ヴォルデモートなんていない   作:taku1531

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103.君は世界の反対側(Half The World Away)(4)

 ゴブリン。

 金属を扱い、金融を扱い、契約を扱うのに長けた者。

 我々に利益と信用をもって貨幣、銀、取引を提供する者。

 屋敷しもべ、ケンタウロスと並ぶヒトならざる協力者である者。

 そしてその契約も取引も協力も、隙あらばひっくり返し魔法族を打ちのめしたいとひそかに願う者。

 

 我々魔法使いはそれを、ビンズ教授に学ばなくても知っている。

 

「ちょっと……これ、私らの手には余るんじゃないの?」

 

 思わず私が弱音を吐くと、意外にも強気なパーキンソンがそれを咎めた。

 

「なにビビってんのよ、グリーングラス」

「うちの家は未確定要素があったら遠ざけるのよ。なんか起きたら鯉みたいにとりあえず食いついてみるあんたの家とは違うの」

 

 暫定的な協力者としてゴブリン、が頼もしいのは間違いない。

 しかし、私にはわかる。態度こそ恭しいものの……彼らはここに現れた学生3人の魔法使い(ヒト)を舐めきっている。

 

「私ら個人から引っ張れる金なんてたかが知れてるのはわかりきってるわ。間違いなく目当てはディゴリー家、パーキンソン家、そしてグリーングラス家の財産よ」

「取られないよう気をつけりゃいいじゃないの」

「そう言って遺産を溶かした家がいくつあることか」

「とんでもありません、皆様方。私らが尊ぶのは持続的な取引です。あなたがたの家の財をすべて食いつぶそうなどとても考えておりませんよ」

「持続的な取引? 長期的な搾取じゃなくて?」

「搾取的と持続的であることは必ずしも排他ではありませんので。さて、なにがご所望でしょうか? ご実家やホグワーツとの連絡手段? 他愛ないいたずらグッズ? 副学長を抱き込む『愛の妙薬』? お望みでしたらいくらでも」

「ちょっと待って。一旦作戦会議するから」

 

 一旦ゴブリンから離れ、三人に話す。

 

「どうすんの? というか既に話付いてるもんだと思ってたわよ。なにを頼むの? とりあえず連絡手段?」

「パーキンソン、落ち着きなさいよ。何を頼むかじゃなくて、まず決めるのは取引するかしないかじゃない?」

「もっともだ。とはいえ、ヒッグズ教授に頼まれた『元ホグワーツ生と非ホグワーツ生の隔意』を解決するには彼を使うしか……」

「セドリックさんも一旦ハッフルパフを引っ込めて。頼まれたこと全部こなさなきゃいけないなんて義務感捨ててちょうだい」

 

 明らかにゴブリンのペースに乗せられている。とはいえ、現実的に私達が使えるリソースを確保するためには……いや、待って? 全部ゴブリン経由でそれを調達しようなんて考えたら、それこそ骨までしゃぶりつくされる。

 考えるべきは私達の手元にあるカードだ。

 

「ちょっと思いついたんだけど……値段次第ではあるけど、まず連絡手段の詳細について聞いてみる」

「ふむ……契約は任せていいかい?」

「ええ。なにか気がついたことがあったら止めて頂戴。相手に気を遣う必要はないわ。無礼だろうがなんだろうがバッサリ止めて」

 

 そう言って私はゴブリンに向き合う。

 

「お決まりですかな?」

「まずはご実家やホグワーツとの連絡手段の詳細について聞きたいわ。実家と連絡を取る自体は現状でも可能よ。私が欲しいのは、強いセキュリティと信頼性」

「それでしたら折り紙つきの手段でございます……彼を使います」

 

 ゴブリンがパチン、と指を鳴らすと……無音の姿あらわし。私たちの背後になにかが現れた。

 屋敷しもべ妖精だ。それを見たパーキンソンが素っ頓狂な声を上げる。

 

