プリティダービーに花束を(本編完結)   作:ばんぶー

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お仕事が……




終わらないのです……




人が足りないのですわ……





あと本文めちゃくちゃ長く詰め込んでしまいましたわ……





字余り



※あと宝塚記念とかの設定も……深くは突っ込まず見て頂けると……幸いですわ


ターフにはお宝が埋まっている

『宝塚記念、出走投票第一位は3冠ウマ娘トウカイテイオー!有記念では伝説級のウマ娘達に揉まれ惜しくも5着に終わるも、春の天皇賞ではメジロマックイーンと競り合い上位入着を果たしたトウカイテイオー!今度こそ新たな王冠を手にする事が___』

 

 

「そうか、もうこの季節か。光陰矢の如しとはまさにこの事、時の流れは早いものだ」

 

 

 シンボリルドルフが感慨深そうに呟きながら早朝の生徒会室で読みふけっているのは、ウマ娘新聞に掲載された宝塚記念の特集記事である。宝塚記念はトゥインクルシリーズ上半期の集大成であるG1レースであり、ファン投票で選ばれた18人のウマ娘達による夢の祭典だ。世間の注目も大いに集まる

 

 

 特集記事にはインタビューも掲載されている。これは宝塚記念に出走するウマ娘達が学園の一室に集まり、大勢の記者を呼んで執り行われたものだ。各員には各トレーナーを通して、『トゥインクルシリーズを代表する者として恥じないよう、皆の手本となれるしっかりとした発言をするように』と伝えてある。それを受けて事前にインタビューで執り行われる質問と、それに対しての解答は生徒会室に提出してもらっている。大きな問題がないようチェックをするためだ

 

 

 提出された原稿の内容は非常に無難で落ち着いた内容で少々面白みには欠けるかもしれないが、世間の注目度の高いイベントに関する記事になるのだ。固い印象を与えるくらいでちょうどいいだろうというのがシンボリルドルフを含めURA上層部と理事長達の考えであった。シンボリルドルフはコーヒーを一口飲み、若き英傑達が上手に振る舞ったかどうかを確かめる為に目を通した

 

 

『ミホノブルボン不敵!勝率は100%と断言!自分の弱点探して!』

 

『漆黒のステイヤー・ライスシャワー、次の獲物を定める!トウカイテイオーには泣いてもらいますとにっこり笑顔!』

 

『トウカイテイオー可愛い!先輩方の時代は終わりと強気の発言も、その後高等部の先輩ウマ娘に詰め寄られ涙目!』

 

『乱入任せろ!春の天皇賞王者メジロマックイーン、故障明けでも絶対出場宣言!チームメイトとトレーナー5人掛かりによる強制退場!なお宝塚記念には間に合わないものの、もうすぐ完治との事!』

 

『会場熱狂!マチカネタンホイザ、全力えいえいむん100連発!!』

 

 

「……」

 

 

 シンボリルドルフは新聞をぱたんと閉じて、もう一度開いた。そして机の引き出しをごそごそと探り、先日各トレーナーから提出された宝塚記念インタビューに関しての回答原稿に一度目を通し、もう一度特集記事を読んだ。そしてたっぷり1分程天を仰ぎ、ゆっくりと頭を抱えた。その時、丁度生徒会室にやって来たエアグルーヴとナリタブライアンが様子のおかしいシンボリルドルフを見て飛ぶように傍に駆け寄った

 

 

 

「会長、いかがなされましたか!?……え、この記事ですか?ブフッ」

 

「なんだ、どうしたんだ。女帝殿が吹き出す程面白い記事なのか?……フッ。成程、今年の宝塚記念には相当面白い奴等が出るらしいな」

 

 

 記事を渡されたエアグルーヴは顔を横に向けて腕で口元を隠しながら必死に笑いを押し殺し、ナリタブライアンは咥えていた葉っぱをぴこぴこと動かしながら愉快そうに笑った。一方で顔を上げたシンボリルドルフも笑っていた。ただし、楽しくて笑っているのではない。怒りという感情を顔に出さないよう必死に押さえつけた結果、その顔が笑顔と同じ形をとっているだけだ

