プリティダービーに花束を(本編完結)   作:ばんぶー

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ミキリハッシャマン達が何か手に持っていますねぇ!あれは……短冊でしょうか!?もうすぐ七夕が近付いてまいりました!レース場には笹が植えられています!


七月はビールが美味いんですよね。七夕ってなんでしたっけ?笹って事はパンダ?ん、コアラでしたっけ?



解説さんが酔っぱらって使い物になりません!ちなみにコアラはユーカリですしパンダもマジで関係ありません!おっと、ここでゴジチェックタントウが切実そうな顔で願い事を笹の葉に結びつけています!内容は推して知るべしといったところでしょうか!ミキリハッシャマンは『絶対失踪しない!疾走はしても!』と書いてます!これは大切ですねえ!


どれだけ時間がかかったとしても完結までは頑張って欲しい所ですね。




愛して愛されて

「はぁ……はぁ……!」

 

 

 少しずつ冷静を取り戻し、心臓の鼓動音でいっぱいだった頭が少しずつクリアになっていく。見えなかったものが見えて、聞こえなかったものが聞こえるようになった

 

 

「やりやがったなライスシャワー!お前が一番だぞー!」

 

「ブルボーン!有!有でリベンジしてくれー!」

 

「タンホイザー!こっちむいてー!」

 

「泣くなよトリプルテール!次だ次!次勝てー!」

 

 

 

 下を向いている人もいる。残念そうな人もいる。みんなが皆、笑顔という訳にはいかない。ただそれでも、確かな笑顔がたくさんあって。その内のいくらかは自分が幸せにできたんだとライスシャワーは誇らしげにそう思う事ができた

 

 

「……」

 

「ひゃっ!ぶ、ブルボンさん……!」

 

 

 くるりと振り返ると、そこには無表情のミホノブルボンが至近距離からライスを見下ろしていた。思わず後ずさりそうになるも、何か言うべきだろうかと思考を巡らせてライスシャワーはなんとか声を発しようとする

 

「あの……その」

 

「あなたが勝ちましたね」

 

「あの……」

 

「私が負けました」

 

 

 彼女が何を言いたいのか解らなかったライスは、自分が責められているんじゃないかと考えてその顔を胸に飾った青い薔薇の造花よりももっと青くさせてしまった。それを見てミホノブルボンは慌てて(彼女が慌てた様子は外見には現れなかったが)言葉を繋げた

 

「ライス、何か勘違いしているようですが、私は貴女を傷つけにきた訳ではありません。お祝いの言葉を述べにきたのです。ですがその……なんでしょう。いざあなたを前にすると……言葉に詰まってしまいました。胸に排気不能の熱がたまっています」

 

「ブルボンさん……」

 

「このような感情は初めてです。ですが、不快には感じません」

 

 ミホノブルボンは真っすぐにライスシャワーを見つめた。ライスもそれから目を離さない

 

「あなたと走れて良かった。ありがとうございました、ライスシャワー」

 

「……うん!ライスも、ブルボンさんと走れて良かった……!」

 

 

 どちらともなく差し出した手を握り合った。ブルボンはその後、共に走った全員の下へ向かうと無表情で握手を交わして回った。表情には出なかったが、付き添いのライスシャワーのフォローもあり彼女が感謝を伝えたいのだという事はなんとか全員に伝わったらしかった

 

 

_______________

 

 

「ああ……負けちまったよ、ミホノブルボン」

 

「だな。まー2着でもすげえわ。よくやったよくやった」

 

「生で見たかったけどな。3冠ウマ娘達成の瞬間ってやつ」

 

「まーいつか見られるさ。これからもレースを好きでいりゃあよ。さ、ウイニングライブ見て行こうぜ」

 

 

 ライブ会場へ向かって歩いて行く見知らぬ人達の会話を聞き流しながら、僕は壁にもたれかかって手持無沙汰に青のサイリウムを手の中で転がしていた。別に約束した訳でもないのだが、なんとなく彼はここに来るだろうという直感があったのだ。そしてどうやら正解だったらしく、人並からぬっと顔を出した見知った男が僕の隣で同じように壁に背を預けて愉快そうに喋り出した

 

「思ったよりいい空気だな。何よりだ」

 

「聞こえてこないだけさ。誰だって悪口は大きな声では言わないだろう?」

 

