何でも検索できるパソコンを手に入れました。ーBPCー 作：木岡(もくおか)
じっくりとそのランキングの結果を見ていると高まるものがあった。ただ文字と数字が並んでいるだけであるけれど、これが作り上げられた過程を考えると、それだけでエロ方面での想像力が刺激された。
学校中の男子が特定の女子で下の処理をしている……。その女子で色んなシチュエーションを妄想している……。どういう風にフィニッシュしているのか。想像すれば、頭の中が白く白く、染まっていった……。
そして、他に芽生えた感情が折原で抜いたことがある不届き者への怒りの感情である……。
翌日の学校では……上位にランクインされた女子のことを、「あ、5位の人だ」という風に見た。かなり考察しがいのあるランキング結果だったものだから、しっかり画像として保存して、昨日のうちにTOP20くらいは暗記した。
頭の中のデータを頼りに「今日も4位がパンツ見えそう」だとか、「5位はすれ違った時めっちゃ良い匂いするな」とか心の中で言って順位で見ていたのだ。
そんな目で上位の女子を見ていたら、その中の1人とふいに目が合ってしまった時に、かなりわざとらしく逸らしてしまった。申し訳なさ、恥ずかしさと共に「3位の女子と目が合ってしまった」と鼓動を早めながら思った。
それから、一体1位の村本さんはどこにいるんだろうと探しもした。そんな訳もないけれど、ひょっとしたらめちゃくちゃかわいい女子のことを忘れていて、見たら思い出すかもしれないから、女子を見かけると顔に注目した。
同じクラスになったことがなくて名前の覚え間違いとかもあるかもしれない。そう思ったけれど、1日過ごして上位にランキングしていないのがおかしいレベルのかわいさを持つ女子は見つけられなかった。
たった1日の捜索ではあるけれど、村本さんの詳細は自分だけの力では分からない。僕はそんな気がした。きっと知らない名前が1位だったことには何かしらカラクリがあって、正当な手段でランクインしているのではないのだ。
――で、あるならば。今日の検索はそれに使えばいい。うちの学校のマドンナたちを跳ね除けて、圧倒的1位の座に君臨する女王の正体を暴いてやる。
僕はまた家に着く前にそう決めて、家に帰るとすぐに検索する構えになった。
多少の予想はできる。カラクリの方向性というか、ぼんやりとあんな感じの理由で知らない女子が1位なんだろうなと。
それは昨日の検索結果の最後の部分だ。「あなたの高校入学時から現在までの期間で、全国の男性が1度射精することを1回として集計したものです。」という部分、これを見ると全国の男性から何回おかずにされたかというランキングだということが分かる。
全国の男性ということは僕の同学年の男子だけではない。もちろん先輩も後輩も含まれるし、村本さんの中学時代の同級生だとか他に所属するコミュニティでの知人、もし村本さんが日本全国に名や顔が知られる活動をしているのならその人たちも含まれる。
僕的にはたぶん、Youtuberとかをやってるんじゃなかろうかと思っていた。そうじゃなくてもどこかのサイトになにかしら動画をあげているのではないか。踊ってみただとか歌ってみただとか若い女子がやりそうな中でもジャンルは色々あるけれど、何かのジャンルでリアルでは目立たないけど人気があるとか。そんな推測、それが違えば普通にSNSで自撮り名人とかか。
とにかくきっと、そこには僕が分からないし、黒いパソコンでないとたどり着けない何かがある。
「村本さんが1位 理由」
入力する単語はこれにした。普通のパソコンだと全く訳が分からないものだが、黒いパソコンであればたぶん僕が欲しい情報を教えてくれる。
もうきっとそうだとか、願うでもなく。当たり前にEnterキーを押す……。表示されたのは予想通りだけど、予想とは全く違うものであった。