碇シンジは夢を見る   作:ゼガちゃん

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お待たせしました。

年が明けてしばらく経ってしまいました。

今回は独自解釈もあります。

では、続きです。


背中を預け合える仲間

エントリープラグに乗り込み、その時を待つ。

既に初号機と零号機は所定の位置に着いている。

 

映画等で観た遠距離射撃の体勢を見よう見まねで行っている。

厳密には戦自の協力の元、リツコが計算してくれた。

 

陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)をうつ伏せの状態で初号機が射撃体勢で構える。

エヴァのサイズに合わせて用意してくれた手腕はさすがの仕事ぶり。

そして、横に零号機が耐熱光波防御盾を装備して待機している。

 

今回は陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の充電の方が中心となるので、電子ケーブルで繋げてある。

エヴァはアンビリカルケーブルの装着は無しだ。

使徒との戦いの時のように最小限の動きで済むので稼働時間には多少の余裕がある。

全力を出すとなると5分しか保てないが、今回は狙撃であるが故に現状はまだまだ余裕がある。

 

「ふ、う」

 

『緊張してるの? シンジ君』

 

「ええ、まあ」

 

人類の双肩が懸かっていると言われてもピンと来ていない。

しかしながら、このような大掛かりなものを用意されては嫌と言う程に思い知らされるのも事実。

 

「不安の方が大きい、ですかね」

 

『まあ、そうよね』

 

シンジの発言は何も間違っていない。

命知らずな事を言い出さない辺り、シンジは正しく「死」を恐れている。

目の前の敵を油断せず、相対しようとしている。

無謀なまでの特攻行為をしない事だけははっきりしている。

 

『シンジ君とレイ宛のメッセージがあるから、それを聞いてちょうだい』

 

はて? 自分達へメッセージを送るとな?

しかもNERV本部へと来たものだ。

簡単な方法ではメッセージを送るなど不可能。

そう思っていたがやらかしそうな親友の顔が思い浮かんだ。

 

『シンジ、気張ってくれや。綾波もここに居らへんからそこに居るんやろ? 頼んだで』

『碇、綾波……月並みな事しか言えなくてすまない。応援してるぞ』

『ちょっと鈴原、相田も。何をしてるのよ?』

『ちょうど良いタイミングや委員長。これからワシ等を助けてくれる奴にメッセージを送るんや』

『違法な手段を使ってない?』

『良いんだよ。応援は力になるんだから。“お咎めして貰う為にも”生きていて貰わないとな』

『はあ……えっと、なら、頑張って!!』

『ほな、頼んだでシンジ、綾波』

『え? 今碇君と綾波さんの名前……』

『『あっ』』

 

そこで通信が切れる。

親友with委員長からの激励。

しかし、最後にはうっかり機密事項を漏らされてしまう。

 

『これは生きて帰って、シンジ君に“咎めて貰わないとね”』

 

「――っ!! はい、そうですね」

 

生きてみせる。

そして、NERVへのハッキング紛いをした親友達を叱らなくては。

 

「生きて帰ります。綾波もね」

 

『了解』

 

画面の向こうは判然としない。

だが、綾波も今のメッセージを受けて何も感じていないとは言わせない。

 

『準備は良いかしら?』

 

「はい」

 

『いけます』

 

初号機の引き金に引っ掻けている右の指に力を込める。

NERVの面々のサポートもあり、陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の照準はラミエルにセットされている。

科学の力も凄いが、ひいてはNERVメンバーのサポートの力量の高さに脱帽する。

技術や機械がどれだけ優れていようと、運用する者の力量が届いてなければただ使われるだけだ。

 

陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の準備は出来たわ。カウントするわ』

 

「はい」

 

いよいよだ――――シンジは内心で緊張が走る。

引き金が固く感じる。

自身の肩に、手に、この指一本に全てが懸かっている。

日本中の電力を供給してもらい、使徒を確実に殲滅しなければならない。

 

