ミキリハッシャマン起きた!起きてカレンダーを確認・・・おっとそのまま布団の中へ戻る!まだ寝てても大丈夫なのかミキリハッシャマン!
一年の計は元旦にありといいますが既に三日たってますね。今年1年こんな感じで過ごそうといった考えなのでしょうか。ちょっとよくないですねー。立ち上がってお部屋を片付けるところから始めて欲しいです
あーっとここで審議が入ります。・・・没収!正月休み没収です!ミキリハッシャマン達がゲートに無理やり運び込まれます!
今年は寅年ですからね。がーって感じで更新して、がーって感じでガチャを回していきたいですねぇ
なるほどォ!酔いをさましてから解説席に戻ってきてくださいね!そういう訳で今年もよろしくお願いします
「ふぅー!気持ちの良い汗がかけました!ありがとうございますスカーレットさん!」
「はぃ……こち……らこそ……」
芝生に座り込んだスカーレットは息も絶え絶えになりながらぺこりと頭を下げた。曇り空の下を抜ける秋風が火照った身体には丁度良く涼やかに感じられる。座り込んだスカーレットを他所に、並び立つフクキタルは次走に備え冷えないよう身体を動かしている
「流石ですね、フクキタル先輩……」
「いえいえ。スカーレットさんより歴だけは長いですからね。これでも体力は結構あるんです。さて、ウオッカさーん!次、お願いしても大丈夫ですか!?」
「俺はいつでも大丈夫っす!一本お願いします!」
ウォーミングアップを終えていたウオッカとフクキタルが軽やかに走り出し並んでスタート地点へ向かっていくのを見送りながら、スカーレットは置いておいたドリンクの蓋を開けて熱した喉に流し込んだ
ジャパンカップを目前に、フクキタルはチームメンバー達全員と併走がしたいと申し出たのだ。日頃練習をあんまりしない___というか練習嫌いの___ムーンシャインのメンバー達もこれを断らず、1人ずつ都合をつけて彼女との併走を行った。しかも自分達の得意な距離とコースにフクキタルが合わせる形でだ
大事なレース前なのに、とぶつくさ言いながらホワイトレイヴンが負荷のかかりすぎないよう上手に練習メニューの合間にスケジュールを組み込み、今日ついに最後の併走相手として一年生の2人が練習に参加していた
「「どりゃあああああ!」」
フクキタルに押し上げられ完全に火が付いたウオッカの走りはどんどん勢いを増していく。しかしその全力のウオッカを外から差し込んだフクキタルが一歩先んじてゴールを割った
一本の併走に全力を使い果たしたウオッカはそれでも乱れる息を無理やり整えビシっと胸を張ってフクキタルに向き直り、大声でお礼を言ってのけた。その根性には感服するわ、スカーレットは口には出さない賞賛を心に浮かべながらよっこいしょと立ち上がりお尻についた砂ぼこりを払った
「うんうん、これで皆さんと走れました!いやー間に合ってよかったです。結構ギリギリに言い出しましたからねぇ」
「でもなんでいきなり?併走してもらえて俺としては感激でしたけど、レース直前の大事な時期に良かったんですか?」
「シラオキ様曰く皆さんとの縁を結び直す事が吉であるとの事でしたので、皆さまにお相手頂いた次第なのですよ。お礼といってはなんですが、どうぞこちらを受け取って下さい!」
フクキタルは持ち込んでいたスポーツバッグを漁ると両手にお守りを1つずつ握りしめて2人に手渡した。赤と青の布で四角く形どられたお守りには白い糸で健康祈願という文字が織り込まれている
「私の実家で作っている健康祈願のお守りです!それに私の前の勝負服からとった生地をちょっとだけ編み込んでありますので、必勝!……とまではいきませんがそれなりに勝利への御利益も備えているかなーといった感じです。邪魔でなければお持ち下さい」
「いいんですか!?勝負服の生地って大事なものなんじゃ」
「サイズが合わなくなって作り直してもらった時に余った部分をいただいたので、それから取ったんです。実家の箪笥に寝かせているより、少しでも皆さんのお力になれるのなら本望だと思うんです」