「ゴブリンが屋敷しもべ妖精を!? ちょっと、魔法族との協定違反じゃないそれ!?」

「とんでもございません! 私は彼を所有しておりませんよ。金銭を介して契約しているまでです」

「屋敷しもべ妖精と金銭で契約ですって? あんたが狂ってんの、屋敷しもべ妖精が狂ってるの?」

「私から言わせてもらえば、魔法使い(ヒト)の傲慢さこそが一番の狂気です」

「ドビーは自由な妖精でございます、お嬢様! ドビーは屋敷しもべ妖精を解放する女神に付き従う悪しきしもべ妖精!」

 

 高い声で後ろの屋敷しもべ妖精が叫ぶ。手になにか持ち、私達に対して掲げている。あれは……パンフレット?

 

「あれ。ハーマイオニーさんが配っていた冊子かしら?」

「ああ! もしやお嬢様は偉大なる女神のことをご存知なのですか!」

 

 そう言って屋敷しもべ妖精は感涙にむせぶ。

 そのやり取りを見たゴブリンはニヤリと笑った。

 

「実に興味深い考えの方がおりましたから。まあ、少しばかり使わせていただきました……愚かにもゴブリンとの戦争を避けようとしないあの愚か者が魔法大臣になって以来、中古市場で印刷機を見つけるのは難しくないもので。それに、資本主義の世界に我らの兄弟であるしもべ妖精を引き込めるのは大いに歓迎すべきことです」

「はっ。あんたらゴブリンにとって魔法族も屋敷しもべ妖精も等しく敵か搾取対象でしょ? なにが兄弟よ」

「というか、ハーマイオニーさんの考えってこんなところまで届いているのね」

「それはもう。半年間ラジオを続けていれば、良かれ悪しかれ」

 

 まあ、通信手段として屋敷しもべ妖精の杖なし姿あらわし/くらましを使うのはわかった。

 問題は、その通信手段とやらがどれだけ信用できるかだ。

 

 

「あの、この連絡手段だけど信頼性とやらをどう証明するの?」

「まず、大前提として……従来の屋敷しもべ妖精であれば主人の命令を断れません。従って、他者の屋敷しもべ妖精を使う限り、主人にその内容が漏れるリスクを回避することはできません」

 

 そう。そこが問題なのだ。

 実家にホラス・スラグホーン学長の依頼を連絡するにあたって最大のネックがそこ。

 なりふり構わず伝えるだけなら、どうやって移動しているかもわからないが中庭に侵入し私らから情報を巻き上げていく性悪女記者、リータ・スキーターにでも頼めばいい。

 しかし……あの女に家の秘密を伝えさせる? 社会的自殺だわ。

 リータ・スキーターに頼むほどのリスクはないにせよ、他の人間からフクロウを借りるにせよなんにせよ保有者に伝わるリスクは付き纏う。

 

「ですが、彼は主人がいない自由な妖精です。私も保有者ではない。私があなたがたに請求するのは仲介料であり、事務手数料でございます。契約の書面には漏洩の禁止があり、魔法の契約を破ることは重大なペナルティが降りかかる。よって、客観的な信頼性が確保されている……ご納得いただけましたか?」

 

 そう言って彼は手際よく契約書と羽根ペンを私らの横の机に置いた。

 契約書には今彼が述べたような話がつらつらと書かれており……そして、一番下に契約者と被請求者の名を記す欄がある。

 パーキンソンは目を皿のようにして契約書を見て……最終的に顔を歪めた。

 

「契約の内容は妥当だと思うけれど……月8ガリオンのリース契約!? 私らが出すにはちょっと厳しくない!?」

「価値を考えると妥当な値付けでは? とはいえ、あなたがた学生に請求するには過大であることもよく理解しております。ですから、『契約者』にはあなたがたの代表の名前を。被請求者には支払い能力があり、この支払を同意していただける方の名前を書いていただければ」

 

 『支払い能力があり、この支払を同意していただける方の名前』……迂遠な言い方をしているが、どう考えてもそれは私らの保護者を想定している。 

 やはり。当初の予想通りゴブリンが狙っているのは私達の実家の財産だ。

 

