ヴォルデモートなんていない   作:taku1531

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121.Firestarter

 

 トム・リドル様を支える権力構造は複雑だが、トップとその幹部は明確だ。

 死喰い人(デスイーター)と呼ばれ、特別な儀式によってリドル様と契約したといわれる彼らの命令は絶対である。

 

 その一人がベラトリックス様。ロンドンから逃げようとする集団を追い詰めるべく、先陣を切って杖を構えている。

 その魔法の力はすさまじく、我々が手こずっていた地下への進入を遮る防御陣地を、杖で一振りして吹き飛ばしてしまった。

 だが、陣地の中はもぬけの殻……それどころか、追撃がしにくいよう煙幕まで焚かれている。

 

「はっはー! 穴が開いたねえ、どうだい。あんたが先陣切るかい?」

 

 甲高い声で歓声をあげたベラトリックス様は満面の笑みで私を死地に送ろうとするので、慌ててなんとか言葉をひねりだして断る。

 

「べ、ベラトリックス様。中で待ち伏せされている可能性を考えると、先に亡者を突っ込ませたほうが合理的で」

「ふん。腰抜けかい? まあ待ちな、亡者よりもっといいアイデアがあってね……おい、ベブリセ」

 

 そういってベラトリックス様は後方にいた、フードをかぶった顔の見えない男に呼びかける。

 呼びかけられた男はどこに隠していたやら、人間を一人出現させてベラトリックス様に差し出した。

 

「こいつか?」

「おい。気絶させるなっていっただろうが、意識のあるまま自らの身に何が起こるか想像させるのがいいんだよ」

「知るか。お前の趣味のために意識のある人間を運搬する手間を負う気はない」

「口答えしくさって……エネルベート!」

 

 蘇生呪文によってフードの男が連れてきた男が目を覚ますが、私達としてはそれどころではない。ベラトリックス様にあんな口が利けるなんて、いったい何者なんだ、あのフードの男は?

 私は近くにいた事情通の男に小声で尋ねる。

 

「あのフードの方はなんなんだ? ベラトリックス様とずいぶんフランクに話されているようだが……」

「俺にもわからん。使っている名前もどう考えても偽名だ……だが、どうやら同格の死喰い人(デスイーター)なのは間違いないらしい」

「あんたら、無用な詮索はやめな。世の中なんて知る必要のないことばっかりさ。違うかい?」

 

 ベラトリックス様は私達の噂話を聞きつけて叱責した……だが、言葉の刺々しさほど怒ってはいなさそうだ。彼女の話ではなかったからだろうか?

 いや、これからやる悪巧みが私達よりも遥かに優先度が高いからというだけな気がする。

 ベラトリックス様は蘇生呪文で起こされた男を睨みつけているのか、それとも笑っているのか。判別が難しい表情で見つめていた。

 

「な、なにが起きた、ここはいったい……ベ、ベラトリックス・レストレンジ!」

「ああ! 私の顔と名前をよくご存知みたいだね。あんたの名前は残念ながら知らないが、知るべき情報は全部持ってる。あんたは不遜にもリドル様に従わなかった、そうだね?」

「し、仕方なかったんだ! 家財を半分差し出し、婚姻と移動の自由を制限して忠誠を誓うトム・リドルとの魔法契約なんて、いくらなんでも吹っかけすぎで……ああああああ!」

「目玉が二つあってよかった。一つあれば前が見えて歩けるからね」

 

 ベラトリックス様の前でリドル様に逆らう発言をするというあまりにも愚かなことをした男の右眼球は、一瞬で煙を出して溶けた。おそらく元に戻ることは二度とはないだろう。

 

「お許しを……どうかお許しを……」

「ああ、大丈夫だ。これからあんたにやらせたいことがある……私の実家(ブラック家)は魔法具の大家でね。こういうのも詳しいんだ」

 