 

 

「エアグルーヴ。今すぐインタビューに関わった各トレーナーを……いや、ライスシャワーに関しては大丸トレーナーでは無く大和サブトレーナーを呼んでもらえるかな?事前に提出されたインタビューの原稿と内容が全く違う事について問い質したいんだ」

 

「は、はい。ただちに。……トレーナー、朝早くにすまない。今どこにいる?なに、もうすぐ学園に着く……?バカ者、平日の朝帰りとはどういう了見だ!何をしていたんだ!?……ほう、宝塚記念に出走するウマ娘のトレーナー達と決起集会をしていた?丁度いい。いや、こちらの話だ。とにかくもうすぐ校門に着くんだな?北門か?そうか、ならいい。うむ、うむ。解った」

 

 

 電話を切ったエアグルーヴはすぐ様生徒会室備え付けの内線を通して次の電話を掛ける。電話の先は風紀委員の詰所。すぐさま信頼のおけるメンバーを数人借り受ける手筈を整えた。大和サブトレーナーに生徒会室への呼び出しを伝えなかったのは、直接本人に伝えても100%逃走するのが解りきっているからだ。つまりこれから行われるのは___

 

 

「必ず連行します。いくぞブライアン!私に続け!」

 

「しょうがない。久しぶりに付き合ってやるか」

 

「すまないなブライアン、エアグルーヴ。私自らが打って出れればいいのだが」

 

「構わんさ。会長殿が誰かを追いかけ回している姿が万が一見られでもしたら余計な騒ぎを生むからな。大将は座って待っていればいい」

 

 

 静かに、しかし荒々しく出て行く2人の仲間を見送り、シンボリルドルフは砕けんばかりに握りしめていたコーヒーカップをそっと机に置く。今日という今日はガツンと言ってやると心に決め、気を静める為に簡単な書類整理に手を付け始めた

 

 

_________

 

 

エアグルーヴからの電話があった事を告げると、周囲のトレーナー達の目付きが徹夜明けで疲れ切った気だるいものから鋭い光を宿す戦士のそれへと変わった

 

 

「誰か何かやらかしたの?」

 

「身に覚えがないな……俺達は品行方正で他者から尊敬されるトレセン学園のトレーナー職の肩書を背負う者達だ。決して生徒会室に呼び出されて説教されるような事などしていない筈だが」

 

 

 壮年のトレーナーが全く身に覚えがない、と呟くと全員が一斉に頷いた。まあだが安心して欲しい。我々がいるのはトレセン学園の南門だが、エアグルーヴには万が一に備え『北門にいる』と吹き込んでおいた。広々としたこの学園、偽の情報で反対側に戦力を誘導している内に我々は身を潜めて情報収集をし、事態を穏便に済ませる為の手立てを考えられる筈だ。僕のナイスな提案に皆が深く感動したその瞬間、学園の方からこちらへ走り来る数人のウマ娘達の姿が見えた

 

 

「本当に南門の方にいた!トレーナーさん達だ!こちら風紀委員、発見しました!援軍を!」

 

「トレーナーさん達!生徒会長がお呼びですっ!大人しく___」

 

「「「飲み会お疲れさまでしたッ!」」」

 

 

 その場にいた十数名のトレーナー達が別れの挨拶と共に一斉に別方向へと駆けだした事に、風紀委員のウマ娘達は仰天して思わず動きを止めてしまった。風紀委員達の足は速い。言うまでもないことだ。だが、ここは障害物の存在しないレース場ではない。様々な建物が連なる学園という迷路なのだ。経験豊富な我々であれば逃げ切る勝算は十分にある

 

「逃げないでくださいっ!止まってくださーい!」

 

「逃げるなと言われて止まるウマ娘がいないように、我々も決して逃げるのはやめないぞ!」

 

 