「これって、ここで私のパパの名前を書いただけで請求が行っちゃうの?」

「勿論でございます、パーキンソン様」

「パパからしてみれば理不尽極まりないわよね」

「我々ゴブリンがマグルよりも魔法族との契約を好むのは理不尽で不条理な契約が可能だからです。実に便利で大きな利益が見込める」

 

 ゴブリンは悪びれもせずそう言った。

 おそらくこの魔法契約には古いゴブリンの魔法を使用しているのだろう。古い契約、古い呪文、古い魔法具は……時として本当に理不尽なものがある。

 

「わかったわ。サインしましょう」

「ちょっとグリーングラス! ……あんたんとこが出してくれるの? 三分割かなとか思ってたけど」

「んなわけないでしょ。あと、ゴブリンさん? 加えてちょっと手配して欲しいものがあるのだけれど。さっき調達はそれほど難しくない、と自分でおっしゃっていたんだから、それほど高くつかないことを期待してるけれど」

 

 そう言いながら、私はゴブリンとの契約を進め……契約者の欄に私を、被請求者の欄に「リータ・スキーター」と記した。

 

 

 

 

「こんのグリーングラスのクソガキ……あんた、人の名前を勝手に……」

「リータ・スキーターさんぐらい才能のある記者さんなら月()()ガリオンぐらいは簡単に払えると思いまして……」

「そんな安易なおだて方で納得すると思うざんす?」

「一切頂いていなかった取材料と思っていただければ。まあ、加えて投資と思ってください。少し考えがあって」

 

 あの後、外との安全な連絡手段を借り受け、ひとまずテストとしてホグワーツにいるハリーくんにお互いにしかわからない符牒をつけて送り(パーキンソンに「あんた、真っ先にやることが愛しのダーリンへのラブコール? それがやりたかったから慌てて契約者の欄に自分の名前書いたの?」と言われたのでちょっと痛めの呪いをかけておいた)、無事連絡できることが確認できたため、リータ・スキーターに事後報告を行ったところ……案の定、激怒した。まあそうよね。

 

「考えェ? ホグワーツも出てないガキが一丁前のクチ聞いてくれるざんすね」

「迷惑ついでに更に手を貸してもらおうかと。スキーターさんの目的としては自分の書いた記事が多くの人に読まれるのが望みなんですよね?」

「……ええ。まあそうざんす。しかしだからといって金が二の次ってわけじゃ――」

「もちろん、投資ですから回収の見込みがあります。そして、ヒッグズ教授に頼まれた『生徒の隔意』の解決も兼ねた策です。まず頼みたいのは週刊魔女のバックナンバー。例の協力者であるゴブリンが学舎の横手の家屋にいますから、そこに持ち込んでいただければ」

「ふうん。バックナンバー……それで?」

「私のほうでこれを編集して国内面、国際面、スコットランド面、スポーツ面の4部に分けます」

「4部?」

「ええ。今、この学校は特進コースとそれ以外、元ホグワーツ生とそれ以外という2つの対立軸があります。つまり4分割されている……ですから、各層に分けて配布します」

「……」

「人によって興味がある分野は違いますから、スポーツ面が欲しい人間は手に入る人間に接触しなければいけない……そもそも、人と人の隔意を私らの手だけで解決するなんて無理だと思いました。だから彼ら自身に接近するインセンティブを与えて任せるのが最善かな、と」

 

 スキーターは少し黙り込んだのち、口を開いてこう言った。

 

「一理あるざんす。しかし……あんたが? 編集?」

「ええ。ホグワーツでラジオ放送をやってたとき似たような仕事はしていたから、やってやれないことはないかなと」

「はっ。報道屋舐めんなざんす。それにバックナンバー? いくら入ってくる情報が乏しいからって、それじゃあ魅力的にはならんざんすね」

「じゃあ、どうしたらいいのかしら?」

「……乗せられてるような気がするのは癪ざんすけど、いいざんしょ。そろそろあのババアにコキ使われて取材屋風情の仕事だけやらされるのは飽き飽きしてたざんす。『週刊魔女』のエース記者、リータ・スキーターが書き下ろして差し上げるざんす。ただし! 紙面には私の記名を入れること、オーケー!?」