「水を差さないよう周りに気を配っている。そのラインが保たれているのは、ここが温かな空気で満ちているからだ。皆次のレースが楽しみなんだろうよ。今度こそミホノブルボンが勝つか。ライスシャワーがまた一杯食わせてくれるか。……ああ、2人以外のウマ娘のグッズも、レース前は売れ残ってたけど今じゃ完売だ。全員の特集を組んだ俺の雑誌も追加発注が来てる。今年一番の稼ぎになるだろうぜ」

 

「景気の良い話は好きだよ。折角だ、僕のバイクの件についても今のうちに進めようか」

 

「はん。いらねえよ、充分儲けさせてもらった。これ以上は貰いすぎだ」

 

「……ふむ。ならせめて今度の飲みは僕が奢ろう」

 

「それじゃあその時ライスちゃんも連れて来てくれ。独占取材がしたい。俺彼女のファンなんだ」

 

「任されたよ」

 

 

 彼は渋く微笑み、背中を向けながら手を振ると人波に飲まれていった。いかにも渋く去って行った感じを演出しているが、彼が羽織っていたのはライスシャワー応援用の青と黒の法被だ。彼ほどの男がライスシャワーのウイニングライブを見ずに帰る訳ないだろう。彼に限らずだが、僕なんかが何かしなくてもきっと誰かが事態を良くするためになんとかしてくれただろう。しかしまあ、誠に勝手ながら。僕は今ちょっとした達成感に満ちていた

 

 

_______________

 

 

 

「あ、ライスさんですよ。おーいライスさーん!こっちですよー」

 

「あ、お兄様っ!フクキタルさんっ!」

 

「おに、え?なんですって?」

 

 

 ウイニングライブを終えたライスシャワーが勢いよくこちらへ突っ込んでくる。僕は笑顔で手を振ってそれを出迎えようと思ったのだが、あまりに感情が高ぶっているのか人間では耐えられない程の勢いで走ってくるではないか。本当に申し訳ないのだが、このまま受け入れてあげると僕視点での語りが今後行えなくなる可能性が出て来る。しかしフクキタルといえど受け止めれば無事では済まないかもしれない

 

 

 チラリと隣を見ればフクキタルも僕と同じ考えだったようだ。僕達はコンマ数秒の猶予の中でじゃんけんを執り行い、敗北したフクキタルが覚悟を決めた顔で射線上に身体を出した。目をぐるぐるさせたライスシャワーはそのままミサイルのようにフクキタルのお腹目掛け頭から突っ込んだ

 

 

「ぼわぁっ!」

 

「あれっ!?ご、ごめんなさいフクキタルさん!あれ、あれ!?お兄様……!?」

 

「やあライス。落ち着い___」

 

「お兄様!ライスやったよ!」

 

 

 完全停止状態だったというのに、凄まじい加速力で一瞬にしてトップスピードに乗ったライスシャワーの突進が僕を襲う。この加速力があれば短距離でもいい結果を残せるんじゃないかなんて発想が脳裏をよぎった

 

 結論からいうと何とかなった。身体を通して地面に衝撃を受け流すのに失敗していたら、ちょっとお腹の中身をライスに向けてぶちまけていたかもしれないけど。まあ僕はウマ娘にそんなことをするくらいなら内蔵が破裂してでも我慢する覚悟は持ち合わせているので問題はない

 

 

「ぐおぉぉぉ……」

 

「ご、ごめんなさいフクキタルさん……」

 

「いえ大丈夫です。私は頼れる先輩ですからね……!あのライスさん、それよりなんだかセンシティブな呼び方をなさってませんでしたか……?」

 

「せん……なに?」

 

「おっとそういのではないんだよフクキタル。勘違いはよしてくれ」

 

 しばらくして大体の事情を理解したマチカネフクキタルは、ライスの頭を優しく撫でながら嬉しそうに微笑んだ(まだちょっと顔を青くさせて、空いた手で自分のお腹をさすっていたが)

 

「そうですか。随分自信を持って走っているなぁと思いましたが……。見つかったんですね、あなたの『お兄様』が」

 

「はいっ。ライス、頑張ろうって思えるようになりました!フクキタルさんのお陰でもありますから、あの、ありがとうございます!」

 

「いやぁ私なんて。ただやかましくぎゃーぎゃー騒いでただけですよ」

 

「……ふむ。しかしどうだいライス、フクキタルも君にとってのお兄様……いやお姉様のような存在なんじゃないかな」

 