「そういうことならありがたく受け取ります。ってかフク先輩って入学した時から勝負服作り直すくらい大きくなったんですか?それがびっくりなんすけど」
「んんっ、まあ中等部から高等部に上がる時にぐっと身長が伸びたんですよね。縦だけならよかったのですが横幅も少しばかりマシマシになりましたので、レース直前に大急ぎでメーカーさんに勝負服を改修していただくという大変お恥ずかしい事態になってしまいました。ううっ、思い出すと顔から火が出そうです……」
「あー成程……そうなんすか」
恥ずかしそうに笑って頭を手で掻くフクキタルだが、ウオッカとスカーレットはそれはそうだろうと深く納得した。差しを得意とするフクキタルの身体は服の上からでは解りにくいがそれ相応の筋肉に覆われており、寮の大浴場で一緒になった際に2人はフクキタルの優しい顔付きと身体の仕上がり具合のギャップに心底仰天したものだった。まあ寮の先輩達は皆そんな感じなのだけれど
マチカネフクキタル。菊花賞を始めとしたいくつかのGⅠを制している文句なしの実力者であり、特に有馬記念でシンボリルドルフ相手に競り合った場面はここ数年の名勝負を語る際には外せない程に有名だ。当然スカーレット達も彼女の事は入学前から知っていた
初対面の際はかなり肩の力が入っていたものだが、会って話せばいかにもムーンシャインの先輩を象徴するような人当たりの良さとぽわぽわした明るさを併せ持ち、年上とは思えぬほどの腰の低さでぐいぐいと構ってくる。彼女の朗らかさにすっかりあてられて今では気軽にお喋りをする仲となっていた
「さてそろそろ戻りましょうか!お2人のおかげで運気もぶわーっと高まってきた気がします!レースまで枕をじゃんじゃん高くして眠れそうですよこれは」
「寝違えないで下さいよフクキタル先輩」
「んっふっふ。大丈夫ですよぉ。レース前日に楽しみが過ぎて寝違えるウマ娘なんていませんって!……いや、身近にいらっしゃったんでした。やっぱり枕はいつもの高さで寝る事にしますね」
汗を流して着替えてからお腹を空かせたウマ娘達で賑わう食堂で夕飯を共にした後、2人はフクキタルの部屋へとやって来ていた。部屋の表札には2人分の名前を書くスペースがあるが、書かれているのはマチカネフクキタルの名前だけ。相方はもう卒業しちゃいましてね、と少し寂しそうに笑うフクキタルがちゃっちゃと部屋のスペースを掃除してスカーレット達の座る場所を確保する
いくら相方がいないとはいえここまで私物を展開しているのは流石にいかんのでは?2人の視線が少々尖ってきた事を察したのかバツの悪そうな顔で咳ばらいをしたフクキタルは座布団に正座で座り込んで傍にある棚に手を伸ばす
一見がらくたばかりに見える部屋だが(実際9割9分はフクキタル以外にとってゴミとしか認識できない品々であるが)彼女が得意とする占い道具達はいつでも取り出せる場所に丁寧に飾られている
「散らかってそうに見えてなんというか……インテリア?もホコリ被ってないですね」
「ガラクタと言わないでいてくれる優しさが身に染みます……。はい、留学に持っていけなかった開運グッズの数々はエアグルーヴさんやライスさんが時折掃除してくださっていたみたいなので。感謝してもしきれません。私が無事に生還できたのはそんな皆さんのご協力があってこそで___ああ話が逸れましたすいません。それでお2人共、私の占いを体験したいという事でしたよね」
「はい。あの、ご迷惑じゃなければですけど」
「当然迷惑なんかじゃありませんとも。私は自分の行く末を占うのも好きですし、誰かの未来に想いを馳せるのも大好きですから。それにスカーレットさんとウオッカさんとはゆっくりお話ししてみたかったと思ってましたし、こういう機会を頂けてとっても嬉しいんです」
マチカネフクキタルの占い好きは有名だ。彼女に詳しくないレースファンでも、『あの占い好きのウマ娘』といえば大体思い出すくらい認知されている。当然スカーレット達も一度は生で見たい、あわよくば自分の何かしらを題材に占って欲しいとダメ元でお願いした所あっさり受け入れられ部屋に招かれたという次第だ