 ベラトリックス様が杖を振ると、彼女の手元で箱にしまわれていたアクセサリー――どうやらネックレスのようだ――が宙に浮き、その男の首元に収まった。

 男は、今や空洞となった右の眼窩から血やらなにやら混ざった液体を垂れ流しながらも……突然、立ち上がって歩き始めた。

 

「さあ行きな」

「ああ、嫌だ……嫌だ、と、止まってくれ! 私の足が! 勝手に!」

 

 男は喚きながらもしっかりとした足取りで、先ほどまで防御陣地が築かれていた地下への入り口に早足で進んでいく。

 彼はそのまま止まらず中に進んで、吹き飛ばした防御陣地の後ろに築かれていた第二の壁を前にして……

 

 爆発した。

 行く手を遮る壁を吹き飛ばすと同時に、先ほどまであの男のものだった血や肉、骨が飛び散る。

 

「はっ。急ごしらえの壁を吹き飛ばしただけかい? もっと派手に行くもんだと思ったが……まあいい、これでよく声が通るだろう」

 

 そう言ってベラトリックス様は未だ戸惑った様子の私達を尻目に、地下の入口に近づいていき、中の穴に向かって拡声呪文(ソノーラス)をかけて呼びかけを始めた。

 

「ああ、この下にいっぱいいるのはわかってる……リドル様に逆らおうとした図々しい連中がね! 試したい呪文がまだまだあるんだ、悲鳴の大きさを競わせてあげよう……この、ベラトリックス様が直々にね!」

 

 ベラトリックス様がそう言って高笑いをすると、ここにいても容易に聞こえるほど地下にいる連中の声が騒がしくなった。パニックを起こさせることで奴らが逃げることを遅らせようとしたのだろうか。

 彼女はどこまで考えているのだろうか? 狂気を装っているのか、それとも合理性すら内包した狂気なのか……

 

「さあて、行くとするか!」

「待て」

「ああん? なんだい」

「下にいる男の背後から攻撃を仕掛けたが……対応された。奇襲への対応法を熟知している闇祓いの連中は、奇襲そのものも熟知しているだろう」

「私が虚を突かれてやられるとでも?」

「その可能性があると言っている。幸いにして今回は亡者が使える。無用なリスクを犯す必要はない」

「……ちっ。おいお前、亡者を突っ込ませな。死角を亡者で潰しながらね」

 

 驚いたことに、ベラトリックス様はフードの男の助言を受け入れた。彼は闇祓いと戦った経験があるのか? 本当に何者だろうか……

 私はその命令に従い、亡者を操る。

 

「それにしても素直に聞くとはな」

「ふん。悔しいが、私より先にあんたがリドル様に尽くしたのは否定出来ないからね。そこはきちんと敬意を払ってる……とはいえ、あんまりナメた口を利くなら別だけどねえ?」

「肝に銘じておこう」

 

 そういってフードの男は踵を返した。

 

「おい、どこにいくんだい?」

「ここに居ても仕方ない。なにせ連中の逃げる手段は列車だ、足では追いつけず、箒ではいい的だ。取り逃がしたときのことも考えて次善の手を打つ。ちょうど省が抱えたままの物がある。念のため準備しておくべきだと思ってな」

「へえ……なにか知らないが、そっちのほうが面白そうだ。相乗りさせてもらうかもねえ?」

「使う羽目になればな」

 

 

 ――――

 

 

 

「ぎゃああああ!」

「た、助けてくれ!」

「みんな、慌てないで! 亡者どもが多少寄ってきたって……ああもう、聞きやしない!」

 

 トム・リドルが厚遇する幹部の中でもとびきり評判の悪い、ベラトリックスの呼びかけによって地下鉄のホームはパニックになってしまった。

 くそ、忠誠の術で車両を分けたのは裏目になったか? 認識できない車両に急いで乗ってもらうことはできない。

 

「落ち着けよトンクス。亡者は俺とキングズリーでなんとかする、リリーと一緒にとにかくできるだけ早く列車に詰め込んでくれ」

「力不足かもしれないが……亡者との戦いは私も手伝おう。どうせロンドンに残るつもりなのだから」

 