「はいっ!?なに言ってるんですか大和さん!?」

 

 フクキタルは両手をあわあわと振り回し始めた。こちらを見るライスに向けて小さくウインクしてみせると、ライスシャワーは小さく頷いてすぐさまわざとらしい程の切なげな表情に切り替えた。そしてあわあわと慌てるフクキタルの両手をきゅっと握り込んで、何事かと身体を硬直させるフクキタルの顔を下から覗き込んだ

 

 

「そうか、そうだったんだね……!フクキタルさんはライスのお姉様だったんだね!」

 

「えぇー!?いやそうはならなくないです!?」

 

「……フクキタルさんは、嫌ですか?」

 

「いや、あのあの、嫌とかそういうんじゃなくてですね!?というか大和さん何撮ってるんですか!?」

 

「写真は撮ってないよ」

 

「……動画ですか!?よりマズイですよ!ちょ、ライスさん一回離して下さいっ!あの人また余計な事しようとしてますから!」

 

「おっともう返信が来た。『新しい妹をぜひお姉ちゃんにも紹介してください』だってさ」

 

「なんで私のお姉ちゃんに送ってるんですかああああ!!!?」

 

 顔を真っ赤にして地団駄を踏むフクキタルと、お腹を抱えて笑うライスシャワーを見れて僕は非常に満足した。……ちなみにフクキタルの機嫌を戻すのにはそれ程苦労はしなかった。まあ彼女も、実際の所恥ずかしくはあっても嫌ではなかったのだろう。僕の財布が少々薄くなるだけで済んだので、うん、大した事は無かった

 

 

________________

 

 

 

 ライブ終了後。控室に戻ったミホノブルボンの前に立っていたのは彼女のトレーナー……『マスター』と呼ばれる男だ。彼はメガネを外して彼女と向かい合った。度が入っていない伊達メガネで、2人きりで話す時は必ずそれを外すというデータがミホノブルボンの脳内にはインプットされている。理由を尋ねれば、彼は固い顔で『直で君の目を見たい』と言葉少なに語った。それなら最初から装着する必要はないのでは?と続ければ、ミホノブルボンの担当として周囲から少しでも理知的な男に見られる為だとそっぽを向いて話してくれた

 

 

 ミホノブルボンはそんな変に不器用な彼の事に少なからず好意的な想いを抱いていた。そしてこうして向かい合っていると、そんな彼の思いに応えられなかったのだという実感がふつふつと沸いてきて悲しくなった。一向に話そうとしない彼に先んじて謝罪の言葉を口にしようとミホノブルボンは口を開いた

 

 

「申し訳ございませ___」

 

「待てブルボン。もしや俺に謝罪をする気か?ということは、お前は何か大きなミスをした自覚があるのか?或いは事前の作戦を無視し、やけな走りをしたのか?」

 

「いいえマスター。私は自らが発揮できる最大のパフォーマンスを発揮できた自信があります。これは間違いありません」

 

「そうだ。お前は自分のできる事全てをやりとげた。トレーニングの成果を100%出し切るという、とても難しい事をしっかりとやりとげたんだ。賞賛に値する。ああ、こんな事は見ていれば解ったとも。だとしたら何故お前は負けたか解るか?敗因はお前にない。俺だ。この俺が足りなかったんだ」

 

 

 すまなかった、と頭を下げようとした彼の頭はピクリとも動かなかった。ミホノブルボンが凄まじい速度で彼の顔を両側から押さえつけていたからだ。彼はもぞもぞと頭をゆすったが、拘束はピクリとも動かない

 

 

「何をするブルボン。痛いぞ」

 

「マスター、謝らないで下さい。」

 

「だが俺が悪い」

 

「……同じ夢を追う限り、俺達は対等であろう。昨年の4月27日、16時19分にマスターが仰った言葉です。私に謝るなと言っておきながら貴方が謝るという行動はこの宣言に矛盾します。ですので阻止しました」

 

 呆気にとられたマスターがふぅと息を吐いて観念したのを確認すると、ブルボンはそのようやく手を放した。隙を見て頭を下げてやろうか、とマスターは一瞬考えたのだが、ミホノブルボンがその空気を検知してすかさず両手を構えたのを見て完全に諦めた。身体能力でミホノブルボンに勝てる訳もない。彼はがしがしと頭を掻いた

 

 

「……ブルボン、身体の調子はどうだ?異常はないか?」

 