「ええ、もちろん。印刷機は既にリースで確保しております」

「ちっ。まあいいざんす。これでリータ・スキーターというブランドを確立させ、独立し、ゆくゆくはあのババアに私の靴を舐めさせる一歩目と思って汗かいてあげるざんすよ!」

 

 

 ―――

 

 

「それでは、我々の無事を祝して」

 

 借り受けたホグワーツの小部屋で、ルシウスは盃を掲げた。

 マルフォイ家の宴に招かれた私、及びレギュラスやセプティマもそれに倣う。

 

「本当に全員無事で揃うなんて……ああ、マーリンよ!」

「ナルシッサ、そう言うな。それにこれは幸運によるものではない。我々が力で勝ち取ったものだ」

「ああ、やはりそうなのですね、父上! アズカバンでも父上が指揮を取り彼らを統率したと聞きましたが」

「……もちろんだ。なあ、そうだっただろう? セブルス」

 

 ルシウスがちらりと横目でこちらに同意を求めてくる。服従の呪文を受ける前と同様、見栄を張りたがるところは変わっていないようだ。

 まあ、統率したというよりは振り回されていたといったほうが正確にも思えるが、とはいえ強いてリーダーを挙げるならば彼であったことも事実。私は彼の顔を立て、頷いた。

 

「そうだ。君のお父上はアズカバンの中でも実に狡猾に動いた。冬季休暇明け次第、マルフォイ家の知性に恥じぬ学業の成果を期待している、ドラコ」

「は、はい。スネイプ教授」

「まったく。アズカバンを出てもう教授に元通りか? 話が硬すぎる。宴の場だぞ」

 

 ルシウスは私に対して肩をすくめながら、手元のローストビーフを切り分ける。

 ホグワーツでは大広間で食事が提供されるが、今日のこの宴は少しばかり趣が違う。マルフォイ家の威信をかけて食材を用意した。キッチンと料理人の屋敷しもべ妖精こそホグワーツのものを借り受けているものの、食材の質、料理の傾向、そして給仕の丁寧さ……どれを取ってもまったく異なる様式だ。

 隣りに座っているセプティマが私の肩をつつき、目を輝かせながら食べている軽食を勧めてくる。

 

「セブルスくん! これ美味しいわよ! カリカリしたクラッカーの上に贅沢に塗られたクリームチーズと肉厚なスモークサーモン! 爽やかな食前酒(アペリティフ)とあまりにも相性が良くて……!」

「……そうか。頂こう」

 

 私が頷くと、目の前の皿にセプティマが食べていたものと同じ軽食が出現する。私はあまり食事に興味のある性質ではないが、それでもそそられる程だ。

 

「ベクトル女史も楽しんでいただけてなにより」

「あっ……マルフォイ卿……はい、ご相伴にあずかっておりまーす……」

「レギュラスくん、こちらのワインはどうだね? ボルドーの赤だ。少しばかり若いが実に薫り高い」

「いただきます……うわ、なんて芳醇な! こんなワイン口にしたことがありません。さすがマルフォイ卿」

 

 コースが進む中、上機嫌のルシウスは周囲にいかにも貴族然とした振る舞いで話かけていく。

 レギュラスも何も知らぬままルシウスが用意した酒を勧められ、口にするたびに目を丸くしていた。レギュラスもイギリス魔法界の名門であるブラック家で育てられた人間であり、人並み以上に高い酒の経験はあるだろうが……私がブラック家に招かれた際に供される酒といえば魔法界のものばかりだった。

 もちろん、魔法界の酒も決して悪いものではないが……性質や癖がかなり異なる。その点、ルシウスは純血主義を掲げながらマグルとの販路を隠し持つ類の人間だ。「マグルの酒」などと言って勧めればレギュラスもあまり良い顔はしないだろうが、ルシウスはそれをあえて伏せながら現代のマグル技術で醸造されたワイン(しかも、魔法界にない要素を強調するためあえて若いものを選んで)を次々と口にさせているのだから、驚きも大きいだろう。