 なんとか二人で戦おうと決意したところで、意外な人間が横に並び立った。

 

「ディゴリーさん、悪いことは言わないから退いたほうが」

「そういうわけにはいかない。なにせ妻も息子も残っているんだ。私だけ逃げるわけにはいかん。最後まで残ろう。部下もいるしな」

「俺もまあ、彼女になにも言わずにスコットランドとか行ったらビンタされるっスね」

「つっても、さすがに正面突破は厳しいだろ」

「ジェームズ、正面以外にも道はあるぞ? 線路だ」

「……そういや、そうだったな」

 

 キングズリーの兄貴の当然の指摘に、俺はポリポリと頬を掻く。

 使ったことねえもん、地下鉄なんて!

 

「まっすぐいけばホルボーン駅に出る。そこから地上にでたら……素知らぬ顔で省に戻るか、それともご家族を集めてすぐに逃げるか。どちらも賭けになる、どちらが正しいとも私からは言えない。正直言って、このままホグワーツ特急に乗るのも……決して謗られる選択肢ではないと思いますよ、ディゴリーさん。おそらく、今日ここに集まった人たちの多くも、家族や友人を置いてきた」

「わかってる。だがもう決めている」

「いいね。俺の好きな感じの肝の座り方だ。俺も残って送るとしよう」

 

 どうやら、兄貴はこっちに残るらしい。まあ、今も魔法省の中で激務をこなしてるらしいルーファス・スクリムジョールの叔父貴とキングズリーの兄貴は正反対の根明人間に見えて、実際のところは似た者の仕事中毒者だ。もともと全部投げ出すつもりなんかなく、ロンドンでやり残した仕事を裏で続けるつもりではあるのだろう。

 俺は肩をすくめつつも、その決断を尊重した。

 

「さあ来たぞ!」

 

 キングズリーの掛け声とともに、現れた亡者を瞬時に着火呪文や粉砕呪文で捌いていく。

 もっとも、数体を倒したところでこちらに送り込まれることはなくなったが。

 

「ありゃ偵察だな。そのうち本命が来るぞ」

「それは私のことかい? クルーシオ!」

「アクシオ!」

 

 咄嗟にキングズリーが亡者の体を引き寄せて遮り、磔の呪いを防ぐ。おいおい、一発目からコレかよ。一応省の捜査とかそういう名目じゃねえのか?

 

「あはぁ……あんた、なかなかやるじゃないか」

「やあ、ミセス・レストレンジ。ここは高貴な淑女であるあなたに相応しい場所とは思えないが」

「なにを言うんだい、ここはパーティ会場だろう? 歓迎しな! クルーシオ!」

 

 難易度が高いはずの許されざる呪文を、ベラトリックスは連打する。

 

「あいつはなかなか厄介な囮だな。こうやって私達を引き付けて市民を狙うつもりだ。ジェームズ、向こうは頼む。ディゴリーさんはできるだけ顔を上げないようにしてください。見られたらまずいでしょうから……それ!」

 

 こちらの動きを遮るために、再びキングズリーは煙幕を炊く。

 俺はその煙をありがたく活用しながら移動し、列車に近づいて機関室にいるクィリナスに声をかけた。

 

「クィリナス、準備が整い次第すぐに出せそうか?」

「じ……準備は整っています。しかし、一気に加速できる類の乗り物ではありませんからな。これは」

「リリー! 残りどれぐらいだ!」

「あと一組!」

「わかった、もう徐々に動かしちまうけど問題ないな!?」

「ええ!」

「……つーわけだ。もう機関部を稼働させてくれ」

「り……了解しました、火を入れます!」

 

 リリーにたずねて状況を把握したので、クィリナスにそれを伝えるとホグワーツ特急がゆっくりと動き始めた。

 