 遠くから聞こえて来る誰かの誇り高き最低な発言に同意しつつ、僕も普段では見せない程の素早い動きで物陰に飛び込んだ。植え込みを越え、木々をすり抜け、建物の間を通り抜けて通学途中のウマ娘達の間に混ざって少し猫背になって存在感を消す。先程の風紀委員達が何の要件でこちらを呼び止めようとしていたのかは知らないが、僕は『トレーナーさん』では無く『サブトレーナーさん』だ。呼びかけを無視した、と後でなじられたとしても言い逃れは出来るだろう。そんな事を考えていたら、背後から聞きなれた声が飛んできた

 

 

 

「トレーナー、おはよ。どうしたのこんなに朝早くから?」

 

「おはよーっす」

 

 

 歴が短いのでうっかり忘れていたが、そういえば僕はトレーナーだった。多分この言い逃れは通用しないだろう。だがそんな事はどうでもよかった。僕は爽やかな朝日を浴びながら愛すべき2人の担当ウマ娘と世間話に興じていられる今に深く感謝する事に忙しかった。追われている事など、既に全くもってどうでもよくなってしまったのだ

 

 

「やあスカーレット、ウオッカ。おはよう、今朝はいい天気だね」

 

「なんだトレーナー、随分眠そうじゃねえか。徹夜か?」

 

「ああウオッカ。仕事でね。少々入れ込んでしまったんだ」

 

「本当に仕事なの?」

 

「なーんかうそくせーなぁ……」

 

 

 2人揃ってじとっと訝し気な目を向けて来る。僕は思わず肩をすくめた。接待だって立派な仕事だと理解して欲しいものだ。確かにカラオケとボウリングは遊びに見えるかもしれないけど、トレーナー間での情報交換とはそういった和やかな場でこそ円滑に行われる。堅苦しい会議だけが大切だといった考え方は古臭く、非効率的だと言わざるを得ない

 

 

「つまりオールでカラオケとボウリング行ったって事でしょ?大人の付き合いっていうか、節度の無い大学生みたいな遊び方ね」

 

 

 誰にそんな概念を教わったのかは解らないが、まだ中学生とは思えない程メチャクチャに厳しい意見がスカーレットから飛んできた。まあそれは一先ず聞こえないフリをしよう。大切なのはコミュニケーションを深めたという事で合って、その内容が遊びに近いものに見えても非難される謂れは無い

 

 

「でもテストも終わったし遊び行きてーよな。つかトレーナーってカラオケとか行くんだな。何歌うんだよ」

 

「ん、まあ色々とね。どうだい2人共、是非今度一緒に___」

 

「楽しそうな話だな」

 

 

 ポンと肩に手が置かれた。その時ようやく思い出したが、僕は追われる身なのだという事だ。振り返ってみると、心底めんどくさそうな顔をしたナリタブライアンの姿があった

 

 

「やぁやぁナリタブライアンじゃないか。久しいね」

 

「ああ久しいな。それはそうと呼び出しだぞ。栄光の生徒会室送りだ」

 

「……君には1つ貸しがあった筈だ。使っていないハンモックをあげただろう?」

 

「見逃してやってもいいが、すぐに女帝殿がここへくるぞ。大人しく私に連れていかれた方が説教が減っていいと思うがな」

 

 

 彼女の言う事にも一理ある。ルドルフとエアグルーヴ、両方から説教を同時に受けるような事だけは避けなくてはならない。観念したよと両手を上げてブライアンに付いて行く事にした僕は、呆れるように手を振るスカーレットとウオッカに別れを告げて渋々歩き出した

 

 

 

______________

 

 

「URAの運営委員会からも苦情が来ています。『個性が強く出ててファンの受けはいいかと思われます。ですがもうちょっとこう、落ち着いた感じのインタビューとかできなかったんですか……?』と。凄く気を遣われているのが逆に申し訳なく思えてしまうくらいです。自由にあるがまま、自分らしくといった生き方は私自身非常に素晴らしいものだと思います。ですが同じように、上に立つ者に相応しい振る舞いというものを意識させるよう指導をお願いしたい。これは私個人の意見という訳では無くトレセン学園全体のウマ娘達の評価に関わる事で、URA運営委員会からも常々言われている事で___」

 