 かなり念入りに準備した様子で、どうやらルシウスはマルフォイ家の再興の鍵は若いブラック家の人間との協力にあると睨んでいるらしい。歳上の利を活かし、本気で落としにかかっているようだ。

 もし、在学中であれば後輩に助け舟を出していただろうが……さすがにお互いによい大人だ。私はルシウスの懐柔策を看過することにし、メインの肉料理であるヒレ肉のパイ包み焼きと格闘することにした。

 

 食事は進み、デザートとして運ばれてきたプロフィットロールを口に運び終えたところで……ルシウスが咳払いをし、話をし始めた。

 

「さて……今日はもちろん、我々がアズカバンから無事脱出したことを祝う宴ではあるのだが、君たちを集めたのは他にも理由がある。端的に言うと、今後の話だ」

「と、いいますと?」

「もし、アルバス・ダンブルドアが存命であれば……私は渋々彼に付き合っていた可能性が高いだろう。彼とは相容れない部分があまりにも多かったが、それでも彼の持つ力には一目置いていた……だが、ミネルバ・マクゴナガル。彼女ではダメだ」

 

 そう言うとセプティマが動揺を顕にし、手元のグラスを盛大に倒した。

 私は杖を抜き、清浄呪文(スコージファイ)で周囲を清める。

 

「あ、あわわわわ!」

「落ち着け。セプティマ」

「あ、ありがとうセブルスくん。え、ええと。マルフォイ卿。さ、差し出がましいのは承知なのですが、ミネルバは私の尊敬する同僚であり、えー……」

「これは申し訳ない、ベクトル女史。決して彼女を侮辱しようという意図ではなかった。彼女の魔法使いとしての、あるいは教職としての力量、そして知性を疑っているわけではない。しかし……彼女は決して戦争のリーダーではない」

 

 戦争。

 剣呑な言葉に、酒による幸福感に浸っていたレギュラスの目も鋭くなる。

 

「戦争、ですか」

「その通り。現状を聞く限り、決断を避け、先送りにしてきたようだが……我々は当然、あのトム・リドルと戦わねばならない。イギリスを2つに分けた戦争を引き起こす」

「……」

 

 ルシウスは言葉を強くし、ここにいる人間全員に呼びかける。

 思えば、彼は在学中から実に巧みな弁士であった。

 

「我々こそが正当な政府と主張すれば、奴らの攻撃も激化するだろう。そして死者も多く出るに違いない。そこについて、言葉を飾り、現実を隠すつもりはない。しかしいつかは、誰かがやらねばならないのだ。その旗頭としてふさわしいのは、ミネルバ・マクゴナガルではなく……私、ルシウス・マルフォイだろう。君らにお願いしたいのは、私への支持だ。敵は強大だ。我々の中で主導権争いをしている暇はない」

 

 夫人とドラコは大きく頷き、レギュラスも考え込んでいる。

 セプティマは苦い顔をしている。どう判断すべきか決めあぐねているのだろう。

 そして自然と……視線が私に集まった。どうやら、場のキャスティング・ボートを握っているのは私らしい。

 

「ルシウス。あなたの話には一理あります。確かに戦争となれば、ミネルバよりも貴方のほうが優れているのかも知れません。やはりマルフォイ家という旗頭は大きい」

「セブルス。君ならそう言ってくれると思ったぞ」

「ですが……申し訳ない。信頼する同僚として、私はまず……ミネルバの決断を聞くべきと考えています」

 

 確かに、戦争となれば、ルシウスの判断が優れている可能性は高い。国際的に広い人脈や、財産の使い方、そして純血名家という出自は大きく優位をもたらすだろう。

 しかし……戦争とはまったく異なる形でトム・リドルと戦う、そんなことがもし可能だとすれば。

 それを可能にするとすれば。それはアルバス・ダンブルドアですらなく、ミネルバ・マクゴナガルが最も適任だろう。

 

 

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