何でも検索できるパソコンを手に入れました。ーBPCー   作:木岡(もくおか)

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word36 「お隣さん 何やってた」③

 なんとなくイライラしているのでEnterキーを連打する。そして、気になるその結果は黒いパソコンの画面に表示された。

 

「あなたの隣の家に住む主人が、先ほど道で自動販売機の下を覗いていた理由は、自動販売機の下に小銭があるかを確認する為です……」

 

 まず1番上にある文を見て、僕はシンプルにそういう理由だったことに驚いた。もっと他の理由があったのだと思っていた。

 

 けれど続く文はさらに衝撃的な内容で……。

 

「彼は今日、町中の自動販売機の下を覗き歩いています。3時間という時間を決めて、その時間の中で町を歩き、見つけた自動販売機全ての下を確認して、合計何円分の小銭があるかという調査です。その結果は母国の惑星へ報告され、彼はさらにそこと地球のインターネットへ記事をアップロードする予定です。彼はそういった調査を自身のブログに記しています。」

 

 文章に目を合わせたまま、僕はポケットからスマホを取り出して検索エンジンを起動する。

 

 何だその面白そうな話は。あの人がブログなんてやっているのか。しかも自動販売機の下を探せば何円集まるかとかちょっと面白そうだし。

 

 そのブログを探そうとしたけれど、今どきブログはメジャーじゃないし、1人として誰かのブログなど読んでなんていないし探し方も分からなかった。

 

 困った僕は黒いパソコンがさらに答えを教えてくれないかと画面を見つめる。すると、画面は切り替わった。

 

「ちょうど今、彼が調査を始めて3時間が経過したので結果が分かりました。この町内の自販機の下に落ちていた小銭の合計は1円玉が1枚、10円玉が1枚、他は全て0枚だったそうです。」

 

 望んでいたのとは違う文章。さすがに何をやっていたかを検索してそこまでは教えてくれないか。

 

 にしても、3時間探し回ってたったの11円しか小銭って落ちてないんだな。僕は腕を組んで短く何度か頷いた。

 

 確かに自販機の下に小銭を落とすことって考えてみればほぼない。僕は今まで1度も経験したことがないと思う。小銭を財布から取り出して自販機に入れるとこまでで落とすかつ、落ちた小銭が自販機の下まで跳ね返らないと起こらないことだ。

 

 もっと言うと、昔より自販機自体利用する人が減ってきているはず。特にこの辺は。色んな種類のコンビニがけっこうある。電子マネーなんかも普及しているこのご時世で小銭落とすってまあないであろう。

 

 頭の中でそれについては納得する。うん、それはいいんだけど……今はそんなことを考えている場合ではないっ。

 

 お隣さんは町中の自販機で覗いていったのか。駅のほうの人が多いエリアでもきっとあの態勢になったのだろうな……。

 

 少し想像しただけで共感性羞恥が発動する。「おお……」と引く時に出る声も出た。

 

 地球を管理する為に来たっていうのはそういうところまで調べるんだな。なるほど、今までの奇行ももしかしたら何かの調査でやっていた可能性もあるのか。

 

 何にせよ、これは伸びしろのある検索分野だな。

 

 僕はお隣さんについて調べること禁止を一旦無かったことにして、検索したいことノートに「お隣さん ブログ」と書き込んでおいた。

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