「疲労は感じています。ですがマスターもかなり疲労が溜まっているように見えます」

 

「……おこがましいかもしれないが、俺もまるで3000mを走り切ったくらいに疲れてる」

 

「であれば、少しだけ休みましょう」

 

 マスターはどさっと身体を投げ出すように椅子に座り、ブルボンも彼の隣に椅子をくっつけるとそれに座った。控室に少しの間沈黙が漂った。それを破ったのは、彼の絞り出す様な弱々しい呟きだった

 

「……夢を逃してしまった。手の中にあったのに」

 

 2人は三冠ウマ娘になりたい者と、ならせたい者として対等な立場だった。これまでずっと。先の事を考えているようで、自分達の全てをこの3つのレースにつぎ込んできたという実感があった。彼は悟られないように気勢を張ってはいたが、それでもミホノブルボンが無意識に感じ取ってしまう程度には燃え尽きた者特有の灰色の空気を背負っていた。だが、マスターには解っていた。ミホノブルボンは自分と違い、まるで燃え尽きてなどいない。既に熱い意志を抱いている。対等ではないという後ろめたさが彼の心を重くしていた

 

 

「はい。目の前でした」

 

 しかし、そんな彼にかけられるブルボンの声はどこか優し気であった

 

「……ああ、惜しかった。惜しかったんだ……」

 

 下を向いて動かなくなったマスターをじっと見ていたブルボンは、彼の左手にそっと自分の手を重ねた

 

「マスター。次の指示を」

 

「次か。ふふ、そうだな。ずっとこうしている訳にはいかない。……お前は何がしたい?」

 

「すぐに思い付くのは2つです。1つはすぐにでも達成可能なミッションです」

 

「自発的に目標を持てるようになったのは確かな成長だな。是非聞かせてくれ」

 

「空腹を検知しています」

 

 

 なんて?と思わず彼が顔を上げて横を見た。隣に座るブルボンは視線を合わせないよう真正面を向いていて、少々付き合いが長い彼には彼女がどこか恥ずかしさを誤魔化している事を察した。しかし壁にかけられた時計を見れば、確かに夕飯の時間が迫っている。昼食を軽く済ませているブルボンがエネルギー切れ寸前に陥っているのも無理は無いだろう。マスターはくっくっと笑いながら椅子から立ち上がると、ポケットからスマートフォンを取り出し地図アプリを起動した

 

 

「ブルボン、今日の気分は?」

 

「やけ食いを提案します」

 

「乗ったぞ。体重管理の事は忘れろ。俺も忘れる」

 

 

 控室の扉を開けて、2人は揃って歩き出した。丁度良い店に目途を付けたマスターはスマートフォンをポケットにしまいながら、そういえばミホノブルボンのもう1つの目標を聞くのを忘れていた事を思い出した。食事をしながらじっくり聞いてもいいのだが、彼女が聞いて欲しそうに耳をぴこぴこさせているのに気付き折角なので今尋ねる事にした

 

 

「もう1つの目標について聞いてもいいか?」

 

「はい。ライスシャワーに勝ちます」

 

「___そうか。それはどういった心象から来る目標なんだ?」

 

「……彼女は友人です。夢を掴んで欲しいという思いもありましたが、ですが彼女に負けてよかったとは思えませんでした。矛盾しているようですが、私はステータス『悔しさ』を検知しています。新たなGⅠレースへの出走やシニア級のウマ娘への挑戦意欲も高いのですが、何よりも優先されるものはこの悔しさを解消する事だと判断しました。」

 

「……お前にとって彼女は良き友人だったが。そうか、ライバルになったんだな」

 

「ライバル、ですか」

 

「ああ。共に競い合い、高め合う。そんな存在に出会える機会は一生の内そう多くない。ライスシャワーとの関係は大切にするんだぞ」

 

 マスターは感極まりそうになり咳払いで誤魔化した。彼女には勝利の為の多くを学ばせたが、敗北をどう次に繋げるかと言った事はこれまで1度として教えられなかった。敗北からは様々な感情が得られる。悔しさ、悲しさ、失望感、羞恥、反感。人によって、ウマ娘によって何を得るかは違う。これまで大きな負けを知らなかったミホノブルボンが今日の結果からどう転ぶかはマスターが心底心配していたことだったが、どうもいい兆候を見せているらしい事に安堵した

 

 

