何でも検索できるパソコンを手に入れました。ーBPCー   作:木岡(もくおか)

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word36 「お隣さん 何やってた」①

 僕の家の隣にはお隣さんが住んでいる。隣に家があって人が住んでいるのだ。

 

 別に珍しい事でも何でもない。けど、住んでいる人はとっても特別……何しろ地球人ではないのだから…………。

 

 

 

 ――ある休日の日に僕は外に出かけていた。予定が無ければ基本的に寝て過ごすのだけれど、外せない予定があったからだ。

 

 クラスの友達と週末に勉強会をやろうと約束していた。来週から始まる期末テストの対策をする為に朝から友達の家に集合。解散時刻は決めずに、できるだけ頑張ろうという予定だった。

 

 予定通りに集まった僕たちは広い部屋を持つ友達の家で、教科書とノートを机の上に広げた。

 

 4人の友達が集まってそんな会を開けば、当初の目的を忘れる奴が出てきて、脇道に逸れる場面がある。関係ない話で盛り上がったり、ここまで頑張ったのだから休憩にして遊ぼうとゲームをしたり麻雀をしたり。僕らもそうだった。

 

 けど、そうしながらもそこそこ勉強は捗った。途中で休み時間を挟みつつも集中する時は集中。ペンと紙の音だけがする時間があって、家で1人でやるよりも賢くなれた気がする時間を過ごせた。

 

 勉強会は夕方になる前には解散となった。友達の1人が夕方から用事があったので、じゃあ皆ここで解散でいいかという流れになった。

 

 別れを言って友達の家から出た僕……今は帰り道を歩いている……。

 

 天気が良い日だったので、日が落ち始めてもまだ暖かさを感じられた。僕は見慣れた路地を、寄り道せず真っ直ぐ家へ向かう。いつも通り、景色を楽しみながら少し遅めのペースで。

 

 横断歩道の信号に止められたときは、今日覚えたことをすぐに忘れていないか頭の中で確認したりなんかもする。さっきまで会っていた友達と点数の勝負をすると決まった地理のテストの復習だった。

 

 考え事をしながら家に帰って、家に帰ったらゆっくり過ごす。今日も世界は平和に終わっていく。

 

 明日も明後日もきっとそうだ……。

 

 そう思っていたんだけど、しばらく歩いて家のすぐ近くまで帰って来た時に僕はある人物と出くわしてしまった。

 

 僕の家の隣に住む、お隣さんである――――。

 

 ただの人間に見えるけど、本当の姿は宇宙人だというとんでもない存在のお隣さん。他の人間は誰もそのことを知らないだろうけど、僕だけは黒いパソコンから聞いて知っている。

 

 そのお隣さんが家の最寄りの自販機前にいた。遭遇してしまった。

 

 僕は反射的に足を止める――。

 

 前の検索で本当の姿はかなりいかついと判明した。それを一旦見なかったことにして忘れようとしたけれど、数日後に「お隣さんが危険な宇宙人なのか」についてはさすがに検索した。

 

 安全だと黒いパソコンが言ったので、僕はもうこの件は完全に忘れることにして何事も起こさずに過ごすことにした。

 

 結果には「何もしなければ安全」という風に書かれていたので、そりゃもうこれ以上の詮索はしない。平和が1番である。僕は誓うように決めたのだった。

 

 それからはいつも通り……よりはお隣さんからちょっと距離を取って生活した。たまに見かけては、なるべく話しかけられないように立ち回って、あれは普通の人だと自分に言い聞かせた。

 

 今もそうである。あれは普通の人……あれは普通の人……。お隣さんを見ながら念じる。

 

 けれどやっぱり、ああして自動販売機の下を地面に頭をつけて覗いているお隣さんを見ると、変な人だとしか思えないのだ……。

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