責任の重大性を理解しているつもりでいた。

けれど、この土壇場で降り掛かる緊張感はあった。

 

『大丈夫? シンジ君』

 

「ミサトさん…………正直、怖いですね」

 

シンジは素直に内心を打ち明ける。

 

『恐怖を持つのは良い事よ。最悪を想定出来ない事は作戦の危険性を理解せず、勝手に突っ走る事になってしまうから』

 

だから、シンジの抱く感情は正しいのだと弁護する。

しかし、それで足踏みしている訳にもいかない。

 

『シンジ君、恐怖心は捨てては駄目よ。それを秘めて――――前だけではなくて、振り返ってみて』

 

「振り返る?」

 

『そう。自分が“何の為にそこに居るのかを”』

 

ミサトの言葉にハッとした。

シンジがエヴァンゲリオンに乗る理由、戦う理由を思い出す。

 

「ありがとうございます。ミサトさん」

 

『頼んだわ。シンジ君』

 

シンジの顔付きが変わった。

ミサトはそれを見て「後を頼む」と告げる。

 

シンジを信頼するかのようにカウントダウンが始まる。

 

5、

 

4、

 

3、

 

2、

 

1――――

 

『射てぇっ!!』

 

「っ!!」

 

ミサトの号令と同時に引き金を引く。

 

 

 

 

 

ゴオオオオオォォォォォッ!!

 

 

 

 

 

凄まじい轟音と共に閃光が照射される。

一直線にラミエルへと突き進んでいく。

 

直撃は間違いない――――シンジは手応えを感じていたし、ミサト達も疑わなかった。

 

キィィィィィッ!!

 

鼓膜を揺さぶる高音が響く。

これがラミエルのものなのは分かっていた。

 

こちらの攻撃を見抜かれてしまった。

ラミエルはATフィールドを展開する。

 

一瞬、ほんの一瞬だ。

ATフィールドに閃光が阻まれるも、次の瞬間には貫いた。

瞬く間に起こった出来事、それでもラミエルには突き進む勢いは止まらない。

直撃する――――

 

 

 

 

その寸前、ラミエルの身体が“変形した。”

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

『何ですって!?』

 

身体を分裂させるかのように細かな粒子となる。

コアをズラして直撃から免れる。

 

閃光は無情にも真っ直ぐに突き進み、ラミエルをスルーして遠くの建物と道路を粉砕する。

 

『碇君、来る』

 

そう、ラミエルの反撃は終わらない。

陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の一撃を回避し、それで終わりの筈がない。

狙撃位置が把握された。

攻撃の意思を見せた。

相手は超長距離からの攻撃を行う。

解答はラミエルが極太のレーザーを放つ――――であった。

 

「ぐっ!?」

 

『大丈夫』

 

シンジが身構えようとし、零号機が…………綾波が初号機の前へ。

ラミエルの閃光に立ち塞がる。

 

迫り来る閃光を零号機が所持する盾が防ぐ。

しかし、勢いに押され徐々に後退していく零号機。

それに加えて盾が熱光線により融解を始めた。

 

『長くは保てないわ!!』

 

リツコが叫ぶ。

ラミエルの攻撃は予想以上の威力を有していると言って良い。

 

「っ!! ミサトさん!!」

 

『今、再充電しているわ!!』

 

シンジもミサトも焦る気持ちを声を荒げるのみに留める。

このままでは綾波の命が危うい。

 

『このままだと、生命維持が困難な程にLCLの温度が上昇してしまうわ』

 

「それって…………危ないんじゃ!?」

 

LCL液により、身体へ掛かる衝撃と言った負担はほぼ皆無だ。

しかし、熱による温度の上昇を完全には防げない。

ラミエルの光線を受け続ける事はリスクを背負っている。

 

「綾波!!」

 

『大丈夫。言ったもの』

 

私が守るもの――――と。

綾波の言葉を思い出し、彼女は実行に移している。

我が身を盾にし、シンジを守り抜く。

 