 最後の1人だったらしい僕は挨拶を含め一切の発言を許可されず椅子に座らされた。エアグルーヴを含む他のウマ娘達は会長1人を残して退室した。そこからは延々と生徒会長、シンボリルドルフが眉間に皺を寄せて喋り続けているといった始末だ。彼女は怒った時の話が長い。怒っていない時も話が長いが

 

 

 並んで椅子に座るトレーナー達は皆一様にうなだれている。誰もなんの言い訳もしない。いや、一応言い訳をしようとした者はいた。だが徹夜のカラオケで喉が完全につぶれていて声が出なかったので何1つ言い返せなかったのだ。或いは、皆寝落ち寸前で喋る気力が無かったかのどちらかだ

 

 

「皆さん、私の言う事が解っていただけたでしょうか?」

 

「「「「反省してます」」」」」

 

 

 いい年した大人達が絞り出すように謝罪の言葉を述べるのを、僕は少しうとうとしながら聞いていた。少し、というか殆ど意識を失っていたが。ああ、これに関して言い訳をさせてもらえるのならば、決して僕が不真面目だとか彼女に対する敬意が薄いなどという事では決して無い

 

 ただちょっと寝不足だったのと、適温が保たれている生徒会室で落ち着きのある聞き心地の良いシンボリルドルフの声を延々聞き耽っていれば誰だって眠くなるのは当然だろう

 

 

「……ふ、ふふ。ここまで悪びれなくうとうとされると流石の私も頭に来るな。では彼を除く皆様は退室していただいて結構です。お時間をお取りして申し訳ない」

 

 

 なんだって?僕は不穏な言葉を聞いて瞬時に意識を覚醒させて顔を上げたが、どうやら遅かった。他のトレーナー達は音よりも早く我先にと部屋から飛び出していったのだ。ここは『責任は我々にもあります』だのなんだの言って最後まで残るべきじゃないのか?やれやれだ、彼等には仲間意識が足りないんじゃないだろうか。そんな事で若いウマ娘達を誠意と敬意を持った一人前の大人に育てられるのか、僕ははなはだ心配になった

 

 

「大和さんに心配されるのは彼等も遺憾だろう」

 

 真正面で腕組みをして立つルドルフから非常に厳しいお言葉を頂いた。耳が痛いが、僕は出来るだけ明るい雰囲気を維持する為眠い意識を奮い立たせて可能な限り爽やかな笑顔を彼女に向けた

 

「やあルドルフ。久しぶりだというのにちゃんと挨拶もさせてもらえないとは、生徒会長とはそれ程までに忙しいのかい?」

 

「ああ、忙しいとも。様々な所から予期せぬ問題が飛び出してくるのでね。それで、私の話はそんなに面白くないだろうか?いささか不安になってしまったよ」

 

「いやいや、君の話は聞いていて楽しいとも。1日中聞いていても足りないくらいにはね。ただほら、君の優しい声は少々聞き心地が良すぎてね。ついうとうとしてしまった。そうだルドルフ、罪滅ぼしとはいかないが紅茶を飲みたくないかい?」

 

「……いただくよ」

 

 少しでも彼女の厳しい視線を和らげるためにと立ち上がって……ここが僕のトレーナー室で無いことに気付いた。呆れるような視線を向けて来る彼女に対し肩をすくめてみせた後、素直に頭を下げる事にした

 

 

「ルドルフ。申し訳ないが勝手が解らなくてね」

 

「だと思ったよ。私が淹れるから座っていてくれ」

 

「やれやれ、うっかりしていたよ。しかし、皇帝シンボリルドルフが淹れてくれる紅茶を飲める存在というのは世界広しといえど数える程度だろうね。ふふ。少し緊張してきたよ」

 

「はいはい。あなたは本当に口が軽いな。……さて、ではその口の軽さを見込んで少し話に付き合ってもらえるかな。どうせ暇なのだろうから」

 

「ふーむ、確かに今日に限っては特に用事もない。付き合うよルドルフ。あまり難しい相談事でなければだけど」

 

「ライスシャワーの事だ。彼女が己の置かれている状況に満足しているのか……そして君がそれについてどう思っているのか。聞かせて欲しいんだ」

 

