めれていたのに今では攻守逆転。勇次郎さんの攻撃を捌くことで精一杯になった。そしてとうとう攻撃を流しきれず弾かれ、今に至る。
「どうした?俺は貴様の
「・・・・・・適応できたから勝てるとは限らないですよ」
とは言ったものの実際結構やばい状況になっている。勇次郎さんの攻撃は一発だけでもダウンは必至。流水岩砕拳に慣れ始めたということはそれだけ俺が打撃を貰いやすいということ。
リスクを承知で飛び込んでみるか?
現状防ぐことも厳しくなってきた。俺の守りが突破された時、それは敗北を意味する。守りを破られ、単純な殴り合いになった瞬間俺が押し切られるのは目に見えている。
「よし!」
砂を蹴り、一気に距離を詰める。リスクは百も承知。そもそもこれほどの敵にリスクを負わずに勝てるなんて始めから思っていない。
勇次郎さんが少し笑った気がする。なぜ笑ったのかは分からないが、悪い気はしなかった。多分それは俺も同じ風に笑っていたからだろう。
そして勇次郎さんが腕を振り上げる。
間合いを詰めてもリーチは向こうが上、勇次郎さんの攻撃が先に当たる。・・・だけど!
「流水岩砕拳!」
振り下ろされる鉄槌を会心の力で押し流す。流した腕ごと持っていかれそうになるが、どうにか耐える。
「スゥッッッッッ・・・」
息を吸い、止める。拳を握りしめる。足を捻り、地を踏みしめる。そして───
ありったけの力をこめて勇次郎さんをぶん殴る!
胸に五発、顔に六発、足と肩、腕にそれぞれ三発。殴打し、跳ね返ってきた力をそのまま余すことなく次の打撃に繋げる。ボクシングのような直線的な攻撃ではなく、弧を描くように攻撃する流水岩砕拳だからこそ出来る芸当だ。
いけるッッッ!
「はァッッッ!!!」
そして最後の一発、肺に残った空気を全て吐き出しながら顔面へ拳を突き出す。
「よき」
熱くなっていく俺の思考を冷ますように、その声が前から聞こえた。
俺の渾身の一発を受け止めたのは黒く、肉厚で大きな手。あれだけの攻撃を受けたにもかかわらず、勇次郎さんは平然と俺の一撃を受け止めていた。
血出てるだろ、皮膚だって少し裂けてるだろ、なんで倒れないんだよ。
『岩技ぃ!逃げろぉ!』
誰かの声が耳に届く。その言葉を聞き、危険を察知し全力で勇次郎さんから距離を取ろうとする。・・・しかし、
「・・・ッッッ!!!?」
う、動かないッッ!
全身のバネ、筋肉を使い勇次郎さんの手から俺の拳を引きはがそうとするがビクともしない。それどころか勇次郎さんは俺の拳をより一層強く握りしめる。
「ぐお・・・!」
ミシミシと拳が嫌な音を立て、骨と共に痛覚も悲鳴を上げ始める。
「俺に刃向かえた武術は数少ない・・・」
勇次郎さんが口を開く。無論こっちにそれを聞く余裕は無く、どうにかして脱出しようと躍起になっている。
「流野岩技、その若さで俺の攻撃に耐えうる
くっそッッ!外れないッッッ!!!
「貴様の『武』はとても美味だったぞ」
「〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
勇次郎さんがなんか言っている。だが、こっちの拳もいよいよ余裕が無くなってきた。
「そして」
パッと勇次郎さんの手が開き、その反動で思わずのけ反ってしまう。
あ、やば。
「
決定的な隙を晒した俺に勇次郎さんの拳が迫る。
極限まで危険な状況に陥ると辺りがスローモーションのように見えるらしい。ということは今の俺がまさにその状況ということか。
考えろ考えるんだ、いや対処しろ
動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け!!!!!
どうにかしろ!なにかしろ!なんとかしろ!
生き延びろ!!!
「フ、フハハハハハハッッッ!!!!まだやらせてくれるのかお前はッッッ!!」
俺は何も考えていなかった。だから、今俺がどんなことしてるのか、どんな状況にあるのか、それを理解するのに一瞬の間を要した。
「うっそ・・・」
俺が、厳密には俺の本能が選んだ選択は『勇次郎さんの腕に絡みつく』ことだった。
「あの状況で俺の腕に巻き付き、十字固めか。よくぞ対応した」
なんでこうなったのか分からないが、そうなってしまった以上やるしかない。・・・だが。
「・・・ッッッ!動かねぇ!!!」
動かないのだ。勇次郎さんの腕の関節を極め、捻りあげようとするが捻るどころか関節を動かすことすらできていない。
そして、勇次郎さんは腕を伸ばしたまま、こちらを見ている。まるで自分が動物園のコアラであるかのような錯覚を受ける。
『間一髪で攻撃をしのいだ岩技選手!しかし駄目だ!範馬選手に関節技が通用していないぃ!』
「それで俺をどうこうできると思ったか?」
その言葉と共に、視点がゆっくり高くなっていく。その瞬間、自分が置かれた状況を理解する。
「腕一本で持ち上げた・・・!?」
成人男性が腕に巻きついているのにそれを苦にせず、軽々と持ち上げる。つくづく思う。
コイツやばい!!!
「カァッッッ!!!」
巻きついた腕から感じる圧倒的
そのすぐ後に聞こえてきたのは爆発音。それが拳を地面に叩きつけた音だというのは地面にめり込んだ拳とそこから広がる小さなクレーターをもって理解することが出来た。
あんな速度とパワーで叩きつけられてたら流石に死んでるだろ・・・。
本日何度目になるか分からなくなったが感じてきた命の危機。それとは正反対に俺の感覚は何故か鋭敏に研ぎ澄まされていく。
「続けるぞ」
そして砂ぼこりから姿を現したのは───
『で、出たァァァ!!!鬼の顔だァァァ!!!!』
こちらを見つめる鬼だった。
更新が遅れてしまい申し訳ありません。就活がボチボチ落ち着くので8月くらいにはまた投稿できると思います。
口調などに違和感がありましたら感想の方でお伝えください。自分としてもこんな人だったっけ?になっちゃってます(照)
誰とイチャつく?(物理的に)
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元祖ハーレム(ピクル)
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かませ犬なわけないだろ!(オリバ)
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噛道!(`・ω・´)キリッ(ジャック)
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その他(鎬兄弟とか相撲とか)