零号機が身を呈して初号機を守る。

これが元々作戦なのは理解している。

けれど、けれども――――

 

「そんなの、駄目だ!! 綾波!!」

 

“感情はまた別の話だ。”

 

陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の充電はあと1分程で終了する。

だが、その間に綾波が無事で居てくれる保証は皆無だ。

それに何より――――

 

『いけない!! 盾が限界……』

 

頼みの綱の盾が限界寸前であった。

零号機もそうだが、ラミエル殲滅に必須の陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)をも失ってしまう。

何よりも綾波レイを失う事を碇シンジは良しとしない――――する訳がない。

 

「う、おおおおおおおおあああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」

 

獣かと聞き違う程の咆哮がシンジの口から飛び出した。

眼前に迫る恐怖を雄叫びで振り払い、うつ伏せの状態で左手を前へと突き出す。

 

瞬間、零号機の真正面に不可視の壁が出現する。

それはラミエルの閃光を抑え込む。

 

「これで、なんとか」

 

凌げた――――シンジがホッとするのも束の間たった。

 

「あっ――――」

 

思わず声が漏れる。

ラミエルの迎撃は未だに終わっていなかったからだ。

 

『第二射が来るわ!!』

 

目の前の現実をミサトが通信で教えてくれた。

しかし、一歩遅かった。

ラミエルの加粒子砲が勢い良く放たれる。

 

『まだ、もう少し、なのに!!』

 

陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の充電はあと少し。

だが、人類を殲滅せんとする使徒がこちらの動向に情けをかけてくれる筈がない。

それを証明するかのように無情にも放たれるラミエルの加粒子砲。

 

「綾波!!」

 

このままでは陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の充電完了を待たずに零号機や初号機もろとも辺り一面が焦土と化してしまう。

射撃体勢で居る訳にはいかない。

立ち上がり、右手に陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)を持ち、空いた左手で零号機の腕を掴む。

 

『碇君、これは命令無視――――』

 

「このままだと、皆やられるよ!! 下がってて!!」

 

軍の規律などシンジには分からない。

分かるのは皆が御陀仏になってしまう未来が待つ事のみ。

 

零号機を初号機の側へ引っ張り、入れ替わるように前へと飛び出る。

 

「これをお願い!!」

 

陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)を零号機へと預ける。

直後、目と鼻の先に迫った加粒子砲へ両手をかざす。

 

「ATフィールド、展開!!」

 

不可視の壁で加粒子砲を真正面から受け止める――――受け止める、が。

 

「勢いが、強…………いっ!?」

 

LCL液の温度の上昇も肌で感じ取る。

このままではシンジの身も危ない。

出した結論は、ATフィールドをそのまま真横へズラして宙へ軌道の変更を無理矢理に行うこと。

 

「こっ、のおっ!!」

 

内心で「根性だ!!」と叫びながらATフィールドをズラす。

 

ラミエルの攻撃は真横へ反れる。

 

「これで…………」

 

『まだ来るわ!!』

 

反撃できる――――シンジはそう考えた。

しかし、それは甘過ぎる思考だと行動で叩き付けられた。

 

「は?」

 

そう声を出してしまう展開となった。

それだけ呆然とさせられる展開であったから。

 

正面には視界を覆い尽くす程の閃光が切迫していた。

先程と寸分違わない極太の閃光――――加粒子砲だ。

 

「っ!!」

 

ATフィールドを再度展開する。

 

咄嗟に反応できたのはミサトが教えてくれたからなのもある。

零号機と陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)を守る必要性がある。

 

一歩下がり、零号機も庇う形で立つ。

だが、残念ながら多勢に無勢――――更に悲報は続く。

 

『今度は真上!!』

 

「なっ!?」

 

驚くのも無理ない。

こうも休む間も与えないラミエルの戦闘スタイルは未熟なシンジには大きく刺さる。

 

先程と同等の加粒子砲が追加で叩き込まれようとしている。

しかも、初号機の展開するATフィールドの真上を取られた。

 