 

 ルドルフが少し不満気に差し出してきたのは、見慣れた雑誌。僕の愛読書である『週刊それなりロマンチック』6月1週号の中に書かれた一面___『希代のヒールと呼ばれたライスシャワー!彼女の素顔に迫る!※ちなみに彼女はすっぴんでも可愛い』と言った、いかにもあの雑誌が書きそうな適当な記事だった

 

 

「ふむ……。確かにライスはお化粧をしなくてもあどけなさがプラスに作用してとても可愛らしい。でもライブの時にメイクさんがちょっとお化粧をしてくれると、彼女の可愛さに完成された大人らしさが加わって___」

 

「それについては聞いていない」

 

「ふむ。ルドルフ、確かに君もライスシャワーに負けず劣らずの可愛らしさがあると思うよ。大きく成長して大人びたが、それを加味しても君は美しさと強さの中に昔と変わらない愛くるしさを秘めているし___」

 

「それについても聞いていない……!」

 

 

 彼女の拳が机に叩きつけられ、書類の束が振動で僅かに揺れる。冗談が過ぎたようで、彼女は少々顔を赤くして僕を真っすぐ見つめて来る。ふふ、かわ……いや、駄目だな。これ以上からかうと窓から放り捨てられるかもしれない。余計な事を言うのはここまでとして、僕はライスシャワーという素晴らしき信念を持ったウマ娘について語る為に今一度姿勢を正した

 

 

 

_______________

 

 

 

 

「ライスシャワーさん。ファン投票1位であるトウカイテイオーさんの勝利を見たい人が一番多いと思いますが、それを受けてレースに対しての意気込みを」

 

「えぇ?えっと、あの、ごめんなさいっ。ライス、頑張って走りますから……テイオーちゃんを応援してる人をがっかりさせちゃうかもしれません」

 

「それはつまり、いつものやつでしょうか?」

 

「いつもの……っていうのは、あんまり解らないんですけど。あの、私を応援してくれてるみなさんには絶対笑顔になってもらえると思います!ライス、がんばって1着を取りますっ!」

 

「流石です、ライスシャワーさん!ではミホノブルボ___」

 

「残念ながら、97%の確率で宝塚記念を制するのは私であるとデータに出ています。ライス、根拠の無い発言はあなたのファンを悲しませてしまう可能性があります。2着を宣言しておくべきかと」

 

「んんっ。ブルボンさん、ライス負けないよっ。この前のレースも勝ったもん……!」

 

「例えば菊花賞のような長距離レースではステイヤーであるあなたに有利な可能性がある事は否定しません。ですが宝塚記念は2200m。私が以前あなたに勝利した皐月賞と日本ダービーの丁度中間の距離です。その他の細かい要素を計算に入れたとしても、単純な適正としては私の方が遥かに有利である事が推測されます」

 

「ブルボンさん、日本ダービーは2年前だよ?」

 

「最後にあなたに敗北したのは長距離に分類されるレースで、中距離未満のレースではあなたに敗北した事は一度もありません。以前より更なるトレーニングを積んだ今の私であれば、例え宝塚記念が3000mであったとしてもあなたに勝利する可能性は90%を超えますが」

 

「じゃあ宝塚記念で全力勝負だねっ。楽しみだねブルボンさん」

 

「ええ、ライス。いいレースをしましょう。私も万全の状態で挑む事を約束します」

 

 

 2人は爽やかな笑顔で友好的に握手を交わした。取材していた記者の隣にいるカメラマンは『この子達の関係なんかヤバくないか?』と思ったが口には出せなかった。取材している記者は『ブルボンとライスのこの絡み、マジでたまらねぇな……』と1人恍惚としていた

 

 

 

 そしてこのインタビューの内容は色々脚色されたり大げさに解釈されたりして記事にされる事となった

 

 






※この学園のトレーナー達は皆非常に優秀です。羽目を外して怒られるようなトレーナーはほんの一握りの少数派です。誤解を与えてしまったのであれば大変申し訳ございません

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