「行かせないよ!」

「おっとレストレンジ夫人、あなたのお相手は私の……」

「うるさいねえ、あんたでも力不足さ!」

「ぐっ……」

 

 おいおい、マジかよ。無言の呪文ともいえない魔力の塊を鞭のようにベラトリックスは扱いキングズリーの兄貴を打ちのめした。

 (プロテゴ)越しだったからクリーンヒットではないだろうが、それでも怯んでしまっている。

 ベラトリックス、そして亡者が俺たちの発車を阻むためにこちらに走り込んできた! くそ、ベラトリックスだけでも手強いのに亡者までいるのは面倒だぞ。

 そう思った矢先に……横からの呪文で亡者が弾けとんだ。

 ディゴリーさんの援護だ。

 

「さすがッス!」

「ナイスショットだぜ! おら、決闘と行こうじゃないか。杖を構えな、おばさん」

「あんたも似た歳だろうが! 殺してやるよ、アバダ……」

 

 いいね。魔法の力は確かにすげえみたいだが、すぐに血が昇るのは俺としてはやりやすい。

 こっちに向いて杖を構えた瞬間に……ベラトリックスは大きく態勢を崩した。あいつらは意識してないだろうし、俺もここが単なる地下ではなく"駅"だと認識したのはさっきキングズリーの兄貴に言われてからではあるが……単なる地下の穴ぐらと違う点がある。

 足元にあるのは確固たる地面ではなく、人間が乗せて作ったプラットホームだ。そしてどうやらホームの端っこは……下に空間があるようだ。

 俺は変身術で足元の素材を変化させて崩し、ベラトリックスを下に落として埋めてやった。

 

「バーカバーカ! だーれが決闘なんかマジメにやるかよ!」

「こんの……クソ野郎が!」

「おおっと、一瞬で腕と杖まで掘り起こして出てくるか? 遊んでられねえな」

 

 このまま埋まったままでいてくれたなら完全に無力化することも考えたが、どうやらそんな余裕はないらしい。

 今の最優先目標である時間稼ぎを優先し、周辺の物をつかってベラトリックスを埋めて射線と視界を遮り続ける。

 

「全員乗ったわ、ジェームズ!」

「は、早く乗ってください、ジェームズ!」

「乗ったぜ!」

 

 どうやら列車の発車準備は整ったらしい。すでにゆっくりと動いている車両の機関車両に飛び乗り、後ろのリリーに返事して横のクィリナスに頷く。

 

「おう、ジェームズ。気をつけろよ。トンクスもちゃんと面倒みろよな、帰り道も……」

油断大敵! だろ? わかってらあって」

「ジェームズ、わ……別れの挨拶はわかりますが、な……なにかに捕まってください」

「んん? いつものホグワーツ特急のスピードだろ? そりゃそれなりには速いが、俺だって元チェイサーだ、バランス感覚は……」

着火剤(ファイアスターター)!」

 

 クィリナスは俺の返事も聞かずに(本来のマグルの機関車であれば)石炭を入れるところに、着火剤と呼ばれる魔法具? たぶん元はマグルの道具なんだろうな。クィリナスがそれを改造したものだろう……それを入れると、一気に車体の震えが増し、大きな音を立て始めた。

 突然の急加速に一気に体が持っていかれる。

 

「う、後ろの車両に関しては保護をかけていますし、私に関しては入手した耐Gスーツを着込んでいますが……ほ、本来、ここには私以外が乗る予定はなかったのです」

「え、えーと。どういうことだ」

「が、頑張って耐えてください。ジェームズ。舌だけは噛まないように」

 

 クィリナスが二個目の着火剤(ファイアスターター)を機関部に放り込むと、ホグワーツ特急は一気に加速し……俺は気を失った。

 

 

「うええ……ひどい目にあった」

「ちょっと、大丈夫? まあ魔法族だからなんとかなると思うけど」

「魔法族をなんだと思ってんだよ、リリーは」

「首の骨が折れても死なない限りは『軽傷』と称する連中」

「おっしゃる通りで……」

 