「くっ、づぅっ!?」

 

こちらが防げない範囲へ仕掛けてきた。

追い討ちを掛けるタイミングも完璧が過ぎる。

しかも、これで連射が可能なのだと分かると落ち着いてもいられない。

 

このままではデッドエンドまっしぐらだ。

 

「な、らっ!!」

 

さっきと同じ要領だ。

ATフィールドを真上へと反らす。

必然、加粒子砲の軌道も真上へ反れる。

 

次の瞬間、頭上で光が弾けた。

映画で観るような閃光弾とマッチする状況だ。

決定的に異なるのは、直後に大きな揺れがあった事か。

 

「うっ、あっ!!」

 

平衡感覚が失われる。

止まった頃にはエヴァは仰向けに倒れていた。

無傷で済んでいるのはLCLのおかげだ。

 

それに加えてシンクロ率上昇による痛覚が大幅にカットされていたのも起因している。

緩和こそされていようが、やはり痛覚が発生して動きが鈍りすぎるのは隙を生みすぎてしまう。

普通の操縦でもアスカのアドバイスのおかげで物にはなっている。

綾波を庇ったのは火事場の馬鹿力が働いた。

ただ、シンジ基準でも動きは緩慢だと思えてしまった。

 

『シンジ君!! レイ!! 無事!?』

 

『はい』

 

「こっちも、何とか」

 

『それと陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)も無傷です』

ミサトからの通信を使い、この場の切り札がまだ生きている事を綾波は伝える。

どうにも綾波も自身の事を考えない節が目立つ。

 

「って、考えてる場合じゃない」

 

ラミエルからの追撃を考えておかなければ。

地面に手を付いて、立ち上がろうとして――――ストンと真後ろへ倒れた。

 

「どうして……?」

 

立ち上がれなかった原因だろう両手を見てみる。

 

 

 

 

 

両手首から先が失くなっていた。

 

 

 

 

 

「――――――っ!? 初号機の両手が消し飛ばされてしまいました!!」

 

『何ですってっ!?』

 

この事実は悪い方向へと突き進む。

つまり、初号機は陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)を扱えない。

 

『これは、ちょっちまずいかも』

 

ちょっちでは無い――――と、ツッコミをしたくなる。

それよりも気になる事が。

 

「ラミエルは?」

 

『今の攻撃でこちらからの敵意が向いていないから追撃はこれ以上は無さそうね』

 

リツコが冷静に場を分析し、そう結論付けた。

ラミエルは依然として待機状態にある。

 

「また陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)による狙撃を狙いますか?」

 

『そうしたいところなのだけれど、大問題が発生したわ』

 

「と言うと?」

 

陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の充電が3分の2程しか完了していない状態になってしまっているわ』

 

「………………え? でもさっきまで充電してましたよね?」

 

リツコから衝撃的な内容が伝えられる。

記憶違いでなければ先程まで充電をしていた筈では?

 

『途中でケーブルが切れてしまったの。またケーブルを繋がないと――――』

 

「そのケーブルって?」

 

『エヴァのアンビリカルケーブルを設置してある場所よ』

 

「アンビリカルケーブルの場所…………それって、もしかして?」

 

『もしかしなくても、そうなのよ。更にラミエルの射程範囲に入るのよ』

 

第三東京市を陣取るラミエル。

アンビリカルケーブルはその付近に設置してある訳で――――

 

「NERVの地下にあったりとかは?」

 

『残念ながら地下には無いわ』

 

「まあ、分かってはいましたけど」

 

万事休すか。

 

『一番近いところならエヴァの身体能力があれば数十秒で着けるわ』

 

問題となるのはボスキャラであるラミエルの存在となる訳で。

実に厄介な奴である。

 

まずは情報の整理だ。

 

遠距離主体のボス、こちらは狙撃の準備が完了していない。

初号機は機動力は残っている。

零号機は狙撃できる状態にはある。

恐らく、接近すればラミエルからの加粒子砲が放たれる現実は免れない。

 