「お2人の依頼は具体的な悩みの相談というよりざっくりとした今後の指針のような、いうなればおみくじのような物をお求めという事でしたよね?消灯時間まであまり時間も無いことですし、サクっと行えるものにしましょう!何をするかというと、カードを一枚引いてもらうだけ!はい簡単ですね」
「へー、そんな簡単なヤツもあるんすね。占いっつーともっと複雑で怖そうなイメージがあったんで」
「占いの手法は多岐に渡りますからねぇ。仰々しい道具を用意して時間をかけたり、動物の気紛れに託したり、星だったり太陽だったり自然界にある物に意味を見出してみたり。ですが根幹は1つです。心の深層に沈む感情や未来の出来事、己の運勢など言葉にできない事象に意味を持たせて具現化し、己の糧とする行為です。
大切なのは、指し示された物事を受け取った自分がどう解釈しどう飲み込むのか。サイコロは勝手には転がりません。運命を覗き見ようとする意志があればそれに応えてくれるものです。アプローチの方法は複雑でも簡素でも、結果は同じ物へ収束します。今回は___そうですね。お二方がこれから進んで行く上で気をつけるべき事、自信を持っていい事を私なりに見てみましょう」
朗々と語る口調を聞き入っている2人の意識はふわふわと宙に浮くような感覚を覚え、頭がぼんやりとしてくる。ご飯を食べてお風呂に入った後なので疲れが出ているのかもしれない。フクキタルは手にしたカードをよく混ぜたあと2人に向かって差し出した。トランプより少し大きく、枚数の少ない紙束に意識が吸い寄せられていく。スカーレットが先に1枚引き、ウオッカがもう1枚を適当に引いた。フクキタルの丸い瞳がスッと細まりスカーレットの手にした札をじっと見据えた
「スカーレットさんは『戦車』のカードですね。勇猛果敢を描いたようなこのカードは、力強く前へ前へと進んで行くスカーレットさんにとっては追い風を示すでしょう。今の在り方はとっても素敵だということですね。ただ、茨の道はあなた1人でどこまでも進んで行ける程容易いものではありません。周囲に気を配る事を怠れば暴走して手痛い失敗を被ることもあるでしょう。そこには気を付けたいですね」
「お前にピッタリじゃん」
「うっさいわね跳ね飛ばすわよ」
「周りに気を配れよあぶねーな!」
「そういうアンタはなんだったのよ!」
「まあまあお2人共落ち着いて下さいな。ウオッカさんは___成程、『力』のカードですか。こちらも目標に向かって日々頑張っているウオッカさんの為にあるようなカードですね!どこか戦車と似たような性質を持っている面もありますが、どんどこ前へ進んで行く戦車とは若干ニュアンスが異なります。しっかり地に足を着けて一歩一歩前へ進んで行けば、立ちはだかる巨大な山をも動かしてしまえる可能性を秘めているんです。
ですが、どれだけの力を持っていても立ち向かう意志が欠けていては何も動かせません。くじけず諦めず、という心構えが何より大切だというお告げだと解釈すべきかもしれませんね」
フクキタルの今回の占いはあくまで非常に簡素なもので、正位置や逆位置などもごっちゃにして解釈もスカーレット達の事情をある程度知るフクキタルが勝手に捉えたものだ。ただ2人はしばらく手にしたカードをじっと見つめ、持ち主に返すその時にはさらなるやる気に満ちた表情へと変わっていた
「ありがとうございます、フクキタル先輩。占いの内容、忘れないよう日記に書いておきますね」
「いやスカーレットさん、そこまでしないでいいですよ?『ああ、こんなこと言ってるやついたなー』ぐらいで心に留めておくくらいが___」
「今の内容を来年の書初めにします!ちゃんとフク先輩に占ってもらったって添えておきますから!」
「メチャクチャ恥ずかしいですから絶対にやめてください!?ですがまあ、お2人がちょっとすっきりできたのでしたら私が偉そうな講釈を垂れた意味もあったと言えるんでしょうかね」
そう言われて2人はちょっと顔を見合わせた後、なんとも言えない表情でほっぺを指でぽりぽりと掻いた