「それで、あの……マスター。お聞かせ願いたいのですが」

 

「なんだブルボン」

 

「再び私と同じ夢を持って下さいますか?」

 

「ああ。ああ、勿論だとも。俺も腹が減っているし、ライスシャワーに勝たせてやりたい。俺も、お前と同じ夢を抱く。これからも対等であらせてくれ。君が嫌でなければだが」

 

 

 小さく息を呑んだ後、ミホノブルボンは頬を緩ませた。普段からは想像もできないような年相応の無垢な笑顔を浮かべて___

 

 

「はい。2人でライスシャワーに『わからせ』を実行しましょう」

 

 

 ___何か変な言葉を口走っていた。とても素晴らしい笑顔のまま

 

 

「……ブルボン?そんな言葉を誰から教わったんだ?」

 

「負けた相手に対し圧倒的な実力で勝利し、自らの優位性を証明する言葉だとデータベースに登録されています。教わった相手は……申し訳ございません。情報元からロックがかけられており開示することができません」

 

「誰だウチのブルボンに変な言葉を教えたのは……!?大和の奴か!?いや、ムーンシャインのウマ娘達か!?」

 

「……何か用途が間違っていたでしょうか?」

 

「いいから忘れろブルボン!その言葉は……なんだ、あまりいい意味では使われないんだ!」

 

「……マスター。お詳しいのであれば是非解説をお願いします。データベースの内容を更新したいのです」

 

「解説!?ああもう……誰かは知らんが許さんぞ!」

 

________________

 

 

 

 

 ミホノブルボンさん。菊花賞を終えてクラシックレースは一段落となりますが、これまでを振り返って今のお気持ちをお聞かせ願えますでしょうか?

 

 

『クラシック3冠は自分自身との戦いでした。適正が無いという事実に立ち向かい、力技で乗り越える。今回も私は私自身には勝利したと思っています。学園入学時にはおいてはまともにペースを保って走り切ることすら叶わなかった距離を、これだけの実力者達と競い合いながら2着でゴールするまでに成長しました。力を与えてくれたマスターに感謝の気持ちでいっぱいです』

 

 

 

 ありがとうございます。惜しくも三冠とはなりませんでした。ブルボンさん自身は今回の結果をどのように感じておられるのでしょうか?また、次の目標のようなものはあるのでしょうか?よければお聞かせ下さい

 

 

『……レースとは己に勝つだけでなく、他者との競い合いが大前提であるという事がビジョンから抜け落ちていたのだと思います。大切な友人達がそれに気付かせてくれました。私が長年抱いてきた三冠ウマ娘という目標は失敗に終わってしまいましたが、今の私には新たな目標があります。大切な友人でもあり、ライバルとなったライスシャワーに勝利する事です』

 

 

 ありがとうございます。新たな目標に期待させていただきます。今回は2着となってしまいましたが、大勢のファン達は変わらずあなたの事を『希望を与えてくれたヒーローだ』と言ってくれています。皆さんに向かって一言お願いできますか?

 

 

『はい。ヒーロー……決して諦めず、夢に向かって進み続ける。そう評価していただいた事は光栄に思います。これからもそう呼ばれる私でありたいと思っています。ですが……私以外にも、決して諦めず夢に向かって進み続け、その夢を叶えた友人がいます。今日においては、彼女こそがヒーローです。決してヒールなどではない、祝福されるべきウマ娘です。私が最後に言いたいのはこれだけです』

 

 

 ありがとうございます。では……あの、ライスシャワーさん。優勝者インタビューを……。あの、大丈夫でしょうか?

 

 

『ライス、ライス。次はあなたのインタビューです。泣いていては記者の方が困ってしまいます。大丈夫ですよ、私も一緒にいますから。さあ、涙を拭いて下さい』

 

 

 ミホノブルボンさん、マイク入ってます入ってます

 

 

『あ。申し訳ございませ___』

 

 

 

 

 

 





フクキタルさんのお姉ちゃんと大和サブはメル友です


ちなみにブルボンに変な事を教えたのはムーンシャインの談話室で格ゲーの練習ばかりしているウマ娘達です。彼女達は後にマスターによって説教をくらいました


いつも誤字報告、ご感想等ありがとうございます。本当に…ありがとうございます

ライスシャワーは……

  • 癒しの方のヒールだよ!
  • ヒールだとしても……!
  • ヒールじゃないよビールだよ
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