「ん? この状況確か…………」

 

ふと、デジャブを抱く。

記憶の糸を辿っていき――――閃いた。

 

「……………っ!! リツコさん。陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)の充電を完了するのにはどれだけの時間が必要ですか?」

 

『現状の段階で1分は掛からない筈よ』

 

具体的な数字までは出せない。

用意するのに時間をかけすぎた。

ただ、目安があるだけマシというもの。

 

「あの、陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)は出力を抑えながら連射等は可能ですか?」

 

『それはこっちで操作できるわ』

 

『はい。任せて下さい』

 

リツコが言うとオペレーターの日向が頷いた。

 

『シンジ君、何か考えがあるの?』

 

「はい。上手くいくと思います。その為には綾波にも協力して貰います」

 

『私に?』

 

「うん。正直、危険は付き物だけど」

 

シンジだけで解決できる訳がない。

誰かに頼る必要があるなら頼る。

これは『碇ゲンドウ』から教えられた鉄則だ。

 

それに綾波も戦う覚悟を決めている。

彼女を遠ざける事は、その覚悟を足蹴にしているも同然の行為と言えた。

 

「両手のない初号機で陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)は扱えない。だから、綾波に頼みたいんだ」

 

『私は命令に従うわ』

 

『司令』

 

『やむを得まい』

 

作戦の変更は致し方無い。

出来ないものは出来ない。

その代わりに出来る事をする。

 

「僕が綾波を、零号機を連れて充電設備の整った場所まで連れていきます」

 

『でも、どうやって?』

 

「それはズバリ…………合体です!!」

 

拳を握り締め、シンジは高らかに宣言する。

何を言い出すのか?

次には行動に移していた。

 

その行動とは零号機を肩車する事だった。

手が無いので肘の間接部を用いて挟んでいるだけになる。

突然の事態に奇抜な策を思い付くミサトさえポカンとしていた。

 

「これで綾波がラミエルの加粒子砲を陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)を使って叩き落とす。それが難しそうな場合は僕がATフィールドを張って攻撃を反らします」

 

これは『平行世界』で『綾波レイ』と『惣流・アスカ・ラングレー』がプレイしていたゲームの遠距離ボスの突破方法だ。

ゲームと現実とでは比較にはならない。

だが、この手は試すだけの価値がある。

 

「エヴァのバッテリーももう長くは保てませんから」

 

全力で動けば5分しか保てない。

動くなら今しかない。

 

「ミサトさん!!」

 

『………………分かったわ。シンジ君の案でいきましょう』

 

時間がない事を理解している。

だから、ミサトも悩む暇がない。

シンジの策に乗ったのは可能性がありそうだとミサトも直感したから。

 

こういった予想の範疇を超えた策はミサトの専売特許だと思っていたが、シンジも柔軟な思考を持つ。

これは『葛城ミサト』の影響が大きいのはシンジのみが知る事実。

 

「あいつを倒そう。その為に綾波は僕が守るよ。だから、綾波も僕を守って」

 

『碇君……了解』

 

シンジの言葉に綾波は一瞬考える。

綾波もこうして励まし合い、立ち向かう事に不思議な気持ちを抱いた。

背中を預け合える仲間の頼もしさを知らず知らずに気付かされた。

 

『じゃあ、細かい策を練りましょう』

 

今のでミサトの脳が回り始める。

成功へ導く為に策を改めて練り始めた。

 

さあ、ラミエルの奴に目にもの見せてやろう。




如何でしたでしょうか?

ラミエル戦はこれで終わると思ってましたか?
作者は思ってました。
何故か続きました。不思議です。

陽電子砲やラミエルの仕様が違う気もしますが平に御容赦を。

『平行世界』の出来事、経験も今回は活きてきます。
ゲーム内でのものでしたが、果たして上手くいくのでしょうか?

ではまた次回に。

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