「来月、ホープフルステークスで一緒に走るんですよね?まあ同級生同部屋で同じレースに出走なんてあんまり聞かないお話ですし、なんというか気まずさはお察ししますよ」
「いやまあスカーレットと決着をつけるの自体は楽しみですし……」
「あたしもウオッカと走るのは全然楽しみなんですけど、まあなんというか……」
ホープフルステークスはその年にデビューしたジュニア級と呼ばれるウマ娘だけが出走権を持つGⅠレースである。GⅠレースとして設立されたのは僅か数年前ではあるが、それでも注目を大舞台である事に変わりはない。2人はそこへの出走をほぼ確定させていた。待ちに待った対決の場が用意された事にテンションが爆上がりした2人ではあったが、まだ1ヶ月近く先という事とほぼ24時間朝から晩まで一緒にいる事が相まってなんか居心地が悪くなってきたのだ
「ううん、まあその辺は大和さんが何とかするかと思ってましたが……ご相談はなさいました?」
「『大いに悩み苦しむといい。その時間は君達にとってマイナスにはならないだろうから』とか言われました」
スカーレットは迷わずチクった。ふくれっ面の後輩を見て、フクキタルは首をかくんと傾けながら顔をしかめるしかなかった
「いいそうですねぇあの人。なんでもかんでも甘やかしてくれそうでいて、意外と私達に試練を与える側に回って偉そうにふんぞり返るのも好きなんです。特に頑張りたいと思ってる子にはそうしたがるみたいでして。結構意地悪ですよ、ほんと」
フクキタルは受け取ったタロットを山札に戻すと箱に入れて棚に戻した。その動きを目で追っていたスカーレットはふと気付いたが、彼女の机の上にはいくつもの写真が飾られている。そこには今より少し背の低いフクキタルと、同じくちょっとだけ小柄なエアグルーヴが写っている。その横で腕を引っ張られながら見切れているのは多分大和だろう
「フクキタル先輩も、トレーナーにスカウトされてムーンシャインに?」
「いいえ違いますよスカーレットさん。私からお願いしてムーンシャインに……大和サブトレーナーのいるチームに入れてもらったんです。いうなれば逆スカウトですね」
「え、わざわざ!?あのトレーナーに!?どういう流れでそうなったんですか!?」
「スカーレットさんの中で大和さんの評価がどうなってるのかちょっと不安になるんですけど……。ま、まあ言いたいことは解りますよ。面倒事は他人に丸投げですし無責任ですし、色んな人怒らせてばっかりですし。その被害がこっちにも飛んできますし。……まあ私もちょっとだけやんちゃしてたのは否定しませんケド。ですが、まぁなんといいますか」
フクキタルは写真の横に並べていた物を手に取った。それは透明なアクリル板で、間には古めかしいおみくじが挟まれて大切に保管されている。長い時間を経て紙は少々痛んでいるようだったが文字自体は薄れておらず、ウマ娘の視力があれば少し離れた所からでも内容をある程度読み取る事が可能だった
「あの人が私の待ち人でしたから。ま、しょーがないんですよ」
ふふっと微笑むフクキタルからお話の続きを聞くのはお預けとなった。消灯時間に追われるように部屋を出て行く後輩2人を見送ったフクキタルは静かになった部屋で布団に潜りこむと少し昔を思い出したくなったが、今日は早く寝るのが吉と占いの結果が出ていたのを思い出し無理やり思考を無にして深く息を吐きだした
当時のシラオキ様『え、コイツが来ちゃう感じ?大丈夫?マジで?』
数年後のシラオキ様『まあ……ある意味なんとかなったけど……』
フクキタルの回想は二行で纏めるとこんな感じです。どれくらい掘り下げるかは未来のわたくし次第です
新年早々寝正月!最高じゃーん!え、明日からもう仕事はじめ!?うそでしょ……
今年も色んな面白い物に出会えますように、と近所の神社にお参りに行ったらめちゃ混んでたので遠くからお祈りしておきました。お賽銭代わりにガチャ回したらフクキタルSSRが出てくれましたので、今年は幸先良い感じです!皆様にも幸福が訪れますように・・・
マジで・・・今年は天井したくない・・・・