 急加速によって気を失った俺は後ろの車両に放り込まれ、ようやく目を覚ました。

 幸いにして大きなトラブルも発生せず、スコットランドに近づいているらしい。

 俺はリリーに介抱されながらゆっくりと体を起こした。万全ってわけじゃあないがまあまあってとこか。この後は止められたってハリーを助けにアイルランドまで行く予定だからな、弱ってなんかいられねえ。

 

「客車のほうは?」

「今はトンクスさんが見て回ってるわ。さすがに一人で行動するのは危ないからリータさんに一緒にいてもらってるけど……あれは、いないほうがマシかもね」

「まあ、パトロールを素直にやるなんてタマじゃあねえよな。骨の髄まで三文記者だ」

「あとは追っ手の問題だな……」

 

 派手に大立ち回りしてロンドンを発った俺たちだ。おそらくあの場に集った何人もの人間のメンツを潰したことだろう。少なくともスコットランドとイングランドの境を超えるまでは襲撃に常に備えているべきだ。

 

「っていっても、後ろの車両は忠誠の術で守ってるからね。認識阻害がかかってる以上、ホグワーツにこれが向かってるのはわかってても避難民を乗せてるとは認識できないんじゃないかしら」

「目の前で避難民を乗せて発車したのを見てたろ?」

「それを見てても、なお否定が勝るのよ」

「なるほど……? まあ、頼りになる保護なのはわかったが、それでも過信は禁物だな」

「そうね。まあ、あんたはここで休んでなさい。私とトンクスさんで客車は見てるわ。なにかあったら機関室にクィレルさんがいるから」

「俺が機関室にいったらまた同じ目に合うんじゃねえのか?」

「手前にがっちり閉めてる扉があるわ。それをノックでもすりゃいいでしょ」

「確かに。あ、透明マント持ってけよ。なにかが起きると思ってるわけじゃねえけど、一応な」

 

 そう言って、リリーに一時の別れを告げる。

 現状の車両構成は、先頭がクィリナスのいる機関車。その後ろにはクィリナスが列車の運送や客車の保護のための魔道具を積み込んだ貨物室だ。

 そのすぐ後ろの予備車両に俺が寝かされている。

 

【挿絵表示】

 

「ふらふらするわけにもいかねえしなあ。まあ一旦は体を休めて……」

 

 やかましい機関室の騒音から逃れて少しでもマシなところを探っていたところ……機関部が立てる騒音に紛れた風切り音に気付いた。

 その風切り音は……少しずつ近づいてくる。

 高速でスコットランドに向けて走っているホグワーツ特急に近づくものなんてそうないはずなのに。

 俺は窓に近づいて、その音の発生源を見つけ……驚愕した。

 

「ああ、クソ。そういやあのバスは省に任せてたんだったな……クィリナス! その他聞こえてる奴全員、衝撃に備えろ! 夜の騎士(ナイト)バスが横っ腹に突っ込んでくるぞ!」

 

 俺の叫びがどこまで通じたかわからないが……その直後に列車全体に振動が走る。

 轟音がしたのは1つ前の車両……貨物室のようだ。

 

「ああ、少し当たりがミスったかね? 本来ならリドル様の指示通り、なにもない後ろの空間に突っ込むはずだったんだけれど」

「ふん。もしお前の狙い通りだったら、今頃俺たちは全員事故死していたとしか思えんがな」

「なあにを言ってるんだい、リドル様の指示だよ? 事故死しろって言われたら喜んでそうするんだ。だいたい、いまさら死が怖いわけもないだろうに」

「……」

 

 駆けつけたリリーとトンクス、そして俺の前に……突き刺さった夜の騎士(ナイト)バスからホグワーツ特急に乗り込んできたベラトリックス・レストレンジとフードの男が姿を表した。

 認識阻害でさえ止められない、狂気の二人組だ。

 

 

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