何でも検索できるパソコンを手に入れました。ーBPCー 作:木岡(もくおか)
「動画サイト ログインIDとパスワード」
『あなたが忘れたログインIDはponkan1221。パスワードはdcba1221です。』
「さっき見たAV やらせ」
『あなたが10分前に見たアダルトビデオの出演女性は素人ではなく、企画の内容をあらかじめ知っていました。』
「お隣さん 趣味」
『あなたの隣の家に住む主人の趣味は天体観測です。』
「僕の家のゴキブリ 数」
『現在あなたの家の敷地内にいるクロゴキブリの数は9匹です』
「サスペンス漫画 真実」
『あなたが先日読んだサスペンス漫画に真実と言うような設定はありません。作者が各話を盛り上げようとした結果、設定を増やし過ぎた為、辻褄を合わせることが出来なくなったので、そのまま謎を増やしたまま終わらせました。』
つい最近、僕が一気読みしたサスペンス漫画がある。パンデミック系で謎が謎を呼び、人間同士の騙し合いも描かれる王道サスペンス。
凄く面白くて読んでいる間はずっと最後がどうなるんだろうと気にしていたのだが、楽しみにしていた最後は結局あやふやなまま謎を増やして終わった。
続編への伏線かとも思ったけど何も考えていなかっただけらしい。
謎が多い物語とは大体そんなものだったりするのだろう……もしくは拍子抜けする大したことが無い真実……。
「時間 止め方」
『時間を止める方法はありません。厳密に言うと、あなたが考えているように時間を止めた状態であなただけ動けるという状況を作ることはできません。』
「催眠術 やり方」
『一時的に人の思考を誘導することや、長期的な管理で他者の行動を制限することは可能ですが、あなたが考えているように異性を意のままに操るようなことはできません。』
「お隣さん 年齢」
『あなたの隣の家に住む主人の年齢は67歳です。』
「賞味期限切れ 食べてもいいか」
『あなたが今食べようか悩んでいるクッキーは賞味期限が10日過ぎていますが、食べても体調を悪くすることは無いでしょう。』
「占い師 本当」
『あなたが先程見たテレビ番組に出ていた占い師の能力は嘘です。彼女が言い当てた未来や過去、憑いている霊の話は全てテレビ局のスタッフが作り上げたものです。そもそもこの世界に未来を視るという類の占いは存在しません。』
先程ゴールデンタイムのバラエティ番組で特集されていた占い師が凄かった。訪れたことが無い場所や初めて会う人を1度見ただけでその過去を詳しく話し出すし、心霊スポットや数カ月前に占った未来が当たるかどうかという企画もバリバリに視聴者を驚かせる内容だった。
今まで見たそういう類のスピリチュアルな人間の中ではぶっちぎりで凄かった。
占いに興味が無い僕が信じてしまいそうになるほど。幽霊はこの世にいたのだから見ることができる人がいてもおかしくない。
けれど、蓋を開けてみれば結局それも作り上げられたもので……。
未来を知れるだとか、その辺にいる幽霊が見えて会話できるなんて人は胡散臭い占い師なんて職業に就かない。普通に考えたらそうである。
そんなチート能力があるならもっと有効活用できるはずだ――。
そう。そんな能力がこの世にある訳ない。もしあるとしたら……。
『人が未来を知る術はこの世界で唯一、このパソコンだけです。』